多摩川の自然のニュース:2020年01月〜03月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2020年4月〜6月
2019年10月〜12月
2019年7月〜9月
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3月29日 片倉
 32年ぶりという晩春の雪。満開の桜に降りかかる雪の写真を撮ろうかと思ったが、白い花に白い空に白い雪ではパッとした画像が期待できそうになくやめた。

3月27日 中央線鉄橋右岸〜立日橋左岸〜日野橋左岸
 立川に用事があったので日野駅下車、中央線鉄橋から右岸を立日橋へ、橋を渡り左岸へ。さらに堤防上を日野橋まで。
 水面に見られるのはオオバンばかり。河川区域内だが堤防内側にある野球場に少年達が30名以上。昨年の台風に伴う増水で壊れた日野橋橋脚再建工事はまだしばらく続きそうだ。
 根川緑道は「多摩のお花見情報」に載っているだけあって感染予防外出自粛などどこの国の話かと思えるほど大勢の人が来ている。まあ、他人から見れば私もそのうちの一人だが。

3月24日 長淵
 下奥多摩橋から下流を見下ろすと、左岸の崖の樹木が伐採され木道が造られている。よく見ると、崖上の住宅が崖下に崩落するのを防ぐために護岸を建設するためらしい。
 昨秋の増水時の流木やゴミなどが河川敷の竹林に引っかかり積み上がって猛烈な藪となっているのを必死にかいくぐり突破。造成された河川敷に出る。
 2万5千個体以上あったカワラニガナは多摩川でたった29個体となり絶滅危惧状態だが、今日調べた所では、過日確認した29個体と同じ一帯で総数63個体確認できた。さらにこの造成地の最下流付近に2個体確認。5月連休頃になれば今年の発芽も見られるだろう。
 イワツバメがたくさん空を飛び交っている。

3月22日 片倉城址
 河原植物調査にはまだ早いが、花粉とウイルス防止で毎日自宅閉じ籠もりも健康に良くないので片倉城址へ。自転車で5分なので毎日行ける距離なのだが。
 カタクリ、カイコバイモ、ニリンソウ、キクザキイチゲ、コブシ、キブシなどが咲いている。桜は五分咲き。9時半頃から人出が多くなったので帰宅。気温が高く初夏の陽気。

3月15日 宿河原堰右岸〜多摩水道橋〜狛江五本松
 定例自然観察会。陽の当たる屋内は春爛漫の暖かさだが、多摩川では冷たい北風が吹き付け身体の芯から冷える。寒風のせいか、いつもカモがたくさん集まる宿河原堰下流にはオオバンが数羽いるだけで静まり返っている。
水辺に近づいてもつまらないので二ヶ領用水上流に通称できちゃったビオトープ≠ヨ。
昨秋の台風19号による増水で壊滅状態。流されずに残った柳の大木の脇にツクシがたくさん出ている。巨大水門建設現場を見下ろしつつ多摩水道橋へ。
右岸には笹が密生してできた自然堤防が続き高水敷の運動場等をしっかり守っている。低水敷は礫河原が大きく広がる。ワンドを潰して造成された左岸の低水護岸と本堤小段との間に埋められていた土砂がすべて流出し低水護岸だけが水際に連なっている。本堤法面の植物もだいぶ単調化してしまったが、ヒメウズが復活して満開。堤内地の桜並木の蕾がだいぶふくらんでいるが開花はまだ。
狛江五本松手前にある小さな自然林が治水対策で伐採されようとしている。午後の総会で伐採反対の意見が出た(後述)。
五本松一帯に木材チップがびっしると敷かれた。狛江市が撒いたらしいが腐葉土が発行して一時期悪臭を放っていたとか。そもそも松の生育に良くないとか。
狛江市から調布市方面つまり上流方向は礫河原が広がり遥か上流まで見渡せる。大水が出た時、中州や植物等があったほうが水流を抑えて安全ではないかと思える。現状で増水したら狛江五本松の水衝部へ直撃しそうに見える。
 カイツブリ、カワウ、オオバン、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月15日 総会 
A.2019年度活動報告
 1.定例自然観察会の実施 年間テーマ「多摩川と周辺の城址」
 2.機関紙『川のしんぶん』と『緑と清流』の発行
 3.多摩川河川環境調査
 4.国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所と河川管理に関する不定期協議
 5.河川工事情報を関係者に配信
 6.多摩川堤防のり面植生調査
 7.カワラノギク・プロジェクト参加
B.2019年度会計報告(別紙)
C.2020年度活動方針案
 1.機関紙『川のしんぶん』のデジタル化推進(『緑と清流』終刊)
 2.定例自然観察会の実施
 年間テーマ「台風19号による礫河原攪乱と自然再生への期待」
  4/19羽村堰上流左岸 5/17万年橋上流 6/21河口右岸 7/219御岳渓谷 8/29万願寺(鳴く虫を聞く会)
  10/18六郷 11/15友田 12/20永田地区 1/17二子橋周辺左岸 2/21多摩大橋周辺右岸 3/21宿河原堰左岸、午後総会。
 3.多摩川堤防のり面植生調査
 4.多摩川河川環境調査および河川管理者への提言等
D.人事案〔現役継続〕
E.会員意見
 多摩川の河川敷に生える樹木の伐採が河川管理者により行われつつあるが、現地に掲示されている伐採理由は極めて非科学的である。
河川管理者が立てた説明文には、堤防法面に生えた樹木が風で揺れてすき間が出来て危険とあるが、そんなすき間はせいぜい1pですぐに埋まる。立て札やフェンス支柱のほうが根がないので風で揺れる弊害が大きいのにそれには言及していない。伐採しても根を残したままが現状だが、これが増水で浮力が働き流出しやすいしいずれ腐って穴が空く。生きて根があり大地を支えていることと比べれば、伐採したほうがはるかに危険である。
 また、狛江五本松のすぐ下流にあるエノキやクヌギの自然林はこれまで一度も危険であったことはなく堤防からも十分な距離があり、伐採理由にならない。これが危険だというのであれば隣の五本松のほうがもっと危険なので五本松を先に伐採すべきだろう。
 要するに、公示されている河川敷内樹木伐採理由はまったく非科学的であり、長い間育ってきた自然と自然景観を蔑ろにするものであり、早急に停止すべきである。

3月11日 多摩橋から五日市線鉄橋までの多摩川左岸
 午後に京浜河川事務所上流出張所に用事があったので、ついでに河原の様子を視察した。昨年の台風に伴う増水でカワラニガナ等すべて流失したが、その後の様子を見るにはまだ季節が早かった。
 福生市多摩川中央公園の復旧工事はまだ行われていない。学校が臨時休校なので公園で遊ぶ小中学生が大勢いた。奥多摩の山々がくっきりと見えるのに空気は暖かく絶好の日和。ウグイスが囀り始めた。

2月16日 大丸城址、大丸用水堰から是政橋下流右岸までの多摩川
 定例自然観察会。家を出る時には止んでいた雨が開会と同時に本降りとなり、傘を差しても草葉に触れて上着を濡らしながら、大丸公園を経て城山に入る。稜線にフェンスが続く。フェンスの中は米軍基地。城山頂上の三角点の先に「陸軍用地」の石柱も残っている。ここは多摩弾薬庫跡地で戦後米軍が使用していたが十数年前に日本に返還されたと思っていたが、まだ米軍による立入禁止の看板が立ちフェンスに囲まれているところによるといくらか占領地は残っているのだろう。フェンス沿いの細い踏み跡を辿ったあと、広場に出る。ここから城山公園の遊歩道があちこちに整備されている。所々現代アートのようなオブジェがありおもしろいが、城跡を示す看板等は見つからない。
 稲城市立中央図書館に入り一息つけて体験学習室入り口通路で行われているペシャワール会の写真展を見る。医療行為も必要だが、それ以上に水が人間の生存に欠かせないことを改めて認識。
 多摩川に着く頃にようやく雨が止んだが寒い。寒いためか、昨秋の大増水で河原の植物が根こそぎ流失したためかカモもサギも見えない、遥か遠くにオオバンが数羽見えただけで、あとはトビとセグロセキレイとカワウぐらい。下水処理水排水口で湯気が立っている。下水は温かいのだ。
 是政橋少し上流の高水敷で過日カワラサイコを見つけたが、今日は12個体確認できた。

2月11日 六郷橋から六郷水門までの多摩川左岸
 暖かい日射し、広々とした河原――これは台風19号に伴う増水で壊れた野球場を修復する工事を行っているためであり、自然の広い河原ではない。
 六郷橋から下流方向を見ると、HLのある照葉樹林の先でブルドーザーが動いている。河幅を広げるため左岸の高水敷を削る計画があるなかで何を修復しているのだろうか。昨年の冬に設置したアシ原復元実験地はどうなったか見たかったが、辺り一帯立入禁止なので近寄れない。HLのある少し下流は、一部泥が被っているが良くも悪くも変化はなさそうだ。HLの軒の高さまで流れて来た枯れ草が引っかかっている。
 温暖な気候のせいか休日だからか野鳥が全然いないなあと思いつつ、六郷水門付近まで来たら、オナガガモやコガモ、ヒドリガモ、ユリカモメなどが寄ってきた。餌付けをしているからだろう。セイタカシギが近くに来たので写真を撮ろうとしたら、お喋りに夢中のご婦人が通りかかり逃げてしまった。
 堤防天端は、散歩する人、ジョギング、サイクリング等々、ちょっとした商店街のような賑わい。それにしてもジョギングが多いのは東京マラソンか何かの練習だろうか。
 六郷橋脇にある「止め天神」の入口の紅梅が満開。河川敷で数本桜が咲いていた。

1月31日 拝島橋上流右岸
 2年分の河原植物調査報告書を書いたが、1箇所調査し忘れた箇所があった。拝島橋上流右岸の藪の中にあるラジコン飛行場で、2013年6月18日の調査でカワラサイコ1919個体を確認している。この数は総数計算上見逃せない数値だ。周囲は死体がいくつかあっても不思議でないほど濃い藪に覆われ人家も数キロ先までない。ラジコン飛行場があるおかげでカワラサイコが生き残っている。
 確認調査と言っても真冬なのでロゼットも小さく個体確認は非常に難しく80個体確認しえただけだが様子はつかめた。芝が密生し飛行場中央は他の草が生える余地も無く、カワラサイコも周辺に見られるだけ。初夏に調査してもいまは1000を越えることはなさそうだ。
 飛行場から藪を抜け、木橋を2つ渡って水辺に出るルートがあるのを初めて知った。初夏にまた来よう。
 強風が吹き始めたがヘリコプターを飛ばしに来た人がいたのでご挨拶した。トビが強風に吹き飛ばされていた。

1月24日 羽村取水堰から永田橋までの多摩川右岸
 一昨日通行できなかった先にヒロハカワラサイコ群落があるので、堰下から向かった。一昨日頑張って丸太橋を渡ったとしてもその先で4mの壁をロープと鉄梯子でよじ登る最後の難関が待っていることがわかった。
 取水堰の柴堰が流出して下流のあちこちに転がっている。回収しないのだろうか。
 ヒロハカワラサイコ群落がある所が地盤ごと削られて水路になった。近くの作業用道路脇にわずか26個体確認。その先にある元カワラノギク花壇はチガヤ等が茂る藪になっているが、ここは泥がだいぶ溜まった。ヒロハカワラサイコ23個体確認。春にはもっとあるだろうと期待。
 小学生が授業で凧揚げをしている公園を抜けて、ニセアカシア林が茂る高水敷内の小径を抜ける。かつてK13と番号づけられたカワラノギク自生地はここ数年立ち入り不能の藪になっているが、現状は流木とオギその他で空き地があったなど想像も出来ない状況。野球場を抜けて堤内地へ。
 永田A工区入口付近にもヒロハカワラサイコ群落があり、58個体確認。堤防天端にもわずかあり、今日は5個体確認。
 永田橋近くで排水ひ管設置工事が始まった。カンゾウの移植保護地が作られている。
 羽村から福生は横田基地を離発着する軍用機がいつも飛び交っているが、今日は曇りのせいかとにかくすさまじい。大型輸送機が4機続いて飛び立ちさらに低空をぐるぐる旋回して遊んでいる。慣れないと神経衰弱になりそうだ。岩波新書の『日米地位協定』を読むと日本はいまも米軍の占領地であることを改めて認識する。

1月22日 小作堰下流右岸55q標識付近
 羽村堰上流右岸の河川敷に生える樹木を伐採する計画は昨年夏前に京浜河川事務所から説明を受けていたが、その作業が近いうちに始まる。計画地内にカワラニガナ群落があり、それを損なわない作業予定だったが、台風19号に伴う増水でカワラニガナは地盤ごと流失した。少し高い所に生き残っていないか探したが、砂が大量に溜まっており、現状では見つけられない。現地確認に京浜河川事務所の副所長や管理課長ほかの職員、コンサルタント会社職員等が参加し、今後の治水対策等について現場を見ながら意見交換した。
 帰路は羽村堰横を経て行くべく向かったが、最後の段丘崖の所は蛇篭に添えた材木と丸太で造った橋が架かっているだけでちょっと怖いので小作堰まで戻った。
 堰左岸に沿って大量に流れる用水が現在復旧工事中のため水が流れていないので中州にそのまま行けるチャンスだが、中州も増水で大荒れのため行っても意味がないのでやめた。
 嘴の先と胸が白い見かけぬカモが1羽いた。〔その後、知人を通して野鳥に詳しい方からご教示を受けました。「ホオジロガモの雌成鳥です。本来は海岸や湖沼に生息するカモ類ですが、近年は羽村付近の多摩川に比較的多く渡来しているようです。」〕

1月19日 軍畑――雷電山――辛垣城址――二俣尾
 定例自然観察会。多摩川とその沿川の城址巡りが年間テーマ。昨日八王子でも昼頃吹雪きだったので奥多摩はかなり積もったのではないかと長靴を履いて出かけたが、日陰と杉の梢にちらほら白いものが見える程度で、遠望する山もほとんど黒い山影を見せるだけ。とは言え梢に付いた雪が太陽に照らされて解けてどさどさと落ちてきたり雨のように降ってきたりしてヤッケの風防が脱げない。
 青梅線の軍畑と言えば高水三山の登り口であり、駅で下車したハイカーの多くも高水三山へ行くかと思いきや、以外にも雷電山を経て青梅へ抜ける山稜を行くグループが多く驚いた。いまは山道が整備され階段が所々造られているが、以前はほぼ廃道と化していた。実際に登ってみると、高水三山よりだいぶ厳しい急登が続く。雷電山頂上、辛垣山頂上とも杉林に囲まれ眺望はないに等しい。わずかに雷電山頂上から北方向が望まれ、秩父の山の彼方に男体山が見えた。
 辛垣城址は攻めるには確かに難しそうな複雑な地形をしているが、この山城に住むのも相当厳しそうだ。
 名郷峠から二俣尾への下り坂は良く踏まれた山道で30分足らずで日当たりのよい二俣尾の集落に着いた。駅前で昼食後、奥多摩橋から多摩川を見下ろす。家鴨か合鴨のようなカモが2羽淀みで遊んでいた。目を上げると先ほど歩いた雷電山から辛垣山の稜線が見えた。久しぶりに自然を満喫した一日だった。

1月14日 二ヶ領宿河原堰周辺
 右岸のせせらぎ館前の高水敷は台風19号による被害復旧工事のため立入禁止。その下流の高水敷は冠水時に表土の一部が剥がされ地中に埋められていた金網が露出している。
 カモは少ない。カイツブリ、オナガガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、コガモぐらいか。ユリカモメやカワウはいる。
 小田急線鉄橋下流右岸の旧称「できちゃったビオトープ」は冠水して礫が動くとともに池の水が干上がった。大きなヤナギは、右岸も左岸も残っている。
 左岸の「水辺の楽校」付近に工事車両が連なっている。多摩水道橋上流の河川区域内は大きな変化はなさそうだ。堤防小段の表土が少し剥がれている。
 小田急線鉄橋下流左岸にある野球場は表土が流出して一面の礫河原に復元している。
 午後に明治大学でカワラノギクプロジェクト連絡会があり、昨年12月21日に開かれた総会での決定に基づき、2020年の作業日程を決めた。
 多摩川カワラノギクプロジェクト2020年の公開活動
  永田地区で播種 4/5(日)、予備日4/11(日)
    BからC工区に出たあたりで、ツルヨシの根茎のない3つの比高の異なる礫河原とその下流の比高の高い河原の計4つのエリアに播種。
  永田地区で競合する植物の抜き取り 9/13(日)、予備日9/19(土)
  永田地区でモニタリング 10/31(土)、予備日11/1(日)

1月4日 多摩大橋から中央線鉄橋までの多摩川左岸
 多摩大橋を右岸から左岸へ渡る。カワラニガナ、カワラケツメイ、そして多摩川で絶滅したカワラハハコが生えていた橋下の礫河原は増水ですっかり洗い流された。河原が広く感じる。実際に広いことは左岸の高水敷がほとんど冠水しておらず植物への影響もほとんどないことからもわかる。
 一昨年の冠水でかなり痛んだサイクリングロードはきれいに舗装されている。修復作業時に出た砂を周囲に捨てているのが気になる。
 左岸の小さな土丹も草がなくなってきれいに露出。右岸の広大な土丹では水流が乱れかなりの水量もありおそらく通行不能のところが多々あるだろう。立川市営の運動場は一部礫が出ている。
 拝島橋から府中四谷橋までのかなりの長距離区間で唯一生き残っているカワラサイコは無事。冬なので見つけにくいが149個体確認できた。芝地なので家族連れの遊び場や散歩道になっている。
 遊歩道から水辺までかつて草が茂り立ち入りが困難だったが、いまはまっすぐ歩ける。一部砂地になっているが、大半は初夏にはまたツルヨシ等が繁茂するだろう。

1月2日 上河原堰から多摩川原橋までの多摩川左岸
 新年最初の多摩川歩きはたいてい中央線鉄橋から費のよう燧石までの多摩川右岸としているが、昨秋の台風による河川環境激変をまだ半分も見ていないので、自由時間を未見の地区に使わなければ間に合わない。上河原堰上流左岸で治水対策工事を行う際に必要な車輌等搬入路を下流から敷くため、堰近くにあるカワラサイコ群落に影響を与えないよう工夫して欲しい旨河川管理者に伝えてあったので、どうなったかの確認を含めて今年最初の多摩川歩きはこの地域を選んだ。
 グラウンドの痛み具合からするとこの地区は川幅が広いこともあり他の地区と比べて被害が少ない。但し増水した水が堤防小段の上まで達したようで、カワラサイコ群落がある辺りがずらっと流れ着いた枯れ草で埋まっている。一番個体数の多い所は幸いほとんど増水の影響がなかった。堰には、カンムリカイツブリ、カワウ、ヒドリガモ、小ガモ、キンクロハジロ、ユリカモメ等が集まっている。誰かが餌でもやっちるのか、あまり人を恐がらない。
 京王相模原線鉄橋より上流は、とくに水辺散策路周辺が大きく抉られている。散策路が簡易舗装されているのは知っていたが、周囲が削られて遊歩道だけ残っているのを見ると硬さや厚さがかなり丈夫に造られているのに驚く。多摩川原橋近くにカワラサイコが10個体ほどあったが、1個体のみ生存が確認できた。護岸復旧工事がここでもいずれ始まるだろうが、生き残った1株のカワラサイコをなんとか残したい。
 帰路、先月の定例自然観察会開催地である小沢城址に寄った。


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