多摩川の自然のニュース:2013年4月〜6月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

【2012年10〜12月】
2013年1月〜3月
2013年7月〜9月

6月25日 水管橋から八高線鉄橋までの多摩川左岸 雨
 河原植物調査。気象庁の予報では昨日多摩地区で一時降雨で今日は晴れ間ありとあったので来てみれば、雨。一時ちょっと日が差し、その後は雷雨。それでも所期の目標は達成できた。
 八王子・昭島水菅橋下の水辺でカワラニガナ670株、拝島橋上流の水辺から一段上がった礫と草地にカワラニガナ1281株。これらは4月の調査で存在を確認していたが時間がなく株数を数えられなかったもの。雨が降っていなければ水菅橋から拝島橋まで水辺を歩けるが、今日は土丹がぬかるんで歩けない。キジが突然飛び立った。ネムノキの花が咲き始めた。
 八高線の車窓から多摩川を見下ろして日野用水堰下流の中州に徒渉できそうに見えたが、雨のせいもあり水量が多く、途中まで行って断念。しかし、鉄橋下の床止めの下を大量の水が流れているからもしかしてと思い良く見たら、なんと中州とつながっていた。徒渉する必要がなかった。過去に一度も立ち入ったことのない中州へ。踏み跡をたどったら筍採りの人のもので竹藪へ。ハグロトンボが一斉に飛び立った。引き返して水路跡を遡り、堰近くまで行く。オギが繁茂して全体を歩くことができないが、特記すべき生物は確認できなかった。雷が鳴り始めたので引き返す。堤防に達した所で雨が本降りとなった。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、キジ、ホトトギス、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、ホオジロ、、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月23日 永田地区と永田橋下流右岸
 カワラノギク・プロジェクト今年度第一回公開作業日。永田地区A工区からE工区までのカワラノギクの生育状況、B工区でのニセアカシアの巻き枯らし実験調査、および永田橋付近から多摩橋までの右岸礫河原のカワラノギク分布調査。永田地区は、A工区は雑草が生い茂り、ここを除草することが想像できない雰囲気。B〜E工区は自然分布で足の踏み場がないほどカワラノギクのロゼットや実生が見られる。永田橋上流の造成地でカワラノギク22株、橋の下も含めて下流三角地点で22株。そこから多摩橋までの造成地では、期待に反して、カワラノギクは4株しか見つけられなかった。
 来たついでに河原植物調査を行う。永田橋上流右岸の堤防のり面にウツボグサ、ノジトラノオが開花。川側小段にヒロハカワラサイコが401株、A工区とB工区の境付近の作業用道脇にカワラサイコの大きい株1。永田橋上流の水辺近くの礫河原にカワラニガナ17株。永田橋下流の礫河原造成部分でカワラニガナ16株、礫河原の付け根樹林脇でカワラケツメイ約50株。
 左岸のカニ坂公園下の礫河原にカワラニガナ22株。
 チドリsp、トビ、オオタカ、キジ、ホトトギス、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

6月18日 高月から日野用水堰までの多摩川右岸 曇り時々夏の日差し
 河原植物調査。水田が広がる高月地区。秋川合流点。堤防上はカワラサイコがありそうな雰囲気が続くが、昭和用水堰入口付近でようやく10株。堰入口に岸辺散策路公園があるが、いまは巨石が残るのみ。そのすぐ近くに、睦橋周辺の河川工事で出た残土の捨て場がある。堰脇のクレーターもこの残土で埋められた。オオブタクサが一面に広がる。この辺から日野用水堰までの河原には笹竹がびっしりと生えており、その筍掘りの人が十数名来ている。藪の中を縦横に入り込み、採ってきた筍の皮をあちこちで剥いている。ここからしばらく広大な滝ヶ原運動公園。東京オリンピックのとき自転車レースが行われた跡地。運動場周辺の芝地を探したが河原植物は皆無。水菅橋を過ぎると、廃棄物の不法投棄防止柵が続くバイパス。名目は運動場利用者専用道路となっているが、通過する大量の車はほとんどが一般通行車。この柵を設ける際に河川管理者と協議したが、そういうことを知っている河川管理官も退職や異動で京浜河川事務所にはもうだれもいないだろう。
 拝島橋手前にラジコン飛行場が笹に隠れて存在する。ここにカワラサイコがあるのは前から知っていたが、今回のカウントで1919株を数えた。ふたたびバイパスを通り、橋脚補強工事用資材搬入路を入ると、道ばたにカワラサイコが160株と、なんとカワラヨモギが17株あった。カワラヨモギは私たちが知る限りで多摩川では他に2箇所しかない超稀少種なので、さっそく河川管理者に保護策を講じるよう依頼したい。
 拝島橋から下流は、右岸にあってもしばらくは昭島市の飛び地で、清掃工場と児童園があるが、児童園は廃園になっていた。ここから先はサバイバルゲーム最大の基地で自衛隊員も非番で来ていたが、いまは車両通行止めとなり、わずかに弾が落ちているが、もはやあまり使われていないようだ。それでも立派な踏み跡が藪の中を貫き、日野用水堰上流の車道につながっている。ここから水辺を経て上流に向かう踏み跡もあり、途中の排水溝にも木橋が架かって通れるようになっている。この季節はちょっとつらいが、冬は楽に通れそうだ。
 カワウ、キジ、キジバト、ホトトギス、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月16日 拝島橋から立日橋までの多摩川左岸 雨のち曇り
 定例自然観察会。今回は多摩大橋までだが、解散後、参加者ほぼ全員でさらに立日橋まで河原植物調査を行う。昼まで雨が降り続き、雨が止むと夏のような蒸し暑さ。でも時折涼しい風も吹く。
 拝島駅からバスで拝島大師へ。拝島橋から川を見下ろす。昨日からの雨で水量はふだんの3倍弱。橋から下流へしばらく林の中の、整備しすぎの感がある遊歩道を進む。堤防に出る直前で周囲を見渡すと奥多摩の中腹にいるような気分になるほど周囲が緑に囲まれ水が見えない。堤防に出ると、除草したばかりののり面が続く。川は遠い。昭島水辺の楽校の人工ワンドへ。ミクリが咲いていたが、河原植物は見あたらない。グラウンドを経て八高線鉄橋へ。土丹が露出した水辺にカワラバッタ多数。河原植物はない。高水敷にはグラウンドが続き、ワルナスビの群落があるだけ。下水排水溝は水温が高いため年中サんかくいなどが水中に茂っている。多摩大橋で観察会は終了し、引き続き河原植物調査のため歩き続ける。ここから簡易舗装の武蔵野の路が続き、植物は貧困。堤防天端は車道と歩道。東中神地先でようやく礫河原が見られるが、河原植物は見あたらなかった。さらに下流へ進み、ニセアカシア林を経て水辺に出る途中で広大なゴルフ場(不法)がある。おじさんが一人黙々と除草をしている。水辺は土丹が出ており、歩くと粘土質の土が長靴にへばりつく。
 中央線鉄橋付近でようやくカワラサイコを9株発見。その後、グラウンドを人工公園を経て、残堀川を渡って立日橋へ。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、キジ、キジバト、ホトトギス、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月10日 万願寺地先の多摩川右岸 曇りのち雨
 河原植物調査。当地の未調査区域を今日中にすべて調査しようと思って飲食物を用意して来たが、途中から雨で中断せざるをえなかった。明日は雨だとの予報を聞き、ならば連日になるが今日と思って来たのに。大きなエノキの下で雨宿りしたがしっかり濡れた。
 ラジコン飛行場跡付近でカワラサイコ547株、カワラナデシコ38株、カワラヨモギ184株。そこからゴルフ場跡地までの草原でカワラサイコ91株、カワラナデシコ40株、カワラヨモギ12株。ラジコン飛行場やゴルフ場をつぶすという名目でもその縁で河原植物が咲いたり枯れそうになったりしているのを見ると、こうした工事に疑問を感じる。その先はクズが広がり始めている。
 小雨になったので帰路についた。雨が止んでも草露でびっしょりになるので。そう言えば、カワラケツメイの新芽が谷地川合流点ではたくさん出ていたが、ここで1本も見つからなかったのは気になる。造成工事でつぶされた可能性が高い。夏にもう一度調査しよう。
 カワウ、アオサギ、トビ、キジ、ホトトギス、イワツバメ、ツバメ、ウグイス、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

6月9日 程久保川合流点から大栗川合流点までの多摩川右岸 夏日
 河原植物調査。程久保川の人工ワンド中州に大量の除草の跡あり。植生調査でもしているのだろうか。府中四谷橋まではかつて草地が広がっていたが、いまは日野市が野球場を2面造成。整地するのは良いが粉塵を巻き上げないで欲しい。低水護岸に小砂利を撒くなんて馬鹿じゃないかと素人でも思う。(素人だから思う?)ちょっと水が被れば100%流失する。
 府中四谷橋をくぐるとすぐにカワラサイコの群落がある。22株、追って437株。アメフトや少年サッカーの練習場として使われている河川敷公園にはカワラサイコなどいっさいない。川では子どもカヌー教室が行われていた。その下流部から中州へ渡る。広大な礫河原が広がるが河原植物はなかった。カワウが100羽ほど高圧線に集まってきた。
 京王線鉄橋から関戸橋までは先日調査したので、関戸橋から下流を徹底調査。橋のたもとの護岸にカワラサイコ30株。ここから下流の河川敷にむかしはカワラノギクが生えていたが、その後の多摩市による人工公園化と度重なる護岸工事で絶滅。いまや見る影もない。警察犬訓練所脇から下流の堤防下、小段、天端にカワラサイコの群落がある。下は11株、小段はスロープより下流の小段に673株、天端川側に41株、堤内地側に668株。スロープより上流関戸橋までは81株。総計で、京王線鉄橋上流は459株、関戸橋より下流で1504株のカワラサイコがあった。大栗川合流点から下流方向の中州には河原植物がなかった。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ。キジ、ホトトギス、イワツバメ、ツバメ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ヒバリ、ハシブトガラス。

6月4日 多摩橋から睦橋までの多摩川左岸
 川の手前の住宅地で小学生約30人を連れた2グループの先生が2人とも私に挨拶をするので驚いてよく見たら自然環境アカデミーのNさんだった。
 さて、今日も河原植物調査。福生中央公園は堤防も含めて一面芝生だが、カワラサイコは見つからなかった。そこから一段下がった礫河原に出る際、踏み跡が途絶えていたが、3〜4mぐらいの段差だから急坂でもなんとか滑って降りられるだろうと一歩踏み出したら、足の下に地面がなく空中をもんどり打って頭から落ちてしまった。幸い雑草が生い茂っていたので怪我はしなかったが、シャツが汚れ帰路電車のなかで格好悪かった。広大な礫河原をジグザグに歩く。カワラニガナが点在する。ドント焼き跡までの上流に28株、そこから下流へさらに一段下がるところまでの礫河原と草地混じりのところにカワラニガナが209株。水辺の斜面や草地の中にも生えている。途中でナデシコが1株。これはいわゆるカワラナデシコではない。園芸種と思われる。カワラナデシコよりも可憐な趣がある。
 ツルヨシ群落をぬけると、やや人為の匂いがしないでもない砂礫地に出る。カワラニガナが289株あったが、昨秋見たカワラノギクはロゼットも実生も見あたらなかった。秋に再調査しよう。
 五日市線鉄橋をくぐり睦橋までの堤防法面はテリハノイバラが満開。ここの低水敷と右岸水辺は去る冬に造成したばかりなので、調査するには時期尚早だろう。
 カワウ、カイツブリ、ダイサギ、アオサギ、イカルチドリ。トビ、キジ、ホトトギス、セグロセキレイ、イワツバメ、ツバメ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、シジュウカラ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月1日 谷地川合流点から日野用水堰までの多摩川右岸
 河原植物調査。堤防法面は除草が終わったばかり。ラジコンヘリ基地も除草が終わったばかりのようす。谷地川で大人が三人網で水の中を探っている。趣味というより調査らしい。多摩川の水辺までの径も除草されている。河原は、ニセアカシア林を伐採してチップを敷いた所はオギ原、所々裸地ないし礫河原があり河原植物が期待されたがなかった。大きめの石を並べた所にもない。土丹が露出している所も特記すべき植物はない。造成以前からあったカワラケツメイが約1000株見られたが、まだ1〜3pなので正確な数は測れない。シランが40株ほど現存。種子をつけている。河川敷内の釣り堀ではウシガエルが鳴いていた。
 多摩大橋を越えて上流へ。ニセアカシアを伐採して、そのままの所、チップを敷いた所、大きな石を並べた所、泥が被っている所などが造成されている。そのままの所はすでに林となっている。チップを敷いた所はオギが出ているが、何も生えていない所もあり、除草効果はあるが、河原植物ももちろん復活しえない。大きな石を並べた所も同様。ラジコン飛行場が2箇所に分かれて復活。その中間付近でカワラサイコが1株花を咲かせていた。水辺は礫河原が広がり河原植物の存在が期待できたが、あったのは一箇所5m四方にカワラニガナが162株。これだけあれば、大水で流されない限り、付近にさらに広がるだろう。
 八高線鉄橋をくぐりさらに上流へ。釣り人が中州近くに近づいており、水鳥が少ない。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ。トビ、キジ、ホトトギス、イワツバメ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月27日 万願寺地先およびそこから日野橋までの多摩川右岸
 除草期間調整区域の指標植物は開花が終わり、クズその他が蔓延ってきたので、次の夏草のために除草を依頼することにする。
 河原植物調査。まずは堤防調査の続き。堤内地側でカワラサイコ460株、前回見落とし川側13株。また、ラジコン飛行場入口付近の堤防川側小段でもカワラサイコ75株を追加確認。
 さて、広大な高水敷の調査だが、調査区域の半分、すなわち不法ゴルフ場周辺のみ調査を終えた。ラジコン飛行場付近から上流は次回とせざるをえなかった。調査はもちろん小さく区域を分けて行っているが、稀少種保護の観点から、ここでは概数のみ紹介する。合計は、カワラサイコが1487株、カワラヨモギが339株、カワラナデシコが344株。カワラヨモギが激減している。カワラヨモギは多摩川で2,3箇所でしか確認できないが、なぜか東京都のレッドデータブックにはリスト化されていない。
 今日もラジコン飛行機が2機飛んでいた。
 飲食物を持たず、昼もとうに過ぎ疲れたので、日野橋までの堤防上の調査だけ行ってお終いにした。この区間では河原植物は見られなかった。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、カルガモ。トビ、キジ、コジュケイ、ホトトギス、ツバメ、イワツバメ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月26日 阿蘇神社から羽村堰までの多摩川左岸
 河原植物調査。高水敷はグラウンドだが、その地先に広大な礫河原が広がる。かつてカワラニガナの大群落地だったが、いまはどうだろうか。
 礫河原にカワラニガナが2609株、水辺に8800株、草地混じりの下流部にカワラニガナが6662株、合計で18071株、カワラノギクが206株。グラウンド脇のカワラノギクの花壇はついに0株となった。カワラニガナの大群落地がBBQ場となっているのが気になる。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、カルガモ、アヒル、イカルチドリ。トビ、キジ、ホトトギス、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月25 日 小田急線鉄橋から東名高速道路多摩川橋までの多摩川左岸 鈴木有子調査
 河原植物の調査。結果は「なし」。
 メドハギがあったらいいほう?東名のそばに石畳状態の所があって、カタバミ、コメツブかクスダマ、ツメクサの黄色、シロバナマンテマ?はピンクと小花が咲き、いい感じ。東名の橋はスズメ、ムクドリのマンション?!ということもわかった。かなりシナダレスズメガヤがはびこっている所も……。

5月24日 関戸橋から一宮公園までの多摩川右岸 夏日
 関戸橋架替工事計画があるとのことで東京都の担当職員と現地で顔合わせ。まだ具体的な内容がなくご挨拶だけで、ご丁寧ではあるが時間を無駄にした感がないこともない。出勤途中ながらついでに河原植物の調査を小一時間ほど行った。関戸橋付近でカワラサイコ2株、京王線鉄橋付近の堤防天端でカワラサイコ9株、一宮公園近くでカワラサイコ37株あった。京王線鉄橋下流の高水敷に礫があり何かありそうだが、特記すべきものはなかった。
 ダイサギ、イワツバメ、ヒバリ、セッカ、オオヨシキリ。

5月19日 京王多摩川から多摩川原橋までの多摩川左岸、稲城スーパー堤防公演までの同右岸 晴、日差し強いが涼風
 定例自然観察会。参加は常連なので河原植物調査を兼ねた。
 京王多摩川から多摩川原橋までの左岸は少年野球とその保護者等で賑わう。グラウンド周辺および礫河原で河原植物を調査、大きなカワラサイコが1株あっただけ。礫河原にはさまざまな園芸植物が開花して呆れるやら楽しいやら。
 橋を渡り右岸へ。グラウンドは野球とその関係者の車両駐車。堤防小段と低水護岸、および礫河原と3班に分かれて調査。ラジコン飛行場にも広大な礫河原にもニセアカシア林にも河原植物は見つからず。礫河原には園芸植物が満開。昼食後2班に分かれ、礫河原班がカワラハハコ1株とカワラニガナ小群落(8株)、大きなヒロハカワラサイコ1株を発見。カワラハハコは知る限り多摩川で唯一。カワラニガナはいまのところ多摩川で最下流の株。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、イカルチドリ、コアジサシ。キジ、コジュケイ、キジバト、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月14日 万願寺地先の多摩川 快晴、夏日
 堤防法面在来稀少植物調査と河原植物調査。
 堤防の除草は終わっているが、調査地以外でも除草をし残してある地区が3つある。そのうちの1つと続く除草済みの区間でカワラサイコが231株、カワラナデシコが1株、その他ワレモコウやコマツヨイグサ、ハタザオなど在来植物が観られる。除草期間調整地区ではレンリソウが14株開花。この地区の下流半分は冬の手作業による除草が間に合わなかったためにススキやクズが生い茂りレンリソウは激減した。晩秋の除草をぜひやってもらいたい。林の縁ではハナウドがたくさん咲いている。
 堤防最下流にも除草していない区間があり、ワレモコウやアマドコロなど在来植物が生えている。
 河川敷に下る。しばらくニセアカシア林が続き、草丈も伸び、夏に踏み込んだら相当な藪こぎが強いられる。上流に向かい開けて草地が広がるとカワラサイコが現れ、さらにしばらく進むとカワラサイコ、カワラヨモギ、カワラナデシコの一大群落地に着く。ここの調査は半日かかりそうなので後日にまわす。元不法ゴルフ場とその下流にあるラジコン飛行場、さらにその下流のニセアカシア林伐採地にできた人工礫河原に河原植物が復元することはまずありえないと言わざるを得ない。
 高水敷を降りて礫河原に出る。カワラニガナが34株ある。地元で植生調査をしている人が赤テープを石に巻き付けて目印にしている。そこから水辺まで広大な礫河原が広がる。大きなカワラニガナの株があり花を咲かせている。堤防付近にあるものよりもはるかに小さな花をいっぱいつけたカワラサイコも4株あった。この付近で最も多いのは外来種のアカバナユウゲショウだ。
 ラジコン飛行場はつぶされたが、今日も一人飛ばしている。その付近の水辺斜面にカワラヨモギ55株、カワラサイコ3株、カワラナデシコ2株あり。カワラケツメイはまだ発芽していないが、群落の一部が造成されてしまったと思われる。
 最後に、石田大橋に向かう途中の川側の小道にかつてはカワラサイコの群落があったが、いまはシナダレスズメガヤが繁茂し、わずかに4株が残るだけとなった。
 キジ、ツバメ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月11日 小作堰から羽村大橋までの多摩川右岸 晴、夏日
 小作堰管理地に下る車道が閉鎖されていた。中州に入るには下流から行くか、養魚場から下ることになる。
 河原植物調査。右岸の堤防小段と広大な礫河原を隈無く調べたが、河原植物は見つからなかった。「ない」というのも基調は調査情報だ。
 大多摩観光ゴルフ場と運動場の下流から崖沿いに下流へ抜けて羽村市立博物館前へ。隣の川魚料亭がなくなり更地になった。白壁と門だけが残っている。
 堰周辺の礫河原では、下流端でカワラニガナ2株発見。
 草地にヒロハカワラサイコが1566株、それに続く道ばたに133株。右岸ではこれがカワラサイコの上流限だ。
 誰かが播種したカワラノギクの生き残りロゼットが9株。
 堰下人道橋付近にある羽村植物友の会の耕作地内にはカワラノギクが230株ほど、カワラサイコも100株強ほど見えた。柵外から眺めただけなのでこれ以上あると思われる。土壌改良でだいぶ復活したようだ。水辺の高台にもカワラノギクのロゼット4株残っている。これも誰かが播種したものの生き残り。
 カワウ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、コジュケイ、ツバメ、イワツバメ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月7日 長渕地区
 河原植物調査。左岸の護岸工事に関連して右岸も数年前に河川敷が改修されたが、地盤を固めすぎて河原植物の再生が困難と思われる。反面、背丈が伸びる草が生えないので、カワラニガナやアカバナユウゲショウ、カタバミなどが生えている。もっとも、夏になれば立ち入りがためらわれるほどに草が伸びるが。BBQや釣りをする人たちが歩く道をはさんで下流側には、カワラニガナが866+57=923株、上流側には781株あった。すぐそこに林が迫るという最上流にも1株あり、カワラニガナは一定の大きさの礫がつねに露出していれば生えることがわかる。量的には上記のようだが、実際にはいくつかのポイントに群落として点在している。かつてはこの地区が多摩川で最大のカワラニガナ群落地だったが、ニセアカシアの林になって衰頽した。
 カワウ、イカルチドリ(巣に卵があった)、ヒヨドリ、キジバト、ウグイス。

5月3日 友田地区
 河原植物調査。広大な礫河原にカワラニガナが大群落を形成しており、3人で調査して4時間近くかかった。合計19069株確認。多摩川で唯一残るカワラノギクの自生地にそのロゼット74株。
 カワウ、イカルチドリ、トビ、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ガビチョウ。

4月28日 河辺地先から圏央道橋までの多摩川左岸 晴、暑い
 稀少河原植物調査の続き。前回調査した地点から下流まで。礫河原が広く点在するので、調査には非常に時間がかかる。こんな所にはないだろうと思える所にもあったりするから手抜きができない。この地区にあるのはカワラニガナだけだが、開花株は75、未開花株は594、かつてこの地区には万単位でカワラニガナが見られたので、それに比べると激減。だが、これだけ広く礫河原が安定して広がる地区は対岸の友田以外にはないのでカワラニガナにとっては貴重な分布地であることは間違いない。
毎年この連休に奥多摩漁協がマス類を放流しており、水辺には釣り人がずらっと並んでいる。青梅総合運動場地先はBBQ客で賑わう。
 カワウ、イカルチドリ。トビ、キジ、セグロセキレイ、ウグイス、セッカ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

4月21日 睦橋から拝島橋までの多摩川左岸 雨のち曇り、寒い
 定例自然観察会。最初の1時間ほどは雨が本降り、のち止むが、真冬の気温。数日前は25度近くの気温だったが、今日は10度以下。
 拝島駅前の開発が始まった。まずは多摩川へ徒歩20分。睦橋下流にある福生市南公園は、せっかく河辺にあるのに、水辺と公園との間を車道が走っており危険だし精神的にも川との分断を強いられるから改善するようにと30年以上前から市や建設省(現。国土交通省)に訴えているのにまったく改善される気配がない。
 水辺に出ると、ツバメとイワツバメが低空で飛びながら、水面に流れてくるのか羽化しているのかわからないが虫を啄んでいる。嘴だけちょんと水面につけて飛び去る様は、おみごと!というしかない。比較的新しい護岸付近は、カラスノエンドウではなくスズメノエンドウがたくさん生えている。栄養分が足りないせいだろうか。指定駆除対象外来植物である金鶏花が拝島橋まで転々とあるいは群落で生えている。昭和用水堰近くで顔黒ガビチョウが餌を探しているのが間近で見られた。ガビチョウよりも警戒心が薄い感じがする。その近くに30年以上前からカワラサイコの群落があり、いまも健在で良かった。324株、少し離れて46株、さらに下流で19株あった。水管橋下と拝島橋上流の水辺にはカワラニガナの小群落がいくつかあった。いずれもGPSで場所を記録。
 福生南公園の最下流端にある下水溝を渡と昭島市立の「水鳥公園」に入るが、もちろんこんな所に水鳥などいない。かつてここは昭島の野球チームが国に無断で除草し草野球場として利用し、建設省が注意の看板を立てていたが、1980年に河川環境管理計画を策定した際に、この「不法」野球場を公認し、その代わりに水鳥など絶対に来ない芝生の「水鳥公園」として造成された。これでは、不法ながらも野球をして楽しんでいた市民にとっても多摩川の在来植生にとっても良いことなしではないか!とその時文句を言ったが、これも改善されずに現況に至っている。河川管理者や市の担当者ももうこういう歴史を知っている人はだれもいないだろう。既成事実の積み重ねが役所の本領だし。
 拝島橋上流右岸は、水際がすさまじい。河川敷に土砂が堆積したのを水流が削っているのか、それとも河床低下のためか、素人にはわからない。
 雨天でしかも冬のような寒さに拘わらず、野鳥が多種類見られた。この辺は、右岸の滝山丘陵も含めて自然が豊かなところだと改めて思った。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、カルガモ、コガモ。トビ、キジ、キジバト、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、エナガ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ、カオグロガビチョウ。

4月15日 河辺地先から多摩川橋までの多摩川左岸
 昨日青梅の民家でオドリコソウが咲いているのが見えたので、手遅れにならないうちに多摩川に1箇所だけある(知る限り)オドリコソウ群落を見に行った。毎年の心配が今年は的中、地主のかたが付近をきれいに除草してしまい、わずかに残る50株ぐらいでかろうじて花をつけていた。地主がこの植物の希少性を知らないのであれば、教えなければならない時期に来たようだ。その先は広大な礫河原で、2時間かけてようやくその一部で河原植物調査を終えた。ここにあるのはカワラニガナだけ。平均すると10m四方に1株という間隔で、住宅寄りに40株、開花12株、上流側で34株、開花19株、下流側で4株、開花2株、水辺寄りで13株、開花3株、礫と草地の中間で91株、開花20株、以上合計で開花株56、ロゼット182株。経験では、カワラニガナは1株あれば周囲に20株ほど増える可能性があるので、大水で冠水しなければ、これで5000株ぐらいになる可能性がある。この対岸では15000株ほどあるし、以前はこの少し下流で一面足の踏み場がないほど繁茂したことがある。ここの河原は広く、半分しか調査できなかった。
 カワウ、イカルチドリ、トビ、キジ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

4月14日 青梅万年橋上流左岸から鮎美橋までの多摩川
 河原植物の調査。まずは青梅万年橋上流の礫河原から。カワラニガナが34株、うち開花株3。その他の河原植物は見つからなかった。万年橋下流右岸に大きな礫河原が出来たが、少しの増水で冠水するので植物はほとんどない。柳淵橋付近の礫河原は中州になっており、鮎美橋下流左岸の礫河原は消滅した。釜ヶ淵公園はニリンソウ満開。マムシグサ多い。ウバユリの葉が新鮮。今日は青梅の神社の春祭りで賑やかだ。河原のBBQ客はまだ少ない。鮎美橋左岸のケヤキが軒並み枝払いされて殺風景。青梅駅へ戻る途中の民家にあるオドリコソウは健在で、満開だった。
 イカルチドリ、キセキレイ、ウグイス、ハシブトガラス。

4月7日 中央線鉄橋から立日橋までの多摩川右岸
 台風なみの嵐が去ったが、まだ強風が吹き荒れている。水量はいつもより若干多い程度。今年度は河原植物の一斉調査を行うので、まずは下見。残念ながらこの区間にはなさそうだ。堤防のり面にヒメウズの群落があり、小段にはソクズが葉を広げていた。この区間の一部でこの秋護岸工事が予定されているが、高水敷も広く素人目には工事の必要性が理解できない。「補正予算」で公共事業にメチャクチャな予算がついて、工事はあとから決まったにおいがする予定箇所が少なくない。ここもその一例。
 カワウ、アオサギ、セグロセキレイ、ヒバリ、スズメ、ムクドリ。