多摩川の自然のニュース:2019年4月〜6月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2019年7月〜9月
2019年1月〜3月
2018年10月〜12月


6月25日 府中四谷橋から関戸橋までの多摩川左岸
 河原植物調査。カワラサイコの個体数が一番多い区域。堤防法面に1701個体、小段に316個体、高水敷の作業用道路に4907個体、合計6924個体。昨年は5655個体。カワラナデシコは6個体。京王線鉄橋下流のカワラノギク花壇ではロゼット11個体。高水敷の作業用道路は小砂利が敷き詰められており、そこにカワラサイコの実生がびっしり生えている。京王線鉄橋近くの高水敷に直径80pぐらいのカワラサイコの大きな株が満開の花をつけていた。
 アメリカネナシカズラが繁茂。堤防法面にはネジバナの花もあった。

6月22日 永田地区
 カワラノギク・プロジェクト公開作業2。時々雨が降るなか、ウグイスとホトトギスの囀り合戦を聞きつつ、永田地区下流部に生えるハリエンジュ、ピラカンサ、ブッドレア、イヌコリヤナギなどの灌木を伐採・除去した。
 カワラノギクは水辺から草の茂る辺りまで広く分布している。ついでに河原植物調査としてカワラニガナを数えたが、44個体。昨年は293なので大幅減。原因は昨年秋の増水と思われる。
 カワウ、キジバト、ホトトギス、カワセミ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、ホオジロ、カワラヒワ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月18日 京王多摩川から上河原堰下流200の多摩川左岸
 河原植物調査。堤防小段にカワラサイコが群生している箇所が子の区間に3つある。サイクリングロード折り返し点付近に92(昨年見落とした箇所)、比較的新しい護岸付近に99、その他で193個体。堰付近に7+22+1+2174個体。
 昨年は900ぐらいだったが、今回倍増した理由の1つは、他の草がまだ覆茂っていないので確認しやすかったこと、もう1つは小段下の作業用道路に無数のと思えるほど小さな実生が出ていること。後者だけで250はある。これらは夏の猛暑と日照りで淘汰されると思われる。ちなみに昨年のこの区間の調査は8月25日だった。

6月16日 奥沢城址〜丸子橋下流左岸
 多摩川周辺の城址巡りがテーマの今年度自然観察会は、2年ほど前に訪ねた九品仏から始まった。九品仏の境内は落ちついたとても良い雰囲気だが、山門を入ってすぐ左に新たに焔魔堂が建設中で、そのせいか、以前来た時にあった気がする奥沢城址の案内板が見あたらない。城址は、仁王門の左、鐘楼のある辺りにあり、いまでもちょっと山になっている。
 さて、ここから多摩川までは結構遠い。田園調布の高級住宅に駐車しているのは外車ばかりで、世界に誇るはずのtoyotaやnissanの車はついぞ見かけなかった。蓬?公園の池の鯉も亀も家鴨も餌を貰えると思ってか水辺に立つとドッと寄ってくる。丸子橋下の多摩川水辺で昼食後、時間が余っているので多摩川台公園へ。アジサイ祭り?か大勢の人が来て写真を撮り、湿性花園ではザリガニ釣りの親子連れで賑わう。自然観察会ではあるが、自然に関しては特筆すべきものがない。

6月11日 府中親水公園から多摩川原橋までの多摩川左岸
 梅雨空が続いたがようやく晴れたので河原植物調査へ。
 西武是政線競艇場前駅から徒歩5分で多摩川堤防へ。少し下流の高水敷に人工水流と池のある親水公園がある。そこに近い堤防天端にカワラサイコの群落があった。去年この付近を調査した際、その前後の堤防付近になかったので小段を歩いたため見逃していた。河口から30q杭付近に446個体あり、いくつか開花している。
 そこから下流はやはり堤防付近にはなく、稲城大橋に近い小段の旧堤防付近にカワラサイコ418個体。去年は130ぐらいなので3倍増えた。
 稲城大橋から多摩川原橋までの長距離区間は堤防にも高水敷にも河原植物等はいっさい見あたらない。
 多摩川原橋下流約200mの水辺に近い高水敷にカワラサイコ9個体確認。昨年は4個体だったが、今回は除草後だったので確認しやすかったのが源因であり増えたわけではないと思う。

6月3日 新二子橋上流右岸
 新二子橋と平瀬川との中間付近に多摩川で確認できる最下流のカワラサイコ群落がある。仕事ついでに調査。34個体確認。去年は40だが、除草後だったのでこんなものか。

5月27日 睦橋下流右岸と左岸ならびに上流右岸
 猛暑注意報が市内放送から流れているが湿度が低いのでさして苦にならない。それでも用心してペットボトル3本飲んだ。
 ラジコン飛行場がいまは使われていないらしく秘密ルートが草で覆われている。幸いたぶんNHK取材班が付けたピンクリボンを頼りに迷わず河原へ。オオキンケイギクの大お花畑は睦橋からも見える。その中にもカワラニガナが182個体確認できた(昨年253)。
 広大な礫河原を秋川合流点まで行く。昨秋の増水で多くのカワラニガナが流失、先日の大雨で一部水没して枯死した可能性もある。それでもなんとか142個体確認(昨年234)。オオヨシキリ、セッカ、ウグイスが囀っている。キジが3羽それぞれ別の所から突然飛び立った。NHKの固定カメラらしき機械が水辺近くに設置されていた。堤内地にあった屎尿処理場とパチンコ屋がなくなり広大な空き地が広がっている。
 来たついでに睦橋上流右岸も調査する。こちらはカワラサイコで樹林の下の小径沿いに49、少し開けた所に95、管理用道路脇に97、合計241個体(昨年108)。ハタザオが44個体茎をのばして小さな花を咲かせている。ホトトギスが鳴いた。
 睦橋を渡り帰ろうと思ったが、また来るのも面倒なのでもうひと頑張り、左岸下流の礫河原も調査する。昨年カワラニガナが35個体確認したが、昨秋の増水で流失したか、今回は0だった。

5月25日 是政橋下流から大丸用水堰までの多摩川左岸
 天気予報では猛暑だが湿度が低いのでまだ十分堪えられる。堤防法面の除草が終わったばかりでカワラサイコも根こそぎ切り取られ、刈った草が放置されているので探すのも大変。それでも頑張って根を張っているカワラサイコの数は堤防天端脇も含めて532個体。高水敷の運動場脇の草地には444個体。そこそこあると思ったが、昨年は堤防周辺が1132、運動場が716なので半減している。
 是政橋付近の桑の木に実がたくさんついている。
 南武線等鉄橋下から水辺上流方向約50mにもカワラサイコ群落があり240個体(昨年245)。
 府中郷土の森地先・大丸用水堰脇の高水敷はBBQ客約50Party、堰で遊んでいる小学生も十数人。そんななかで必死に生えているカワラサイコ138個体(昨年200)。
 是政橋下流の低水敷は一面のオギとツルヨシの原だが、この季節に賑わうはずのオオヨシキリやセッカの声がまったく聞かれない。トビとムクドリ以外不在のようだ。

5月19日 勝沼城址と多摩川右岸長淵
 定例自然観察会。今年度のテーマ訪問地は多摩川周辺の城址。
 青梅線東青梅駅から北に向かうと大塚山公園がある。階段を上り雑木林を縫って高台に出るが裏へ抜けられず半分引き換えして階段を下り霞川に架かる小橋を渡る。清流に10〜15cmの小魚がたくさん泳いでいる。
 かすみ保育園をまわってさらに北へ進むと光明院というお寺に着く。本堂の左横へ山の斜面に墓地があり、墓地の最上段から左に藪をちょっと入ると山道に出る。ゆるく坂を上ると鉄塔があり、勝沼城址の看板が立つ。杉並区が主催する(?)勝沼城址森林ボランティアの団体40人ぐらいが講習を受けている。その指導に当たっているおじさんが1人、勝沼城址について詳しく教えてくれた。滝山城址よりもここのほうが遺構がきちんと残っている由。林の中でコアジサイやイケマの花が咲き、日当たりではウツギの花がまだ咲いている。
 青梅観光協会案内所でもらった地図では東青梅駅から勝沼城跡も吹上しょうぶ公園もさして遠くないように見えるが、現地の実感では通り1つ1つが長くそれぞれはるかに遠い。菖蒲の開花はまだまだで極早品種が3株咲いているだけ。池の睡蓮やキショウブがきれいだ。
 天気予報では曇りで気温もさほど上がらないとのことだったが、実際は良く晴れて日射しが強くまぶしい。住宅街等を抜け市役所等諸施設を左右に観つつ崖を下りしばらくでようやく下奥多摩橋へ。
 ジャケツイバラの花が満開。礫河原に出て爽やかな川風にあたってようやく心身ともに癒される。ウグイスの囀りが聞かれる。遅めの昼食後、ツルヨシの藪≠漕いで長淵地先の高水敷造成地に着く。カワラニガナが上流部に159、下流部に40弱あり、その他も含めて合計213個体確認できた。開花株は少ない。ちなみに昨年は上流部49、下流部55だったので、だいぶ増えた。BBQをしているグループが4つで賑やか。
 少々疲れたので玉泉寺に寄りつつ吉野街道に出て小作駅までバスで帰る。
 小作駅の北方徒歩約30分弱のところにある会員のS家に参加者全員で立ち寄り、手作りのピザをたくさん戴いた。

5月13日 多摩川原橋から是政橋までの多摩川右岸
 昨日と同様日射しは強いが風が冷たい。関戸橋周辺同様ここも堤防法面の除草が終わったばかり。植生調査としてはタイミングが少々悪い。
 ニセアカシアの花は散り始め、ノイバラやマユミ、イボタノキ、ハナウドなどが満開。林の中に稲城第三中学校の蜜蜂飼育箱があった。
 クサフジはこの辺一帯も凄まじく繁茂。礫河原でもブタナ、コマツヨイグサ、セイヨウカラシナ、カタバミ、等々に混じってあちこちで花を咲かせている。ニセアカシア林入口にあるカワラサイコは7株と減少。
 稲城大橋周辺の礫河原に河原植物は見あたらない。
 京浜河川事務所多摩上流出張所前の草原にカワラサイコ1029個体健在。京浜が除草しているのだろうか。その上流の草原は除草していないのでカワラサイコは1本も見あたらない。上流出張所から約100m下流のグラウンド付近は人口圧が凄まじいのか、堤防法面が抉れ、高水敷は砂漠化している。
 イワツバメが巣材にするため水辺の泥を取りに来ている。ウグイス、キジの声が良く聞こえる。

5月12日 程久保川合流点から大栗川合流点までの多摩川右岸
 暑いが風が冷たい。関戸橋架替工事が進行中で、歩行者立入禁止区間が長く広がる。禁止を守っていたら調査ができないので、柵を越えて中へ。関戸橋右岸付け根の護岸にカワラサイコ群落があるが、工事が進むと護岸もろとも撤去される予定。そうとも知らないカワラサイコは元気に生きている。80株。昨年は163株なので半減したが。
 ここから大栗川合流点までの堤防天端脇と法面にカワラサイコが点々と続く。法面全体も含めて総計1592個体。昨年5月27日調査では2254個体なので1000個体減少。2013年は1504個体なので復活の可能性はある。
 京王線鉄橋近くの東京都による保存畑ではカワラサイコ62個体、カワラノギクのロゼット106個体。昨年はカワラサイコ140、カワラノギク460だったのでだいぶ減ったが、カワラニガナ保護畑をカワラノギク用に変えて播種したようなのでカワラノギクは増えるかもしれない。いずれにせよ関戸橋工事が終わるまでの暫定保護地。
 鉄橋をくぐり上流へ。低水護岸工事が完了した。工事の際にカワラサイコ群落を保護してもらったので、車輌搬入路が保護区館だけ切れていておもしろい。カワラサイコは1+23+3=27。去年は17なので増えた。
 府中四谷橋手前100mの草地にかつてカワラサイコの大群落があったが雑草繁茂で消滅。今回工事関係で除草したおかげで2株復活。橋の直下では111個体確認。昨年は163なので減少したが、橋下でテントを張って遊んでいる子どもグループがおり、カワラサイコがテントの下敷きになっているから、そこの部分も数えれば去年なみの数が確認できたろう。
 水辺からオギ原に至るまで青紫のクサフジ(の帰化植物系)が大繁茂し、どこを見ても青黒く見える。すさましい繁殖力。

5月5日 羽村宮ノ下地先の多摩川左岸
 昨日は寒風が吹き、東村山に居た折、雷雨とともに雹が降ったが、今日は風も爽やか。空気が乾燥しているせいか、対岸の草花丘陵からキツツキのドラミングがずっと聞かれ、ウグイスやコジュケイ、キジ、そしてカジカガエルの声もきれいに聴くことができた。
 河原植物重点地区の1つ。5年前からずっと思っていながらやっと入手した手持ちカウンターのおかげでカウントが嘘のように捗り、しかも細かくメモしなくても良いのでとても楽だ。詳細は別途記録することとし、結果だけ記すならば、礫河原でカワラニガナが873個体、カワラノギク2個体、ニセアカシア林から下流水際までの区間ではカワラニガナ99個体、カワラノギク4502個体を計上した。
 昨年秋の増水でカワラニガナの生える礫河原が洗われたが、カワラノギクが生える灌木帯は泥が被ったもののロゼットに影響はなかったようだ。これに今年の実生が加わると、カワラノギクはさらに2000株ほど増えるかもしれないが、逆に日照りや他の植物の繁茂で今日確認したロゼットが枯死するかもしれず、結局は現状維持かもしれない。
 ちなみに、昨年4月29日の調査ではカワラニガナ2380個体、カワラノギク3847個体だった。
 さらに遡って2013年ではカワラニガナ16248個体、カワラノギク438個体であり、河原植物の生態は変動激しく予測し難い。
 多摩川に出る前に、玉川神社に寄った。12世紀創建で、諏訪神社と呼ばれた時期があったためか信州諏訪大社の御柱が本堂横に立っている。雨乞街道という細い坂道を下ると、チューリップ畑と大賀蓮で有名な根がらみ水田に出る。チューリップを植えるのは良いとして、水田がなくなることは、日本の食物自給率の低下と自然保護の観点で良いのかとは思うが、農業従事者でないのでそれ以上はなんとも言えない。

5月3日 京王フr−ラルガーデン
 京王多摩川駅横にある旧京王百花園を数年前自然観察会で訪ねた時は各種の木蓮が咲き印象深かったので久しぶりに訪ねたら、敷地の4分の1がBBQ場になっていた。日本の野草はいっさいなくすべて園芸種で色とりどりだが、日射しが強く焼けるような暑さのため、アルペンホルンを聞きながら這々の体で退出。

5月2日 万願寺地先の多摩川右岸
 昨日出かけようと思ったが天気予報で60%雨とのことで晴予想の今日にしたら、10時頃本降りの雨になり、雷鳴も聞こえた。尤も、同じく予想通りにその後は晴れて夏の日射し。
 曇天でラジコン飛行機はいないと思ったら1人待機していた。構わず河原植物調査を始めたら雨になり、ラジコン愛好者は帰った。一時礫河原再生で掘り返したラジコン飛行場も数年経って土地が落ちついたためか、カワラサイコ89個体、カワラヨモギ84個体確認した。
 その後下流方向に進み、結局浅川合流点付近まで調査を終えた。高水敷から低水敷までの合計は、カワラサイコ591個体、カワラヨモギ約7404個体(誤差200)、カワラナデシコ22個体、カワラニガナは0。アカバナユウゲショウやクレソン、ブタナ、カントウタンポポなど満開。ニセアカシアが咲き始めた。
 堤防とその法面ではカワラサイコを741個体確認。レンリソウの成長が遅く、開花株はまだ1個体のみ。
 カワウ、アオサギ、ツバメ、ウグイス、セッカ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

4月29日 友田地先の多摩川右岸
 曇り。今日も風が冷たい。河原植物調査3回目。
 いまや多摩川でただ1箇所のカワラノギク自生地で、ロゼットはたった2個となった(写真3枚目と4枚目)。実生に期待するしかないが、周辺は藪に覆われているので絶望的。
 この地域のカワラニガナは、2013年5月3日調査で21723個体あったが、去年は2299で一桁減。昨秋の増水で上流部三分の一は礫が新たに被り、中流部は土が多い、下流部は草が繁茂して、今年は絶望的と思われたが、流路跡の下流部で366、上流部で1836、合計2202個体確認した。数値だけ見ると昨年と変わらないが、現状は壊滅的と言うしかない。礫が新たに覆った箇所も全体的には掘れて低くなったので、次に増水したら簡単に流路化すると思われる。
 新芽がカワラノギクそっくりのホソバコンギク(写真7枚目)があちこちで芽生えているが、もう混乱することはない。
 カワウ、トビ、キジ、ツバメ、セグロセキレイ、モズ、ウグイス、ホオジロ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

4月28日 河辺地先の多摩川左岸
 快晴で日射しが強いが風が冷たい。河原植物調査。河辺地先はカワラニガナが多いので数えるのが大変。堤内地側の流路跡にはカワラニガナ274個体。礫河原には4078個体。満開の花が大小さまざま。昨秋の増水に洗われた箇所は10cm未満の小さな株だが、礫河原には大きな株がたくさんある。先日播種したカワラノギクの発芽はまだまだ。たぶん夏になるだろう。
 礫河原に1株、カワラハハコのような見慣れない植物があった。
 下流の青梅総合運動場近くのBBQ場近くにもカワラニガナの大きな群落が意外と残されていたが、いまはたった7個体しか確認できなかった。
 カワウ、アオサギ、ツバメ、ウグイス、ヒヨドリ、ハシブトガラス。とくにウグイスが頻りに囀っている。

4月23日 万年橋上流両岸
 桜が満開になった頃から寒い日が続き植物の芽生えが遅れたので、昨年は4月1日から始めた河原植物調査の初日も今日になった。理由は気候だけでなく本業にもあるが。昨日に続き今日も夏日で暑い。
 今日はまずは昨年と同様、青梅万年橋上流の両岸から。橋〜上流1qほどの右岸の高水敷(所々BBQ場)と礫河原と合わせてカワラニガナ3601個体。きれいに開花している個体も少なからずある。昨年の増水で礫が動き、右岸を万年橋直下まで難なく歩いて行ける。河岸の林に満開のヤマブキやウツギ。河原に出る直前の堤内地では満開のウワミズザクラ。ウグイスが数羽鳴き競い、カジカの声も聞こえる。カワウ、トビ、セグロセキレイ、ツバメ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ホオジロなどの囀り。
 左岸の礫河原は昨年秋の増水で礫に流れの跡が見られ、昨年あったカワラニガナ群落は流失。流れが弱かったと思われる礫河原の中央付近にカワラニガナの小群落が2つあり、36と43、合わせて79個体確認できた。いくつか開花し、またかなり大きな株もあるので、大きな増水がなければここを拠点にふたたび群落が広がると期待できる。

4月7日 五日市線鉄橋下流右岸と河辺
 カワラノギク・プロジェクト2019年第1回公募活動。
 睦橋上流両岸とも堤防付近はずらりと桜並木で満開。暖かいというよりは汗ばむほどの陽気。右岸の高水敷にカワラサイコが茎をのばし始めた。ウグイスの囀りがあちこちから聞こえる。イタチが礫河原から草地へぴょんぴょん跳ねながら逃げる。
 昨年播種して発芽、増水に遭いながらも生き残って開花したカワラノギクの株の近くに、2011年に採取したカワラノギクの種子を新たに播いた。25箇所25000粒。
 大型バンで青梅市河辺地先の礫河原へ移動。途中車窓から、羽村堰・玉川上水の桜並木と春のお祭りのため屋台がずらりと並び花見客が大勢繰り出しているのが見られた。御輿が川の中に入るのも今日かもしれない。
 さて、河辺では、すでに開花し始めているカワラニガナに注意しつつ、4本のラインを作り、5m毎に石を4つ置き、カワラノギクを播種、合計16500粒。終了は13時40分頃で空腹。空でトビが輪を描いている。
 人家の近くの斜面で日本在来のオドリコソウが咲いていた。かつては一面の大群落を形成していたが、残念ながら地元の人が雑草としか思っていないために刈った雑草を積んだりしてかなり減少した。とりあえず絶滅でなくて良かった。