多摩川の自然のニュース:2020年10月〜12月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

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12月18日 万願寺地先〜浅川合流点
 無責任政府に翻弄されず自主判断外出を控え、自宅近所の自然公園を散歩するのみの日々、浅川合流点付近の樹木を伐採する計画があり、その予定地内に東京都、神奈川県等の絶滅危惧植物があるので、その一帯の自然環境を守ってもらうべく京浜河川事務所および施工業者と現地確認をし、保護策について合意した。
 多摩川堤防法面近くにある池付近はいつもながら超望遠レンズを構えた人たちの群れ。その少し離れた草の茂る沼から数十羽のカモの声。コガモやヒドリガモ。樹林からはツグミやヒヨドリの声。
 運動場では全員マスクした女子学生がラクロスの練習。マスクをしたままのほうが練習には肺を鍛えることになり良いかも知れない。


政府推奨のGO TO Virusに乗らずに、毎日外出自粛をしているため、とくにニュースはありません。
自宅付近の散歩で撮った写真を少々。


11月26日 睦橋から拝島橋までの多摩川左岸
 睦橋下流左岸の福生南公園が復旧。河川敷に造ったこの公園が増水で潰滅したのは3回目。懲りずに復旧。その際に出た土砂を前の礫河原に大量に撒きそこに芝生の種子を撒いたらしくこの一帯のみ不自然な緑色。芝を植えてもすぐ下には礫なので次の増水でこの土砂はすべて流失して昭和用水堰に溜まったり下流に被害をもたらすことは必至と思われる。前代未聞の非治水対策だと思う。
 排水溝より下流昭和用水堰まで大きな礫河原があったが増水で流路が変わり右岸へ。右岸の礫河原がさらに大きくなったのでぜひ調査したいが、18日は藪と大量の流木の山で遮られた。霜が降りたりして草がさらに枯れたら再度挑戦したい。
 堰手前にわずかに残った礫河原を歩く。その後堤防に上がり、昭和用水堰、「信玄堤」等を経て水菅橋へ。そこからふたたび低水敷に出て拝島橋まで水辺を辿る。途中数箇所淵になっているが林の中に立派な踏み跡があり無事に通しで歩けた。
 河原植物は見つからなかったが、最近ずっと歩いていなかったルートを辿れて良かった。


11月23日 関戸橋から大丸用水堰までの多摩川左岸
 連休中のウイルス感染防止のため電車ががら空きの各駅停車で中河原まで行き、今年まだ歩いていないことに気づいた関戸橋から下流左岸の低水敷を大丸用水堰まで往復する。幅300m距離約1.5qの間に自分以外誰もいない。
 昨秋の大増水で地形も変わりほぼ中州のようなところを堰近くまで歩ける。残念ながら所々に点在する園芸植物の花以外は特段記録に値する植物は見つからなかった。途中でクコのとてつもない大群落――クコの大群落はめずらしくないが辺り一帯赤く染まるほど実がなっている――があったのが唯一の特記事項。これほど大量に実がなっているクコは過去数十年初めて見た。中華料理風に使うとしても数粒で十分。それさえ要らない。府中市の河川敷運動場は増水で荒れたまま放置されており何より。尤も、自然保護のためではなく橋の架け替え工事のためである可能性が高いが。
 架け替え工事中の関戸橋を渡って右岸へ。東京都が育てているカワラノギクは種子をたくさんつけている。種子の一部は神代植物園に預けて種の保存に努め、工事後に自然に返す予定と聞いている。
 帰りもがら空きの電車で無事に帰宅。
 アオサギ、ダイサギ、コサギの群れが特に目に付いた。


11月18日 五日市線鉄橋から秋川合流点までの多摩川右岸
 暖かいというよりやや暑い。睦橋下流左岸の礫河原に福生市の河川敷公園に溜まった土が盛ってあったが、それが周囲に敷き詰められ植物の種子でも撒いたのかその辺り一帯が妙な緑色に染まっている。いつか現地を見に行こう。
 右岸に渡り、上流へ。ヌルデの紅葉がきれいだ。五日市線鉄橋下の踏み跡を辿って河原に出られるのだが昨秋の増水で荒れた後に藪が猛烈に茂り、6月に来た時は二度とここは通りたくないという藪漕ぎを強いられたが、秋も深まったのでもう大丈夫かと思ったら依然どう進めば良いかと時々途方に暮れるほど藪は相変わらず凄まじい。戻るのも面倒なので必死に藪をかき分けなんとか礫河原へ。
 ここは広大な礫河原でかつてあったカワラノギクやカワラニガナの生き残りはないかと探したが結局見つからなかった。6月は下流のオギ原を突破したがこれも足をどう入れるかと迷うほど密生しており上流へ戻る。途中で踏み跡らしきものを目にしていたのでそこに立ち入ってみるとなんと短距離であっけなく野球場下に出られた。今後はこのルートをとろう。
 ついでに秋川合流点も調査したいと向かったが、林から礫河原に出られる踏み跡が2本あり、下流側の路を入ったら真っ暗の竹藪に入り、増水でゴミが溜まり行き先不明なので引き返し、上流側の路を行く、かなり長距離うねうね歩いたあと流木とゴミの山に着いて先と同様行き止まり。秋川合流点に行くには秋川を徒渉するしかなさそうだ。
 河原植物は見つからなかった。
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11月15日 友田(多摩川右岸)
 定例自然観察会。青梅線武蔵五日市・奥多摩行きホリデー快速はいずれも朝の通勤列車並の満員。幸いこれが停まらない小作駅で降りるので乗らずに済んだ。
 暖かい快晴の日、久しぶりに参加した会員・元リーダーを含めていつものメンバー。ところが、圏央道橋下から河原に出る際藪の生える近道を通ったため、後続が迷子になり、先行族は後続を待ちつづけ、諦めて河原に出たら、なんと後続組が先に来ていた。下流と違って上流域は見通しが利かないのでこういうことがありうる。
 左岸の総合運動場では消防訓練をしている。
 右岸の広い礫河原で過日見つけたカワラニガナを確認(18個体)、さらに新たに約100m下流で1個体発見。開花している野菊はノコンギク。ジョウビタキが鳴いている。
 小作堰下流左岸の工事はまだ始まっていない。


11月12日 相模川高田橋下流
 相模原駅から途中まで満員バスで水郷田名へ。高田橋の架かる相模川河川敷は車輌乗り入れ自由、BBQ自由のようであちこちに車が停まり、BBQ跡もあちこちにある。係員がゴミ拾いをしている。他方で焚き火をしている人もいる。この広大な河川敷も昨秋の増水で冠水したようだ。
 カワラノギクがないかとあちこち探し、左岸の最下流端付近のツルヨシ群落内で1個体見つけた。よくまあ生き残っていたものだと感激。
 橋を渡り右岸へ。河川敷に広がる野球場は誰もいないので自由に通れるが、その先の松林の下はパークゴルフを楽しむ人たちが縦横に線を引いてゲームをしておりおちおち歩けない。
 林を抜けた所で一段下がった所を見るとカワラノギクの群落が点々と約200m範囲で続く。ここも倉本氏に教えられて来たのだが、これほど大規模とは予想しなかった。しかもその半分以上が草地にあり、多摩川で例えたら永田地区A工区でいまや立入も躊躇うほどの草地を刈って育てているという感じで、その努力に感激、脱帽。草刈り機で除草をしていた方にお話をうかがう。この辺も昨年の増水でだいぶ流されたらしい。この保護区域から種子がこぼれて広がったと思われる個体が低水敷の礫河原で点々と見られたが、おそらく増水がなければもっとたくさん周囲に広がっていたと思われるし、今後も広がって行くと思われる。


11月11日 府中四谷橋から京王線鉄橋までの多摩川左岸
 河川工事情報として京浜河川事務所から京王線鉄橋上流左岸寄りの河道修正工事の通知が来たが、近年新しくできたこの中州的礫河原にこの夏カワラケツメイが2個体生えているのを確認しているため、カワラケツメイ自体は全国的には珍しくなかもしれないが多摩川では分布域が限られ、昨秋の大増水でかなり流出したこともあり、可能ならば守れないかと相談し、急遽現地確認することになった。少し早めに行って程久保川から府中四谷橋を渡り、礫河原を歩く。すでにかなり立派な工事用搬入路が出来ており、河道修正する部分の草が刈られていた。
 2個体あるカワラケツメイのうち1個体は掘削範囲にあるため、ダメもとで近くに移植することにした。もう1個体はよほど無頓着でなければ工事区域にかからないが、念のため保護柵を設けることにした。工事用に重機で踏み固めてある礫河原でゴルフ練習をする人がいた。
 堤防近くの池にコガモが10数羽来ていた。程久保川の防護フェンスはアレチウリの栽培地かと思われるほど日光をたっぷり浴びて元気に育っている。以前の樹木のほうが良かったのに。
 高水敷に、どこかで集めた落ち葉を詰めた袋が山積。多摩川はゴミ捨て場ではない。


11月10日 相模川自然の村
 横浜線橋本駅からミニバスで相模原自然の村へ。宿泊施設や古民家園、キャンプ場等が河岸断崖の下に広がり、橋を渡って大きな中州(直径1qほどの耕作地)もある。
 明治大学農学部倉本教授の助言を受けカワラノギクを探しに行く。相模川も昨年秋の大増水でだいぶ様相が変わったようだが、上大島キャンプ場地先の礫河原にシナダレスズメガヤに一帯が覆われている中でカワラノギクが23個体花を咲かせていた。周囲の礫河原は増水で変貌したようだがここだけわずかに残ったという感じで次回大水が来たら流出しそうだ。先日の神沢よりさらに城山ダムに近いことを思うと、よくも流されずに残ったと感心するが、今春誰かが新たに播種したのかもしれない。
 ウサギの糞があちこちにある。
 少し上流に大きな中州があり、橋を渡って入る。超望遠レンズを構えた野鳥写真家が十人ほど。白い鷹が飛んでいたが肉眼ではよくわからない。飛行機ではない。中州を下流方向に進むと水辺に大きなカワラノギクの株があり花をたくさんつけていた。周囲にさらに4個体。車道は途中で途切れてその先は水没している。その周囲に野菊が28個体ほどあり花を咲かせていたが、良く見ると花がやや小さく葉の付き方もカワラノギクと異なる。ユウガギクだと思う。
 秋の好天の下、静かな中州の路をぐるっと一周して帰る。途中もう1ヶ所礫河原があったが大きなイノシシの足跡以外は特段記録すべきものは見つからなかった。

最後から7枚目の水辺の野菊はユウガギク。その前と後はカワラノギク。小さな写真ではわかりづらいかも。

11月8日 万願寺地先から浅川合流点
 コロナウイルス感染者が増加傾向にあるとの新聞記事を裏付けるように、高尾山口行きの京王線はほぼ満席のうえ、直行の臨時列車も運行している。万願寺駅地先の多摩川高水敷も女子サッカーの試合や社会人野球で堤防上の見学席も含めて大勢の人出。
 ラジコン飛行場のある高水敷へ。まだ誰も来ていない。カワラサイコが滑走路付近にたくさん生えており、周囲の藪と比べると河原植物生育には飛行場管理も貢献していると思える。
 カワラナデシコは激減しているが、1輪ピンクの花を咲かせていた。
 そこから下流へはしばし藪。低水敷の礫河原でかつてあったカワラケツメイを探すが見つからず。さらに下流から高水敷に戻りカワラヨモギ大群落を確認してから堤防に上り、浅川へ。
 さらにかつてカワラナデシコやカワラハハコなどがたくさん生えていた「秘密の花園」、通称「三角地点」に10数年ぶりに向かった。というのはしっかりとした踏み跡がまだ残っていたからだが、それは予想のHL住宅用ではなく上智大学の地球環境研究のFD用らしい。さらに先へ進むと合流点の礫河原に出た。昨年の増水で環境は一変した模様。この小径に20年以上前にアワコガネギクがあったが、なんといまも大きな株が2本あり花をたくさんつけていた。
 多摩川堤防法面はツリガネニンジンが盛り。ヌルデの紅葉、エノキの黄葉等が目立つようになった。


11月6日 相模川神川橋下流左岸と相模川三川公園
 明治大学農学部倉本氏からの情報とネット情報を頼りにカワラノギクを見に、相模線「寒川」駅から徒歩約25分の相模川神川橋下流左岸へ。工事車両の中将とラジコン飛行場の脇にカワラノギクの花壇があり、そこで咲く大輪の山に仰天。そこから20m下にも同様の花壇あり。いずれも花が盛り上がるように咲いている。ロゼットが見当たらないのが気になる。水辺に1個体、少し手前に3個体あったがこれは昨年の増水で流されなかった生き残りの株かもしれない。いまは花壇のようだが、昨秋の大増水による流失を考えれば、ここで種子をたくさんつけて徐々に周囲に広がって行くことを期待するには、いまはこの方法が最適だと思う。
 次に、相模線「海老名」駅から徒歩約15分の「県立相模川三川公園」へ。広大な高水敷に芝生広場やパークゴルフ場、スポーツ施設等が広がり、カワラノギクの圃場は公園の下流側(川に向かって左)の林の奥にある。旧圃場にはカワラノギクの開花個体2、ロゼット少し。その右に、妙に葉の太い大きなカワラナデシコの株がずらりと並んでいる。林をさらに奧へ進むと「展望台」という小さな空き地があり、その脇に同じく小さな新圃場がある。開花個体はなく、これも妙に葉の太いカワラノギクのロゼットが約20個体あるのみで、寒川の豪華絢爛と比べると気の毒なほど。
 神沢とこの2ヶ所と一昨年訪ねた湘南小学校の花壇とをあえて比べると、周囲へ自然に広がっている神沢の河原がまさしく自然的で私の好みには合っている。多摩川では羽村宮ノ下の個体(地元市民が播種して成長し自然分布したもの)が生き残りさらに広がると良いなと思う。

最後は田の畦に咲くユウガギク。

11月4日 相模川神沢
 市民と河川管理者がカワラノギクの圃場を作り守り育てているが、昨秋の大増水で周囲に広がっていた個体群はほぼ壊滅。それより貴重なのはカワラハハコの大群落だったが、それは礫河原毎ほぼ流出した。
 1年ぶりに再訪。圃場(花壇)のカワラノギクは昨年以上に衰退傾向にあるが、私見ではこれは増水のためではなくここ年々衰退傾向にあった続き。ここから周囲に自然分布したのか市民が種子を撒いたのかわからないが、増水で流出した所の草地に点々とカワラノギクが咲いている。圃場の少し下流に約30、そこから少し下流に約20、さらに約200m下流に1個体。これは生き残りと思われる。
 カワラハハコはたった2個体しか見つからなかった。
 それにしても直径20〜30p大の石が林の中にまで流れ込んでおり、増水時の水勢の強さに驚かされる。ここからそう遠くない所に城山ダムがあり、大雨が降ると一挙に放水するためではないかと思う。
 河岸断崖の斜面を利用してのモトクロスの音が静かな河原に轟く。ヤクシソウ満開。懐かしい。


10月31日 永田地区(多摩川右岸)
 多摩川カワラノギク・プロジェクト公開作業日。6月に播種した地区で発芽個体数調査と除草。正確な数は忘れたが約700強で前回9月の作業時とほぼ同じ。なお、礫河原の少し上流にあるA地区1ヶ所に6個体。いずれも播種したのが6月だったので約10p前後の丈で、例年この時期は開花数調査だが、今回は実生数調査となった。
 昨年増水後18個体の生き残りが確認できたA工区はいまは猛烈な藪で発芽等は確認できなかった。
 左岸の或る場所のカワラノギクは昨冬種子が周囲にこぼれ、堤防法面で22個体の開花が確認できた。これが下流に自然分布することが期待される。


10月29日 羽村宮ノ下から永田橋までの多摩川左岸
 多摩川の自生カワラノギクは昨秋の大増水で流出し全滅したが、播種して成長しその後自然分布している個体群は2ヶ所、数個体だけ生き残った。宮ノ下は昨年末に確認できた生き残り3個体は元気に開花し、そのうち2個体は花をたくさんつけている。別のある程度まとまった個体群では開花個体が49、ミックス4、ロゼット4を確認。ここの開花個体はやや小さめだ。絶滅危惧濃厚のカワラニガナもかろうじて9個体生きのびている。
 カワラノギクは開花すると見つけやすいので、周囲にまだ生き残り、見落としがないかと探したら、カワラノギク開花個体3つそれぞれ別の場所で確認できた。
 もう1ヶ所、播種ではなく種子が飛んで来て自然に増えたと推測できる所があり、開花個体95、ロゼット69あった。さらにその付近にも開花個体が5個体あった。

最後のノギクはカワラノギクではなくホソバコンギク。

10月27日 長淵(多摩川右岸)
 青梅市河辺町三丁目付近の多摩川河岸断崖脇に建っている住宅のその崖を止めるブロックの一部流出に対する復旧工事が近く始まるのに際して、その工事資材搬入路を右岸の高水敷に設置するが、当初計画地にいまや多摩川で絶滅危惧筆頭種となったカワラニガナ群落があるため、計画を一部変更して戴いた。それでもなにしろ貴重種ゆえにうっかり踏み荒らさないようにと願って現地確認を河川管理者ならびに施工業者と行った。下流側の小さな群落は個体群を見つけられなかった(帰り際にようやく2個体確認)が、上流の比較的大きな群落を見て現物を認識して戴いた。工事車輌等で高水敷が踏み潰されるが、昨秋の大増水で砂が溜まり植物が繁茂してきてるので、その繁茂がしばらく抑えられ河原植物等には好都合と期待できる。


10月25日 京王線鉄橋から大栗川合流点までの多摩川右岸
 久しぶりの全天快晴の日曜日、京王線は朝の上りも昼前の下りも満席。下り電車では北野駅で高尾山口行きへ大勢乗り換えたので、高尾山のハイカーか。
 さて、聖蹟桜ヶ丘駅から歩いて多摩川堤防に上がるとすぐ下にカワラノギクの花壇が見える。八分咲きでそこだけ白花が集まって咲いているので誰にでもすぐわかる。これは東京都が関戸橋改築に伴い管理している花壇で約60個体。花壇になっているので抜く人はいないと思うが、その横にあるカワラサイコ群落(20個体)が無造作に踏まれないかが心配。関戸橋近くの堤防上にも小さなカワラサイコの株が3+5ある。
 橋の下流の高水敷を久しぶりに歩いた。この冬河川工事が予定されている。1980年まではこの高水敷にもカワラノギクが一面に咲いていたが、多摩市が公園化したのとその翌年の増水とで全滅した。
 高水敷と堤防法面はいまセイタカアワダチソウの黄色が目立つ。ノコンギクが3個体開花していた。
 京王線鉄橋上流堤防のすぐ脇に33階建て高層ビルが建築中。これが出来たら周辺の雰囲気がずいぶん変わるだろう。威圧感で。


10月21日 小作堰下流右岸の多摩川
 小作堰下流左岸の崖淵の住宅等で崩壊の危険があるため今冬工事が予定されており、工事用搬入路として小作堰構内を使い中州に入る計画なので、かつてカワラノギク(播種されて自然分布したもの)の群落があった中州へ難なく入れそうだ。まだ工事は始まっていないが、この視察を兼ねて、かつてカワラニガナ群落のあった小作堰下流右岸へ。
 今年6月にも調査したが、昨秋の増水ですべて流出し砂礫地帯となっていたが、いまは予想通りオオブタクサの林となり、堤防から水辺へは数本踏み跡があり入れるが上下流への横移動はできない。オオブタクサは丈4mほどで、堤防上で除草中だったが、ついでに高水敷も刈ってもらえるとありがたいが、まあやらないだろう。


10月18日 六郷橋から大師橋までの多摩川左岸
 コロナウィルス感染防止のため今年度初めての定例自然観察会開催だった。天気予報が外れて良い天気になったので常連メンバーがほぼ全員揃った。堤防上ならびに六郷橋の歩道は自転車と通行人がひっきりなしに通りすごい人出。遠くに半分雪化粧した富士山が傘雲を頭につけてきれいに見える。
 大師橋直下は昨秋の増水の影響でかなり荒れているが、運動場等みな復旧して子どもたちが野球に興じ河川敷を歩くにも若干注意が必要。
 水辺と言ってもやや遠いがカントウヨメナが満開。セイタカアワダチソウもかなり繁茂しているがヨーロッパでは庭園に植えられ観賞されており、花自体はそれなりにきれいだ。
 干潟ではセイタカシギ、キアシシギ、ダイサギ、コサギ、ユリカモメ、カルガモ、ヒドリガモ、さらにカワセミ。モズの高鳴きも聞かれた。

10月13日 多摩大橋周辺右岸
 多摩大橋右岸高水敷の作業用道路を上流へ向かいせせらぎ水路を渡って低水敷に出て、そこから下流へと思ったが水量が多いことと藪が繁って通れないので来た路を戻って橋の下から低水敷に出る。その作業用道路脇で新たにカワラケツメイ1個体見つける。
 また増水以前からあった橋直下にカワラケツメイが23個体生き残っていた。これがあれば2年後には周囲に群落ができるほど復元すると期待できる。園は新たな発見はなかった。作業用道路を下流へ最先端まで行く。そこにあるカワラケツメイは種子がみな真っ黒に熟していた。アレチヌスビトハギが増えてきた。この種子が服に付くとなかなか剥がせず大変だ。
 寒い日が数日続いたが今日は暑い。今夏の猛暑よりもむしろ蒸し暑くだるい。

10月6日 万年橋周辺左岸
 万年橋上流左岸の礫河原は河原植物が復活しそうな感じなので、再確認に行ったが、結論を言えば河原植物は見つからなかった。庭に生える園芸種の植物が礫の間にポツンと1輪咲いていたりして飽きはしないが。BBQ等ではなく岩石に含まれる鉄分が溶けたのか周囲の小石も茶色に染めている石があった。
 柳淵橋上流左岸上流も調べたがBBQの匂いがするばかり。柳淵橋直下は、BBQなどで近隣住民が迷惑しているという日本語と英語の看板がずらりと並んで異様な光景。

10月3日 二子玉川から世田谷区・大田区境までの多摩川左岸
 ヒガンバナ、アレチウリ、キクモ以上! としか書きようがない単調な高水敷。モズの高鳴きが聞こえたのが唯一のトピック。
 等々力大橋の工事は見た目では進んでいない。来月から始まるのだろう。あまりにもつまらないので区境で終わり。

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