多摩川の自然のニュース:2016年7月〜9月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

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2016年4月〜6月
2016年10月〜12月
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9月25日 多摩川永田地区
 カワラノギク・プロジェクト、秋の除草。久しぶりの太陽は除草作業には辛いが、作業中は雲に隠れてくれて助かった。8月中旬の台風以来の連日の雨で多摩川は増水したままで、堤坊から永田地区に入る小径もかなり長い距離水没している。参加者全員長靴を用意していたのでそこは無事に通過した。現地は草が生い茂り、どこを除草するの?という感じだが、みんなで作業すれば大きな石や礫や土が掘り起こされて、終了時点では見違えるほど草がなくなった。カワラノギクの造成地にも彼岸花が進出して朱の花を咲かせていた。鵙の高鳴きが聞こえた。

8月27日 万願寺地先の多摩川右岸
 定例自然観察会。この時期はいつも「鳴く虫を聞く会」として16時に集合。台風の影響か朝から雨。にもかかわらず参加者5名。
 石田大橋の下を水辺へ。先週月曜日からの増水がまだ引いておらず、葦原に水が浸り、水辺まで近づけない。
 堤坊に戻り、ツリガネニンジン、スズサイコなどを見ながら少し下流にある池へ。今年は水面が浮き草に完全に覆われて緑色だったが、先週の増水で半分流されて水面が見える。
 雨と草露で服が濡れるので、「第二ラジコン飛行場」への径を経て高水敷へ。カワラヨモギが咲いている。新芽がびっしりと生えて歩く度に踏みかねないが、カワラヨモギは現在多摩川には2箇所にしかない超稀少種。カワラナデシコが少し花を咲かせていたが、虫に食われている。ラジコン飛行場から水辺に出たかったが、クズがすっかりを覆って立ち入れない。
 18時に雨が止みそうになったが、私は多忙で闇が迫るまで待てないので早退。自宅のある八王子はまた大雨だった。
 アオサギ、ササゴイ(?)、イワツバメ、セグロセキレイ、シジュウカラ、ホオジロ、ムクドリ、ガビチョウほか。

8月26日 羽村堰上左岸から堰下橋を経て永田橋右岸の多摩川
 台風による豪雨は当初八王子辺りまでで京浜河川事務所のライブカメラで見ると青梅付近は多摩川もさほど増水していなかったが、午後には徐々に増水し中州が消えた。関戸橋付近でも中州が見えず、先日見たこの付近のカワラノギクは壊滅的打撃を受けたと察せられる。ようやく時間を得てまずは羽村堰上左岸を見に行った。
 幸い増水の影響はまったくなくカワラノギクもカワラニガナも昨年よりも株数が多い。
 河川敷は堤坊脇のプールの駐車場となっている。
 羽村取水堰は柴堰を流したため再建中。堰下橋は耐震工事中で上下流の多摩川を撮影しにくい。炎天下ジョギングしている初老の男性。自分はキャンプ場の水道水が有り難い。
 藪が小径を覆っている。永田地区の様子を見たかったが、入口に予想通り踝以上の深さの小川があって長靴でないと渡れないので断念。対岸から遠望するに留めた。
 日本在来植物が多い右岸の土手も、今年はワレモコウとアキカラマツがたった1株、ツルボが数株あるだけ。
 アオサギ。ミヤマアカネ。

8月17日 友田の多摩川
 台風一過の快晴となり、猛暑を覚悟で多摩川へ。
 猛暑で釣り人や散策者も少ないのかいつもの小径が藪で覆われ、強引に藪漕ぎしたら別の低地に入ってしまった。さらに強引に藪を抜けてようやくカワラノギクの自生地へ。この秋開花しそうなのが25株、ロゼットのまま来年まで生きのびそうなのが3株。前者の一部は他の群落より少し離れた所にある。
 誰かが造った遊歩道も藪で覆われ、そこを突破すると広い礫河原に出る。日照りのせいかカワラニガナもだいぶ干からび弱っている。
 対岸のBBQ場に今日は1家族3人のみで淋しそう。というよりこの炎天下でBBQとは辛い。養豚場の臭いが凄まじい。
 そこを抜けて上流に出ると小学生の女の子が2人川で泳いでいた。テニスコートは年配者で大賑わい。元気だ。
 そう言えば、野鳥の声が聞こえなかった。

8月15日 万願寺地先の多摩川右岸
 午後から用事があるので外出ついでに多摩川へ。曇りで風があるので涼しい。お盆休みか、めずらしくサッカー場も野球場もラジコン飛行場も誰もいない。堤坊沿い道路でドラム練習1人。
 堤坊のり面は除草が終わりサッパリしている。除草時期調整地区も除草されていたがクズが繁茂して全体を覆っている。その中でもツリガネニンジンが数株開花し、スズサイコも2株種子をつけていた。ジャコウアゲハが飛んできた。
 高水敷のニワウルシ林が成長し、堤坊からは河原にちょっとした丘があるように見える。
 堤坊最下流端から造成された礫河原に出る。ニセアカシアやニワウルシの小木を伐採するための印がついている。全体として大きな変化はないが、上流部の段差のり面にカワラニガナが40株、ずっと下流部にカワラニガナ10株あった。これだけあれば冠水しないかぎり徐々に広まると期待されるが、下流部の小群落は他の草に覆われるかもしれない。ナムノキの実生があった。やはりカワラケツメイとは違う。
 府中四谷橋付近にダイサギ、コサギ、カワウの大群。高圧線にもカワウが300羽ほどとまっている。
 堤坊脇の池は相変わらずアオコに覆われている。その少し上流にニセアカシア林を抜ける良く踏まれた小径がある。以前はなかったが、これは第二空港へ通ずる径だ。第一空港は河川管理者の指導のためか最近利用者が減り、空港への踏み跡も草が茂りつつある。いなくなれば良いがこうして場所を変えて新たな空港を造るならば、元の所に居続けてくれたほうが有り難い。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ツバメ、ホオジロ。

8月14日 多摩大橋から拝島橋までの多摩川左岸
 電車から遠い昭島地先の多摩川はなかなか行けないが、多摩大橋にここ数日来た流れで、今回は多摩大橋を左岸へ渡り、そこから上流を目指した。高水敷は野球場の連続だが、ここの野球場は利用率が高く八高線鉄橋上下流はいつも人出が多い。水辺は全然近づけない。
 八高線鉄橋でようやく土丹露出の河原に出る。BBQ客が三パーティ、焚き火跡があちこちにある。湿地からウシガエルの声が聞こえる。新しい床止めの近くにカワラニガナが1株花を咲かせていた。
 ふたたび野球場脇を抜けて日野用水堰へ。いつも右岸から見ているが、左岸からは遠く感じる。そこから少し上流にある昭島水辺の楽校のFDになっているワンドは草がだいぶ茂っているが小魚や水生生物が生きられる遊水地になっている。数年前にカワラニガナがあった所はオギが繁茂し(伐採され)てカワラニガナが生えられる環境は見あたらない。
 堤防に上がり、高速のサイクリング車に気をつけつつ拝島橋へ。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、セグロセキレイ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

8月12日 多摩大橋から日野用水堰上流までの多摩川右岸
 中央線鉄橋から日野用水堰までの右岸は冬には1日で観察するが、猛暑の今は3日かかった。大規模河川改修で調査区域が大幅に広がったせいもある。幸い今日は厚い雲が空を覆い比較的涼しい。
 水路を橋で渡りこの6月まで整斉工事が行われていた低水敷は一面まだ丈の低い草で覆われている。その中にポツンポツンとカワラケツメイが生えている。いずれも群落を形成せず1本1本生えているうえに茎が上部で蕾もつけていないから、ネムノキの実生かと思ったが、羽状複葉はどう見てもカワラケツメイ。造成地の中央にある床止め失敗のコンクリート残存物付近までに約100株点在している。
 そこから仮橋で水路を渡り堤坊沿いの高水敷を上流へ。水路側に3、1、3、3株、水路取水口に8株、カワラケツメイがある。低水敷のものも水路脇も生育条件が悪いのでこれが核になって広く分布するとは期待できない。うまく実をつけできるかもしれない。
 八高線鉄橋上流も河川改修でつまらない地区になったが、日野用水堰上流には中州がありカイツブリが年中見られる。堤坊のり面にジャコウアゲハが5頭ウマノスズクサに卵を産みつけるために舞っている。
 カワウ、カイツブリ、ダイサギ、アオサギ、ツバメ、イワツバメ、ウグイス、セグロセキレイ、セッカ、ホオジロ。

8月11日 京王線鉄橋から府中郷土の森までの多摩川左岸
 関戸橋架替工事に伴い左岸の高水敷にあるカワラノギクの花壇を維持するため東京都が花壇を造っている市民と連絡を取り、新たにオギ原の中に花壇を造った。石を並べた所に約200株成長している。元の花壇は2群に分けられ26株と28株あった。(いずれも茎を触って数えたわけではないので正確な数ではない。)
 元の花壇より20mほど上流に石に番号をつけて並べてある所があるが、カワラノギクは見つからなかった。
 関戸橋下流約1qの礫河原に分布しているカワラノギク(市民が播種したものの子孫)は、ヒメムカシヨモギが林立する新しい礫河原には1つもなく、礫に覆われなかった少し低いところにある古い礫河原に約150株残って元気に育っている。この一帯に大水が来るとカワラノギクの群落地は相対的に低地なので一挙に絶滅するおそれがある。ラジコン飛行場付近にあったカワラノギクは昨年すでに雑草に覆われて消滅している。飛行場入口付近からその下流一帯はアレチウリが広く覆っており、さらに増えそうな勢いだ。
 堤防上は猛スピードで疾駆するサイクリング車とジョギングする人と散歩する人などで混み合い危ない。府中郷土の森地先の高水敷はBBQ客で賑わう。カワラニガナやカワラサイコの群落があった下流端もBBQ場と化している。
 アオサギ、ウグイス、セッカ。
 高水敷のニセアカシア林でクマゼミが鳴いていた。

8月10日 中央線鉄橋から谷地川までの多摩川右岸
 昨日猛暑で挫折したコースを歩く。昨日は38度の猛暑だったが風があった。今日はただ暑いだけ。堤防上に2箇所木陰があり、沙漠のオアシス。
 堤坊から1箇所だけ開かれている小径をたどって谷地川の水辺へ。晴天続きなのに水量は多い。工事用道路がいまやクズで全面覆われそうな小径を上流に向かうとまず右側にカワラケツメイ約50株。しかしそこから先の右側は日向で炎天下草が焼けてカワラケツメイはない。左側つまり南側は太陽光がオギなど丈の高い草の影になっているのでカワラケツメイが、10, 10, 10, 20, 20, 10,・・・という感じで例年通りの場所に生えている。総数約270株。これだけ点在していれば、しばらくは絶滅を免れるだろう。
 日射しが強いのでサングラスを持参したが、代わりにカメラを忘れ、携帯のカメラで数枚証拠写真を。
 ツバメ、イワツバメ、ウグイス、セッカ。

8月9日 多摩大橋から谷地川までの多摩川右岸
 大規模の河川改修が終わったこの地域の環境の変化を見に行った。橋より上流の水路と低水敷の中間にみごとな緑地帯が連なっている。ただし、その中心になっているのはオオブタクサ。橋の下流に広がる緑地帯は基本的にオギだが、下水処理水排出水路より下流は蛇以外立ち入れないと思われるクズの密生地帯。
 その排水路付近にある通称ひょうたん池付近はツバメの集団ねぐらになっており、その様子を撮影するカメラマンが数人来ており、このままではツバメの安眠を妨げる恐れがあるとして、八王子・日野カワセミ会の粕谷さんの提案で立ち入り制限をしたいとのことで河川管理者に要望したが、国としては河川の自由使用原則で制限はできないが主旨を理解し看板を立てることを許可するということになった。ただし、看板を立てるには一定の公共性が必要とのことで、看板設置人に日野市も加わることになった。しかし、立ち入り制限に反対する野鳥観察者や市民もおり、看板の内容は天皇の「お気持ち」同様かなり婉曲な内容になっている。
 さて、カワラケツメイを探すつもりだったが、気温はおそらく35度を越えたと思われる強い日射しに耐えられず谷地川が入るバス道に出た所でギブアップ。
 アオサギ、ツバメ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、ムクドリ。

8月8日 関戸橋上流
 関戸橋の架け替え工事が始まり、すでに左岸に仮橋の土台が造られている。工事に伴う瀬替えのため、播種したものではあるが現存するカワラノギクを保護すべく施工主の東京都は明治大学農学部倉本教授の指導の下、現地で昨冬に採取した種子を増水で流出する可能性の低そうな礫河原に2箇所それぞれ約500粒播種した。5月31日に約230個発芽したそうだが、今日確認したのはAk2地区27株、Ak3地区83株、合計100株で、元気に育っている。これは予想以上の成功ではないかと思われる。ロゼットの移植も22株行ったようだが、同じくとても元気に育っている株が9あった。これらはいずれも開花が期待できる。もちろん異常気象による局地的集中豪雨が珍しくない昨今、礫河原が一挙に冠水する危険はある。
 カワラノギク播種・移植実験地から少し離れた礫河原にカワラケツメイが2株あった。1つは大きな株で、もう1つは2p弱のもの。増水で流されなければ、ここから徐々に付近に広がると期待できる。
 中州はシナダレスズメガヤが猛烈に繁茂し、2m弱の丈のものが密生して海草が茂る海を必死にもがき泳ぐようにして進む。7月5日調査のマークがついた今春発芽したカワラノギクが5株あった。ここは工事で掘削される区域に入る。どうするのだろうか。
 さらにシナダレスズメガヤとオギの海をかき分け周囲を視察して川を渡り右岸に着いた。汗だくでへとへとになった。
 それにしても、多摩川の水は汚い。浅瀬でもカワラは黒々としぬるぬるで気をつけて徒渉しないと転びそうになる。
 アオサギとセッカ。ハグロトンボ。

7月30日〜31日 武州御嶽山合宿
 夏の水源合宿。御岳駅集合13時40分なので電車もバスもケーブルカーも空いていて快適。下界は梅雨明けの猛暑だが、さすがに山の上は涼しい。
 ケーブルカー山上駅横の広場を抜け、レンゲショウマが咲き始めたリフト山に寄り道する。他の山の記憶ではレンゲショウマは8月下旬以降の花だが、ここのレンゲショウマは開花が早い。とは言えまだちらほら咲いているのが観られる程度。それでもなんとも幻想的は色合いの花と丸い蕾を見ながら山の斜面をゆっくり探勝して歩く中、自分たち以外誰一人会わない静かな山歩きを愉しんだ。
 土曜日でもっと人出が多いと思ったがこの静けさは不気味なほどと思いつつ山道を経巡っていくとケーブルカーと神社を繋ぐメインストリートに出ると、やっぱり続々と人通りが絶えない。思ったより外国人は多くはないが、やけに多いと感じたのが犬を連れた人の数。御嶽神社は大口真神として大いぬ様を祀っており、これは三峯神社と同様に農業を害獣から守る狼のことだと解するが、犬が祀られているということで最近は犬を連れて来る人が増えているらしい。神社の手洗い場に犬専用のものが設けられていることからもそれが伺える。
 今夜の宿泊地である登奈利荘に荷を預け、まずは神社本殿の参拝へ。急な階段続きだが風が爽やかなので一気に上る。神社本殿は12年に一度の塗り替え工事でシートに覆われていたのと、時間が遅いせいか本殿裏の大犬が祀られている敷地に入れなかったのがやや残念。むかしここの宝物殿に所蔵されている重さ30sの鉄の米俵(東京都指定文化財)を背負子で担いで八王子の郷土資料館まで運び出し返却したことを思い出す。当時はしょっちゅう山歩きをしていたので30sでもさほど重く感じなかった。ヤマユリがあちこちで咲き誇り、その香りで酔いそうだ。下りは宿まで裏の急坂を行くと10分とかからない。
 おいしい梅酒に始まり地元産物を多く使った宿の手作りのご馳走と、会員の佐藤さんが持参したというお豆腐と蕎麦も出されお腹がいっぱいになったが、おいしいお料理は食が進み白米のご飯をおかわりする人も多い。食事の後半、今年五月に行われた御嶽山の行事の動画を鑑賞。こうした夕食での満ち足りた気分をそのままに夜の自然観察に入ったが、期待のムササビは見ることができなかった。夜景が遠くに広がり、隅田川か立川か花火が遙か彼方で上がり、音は山々に反響して楽しめた。20時からビジターセンター主催の昆虫観察会が開かれるとのことで、私たちは参加しなかったが、20時前になると付近の宿坊から子どもたちや家族連れがこんなに泊まっているんだと驚嘆するほど続々と湧き出し会場に向かった。
 夜、宿主である片柳家のご長男から、御師の職を継ぎ御嶽の文化を後世に繋いでいくことの大切さ、高齢化と産業構造の転換等で各地の講が衰退する中での御嶽の人びとの生活の維持、神職の資格を得るための2年間の修業と大学専科での学習で知った他の地域の文化の多様さとそれを担う人たちの多様さなどなど、体験に基づくお話は興味が尽きなかった。
 翌31日は4時起床、ムササビの巣はお留守のようだったが、参加者の一部はケーブルカー駅に近い所の巣で人形のように動かないムササビを見たとか。エゾゼミとヒグラシが鳴いている。ご来光は4時50分頃、薄霞の中を真っ赤なボールが昇った。ホオジロが間近で囀り、ウグイス、ホトトギスも負けじと囀る。アオバトやオオルリ、ガビチョウの声を聞いた参加者もいたとか。
 白米ご飯のおかわりが止まらない朝食を済ませ,宿のみなさんの見送りを受けて出発。モリアオガエルの卵を見たりムササビの巣の再確認をしたりしてから、杉の大木が建ち並ぶ表参道を下る。かなり急坂の予想以上に長い道ながら、元気に登ってくる人が絶えないのに驚く。ケーブルカーの鉄橋をくぐってそろそろ下の駅に着くかと思いきやまだ半分も来ていないと知り愕然。樹齢数百年の杉の大木とタマアジサイやヤマアジサイの花、登ってくるいわゆる山ガールなどを見て疲れを癒しながら徐々に気温が上がっているのを感じつつ、ケーブルカーの下駅へ到着。予定というか予想より時間がかかりすでに11時半近くになってしまったのでここで解散とした。
(花や蛾やムササビなどの写真は矢島会員のページを参照されたい。http://www.nekobiyori.com/)

7月17日 河辺地先から多摩川橋までの多摩川左岸

 河辺の駅からまっすぐ多摩川に向かい、人家の庭を抜けて河原に出ると,大きな丸石が並べられている。形が丸いだけでなく少し脹らんでいて滑りやすいからといって石を避けて草地に足を踏み込んではいけない。そこは湿地でくるぶしまで水に浸かるぐらいだから親切にも誰かが丸石を並べているのだから。
 その先の藪を抜けると広大な礫河原に出る。カワラニガナが一面を覆っている。4年ほど前に友田で1本ずつ数えて1万5千を越えた記憶から察すると、ここには優に3万株以上あると思われる。
 だが、少し下流はもう立ち入れないほどの藪になる。青梅市営運動場の端の辺りでまた数百株カワラニガナが見られるが、水辺はずらりとBBQ場となっており、今日もどこかの団体が大きく場所を占領していた。
 駐車場も満車で最下流のサッカー場付近にようやく駐車スペースを見つけて機材や食料を運ぶ家族連れなどがいる。ここに入りきれないBBQは対岸の長淵に向かうのか、遠望するとすでに堤防脇に車が10台ほど停まっているのが見られる。
 右岸の圏央道橋近くにクレーンがたくさん並んでいるのが見える。たぶん大規模工事ではなくクレーン車の基地だったと思う。が……。
 ウグイスとホオジロの囀りが聞こえるが、他はまったく聞かれなかった。ネムノキの花はもう終わりだ。

7月12日 多摩川原橋から稲城のスーパー堤坊公園までの多摩川右岸
 都庁八王子合同庁舎で日野橋架替工事のための環境調査項目の確認を東京都の担当者および調査会社職員と行ったついでに、南武線矢野口駅から多摩川へ。
 多摩川原橋上流右岸に礫河原が広がっていたが、いまは大きな池と猛烈なオギ原に行く手を遮られて行けないだけでなく礫河原も背丈の高い草地となった。
 土手ではキリギリスがチョンギースと演奏を始めている。炎天下のグラウンドを過ぎるとニセアカシアとコナラなどの林が続いて涼しい。林内ではニイニイゼミの鳴き声とハグロトンボが舞う。すっかり夏の風情だ。
 ラジコン飛行場はゴルフ場を兼ねており、今日も2人ゴルフをしている。
 稲城大橋近くの礫河原に河原植物が3種類あったが、昨年夏の増水ですべて流出し、去る冬の工事で更地状態が続いている。あと2年ぐらいするとここも草地になるだろう。ハルシャギクなど外来植物もあちこちにあるが、数年前までの一面真っ黄色になるオオキンケイギクの大群落はなかった。
 橋の上流の礫河原を進み、藪が濃くなったぎりぎりの所で堤坊小段に出て服を汚さずに済んだ。
 ツバメ、コジュケイ、シジュウカラ。猛暑で野鳥も少ない。

7月10日 羽村堰付近右岸と堰下橋から永田橋までの多摩川左岸
 土日出勤で休日は雨という日が続き約3週間ぶりの多摩川となった。日射しは強いが風があるので暑くはない。
 羽村市博物館へ象の化石展を見に行った。象の臼歯は博物館でよく見るが太い骨や牙は珍しい。質的には十分見る価値があるが、量的には「これだけ?」、ならばせめて解説のパンフレットぐらい作ってくれても良いのにというあっさりした特別展だった。
 ヒロハカワラサイコはイタドリに負けているが、わずかながら花をつけている。日本在来のセンダングサがある一帯は除草されて守られている。あちこちでヤブカンゾウとノカンゾウが咲いており、これだけでも来た甲斐がある。堤坊のり面下にオレンジの花の群落が見えたので近づいてよく見たらヒオウギスイセンだった。地域によっては指定外来植物として駆除されているらしい。
 羽村大橋の下で若者たちがBBQを始めている。二子橋や丸子橋下のBBQ客のマナーの悪さが新聞だねになっているが、中下流でBBQ禁止の余波が徐々に上流に及んでいる。先月の青梅では100人以上の人が河原に来ていた。堤坊上はサイクリング車が頻繁に通り、のんびり空のトビでも見ていたら怒られそうだ。
 羽村大橋下流左岸の堤防のり面にあった大きな木はついに伐採された。堤坊破損の恐れがあるというならなぜ根を掘り出さないのか疑問だ。
 アオサギ、トビ、ツバメ、オオヨシキリ、ウグイス、スズメ、ハシボソガラス。