多摩川の自然のニュース:2018年7月〜9月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2018年1月〜3月
2018年4月〜6月
2018年10月〜12月
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9月23日 東秋川橋から圏央道橋までの秋川左岸
 秋川駅近くの画廊で開かれている「淡彩・花のスケッチ展」を見に行くついでに数年ぶりに秋川を歩いた。
 東秋川橋直上流の河川敷に設けられた有料BBQ場の上流端にカワラニガナが20株ほどあったが、そこから上流左岸はずーとアレチウリとクズとブタクサとオギが河原一面をびっしりと覆い立ち入る隙もない。その中を一本の筋のように遊歩道が通っている。河原のアスファルト舗装には賛同できないが、秋川ではこれがなかったらまったく河川敷に立ち入れないので、こういう環境ではアスファルト舗装も必要だなと考えを改めた。
 モズがキイキイ鳴いている。アオサギ、ダイサギ、カルガモ、トビ、等々。

9月18日 青梅万年橋上流右岸約1q
 河原植物の追跡調査。本年4月1日の調査でカワラニガナを4564+α株確認したが、開花期を過ぎ、また夏のBBQシーズンが一段落したいまはどうか。予想通りBBQの跡があちこちにあるが、周囲からクズが迫っており、人の立ち入りが少なくなったらクズやツルヨシに覆われてしまうので、BBQは必要悪かもしれない。4月は芽が小さいので、最も数の多い区間は100単位で数えたが、約3500株あった。今日の調査でそこは約2300株で、1000株以上減少した。
 その周囲は春と今日とで大差なく、一段下がった低水路の礫河原に213株あり開花していることが今回の特徴。トータルで入口の小径より下流で3357+α株確認した。
 小径より上流では、春には5株だったが、今日は開花株が点々と続き、合わせて394株と増大し

9月12日 五日市線鉄橋下流右岸
 堤防は今年2回目の除草中。高水敷のカワラサイコは無事に育ち55+2+18株。まだ花を咲かせている。
 高水敷駐車場にカワラニガナの群落があったが、今日も開花株はあるもののカワラニガナの特徴ある株が1つもないので、これはただのニガナの間違いだったようだ。
 ハリエンジュやニワウルシの林の下で早彼岸花が真紅の花を咲かせている。
 礫河原に出て今春播種したカワラノギクの生育具合を調査する。昨年7月に2度調査して1株も見つからなかったのに9月に50株以上見つかった(のちの増水で全滅)のと同様、今年も発芽が遅く7月には12株ぐらいしか確認できなかったのに今日確認した株の総数は72株。増水で冠水しない限りさらに元気に育つと見込まれるが、9月中旬で大きさが10p以下なので開花するのは1株ぐらいと思われる。カワラニガナを1株確認。
 ネムノキに実がたくさん付いている。
 横田基地からの飛行機が2機上空を何周もしていてうるさい。沖縄はもっとすごいのだろう。空に黒い点がいくつか見えるのでオスプレイかと思ったら、パラシュートで地上に降りる練習だった。

8月25日 多摩川原橋から小田急線鉄橋までの多摩川左岸
 17時から横浜で会合があるので外出ついでに多摩川で河原植物調査。いつも9時から11時頃までに多摩川歩きを済ませて暑さを凌いでいるが、今日は11時から14時半までのまさに炎天下。幸い風があって熱中症にならずに済んだ。
 多摩川原橋から京王多摩川の少し先まではグラウンド続きで河原植物はない。グラウンドが終わり、本堤の下に小段が設けられそこにコンクリート護岸が造られているところにカワラサイコが合計184株あった。上河原堰を過ぎて100mほど下流の小段から低水護岸にかけてカワラサイコがびっしり生えている。今年の調査で密度的にはここが最も濃く文字通りびっしりカワラサイコだらけ。さらに下流に進むとクズが覆い始めているが、総計829+α。
 しかしそれより下流は狛江市にかけてももう見つけられない。ひたすら強い日射しの中を歩くだけ。
 こんな炎天下でもグラウンドでは少年達が野球の練習をしている。女子高生か中学生が制服を着て橋の下で「はじめのいっぽ」で遊んでいた。
 さて、来週月曜日からしばらくドイツ出張。今年はドイツも暑いらしいが湿度が低いので日陰に入れば涼しい。たぶん。

8月20日 中央線鉄橋から多摩大橋までの多摩川左岸
 午後に永田橋上流右岸に雨水排水樋管築造工事計画の現地協議があるので、どうせならと河原植物調査を今日も行う。曇天だが蒸し暑い。
 中央線鉄橋上流約100mの高水敷にカワラサイコがかつてあったがまだあるか。あった。しかも2013年に19株だったのが約200mの間に大小合わせて134株。花が咲いている株もあり河川工事の資材置き場にでもされない限りはたぶん生き残るだろう。
 そこから上流へ道は延々と続くがあえて記録すべきものもなく多摩大橋に着く。その少し手前に堤防天端に展望櫓が建っているが、その周囲に提灯が多数ぶら下がっており、夜に近隣の人が夕涼み宴会でもしているのではないかと思われる。その下にゴルフ場らしきものが造られている。
谷地川合流点付近の右岸をいつも歩いているが、左岸から見るとカワラケツメイ保護地などいまは藪で全く立ち入れそうもないことがよくわかる。
 永田橋の排水樋管新設工事は来年秋に行われる予定だが、排水路は途中までであとは自然に礫に染み込むことが期待されており、カワラノギクの分布生育に特に支障はないと思われる。堤防付近にあるノカンゾウとキスゲは移植する予定。

8月19日 多摩川原橋下流300mから是政橋までの多摩川左岸
 昨日、一昨日ほど涼しくはないが酷暑ではない。
 多摩川原橋下流200m程の水辺に近い高水敷にカワラサイコがむかしあったが、その後低水護岸工事などがありどうなったか気になっていたので見に行った。無事に4株元気に育っていた。工事の際につぶさないよう河川管理者と工事担当者に依頼しておいたがその約束は守られていた。
 多摩川原橋から上流は、堤防天端は高速サイクリング車がひっきりなしに往来し、ジョギング愛好者も次々と走ってくる。それに加えてマラソン大会もあるらしくあちこちに標識と係員が配置されている。高水敷は狭く、そこを工事用の砂利道が敷かれているので河原植物はいっさい期待できない。稲城大橋まで黙々と歩く。
 稲城大橋から高水敷に下りて植物が育っている工事用道路を少し進むと、本堤とは別にコンクリートによる古い堤防が続いている。こういう所にはたいていカワラサイコがへばりついているので注意しながら進むと、予想通り5株見つかった。約200mの旧護岸が終わると小段が少し広くなり、踏み跡沿いに所々カワラサイコの群落があり、広い高水敷に造られた池付き公園のところまでに115株あった。
 沙漠に残る古代遺跡のような人工公園から上流はもうない。意外と遠い是政橋まで黙々と歩くのみ。セッカの声が励み。
 ほかに、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ツバメぐらい。暑くはないが何となく疲れた。
 最後に、是政橋の北詰の堤防法面にクララの群落があったが、今春きれいに除草されて愕然としたが、根が残っていて再生していた。これで疲れは吹っ切れた。

8月17日 睦橋から水菅橋までも多摩川左岸
 日射しの強さは同じだが湿度が低くしかも風が強いので炎天下にいる感じはなく快適。
 睦橋下流の福生市南公園から河原に出る前の小段にカワラニガナ1株。礫河原は増水時に冠水したらしく流木や草のゴミがあちこちに散乱している。水辺に近い粒の大きめな礫河原にカワラニガナ1本残っている。下流に進むにつれ礫の大きさが小さくなり、水際寄りは小砂利程度の礫が露出しているが公園側は土を被っており河原植物はない。粒の小さな礫河原にカワラニガナが31株。この辺は昔から群落があったところで、激減してはいるがなんとかまとまって残っていて嬉しい。
 福生南公園は河川敷に造られたので冠水頻度が高く公園の奥まで車輌に入れるので道路破損も激しく何度も公園を廃止するかせめて車輌乗り入れを入口付近に限定するよう市に働きかけたが無視され続けている。
 排水路を渡ると昭島市となる。昭和用水堰に近づくと堤防が高い位置にあるので展望が良い。堰下流から高水敷に昔から残るカワラサイコの群落を見に行く。途中イタドリやクズに覆われているが、群落地は芝が蔓延っているもののカワラサイコが159株元気に育っている。霞堤を過ぎてさらに踏み跡を辿る途中にもカワラサイコ3株。
 径の先は水辺で土丹が露出している所。水路は深掘れしているので近づくのも恐い。下流には先日調査した水菅橋が見え、上流は先刻見た昭和用水堰。かつてここにもカワラニガナがあったが今日は確認できなかった。

8月15日 多摩大橋から谷地川下流までの多摩川右岸
 多摩大橋まで自宅から自転車で35分ぐらいだが今日も猛暑なので電車で行く。 丁度電車が来たが次の電車でも八高線乗り継ぎで同じになるのでゆっくりホームむ向かったら、人身事故で40分間運行見合わせとなった。自転車で行けば良かった。
 今日も日射しが強くひりひりするが風が強いので身体の暑さは感じない。まずは多摩大橋から下流の高水敷の調査。橋脚をくぐるとすぐにカワラケツメイが見つかり、ザッと数えて550株。下流に進むにつれて数が減るが、こっちに2株、あっちに1株と点在しており、見落としもかなりあると思われる。そんな中にカワラニガナもここに4株、あちらに2株と点在している。幸いカワラケツメイもカワラニガナも黄色の花を咲かせているので見つけやすい。合計でカワラケツメイは1050株、カワラニガナは43株あった。
 メドハギやオオマツヨイグサなどが丈1mぐらいに成長しているが、礫河原に点在しているので歩行に支障はない。ただしさらに下流に行くとオギやツルヨシの密生地帯があり立ち入れない。その手前に小さな池がありコガマが花穂を付けていた。
 さらに藪の手前まで行くと、八王子市の下水処理水放出口に着く。水量が多いので越えることはできない。
 橋まで戻って堤防天端を歩く。アスファルト舗装されて自転車には良いかもしれないが炎天下の徒歩には照り返しもあって辛い。谷地川合流点はオギが密生して立ち入れない。
 川を遡って車道まで出て対岸へ。本堤と谷地川の間に作業用道路があり、そこにカワラケツメイの群落が残っているはずなので歩み入ったが、藪が茂りここのカワラケツメイは絶滅した。帰路は街中を縫って流れる日野用水に沿って歩き日野駅へ。
 ウグイスとセッカの声がずっと聞こえていた。水辺ではカワセミがケケケと鳴いて飛び立った。中州ではダイサギが周囲を警戒していた。

8月13日 拝島橋右岸直下と水菅橋までの多摩川左岸
 自宅から拝島橋まで自転車で40分若だが炎天下では辛いのでバスで最寄りのバス停まで行く。「道の駅・滝山城址」が一番近いそうだが、実際には炎天下国道16号を走るトラックの騒音と排気ガスを浴びつつ徒歩30分。自転車のほうがたぶんマシだった。
 カワラヨモギは全国的には珍しくなく絶滅危惧種になっていないが、多摩川では日野市地先とここと2箇所しかない。カワラサイコ378株、カワラヨモギ52株、カワラケツメイ16株が狭い一区画にのみ生えている。
 拝島橋を渡る。中州の大木で鳴くミンミンゼミの声が耳鳴りするほどうなる。左岸堤防天端は痛いような日射をもろに背中と首筋に浴びて厳しい。
 水菅橋下の水辺にかつてカワラニガナの群落があったが、増水で低水域が水没して何もない。小さなツルハシを持った調査員らしき人が2名。ここは化石掘りのメッカだ。

8月10日 五日市線鉄橋から永田橋までの多摩川左岸
 猛暑の中での河原植物調査。炎天下無風で辛い。
 五日市線鉄橋近くの高水敷でツルヨシなどが生えていない草地があり、五年前にはカワラニガナの大きな群落があったが、今日発見できたのはたった1株。水辺の楽校のフィールドなので踏み跡がずっと続いているが水辺や公園に出る抜け道が藪で見つからない。
 元に戻って福生市多摩川中央公園から水辺に出る、上流にあるもう一つの小径に向かう。かつては広大な礫河原が広がっていたが今は三分の二がツルヨシに覆われ上流部のみ礫が露出している。そこにカワラニガナがびっしり生えている。1867株。似たような土壌でも途中からぱったり見あたらなくなるのが不思議だ。
 暑さのせいかお盆帰郷のせいか川沿いにある市営プールはがら空き。櫟と欅の大木が生える福生市南公園に入るが風がないので涼しくない。
 永田橋から上流の永田地区を眺める。低水路は水没しているが、カワラノギクが多く生えている一段高い礫河原は無事のようす。

8月8日 京王線多摩川鉄橋上下流右岸
 台風接近による強風雨。目立った増水はまだない。京王線鉄橋上流右岸の低水護岸が昨年の増水で壊れたための復旧補強工事が今秋予定されているが、その資材置き場を高水敷に設ける必要があるものの、計画地にカワラサイコの群落があるので、そこを回避してもらうための河川管理者等との現地協議。場所を指示するだけなので10分程度で終わると思ったが、鉄橋上下流に計画していた作業ヤードがまるまる群落地(下流部は中州の植物保護のための東京都が管理する植生保全区域)に被るようで、工事担当業者およびコンサルタント会社職員等との協議で1時間ほどかかった。
 強風の中でもセッカが鳴きながら飛んでいた。

8月5日 日野橋から日野クリーンセンター前までの多摩川右岸
 明日から天気が悪くなるという予報なので、炎天下の多摩川歩きに出る。
 日野橋のすぐ下流にカワラサイコ12株。舗装したサイクリングロードは暑くてめまいがする。靴に種子が入ったので靴を脱いで足を道路に付けたら熱くて下ろせなかった。
 中央高速道橋のすぐ上流にも大きなカワラサイコの株3つ。礫河原は先日の増水で冠水して土を被って白くなっている。その所為もあるのか河原植物は見つからない。すぐそばに大量の水が流れているが暑くて目眩がしそうだ。
 石田大橋の手前で河川敷に樹林が残っている箇所があるが、日陰が少なく残念ながらオアシスにならなかった。そこを抜けるとカワラサイコ3株、その周囲にカワラナデシコが5株満開。堤防法面から高水敷にかけてクワやニセアカシアが2m近くに成長している。6月に除草したはずなのでその後に延びたのだろう。在来植生保護地区は今年除草時期を遅らせたため、ワレモコウが今ごろ新芽を出し、スズサイコが1株花芽をつけていた。高水敷では河原植物保護のためシナダレスズメガヤを京浜河川事務所が抜根したり刈り取ったりしたがなかなかしぶとく、来春にはすべて復活しそうな勢い。高水敷のカワラナデシコはまだ開花していない。ラジコン飛行機愛好者が10名ほど大きな木の下で待機していた。
 キリギリスの鳴き声。コジュケイ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ。

8月4日 長淵(多摩川右岸)
 八王子の自宅近く「つくづく惜しい」と鳴くツクツクホウシがもう鳴いていた。依然猛暑。
 中央線車窓から見ると多摩川鉄橋直下流にある中州が日曜日以来水没しているのが見える。小河内ダムが放流を続けているのかまだ水量は多い。
 5年前に1500株ほどあったカワラニガナが今年4月5日の調査でゼロというショッキングな状況を再確認すべく炎天下の多摩川を歩いた。クズに覆われたとかツルヨシが繁茂したとかの植生変化がほとんどないのになぜカワラニガナは消えたのか。改めて隈無く調べた結果、長淵造成地の下流端少し手前に11株、水辺に下りる斜面に9株、芝地横に26株、中央の踏み跡脇に9株、いずれもあまり元気がないがとりあえず絶滅でないことが確認できた。上流部はメドハギがかなり繁茂している小砂利の地表が見える所も少なからずある。造成地上流端でクズとツルヨシに行く手を遮られる少し手前にカワラニガナは49株あった。上流へ向かう途中踏み跡も薄くなり草丈も高くなり猛暑なのでこの辺で引き返そうかという誘惑を断ち切ってとことん可能性を追求することで調査全体を無駄にせずに済んだ。ウグイスが囀って励ましてくれた。
 長淵地区全体で結局カワラニガナ104株が確認できた。
 カワウ、カルガモ、ツバメ、セグロセキレイ、ウグイス。

7月28/29日 相模湖畔千木良
 夏の水源合宿。今回は多摩川水系の隣、相模川水系の水源地域を訪ねた。折からの猛暑を維持していた高気圧を押しのけ本州東海地方から西へ向かう台風17号により午後から雨が強くなり、集合時間の17時頃には土砂降り。幸い適温でたっぷりのお湯が檜風呂から溢れる温泉旅館に泊まったので、濡れて下がった体温を復元できた。
 台風がどんどん西寄りのコースをとるのでじきに雨は止むだろうとの見込みは甘く、翌朝4時半に早朝観察を始めた頃は雨が止むかと思われ、ヒグラシ、アブラゼミ、ミンミンゼミも一斉に鳴き始めたが、その後ふたたび激しい雨となり、8時半頃ようやく晴れ間が出、日も差すようになった。
 早朝観察会は早めに切り上げ旅館に戻り部屋の窓から外の林を見ていたら、野鳥たちが次々と現れて、部屋の窓からの早朝観察ができた。所謂玉虫色のタマムシも羽を広げて飛んで来た。
 カワウ、アオサギ、ツバメ、コゲラ、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、カワラヒワ、イカル、ハシブトガラス、ガビチョウ。
 朝食後、夏の日射しが戻ってきたなか、底沢で自然観察をしようと思ったが時折雨がまだ落ちてくるのでやめて、小原本陣の復元住居と展示案内館に寄る。案内館の玄関先で台風のせいかごく小規模の農産物朝市が開かれており、安くて新鮮とあって参加者は大きく思いカボチャやトマト等を買い求めた。台風のため温泉と参加者の懇談と窓外の野鳥以外には、朝市の野菜が良い土産となった。

7月22日 睦橋から五日市線鉄橋までの多摩川右岸
 朝9時前に現地着でもすでに猛暑で全身トースターの中に入った感じ。
 カワラノギク・プロジェクトがカワラノギクを播種した結果の調査2回目。前回6月12日時点で実生12、実生らしい株10の合計22だったが、今日は元気に育っている株7、なんとか生き残っているという実生5、枯死したもの2だった。
 カワラニガナは見られない。高水敷の除草地は雨が全然降らないため1ヶ月経っても赤茶けたまま。
 ウグイスとホオジロの囀りに励まされ炎天下ひたすら歩く。

7月17日 二子橋上流両岸
 猛暑でいつ倒れても不思議でない河原歩きだが、野球の練習をしている人も必ずいる。
 河原植物調査。5年前の調査でカワラサイコの最下流群落が右岸の平瀬川合流点付近にあったが、その後どうなったか見に行った。サイクリングロード、緊急用道路等が並行して走り、いずれもアスファルト舗装なので頭がクラクラするほど暑い。除草工事中だったが、カワラサイコ群落は生き残っていた。5年前に19株だったが今日は40株確認した。ワイルドフラワーという名の花壇跡なので守られているようだ。周囲には見つからない。
 新二子橋を渡って左岸へ。鎌田地先の多摩川高水敷内に残る低水護岸にカワラサイコが生き残っていたが、今回の調査ではクズが一面を覆って他の植物は何も確認できなかった。
 世田谷区はサイクリングロードをゴム製にしているためこの猛暑ではよけいに暑苦しい。全身汗びっしょりでポロシャツまで変色して格好悪く二子玉川で飲食店に入れなかった。
 カワウ、コサギ、ツバメ、モズ、ハシブトガラス。

7月15日 友田(多摩川右岸)
 猛暑で現地に着く前に熱中症で倒れそうな強い日射しを浴びつつ、友田で新たに発見したカワラノギク群落を見に行った。圏央道橋から幸いHLによる良く踏まれた林の中の径を抜けることができ藪こぎをせずに済んだ。
 例のカワラノギクっぽい株だが、5月には「たぶんカワラノギクだろう」という株を90近く数えたが、今日は同様の確信さえ持てないが完全には否定しきれない株は3つっしかなかった。ここからさらに上流の礫河原にあった2株は明らかにカワラノギクではなかった。なので、カワラノギクっぽいこの3株も残念ながらカワラノギクではない確立が高い。
 なお、自生地のカワラノギクは16株。ここの環境はかなり厳しいせいもあり、葉がかなり細いのが特徴的だ。(写真5枚目)
 カワラニガナは炎天下頑張って咲いたり種子をいっぱい付けたりしている。
 対岸の青梅市運動場地先の礫河原にはBBQのテントがずらりと並んでいる。
 ウグイスとガビチョウの囀り。小作駅近くの櫟林でニイニイゼミとミンミンゼミが合唱。夏だ!

7月10日 多摩大橋から日野用水堰までの多摩川右岸
 猛暑で全身汗びっしょり。橋の下から礫河原出るとすぐにカワラケツメイの群落があり、さあこれから(数えるのが)大変だと気合いが入るが、まとまった群落があったのはここだけ。しかし、頑張って草むらを探すと、少し上流の草地と礫河原の境目に若干まとまって生えていた。同じような所にカワラニガナの群落があり、ある程度まとまった群落が3箇所、その他小さな群落が散らばって10ほどあった。どこにあるか予測がつかないような所でも見つかるので、若干見落としがあるかもしれない。
 草の生えていない新しい礫河原と土丹、そして水辺ではカワラケツメイ1株あっただけ。せせらぎ水路を渡る橋がある所から上流では河原植物は見つからない。
 橋を渡り、堤防下の管理用道路を歩く。この道沿いと水路の取り入れ口付近にカワラケツメイの群落があったが、除草により絶滅。この秋に低水護岸工事が予定されており、ここでカワラケツメイが復活することはもうないだろう。
 八高線鉄橋をくぐり上流へ。ヤブカンゾウの花がまだ咲いている。日野用水堰から藪が茂る暗い林を抜けて拝島橋まで行こうと思ったが、猛暑厳しく手持ちジュースも減ってきたのでここまでとして宇津木台バス停へ向かう。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、ハシブトガラス。

7月8日 相模湖
 夏の合宿の下見を秀久さんと2人で行う。日射しがあったり雨粒が落ちたりする曇天だが蒸し暑さが半端でない。ホリデー快速という特急列車で快適に駅まで来たが、湖は暑いしスワンのボート以外野鳥1羽もいない
。相模大橋手前を横断しダムまで来てようやく緑蔭に囲まれ車の音も聞かなくなる。対岸に渡り車道を下流方向にたどるが車はめったに来ず、ヤマユリやホトトギス(植物)の花やマムシグサの実を見、養護学校脇から弁天橋への急坂を下る。林の中にWCあり。弁天橋から見下ろす川は渓谷ではなく次の津久井湖の貯水池という感じで水量が多くどこか恐さを感じる。対岸の林に入ると小さな小屋風の建物があり、猫数匹と猫の餌をお盆に乗せて番をしながら本を読んでいる青年がいる。話しかけに答えた言葉からして外国人らしい。
 国道への急な山道を必死に登り、途中から宿泊地の天下茶屋への近道をたどる。山の中腹に立てられた温泉宿は古い感じが味わい良い静かな宿。宿のおかみさんに館内を案内していただいた。国道にある入口までの小道も結構な急坂で、よくぞここに宿を建てたものだと感心する。合宿当日の散策場を探して近くにある善勝寺と牛鞍神社に寄り、さらに底沢の林道を小仏峠方面に入る。一回りして小原宿本陣を見つつ相模湖駅まで国道の歩道をひたすら歩く。
 かつて中央本線普通列車の乗客の半分が相模湖駅で下車するほど賑わったが、いまは観光客をほとんど見かけない。駅前食堂も昼時にも拘わらず家族連れ2pとおじさん2人だけとどことなく斜陽を感じる。