多摩川の自然のニュース:2021年4月〜6月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2021年7月〜9月
2021年1月〜3月
2020年10月〜12月
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6月28日 奥多摩橋下流右岸
 毎日梅雨空のはずが先週は外れていよいよ今日から雨かと思ったら今朝も太陽が照りつけているので多摩川へ。先日石神前でカワラヨモギを見つけたのでさらにその上流はどうかが気になり見に行く。好文橋上流左岸にカワラニガナやホソバコンギクなどが生えていた礫河原があったが8年ぐらい前に増水で流失、その後も気になるが当地は保養施設の敷地を通らないと行けない。一昨年辺りから立入禁止が厳重になったので施設を利用しないかぎり入れない。いつか崖を下りるルートを探そう。というわけでその対岸を見に行く。奥多摩橋から住宅地の急坂を下りて礫河原に着くやザッと見て何もない!と直観。とは言え歩いて見ないとわからないので一通り調べるがやはり何もない。ここはBBQ者が多く今日もすでに10人ほど来ていた。


6月22日 石神前好文橋下流多摩川左岸
 今日も週間天気予防外れて青空が見えるので多摩川へ。
 カワラニガナ確認最上流地区だが、一昨年の増水で流失、昨年は確認できなかった。結論を先に言うと今日も見当たらなかった。
 ブリジストン研修所脇に川に出られる階段があり、その脇にユウスゲが咲いていた。
 礫河原で過日青梅万年橋上流で見たのと同じような葉の細く短い植物を見る。ふだん見るものとかたちが異なるがたぶんカワラヨモギだろう。


6月21日 石田大橋から府中四谷橋の多摩川左岸往復
 雨天予想が続くので降らないうちに。横浜線不通のため予定変更し石田大橋から下流へ。
 しばしば訪れる万願寺地先を橋の上から眺めるのは久しぶり。床止め付近に礫河原があるのでいつか見に行こう。
 高水敷に続く踏み跡はシナダレスズメガヤがすさまじい勢いで覆われている。ここも礫河原も堤防法面もハルシャギクだらけ。37.4q付近にカワラサイコの小群落があり今日は46個体確認できた。
 36q付近の高水敷にキジの雄がいたが写真を撮るのは難しい。堤防法面にもカワラサイコがありそうなので予定を変更して石田大橋まで堤防上を歩いて戻ることにする。
 予想通り37.4qの堤防法面にカワラサイコが57+57=114個体あり開花中。ヤブカンゾウやコゴメバオトギリ、コウゾリナ、ブタナなど黄色の花が目立つ。


6月20日 多摩大橋付近右岸
 気温は32度だが風があるので気持ちが良い。
 万願寺地先でカワラケツメイが20pほどに成長していたのでカウントしやすいと思って来たが、ここはまだ3pほどで探すのがやっと。7月中旬以降にまた来よう。橋の直下は橋の維持管理工事のためか重機が入った跡があるが、カワラケツメイの発芽が遅いので踏み潰されずに残った所に89個体あった。
 この地区にもカワラニガナがたくさんあったが一昨年の増水で地盤ごとすべて流失し、昨年はまったく確認できなかったが、予想外の所で2個体生き残り花を咲かせていた。ここから増えるのを期待したいが工事車両等で潰されるかもしれない。もう1箇所かつてたくさんあった所になんと18個体あった。たぶん1個体生き残り、昨年開花して種子を付近に撒いたのだろう。開花個体以外はまだ株が小さいから今春芽生えたものと思われる。ここはいずれ付近に広がることが期待できる。
 トビ、ウグイス、セッカ、オオヨシキリ、セグロセキレイ。


6月18日 友田と長淵(多摩川右岸)
 暑いが風があり気持ち良い。とは言え直射日光下の河原の地表温度43.4度。
 圏央道橋下から友田の礫河原に上がるルートがツルヨシ繁茂でかなり限られた。経験でルートを見つけて上る。増水で流れついたキササゲやネムノキが地面にへばりつくように生き残りつつ花を咲かせている。ネムノキの花は高い枝先で咲いているがここでは見下ろして写真を撮れる。
 今年3月末に多摩川カワラノギク・プロジェクトが播種したカワラノギクがまだごく小さいながら発芽している。88個の石の周りで発芽したものの総計173(10個の石が確認できず)。猛暑で枯れたりこれから成長したりで生育が確認できるのは8月末と思われる。
 カワラニガナは多摩川で絶滅寸前だが、友田では4+5、38+6+29、9、合計80個体確認できた。
 長淵へ移動。下流部のカワラニガナ5元気。上流部はクズとツルヨシに迫られつつ535確認。しかしこれは付近に分布が広がる可能性が低い。

除草され根が切られても頑張って生きているオニアザミ(長淵駐在バス停横)

6月11日 新二子橋から東急ゴルフ場下流端までの多摩川右岸
 私の知る限りで多摩川のカワラサイコ分布最下流端は新二子橋付近の高水敷で、開花7個体確認。昨年6月は5個体、一昨年6月は34個体だったので絶滅寸前。
 高水敷にある緊急用道路が全面舗装改装中で約4qに亘り歩行不可。
 堤防天端はサイクリング車が多く運動場は一面翠に見えても河原植物はもちろん日本在来植物さえない。せせらぎ公園も同じ。さらに河川敷ゴルフ場が続く。
 気温33度を越え、これ以上歩いても望みなしなのでバス停を探して帰る。
 二子橋上流左岸では兵庫島入口の護岸工事が行われている。等々力大橋の工事は停止中。


6月9日 是政橋から稲城大橋までの多摩川左岸、多摩川原橋まで右岸
 是政橋脇の堤防法面にクララが生えているが、管理状態からするとこれは意図的に植えてあるようだ。
 左岸のこの区間は本年5月9日に調査をしたが、昨年は6月の除草後であったので昨年との比較のため再調査をした。是政橋から31q地点まではカワラサイコが堤防法面と天端合わせて417個体(5月は627)、公園脇は305(5月は315)、31qから下流稲城大橋までの堤防天端は160(225)、稲城大橋上流小段は54(39)で、すべての区間において5月の調査時よりも減っている。公園脇は5月に駐車場化し、カワラサイコ群落がある所はキャッチボール場と化しており、頼んでしばし休んでもらい急いで調査したので見落としがあると思っていたが、今日は誰もおらずのんびり調査したのに5月より減っている。
 この公園の堤防寄りの一角に339個体のカワラサイコ群落があるのを新たに知った。急に生えたわけではなさそうなので見落としがまだまだあるようだ。
 稲城大橋を渡り右岸へ。橋の下流に広大な礫河原が広がっているが、重機で踏み潰した跡が一面広がっている。キャタピラの踏み跡の波状が歩き難い。
 ニセアカシア林に入り一息。気温は日陰で33度、直射日光下の礫河原の地表温度41度強、湿度22度。林は伐採で半減したがなんとか暑さをしのげる。
 下流部の一角にラジコン飛行場兼ゴルフ場があったが、なんとそこは直径20p以上の大きな石が辺り一帯に敷き詰められている。大橋下流の礫河原にあった礫をここに運んで積んだのだろう。ラジコン飛行場への嫌がらせかとも思えるが、多摩川全域で河川区域内の樹木が治水のために伐採されたが、この林は稲城市民の憩いの場として市も協力して管理していた(いまは知らない)のでこの林を守るために治水上礫を脇に積んで守っているのかもしれない。
 林の出口にカワラサイコが11個体(昨年は8個体)あり、そこから少し離れた小段にも1個体あった。右岸のカワラサイコは新二子橋付近の数個体が最下流端で次がここで、いずれも消滅寸前だ。


6月7日 六郷橋下流左岸と大師橋から川崎河港水門までの右岸
 第2回多摩川機能空間区分検討会多摩川下流河川環境WGの会合が川崎市内で開かれ、会議の前に六郷橋下流左岸2箇所で現地視察も行われた。
 多摩川の自然を守る会会員のFさんからの情報のとおり、絶滅が心配されたウラギクがあちこちで見られた。最初に視察した所にはすでに丈が1mほどに成長した立派な株があり、この付近にさらに2箇所個体群があるという。
 干潮時で水が曳いている干潟をカルガモとコチドリとハシブトガラスが歩いている。最近干潟が緑色になっていると河口で活動しているSさんから伺う。
 六郷橋下流で試験掘削している箇所があり、キイロホソゴミムシ等の汽水性甲虫やヒメガマ群落の復活等が確認されている。そこへ行く途中の水辺にもウラギクがたくさん生えている。今秋にも掘削工事が始まるようだが種子採取等なんらかの対策が必要だろう。チゴガニがダンスを始めた。
 会議後一人で河港水門まで歩く。夏日で蒸し暑い。右岸でもウラギクが数カ所確認できるが、右岸はHLハウスや畑が藪の奥に十数軒あり、ウラギクはむしろこういうところで密かに守られているのかもしれない。
 会議について紹介する。一昨年の台風による増水で多摩川流域各地で人的被害があり、国の治水対策強化の一環として、多摩川河口でのとりわけ河積確保工事が不可避となっている。他面、多摩川河口付近は貴重な自然が微妙なバランスで保たれておりこれを無視することができない。よって機能空間区分検討会委員に加えて多摩川干潟で活動してる2つの市民団体も委員として参加している。前回委員会で私が確認した通り今回の検討課題は「これまで以上に掘削する必要がある」六郷橋下流左岸の大規模掘削(右岸は堤防際まで水路が迫り先年降水敷を増強したが限度がある)だが対象地には貴重生物がかろうじて生き延びており十分な配慮が必要だということで、いわば二股かけた計画ゆえにその効果について委員から疑問が提される。やってみなければわからないことが多いがもし失敗したら全滅になりかねないので十分な検討が必要だ。なお地元団体の人の話によると、左右両岸とも「干潟」と言っても固いところヘドロ同然のところ等々でとりわけ一昨年の増水で大師橋付近の干潟が悪化して干潟生物が激減しているという。治水上早い対策が迫られているが検討課題もまだ多い。


6月5日 万願寺地先の多摩川右岸
 運動場等やけに子どもも含めて人出が多いなと思ったら土曜日だった。4月末に瓦植物を調査したが堤防法面は除草後だったので再調査をした。ネジバナが堤防や降水敷のあちこちで咲いている。堤防法面は河口から38qから37.4qまでの区間でカワラサイコ584個体。4月は279だったので刈られた株がたくさん復活した。しかし石田大橋上流の野球場脇の法面は299確認したが4月は491なので激減。野球場利用者が法面に座ったりしてつぶした可能性がある。
 ラジコン飛行場は使用中なので下流の広場へ。カワラサイコ592、カワラヨモギ874個体確認。草が茂りカワラヨモギがかなり減った。
 河川環境改善のため礫の掘り起こしが下流端で行われているが、まだカワラヨモギ1個体が芽生えだだけ。だが新しく掘り起こしたその周囲でカワラケツメイが141個体発芽し小群落を形成している。多摩大橋下流部もそうだがカワラケツメイは新しく掘り起こした土壌が好きらしい。
 帰りに高幡不動尊に寄った。あじさいが裏山全体に植えられておりちょうど花盛り。いろいろな種類のあじさいが咲いておりきれいだ。



6月2日 中央線鉄橋上流左岸から日野橋、石田大橋まで多摩川右岸
 中央線鉄橋上流左岸の河川敷に直線約200mの除草地帯がありカワラサイコが毎年花を咲かせる。8群ほどに分かれて点在し、合計189個体確認。去年6月17日調査で276、一昨年7月に227なので激減。除草がきついのと除草したために歩行者が増えたことが原因と思われる。
 残堀川合流点付近にカワラサイコ2個体あると東京都の調査で知らされたが冬に探したが不明。今日は藪がひどくて礫河原に出られなかった。ウグイスとオオヨシキリ、セッカ、ホトトギスが盛んに囀り。
 日野橋まで堤防上を歩き、橋を渡って右岸へ。橋下流のカワラサイコ個体群は6個体。去年6月20日に21個体確認したので激減。周囲の草が茂ったためか。
 日野橋下流で川に入って調査をしている人がいる。たぶんこれはこの秋に予定されているこの区間での低水護岸工事に関する調査だろう。
 中央高速道橋へ。橋の補強工事中で通れないので、橋から100mほど下流の踏み跡を経て礫河原へ。一昨年の増水で露出した礫河原でまだ草があまり生えていないので礫河原が2筋に分かれて石田大橋付近まで続く。何かありそうだが、珍しい植物はたぶん園芸種か? 
 橋の手前で崖を登って野球場に出る。今日も大勢野球を楽しむ人がいる。堤防法面にカワラサイコ多数開花中。


5月30日 福生中央公園地策の多摩川左岸
 日陰でも気温30.5度の夏日、緊急事態宣言発令中、にも拘わらず河川敷公園内は大勢の市民で賑わう。幸い炎天下に礫河原を歩く物好きは誰もいないのでマスクを外してゆっくりと河原植物を探す。
 福生市南公園と同様、一昨年の増水で大量に流れ込んだ(河川敷公園だから当然ながら)土砂を集めて礫河原に積んだ所が突堤のように突き出ていまや雑草の山になっている。右岸の堤坊横の林はすべて伐採された。
 左岸は下流に行くにつれてツルヨシ群落が大きく広がっていたが、増水後はすっかりなくなり五日市線鉄橋付近はいずれ低水護岸を造るのではないかと思われるほど岸辺が急に削られている。
 公園から流れ出る玉川上水熊川分水の水が勢いよく多摩川へ流れ込んでいる。
 河原植物は残念ながら見つからなかった。ウグイスとシジュウカラの囀りが盛ん。


5月25日 睦橋から拝島橋までの多摩川左岸
 暑い。温度計を直射日光にあてたら気温43度、湿度28%と表示された。
 睦橋〜福生市南公園地先の礫河原へ。何のためか不明の車道が一部造られている。かつてカワラニガナがあったが一昨年の増水で流失。
 南公園も壊滅的打撃(3回目)を蒙ったが無駄な復旧工事が終わり、流れ込んだ(と言っても公園自体が河川敷内にある)土砂を集めてあろうことか礫河原に敷き詰めネズミムギを植えた。ちょっと増水したら全部流出して昭和用水堰に堆積するのは目に見えている。
 その少し手前で、多摩川では絶滅していたカワラハハコの雄株1個体あり。埋土種子の発芽と思われる。雌雄異株なので繁殖は不可能らしいがどこかで雌株を見つけたい。
 昭島市域に入る。キショウブが満開。昭和用水堰下流の草地に40年以上前からカワラサイコの群落がある。115個体確認。少し下流から水辺に出る踏み跡にも2個体。昨年6月15日調査では143なので少々減少。
 通称「信玄堤」から下流堤防法面は除草作業中。堤内地側の林も枝が伐られて丸太状態で殺風景。
 拝島橋上流左岸の河原もありそうでない。ホトトギスが盛んに鳴いているので近づこうとしたら全裸の男性が日光浴をしていた。歩いていたので死体ではない。
 トビ、ホトトギス、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、ムクドリ、ガビチョウ。ムクドリが多数桑の実を食べている。


5月23日 河辺地先の多摩川左岸
 塩船観音のツツジ祭りのためホリデー快速が河辺駅に臨時停車。とは言えそこへ行きそうな人は見当たらない。車内は奥多摩方面のハイカーで賑わう。団体が多いので皆おしゃべりに夢中でコロナ禍は外国の話みたいだ。
 さて民家の花壇を通らせていただいて河原へ。一昨年まではカワラニガナが3000個体以上あったがすべて流失して昨年はゼロ。今日も結局はゼロ。
 一昨年の増水で「また」崩壊した河岸断崖ぎりぎりの住宅やマンション前の壁面を補強した際、河道修正すると聞いていたが、崩壊止めブロックまで礫河原延長しただけで河積はむしろ小さくなった。ここの礫河原を少し削ってくれれば友田への濁流直撃が弱まり良いなと期待していたが、これでは河積が減った分流速が強まり、以前より状況は悪くなったのではないかと素人ながら思う。
 ウグイスとホオジロの囀り、カジカガエルの声がよく聞こえる。


5月15日 青梅万年橋上流両岸から鮎美橋右岸
 定例自然観察会5月の開催地だったがコロナ禍予防のため中止。それは明日だが明日は天気が悪そうなので本日。日射しは夏だが川風は冷たく気持ちが良い。
 まずは右岸へ。一昨年まで3000を超えるカワラニガナがあったが一昨年秋の台風による増水で全滅。昨年の調査でも奇蹟の生き残りや復活はなかった。今日も広大な礫河原を隈無く探し歩いたが見つからず。
 万年橋を渡って左岸へ。ここも100ぐらいカワラニガナがあったが全滅。右岸よりも多少の変化があり生き残りがありそうだが見つからず。キセキレイがそばで餌を探している。カワラヨモギのような植物が1個体あり。
 住宅地を経て柳淵橋を渡り青梅釜の淵公園へ。河原でBBQをしている若者グループ。家族連れがテントを張ろうとして強風に何度も煽られついに断念。張り終わっていたらテントごと吹き飛ばされただろうから張れなくて良かったのではと思った。
 電車は、行きのホリデー快速はハイカーが少なくて空いている。帰りの東京行き特別快速はけっこうな混み具合。


5月13日 拝島橋上流右岸
 河川敷内のラジコン飛行場はいまだいぶ減ったが、万願寺地先と拝島橋上流右岸にある飛行場は周囲を藪に覆われ堤内地に人家もないので周囲に悪影響を与えているとは言えない。とくに拝島橋上流右岸の飛行場は猛烈な藪の中にぽっかり空いた広場でこのおかげでカワラサイコの群生地となっている。
 昨年調査に行った日はコロナ禍の影響で久しぶりに晴れた日曜日ということもあってラジコン飛行機愛好家の集会日にあたったようで大勢の人のいる中に入るには勇気が要った。そこで人に気を遣うより雨のほうが誰もいないので気が楽なので、小雨が降る中調査に行った。
 さすがにラジコン飛行機を飛ばす人はいなかったが周囲の竹藪に出る筍掘りのおじさんが一人いた。いずれにせよ一人でのんびり調査が出来たおかげで合計425個体確認した。 去年6月21日調査は除草後だったこともあり586だった。ハタザオも茎を伸ばして花をさかせており、3箇所に合計25個体確認。
 その後、拝島橋直下の河原植物群生地に向かう。来る時に橋の上から見て知ったが橋の維持管理の一貫としてトラック3台入って除草作業をいている。河原植物が生えている所を通らないと橋下まで車輌を入れられないので仕方がないし毎年の作業ということで何とも言えないが、保安係と思われる人に事情を説明して可能な限り一度付けた轍の上を通ってその周囲の河原植物をこれ以上踏まないようにお願いして快諾を得た。カワラサイコ259個体、カワラヨモギ113個体確認。去年6月21日調査ではカワラサイコ365、カワラヨモギ114なのでカワラサイコがだいぶ減った。トラックに踏み潰された部分もある。カワラケツメイは7月末にならないと芽が伸びないが、ちょうど除草をしている区域に当たる。除草のおかげでカワラケツメイが繁茂できているのかもしれない。
 セッカとガビチョウ。


5月12日 京王多摩川から上河原堰下流までの多摩川左岸
 気温は25度だが湿度が高くなった。朝の電車は通勤客で混む。堤防上は平日でも散歩者が多い。
 堤防堤外地側小段にカワラサイコがある。下流から26.6q辺りから上河原堰までに227個体、堰から下流は小段の法面を中心に360個体確認。
 昨年5月20日の調査では189+459個体だったが、昨年は堰より上流が除草中、下流は除草直後だったのでその影響が数値の違いに反映していると思われる。


5月9日 関戸橋から稲城大橋までの多摩川左岸
 多摩川の気温31度、暑いのでマスクを外したいが、人通りの多い堤防付近の調査であるのと黄砂のため外せない。
 堤防法面は除草していないのでカワラサイコが生き残っているが、逆にイタドリその他が茂って見つけにくいとも言える。関戸橋から郷土の森地先の、閉鎖中の河川敷公園までにカワラサイコ1376、カワラナデシコ4。昨年5月23日調査で2034なので大幅減。
 レンリソウの保護区があり、ちょうど満開でたくさん咲いている。
 大丸用水堰脇の河川敷は府中市が1年以上ロックアウトで河川法違反ではないかと思う。秘密のルートから進入し、カワラサイコ30個体確認。
 河川敷の野球場はどこも大勢の人で賑わう。堤防天端もおちおち歩けないほどの賑わい。
 是政橋堤防内側の斜面に生えるクララ健在。
 是政橋をくぐり下流へ。堤防小段にカワラサイコ627。去年5月24日調査で429なのでだいぶ増えた。
 高水敷の広場は隣の野球場の駐車場と化し、カワラサイコ群落があるところはキャッチビール場となっている。事情を説明してしばし調査させてもらう。踏まれているので小さいが以前より下流まで分布が広がり315個体。昨年は358なので横ばい。
 30.8q付近から堤防天端に上がる。高水敷の池までにカワラサイコ225。昨年6月24日調査であ358。
 稲城大橋上流は小段にしかカワラサイコがない。39個体確認。昨年は除草後だったがそれでも146あったので激減。


5月9日 稲城大橋から是政橋までの多摩川右岸
 もう若くないのでへとへとだが、ここは交通の便が悪いので、頑張って橋を渡り右岸へ。
 堤防とサイクリングロードの間に草地があったが、砂利道になっている。緊急避難用道路だろうか。尤もその先のスーパー堤防手前で終わっている。
 京浜河川事務所多摩出張所前の野球場で草刈りしている。正規業者でなく勝手にやっているのでは? 小型除草車まで出ている。野球場隣の草地にカワラサイコ群落があり昨冬の低水護岸工事の際に工事区域の半分強を保護地として残してもらったが、無事に347個体生育。尤も去年5月26日調査では482なのでだいぶ減った。これは水際に近いところの群落が護岸工事で削られたため。
 野球場下流に造成された駐車場入口にカワラサイコがあり囲いをして守ってもらっていたが、いまや囲いも壊れて悲惨。その残骸から1m外れたところに1個体生きのびていた。
 是政橋直下にカワラサイコ29、昨年は27なので無事ということか。


5月7日 府中四谷橋から関戸橋までの多摩川左岸
 カワラサイコの大群落がある区間。堤防法面は今春除草が行われたのか、その影響が残っている。それでもカワラサイコ985個体、カワラナデシコ18個体確認。その下の小段はカワラサイコ95、カワラナデシコ8。高水敷の作業用道路周辺はカワラサイコ3917個体。合計カワラサイコ4997個体、カワラナデシコ26個体。
 ちなみに昨年5月17日調査でカワラサイコ3421、カワラナデシコ28個体なので、カワラサイコはだいぶ増えた。
 一昨年6月25日調査では6924個体だったが、その年の秋の大増水で高水敷の地盤がだいぶ削られたので、これは比較参照の対象にできない。
 セッカ、ウグイス、キジの声。


5月4日 関戸橋から大栗川合流点までの多摩川右岸
 緊急事態宣言下でも電車はほぼ満席、少年野球の練習、堤防上はジョギングや散策、サイクリング等、高水敷ではBBQ等、どこも大勢の人出。
 この地区の堤防天端には両側にカワラサイコの群落がある。関戸橋脇の個体群は橋の架け替え工事のため今春が見納めだろう。74個体を工事でみすみす潰すのはもったいないのでダメ元で東京都に移植してもらおう。堤防天端のカワラサイコは川側に249、堤内地側に549、堤内地道路脇に441、川側小段に365、合計1678個体。昨年5月17日に1743、一昨年5月2日に1592なので、だいたい現状維持。
 セッカ、ガビチョウの囀り。


5月3日 睦橋上下流の多摩川右岸
 背中に浴びる太陽熱は暑いが吹く風は冷たい。福生南公園は人間だけ入れて車輌は入れない。あきる野市の河川敷内テニスコートは同じくコロナ感染予防で閉鎖。その外の広場で自転車を横に並べてネット代わりにして子どものテニス教室が開かれていた。
 秋川との合流点の調査をすべく去年は2度藪と流木の山に遮られ断念。いまはまだ草が伸びていないので藪を踏み越えてようやく河原に出た。多摩川の流れが大きく変わり昭和用水堰まで左岸寄りに流れているため右岸の礫河原が2倍以上広くなり、昭和用水堰のすぐ近くまで歩いて行けるようになった。かつて1万個体ほどあったカワラニガナは増水のたびに流失、いまは1個体も見つからない。オオヨシキリが盛んに囀っている。ウグイス、セッカ、ホオジロも負けていない。帰路も藪漕ぎや嫌だなと思いつつ水辺に沿って歩けそうな所を縫って歩いていたら踏み跡に繋がった。所々除草もしてありありがたい。睦橋近くの藪の出口にピンクのリボンが付いていたので、これはNHKの撮影班が造った道だとわかる。数年前にも別のルートであったので。今日はカメラは見つからなかった。
 ニセアカシア、ノイバラの花が満開。
 睦橋より上流へ。カワラサイコが林の中に42個体、作業用道路脇に63+14、合計119個体。去年6月の調査で93個体だったのであまり変わらない。ハタザオが54個体。
 野球場脇から礫河原に出る。広いので調査が大変だ。あっちふらふらこっちふらふらと歩き回ったが河原植物は見つからなかった。カタバミとオオジシバリの黄花が目立つ。


4月27日 万願寺地先の多摩川右岸
 河原植物調査。今年の桜は早く咲いたが河原植物の生育は例年通りという感じ。ラジコン飛行場が空いていたので先にそこで植物調査。カワラサイコ1618個体。その他高水敷全体では1967個体、堤防天端と法面は石田大橋上流野球場前も含めて779、総計2737個体。昨年5月27日の調査では1788(+野球場561)なのでだいぶ増えた。しかも堤防法面は除草が終わったばかりで見つけにくいので再調査が必要だ。法面の再調査でさらに100ぐらい増えるだろう。なお、堤防法面の除草の時期が悪いのと、レンリソウなど日本在来植物が多く生えている箇所を、業者が誤って刈ってしまった。この影響が結果良しとなるかやはりひどいということになるかも再調査したい。
 元ゴルフ場として使われた広場にもカワラサイコがたくさんある。その最下流が掘り返されて礫が撒かれているがこの工事は通知がなかった。
 カワラヨモギは1678個体確認したが、昨年は6295なので非常に少ないが、その理由は季節的問題であり、これも再調査が必要だ。カワラナデシコは6個体しか確認できなかった。かつては一面に生えていたが昨年は21なので絶滅寸前だ。
 ニセアカシアの花が満開。池のキショウブも良い感じ。
 浅川の高水敷に繁茂していた雑木がほぼ伐られて見通しが良くなったが、稀少植物が生きられるかが気懸かり。
 帰路、ラジコン飛行場脇から石田大橋方面への踏み跡に1箇所昔からカワラサイコが生えているところがあり、7個体健在。
 コサギ、トビ、キジ、ウグイス、ホオジロ、ムクドリ、ガビチョウ。


4月23日 程久保川から関戸橋までの多摩川右岸
 昨年のコロナ感染防止緊急事態宣言はそれなりの重さがあり外出自粛したため多摩川の河原植物調査の開始が遅れた。今年は早めにと思ったが、そうすると去年との比較ができないので、結局去年の制限された中での調査時期と原則的に合わせざるを得ない。今日行ったコースは昨年4月19日に行った。日曜日で京王線が空いているからだった。今日は平日なので堤防上もさほど人出は多くない。
 河川敷公園で近くの保育園児が遊びに来ている。高齢者のゲートボールかパターゴルフかそこだけは十人ほどの賑わい。その場所の隣にカワラサイコ群落があったが一昨年の増水で流失し結局復元しなかった。
 対岸の礫河原は河道修正で半分削ると言っていたが、たしかにそうなった。右岸は公園なので変化なし。
 京王線鉄橋付近の高水敷内作業用道路とその周辺にカワラサイコ群落があり、河川工事の際にも守ってもらったが、路上に7+18個体、横の草地に1+18+6個体ある。合計50個体で昨年4月は23、8月は38なのでだいぶ増えた。
 鉄橋下流は17個体、昨年5月は20個体なので若干増えた。この個体群のすぐ横に東京都がカワラノギクの圃場を新たに造ったのが気がかり。カワラサイコも貴重だし、これも都が移植して育てているはずなのに。昨年復旧させたカワラノギクの圃場では去年からのロゼットが43確認できた。実生は8月にならないと正確には確認できないが、周囲に広がる可能性はあまり感じられない。
 関戸橋近くの堤防上に小さなカワラサイコがアスファルト舗装の縁に芽を出しており、4+5=9。ここは除草されるし踏み潰されるので大きく広がる可能性は低い。
 ウグイスとセッカの囀り、ホオジロ、ムクドリ、オオバン、ハシビロガモ、コガモ等。


4月21日 片倉
 快晴、日射しが暑い夏日。
 近所の石橋入り自然公園へ。予想通りキンランが満開。ササバギンランも少し。ホウチャクソウ、ジュウニヒトエ、オオジシバリ、ツボスミレ、クサノオウ等々、春爛漫の野草があちこちに見られる。
 大きな池があるのに野鳥がめったに見られないし鳴き声も聞かれないのが不思議だ。



4月18日 羽村宮ノ下から取水堰までの多摩川左岸
 定例自然観察会。年間テーマは昨年度と同じで、2019年10月の台風19号に伴う大増水で多摩川河川敷はどこも一面の礫河原と化した。コロナ禍で休会している間に河川敷運動場や人工公園は復旧が終わり、一面の礫河原と化したあの衝撃=感激はもう味わえないが、挺水敷に残された礫河原を歩くことはできる。
 宮ノ下の堤内地は休耕田が一面のチューリップ畑になっており、今日はチューリップ祭りとかでテントが数張り立てられ大勢の家族連れで大賑わい。幸い広いので「三密」を恐れるほどではない。その周囲に日本在来のオドリコソウ群落があり、一部は駐車場になっているが一部は公園として守られている。むかしは調布橋下流右岸や河辺(左岸)の多摩川にも生えていたが絶滅した。
 さて、礫河原に出てカワラニガナの芽が出ていないか探したが、昨年から存在が確認されている所以外には見つからなかった。だが、参加者のSさんが小さな実生を少し上流で2個鯛見つけた。昨年から存在する所では、カワラニガナ24、カワラノギクのロゼット15個体確認した。カワラノギクはここの少し上流に昨秋数株開花していたので、いずれ実生が出ると期待される。こことはだいぶ離れた所で元気なカワラノギクのロゼットを3個体見つけた。
 堤防に上がり、強風で帽子が飛ばされそうになるのを押さえつつ昼食。羽村の大欅、中里介山墓石などを見ながら駅へ。
 カワウ、キンクロハジロ雌雄、オオバン、トビ、ヒメアマツバメ?、ウグイス、ホオジロ、ムクドリ、ハシボソカラス。


4月15日 片倉城址
 青空に向かって広がる新緑の欅が美しい。
 この時期の片倉城址の圧巻は、谷戸一面を覆い尽くす淡い黄色のヤマブキソウ。雑木の木漏れ日が一面の黄色の絨毯に陰影を加える。
 ニリンソウの中にイチリンソウの花も加わる。


4月11日 友田と長淵
 カワラノギク・プロジェクト公開作業。京浜河川事務所環境課、明治大学農学部、市民合同の作業で、一昨年まで自生のカワラノギクがあった付近に2016年に永田地区で採取した種子22500粒を107箇所に分けて播種した。
 2019年春に対岸の河辺でも播種したがなぜか1個体も発芽しなかった。同日五日市線鉄橋下で播種したものはたくさん発芽したのだが。
 ウグイスの囀り盛ん。友田の運動場前の水辺は護岸工事で立入禁止。
 昨年生き残りが確認されたこの地のカワラニガナは、1+23+1+21=1+45個体(1個体だけ離れた所にある)あり、昨秋より倍増しただけでなく、すでに3個体花を咲かせていた。
 プロジェクト終了後、長淵へ。工事はすでに終わり殺伐とした光景だが、あと1月もすれば草に覆われるだろう。
 地区全体のうち下流側にわずかあったカワラニガナは今回確認できなかった。上流側は226個体あり10個体ほど開花していた。種子がこぼれて水辺にもありそうなので見ると10+3個体確認できた。6月頃になればこの3箇所いずれももっとたくさん確認できるだろう。


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