多摩川の自然のニュース:2010年1月〜3月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。画像は約4ヶ月で削除します。

2009年10月〜12月
2010年4〜6月

3月21日 宿河原堰周辺両岸 晴れ、風強い
 前夜の暴風もだいぶ弱まり、日が射すにつれて気温も上がったが、昼頃に黄砂が通過して空が濁った。南武線登戸駅改札口から多摩川に出るのに大通りを渡る歩道橋ができて安心。
 小田急線鉄橋下流の池が堰の改築工事の影響で一時期水が涸れていたが、ふたたび水が入ったのは良いが、昨秋行われたホテイアオイの除去が中途半端で多くの枯草が水中に浮かび、これが池の水を腐らせるだろう。下流部の小さな池にはオオサンショウモらしい水草がやはり中途半端に除去され、残り半分は枯れて水に浮いていた。さらに下流はシナダレスズメガヤが大繁茂している。
 用水縁に植えられた桜が開花寸前で、垂れた枝の下でカワセミが飛び回っている。
 せせらぎ館で小魚を見たあと、堰近くを見る。襤褸雑巾と綽名されるアオサギがやっぱりという姿で風に吹かれている。セグロカモメが50p近いマルタと思われる魚の死骸をついばんでいる。遠くではカラスが2羽並んで同様に死んだ魚をつついている。土手ではツクシやノビル、カンゾウ、ワケギなど春の食卓を彩る野草が見られた。
 船島稲荷を見学して多摩水道橋を渡って左岸へ。釣り人やBBQをする人、野球をする人、家族でボール遊びをする人など人出が多い。小田急線鉄橋をくぐる管理用道路の桁下が低いからというので堤内地側で側道の改修工事が行われているが、計画ではあとでヨモギなどの在来植生を植えるとある。復元ならばともかく以前になかったものを植えるのは、在来植生と言えどもかえって自然破壊になるからやめるべきだ。そのすぐ下流の堤防のり面に生えるヒメウズの群落が残っているのが奇蹟のような周辺の環境になった。
 午後は狛江市南部地域センターで2010年度の総会を開き、2009年度の活動報告と会計報告、2010年度の活動方針案などを決議、人事は変更なしとした。その後、参加者それぞれが活動報告や近況報告を行った。とくに、Kさんは多摩川のBBQ問題について地元で協議会をつくっていろいろと議論をし報告書をまとめたこと、Sさんは調布市地先のクララ避難場所のその後の処置について報告、Mさんからは世田谷区地先の多摩川堤防のり面調査でカワラサイコとウマノスズクサが保護されていること、Fさんからは六郷の上野さんと連絡をとりながらウラギクの保護についていろいろと考えていることなどの報告があった。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イソシギ、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ。トビ、キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

多摩川の自然を守る会2010年度活動方針
 1.定例自然観察会の実施(別窓参照
 2.機関紙『川のしんぶん』と『緑と清流』の発行
 3.多摩川堤防のり面植生調査
 4.カワラノギク・プロジェクトへの参加
 5.多摩川外来植生調査参加(あれば)
 6.西暦2010年の多摩川を記録する運動参加
 7.多摩川河川環境調査および河川管理者への提言等
 8.創立40周年記念出版:『川のしんぶん』301〜400号の復刻版
 9.『多摩川絵図鑑』執筆
 10.『多摩川歴史ガイド』原稿のネット配信
 11.人事組織〔代表:柴田隆行、事務局長兼機関紙発行:鈴木有子、会計:矢島悠子、会計監査:森田英代、自然観察会担当:柴田秀久〕

3月19日 羽村大橋から永田橋までの多摩川右岸 晴れ
 自宅近くの片倉駅に、片倉城址公園へカタクリを見に来たらしい人が大勢いたのを見て、予定を変更してまず羽村大橋に向かった。ここでもカタクリやニリンソウがいくつか咲いていた。
 この辺の多摩川は笹藪が多いのでウグイスがあちこちで囀っていた。コジュケイやシジュウカラ、オナガなどもにぎやかに鳴いて春爛漫という雰囲気だった。
 イヌコリヤナギが花を咲かせ、池ではオオフサモが新芽を出している。
 自宅で写真を整理していて気づいたが、高水敷に生えている木のまわりに小石がぐるっと並べてあるところがあった。何の木だか見なかった。新しく近隣の住民が植えたらしい木は気づいた。
 池と樹林を抜け、HLを右に見ながら久しぶりに永田地区に入った。礫の再造成を3箇所行ったA工区のほかに、下流側のB工区も礫河原に再造成されていたが、見るとB工区は砂が非常に多く、河原植物の再生は期待できないと思った。増水で自然にできたC工区の礫河原と比べると小砂利の量が異なり、こちらはカワラノギクのロゼットがびっしり生えている。作業用通路は砂ばかりだが、ここではツクシが出ていた。オオブタクサの新芽もたくさん出ており、砂や土が多いとこういうものが繁茂するだろうと思われる。
 永田橋架け替え工事が進んでいる。なんだか重く暗い感じの橋のように見える。
 トビ、コジュケイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス多、シジュウカラ、オナガ、ハシブトガラス。

3月17日 万願寺地先の多摩川右岸
 久しぶりに当地を訪れたが、とくに変わったところはなかった。ラジコン飛行機を飛ばす人が誰もいなかったのが特筆すべきことかもしれないが、それ以外は自然に大きな変化がないと当時に不法ゴルファー1人、そして超望遠レンズ付きカメラを構えて池の前に立ちはだかる人たち5人もいつもの通りだった。池の前に群がったら野鳥は来なくなるのではないかと思うが、とにかく子どもも一般人も池には近づけない雰囲気に変わらない。早くブームが去って欲しい。
 そういえば、不法ゴルフ場を囲む柵の杭を抜いて、土にささった先のほうを削っているおじさんがいた。何をやっているのかは不明。正規の工事業者とは思えない。かといって、杭を抜いているわけでもなさそうだ。
 堤防のり面ではワレモコウが芽を出した。在来植生調査のために除草調整してもらっている区域の柵が壊れて用を為していないので修理してもらいたい。
 高水敷ではヤナギやエノキが新芽をたくさん吹いている。ニセアカシア林の下ではヤブカンゾウの新芽がたくさん出ている。ウグイスが2箇所で囀っている。川の中州でセイヨウカラシナが花を咲かせていた。
 野球場で「東京都還暦軟式野球連盟」という団体が試合をしていた。還暦になると平日でも暇なのか……。そういう自分は?
 ダイサギ、コサギ、マガモ、カルガモ。トビ、キジ、ヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス(囀り)、シジュウカラ(囀り)、スズメ、ハシブトガラス。

3月11日 下奥多摩橋 晴れ、花粉大量
 59q右岸標識が気になって確認しに行った。京浜河川事務所に写真付きで教えていただいたので今回は簡単に発見できた。わかってみれば実によくわかるところにある。千ヶ瀬のマンション下の護岸工事はそろそろ終わり。よくもまあ並べたと呆れるようなブロック護岸で、崖線の自然が完全に失われた。橋の上流は淵が自然の姿そのままなのが唯一の救いか。

【番外】2月23日〜3月3日 北ドイツ・ユトラント半島南部
 ドイツ南部は内陸で標高も高いために日較差が激しく、日中は暖かいが夜はぐんと冷え込む。これに対して、北ドイツは海流の影響で暖かく、毎日朝から晩までだいたい2度前後、つまりは一日中曇っている。――というのが通例だが、今年はヨーロッパや北アメリカに異常寒波が襲来、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州の州都キール(Kiel)にむかし住んでいたとき、1年で雪が降ったのはたった3回だった。ところが今年はキールに着くや一面の銀世界。キール湾も凍り、市庁舎前の大きな池も2つほぼ全面凍結。鳥たちのために氷を切ってあるところに鳥が集まっている。
 キールはバルト海(Ostsee)に面しているが、北海(Nordsee)にそそぐエルベ川(プラハからドレスデン、ハンブルク等を流れてくる大河)の河口近くの町グリュックシュタット(Gllueckstadt幸福町)付近はさすがに凍っていなかった。そこから北に1時間列車で行った所にあるフリートリヒシュタット(Friedrichstadt)の池や運河は全面凍結している。他方、キールから西に向かう列車で30分ぐらいで湖水地帯に着くが、中でも大きなプレーン湖(Ploenseee)も全面凍結している。
 写真付きでもっと詳しく紹介したページを作成しました。ご関心があるかたはこちらをご覧ください

2月21日 数馬峡橋から寸庭橋までの多摩川右岸 晴のち曇り 暖のち寒
 青梅マラソン開催日と重なり、行きは河辺駅まで満員電車、帰りは御岳駅からラッシュアワーで乗りきれない人も出る騒ぎ。高水三山に登るハイカーも軍畑駅で100名ほど下車した。御岳を過ぎて白丸駅に着く頃には車輌は貸切状態となった。
 数馬峡橋から白丸湖を見下ろすと、下流側にカルガモとオシドリ夫婦が泳いでいるのが見えた。ここから白丸ダムまでの遊歩道は3月中旬まで工事中で通れないため、交通量の多い青梅街道を歩く。白丸ダムの魚道は、トンネル部分が見学できることになっているが冬季は閉鎖中。ダムを渡って杉林の中へ。ここは北向き斜面なので残雪や氷があって通行に苦労するだろうと覚悟していたら、雪などないどころか水溜まりも薄氷しか張っていない。難なく渓谷を下り、吊り橋を渡り、鳩の巣渓谷の宿屋に着く。カフェは営業していたが宿屋や蕎麦屋は休業中。
 早く着く過ぎたので、さらに雲仙橋、峠、寸庭橋などを経て古里まで歩くことにする。民家が点在する山道を登るとあちこちに雪が見え始めた。夏にはキャンプ場になる広場で昼食。脇にコロコロと膨らんだおいしそうな椎茸がほだ木になっていた。杉林の緩い上り坂を上がりきると鳩ノ巣の町が一望に見渡せる峠に着く。個人が寄贈したという立派な展望台ができていた。そこから下りとなり、越沢を渡って多摩川の河原に着くと、そこには最近青梅より下流では見かけなくなった石灰岩が散らばっているのが見られる。
 寸庭橋を渡って青梅街道に出てから駅まで予想以上に長く感じられる距離を歩く。駅前が青梅マラソンの折り返し点になっているらしく、自動車は通行止めで吉野街道に出るようパトカーが指示していた。
 カワウ、オシドリ、カルガモ。トビ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、カワラヒワ、イカル、カケス、ハシボソガラス、ガビチョウ。

2月17日 多摩大橋から日野用水堰までの多摩川右岸 曇り、酷寒
 昨日の午後に視察した多摩大橋上流右岸からさらに先の現状を見に行った。とくに変わった様子もなくて良かった。(ラジコン飛行機を飛ばす人も相変わらず来ていた。)芸術的な形を示す土丹が最近減ったが八高線鉄橋下は健在だった。日野用水堰上流の中州にわずかに残っているアシ原もまだあったし、ノスリもニセアカシアの梢にちゃんと止まっていた。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、オオバン、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ。ノスリ、キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

2月16日 谷地川合流点右岸 曇り、寒い
 第5回機能空間区分検討分科会が現地と近くの会館で開かれた。東中神地先の護岸工事に対応させたその対岸の低水路掘削による多様な河原環境の再生が試みられている。昭和49年頃の自然河原を参考にして、ハリエンジュの伐採と低水路の掘削が行われた現場を視察した。水際にハリエンジュの根茎が多く残っているため細粒土砂を斜めに掘削し礫を敷きまた摺付部に排水溝を設けて仕上げを行うとのこと。土木工学専門のFさんから、樹林帯になったところの土丹の高さと水路になっているところの土丹の高さが昔どうだったかを考えて掘削の高さを決めないとすぐに細粒土砂が溜まる恐れがあるとの指摘があった。午後のオプションでは多摩大橋上流右岸のニセアカシア林の状況を遠望した。ここで今後ニセアカシア対策を考える予定。
 酷寒の工事現場にもかかわらずカルガモとコガモが休み、セグロセキレイが飛び回っていた。

2月10日 下奥多摩橋から圏央道橋までの多摩川左岸 曇り
 河口から59q右岸の標識杭が10年前から見つけられずにいるが、比較的最近の地図を参照できたので改めて調べに行った。しかし発見できなかった。マンションの管理人に尋ねたが知らないと言う。河川管理者は地図作成のための測量等で標識杭を数年に1度か年に数度かわからないが使うのではないかと推測するのだが。
(追記:後日、京浜河川事務所のFさんから、10年間見つけられなかった59q右岸と61q左岸、および今回見失った57q右岸の標識杭の場所がよくわかる写真と地図を送っていただいた。近いうちに確認しに行きたい。それにしても、やはりないわけでなかったわけで、あれだけ探してもまだ探し方が甘いのかと思った。近日簡易のGPSを買おうかと思っている。)
 下奥多摩橋からも眺められる長淵対岸の護岸工事は終盤にかかっている様子だ。早く終えてカワセミが営巣したり野鳥や野草が生育できる自然が回復できる状況にして欲しい。
 58q地点から左岸の河原に出て、下流から長淵周辺の工事を視察。河川敷に広がるニセアカシア林にイカルやシメ、カシラダカ、アトリの群れが羽を休めていた。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ。トビ、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、カシラダカ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ハシブトガラス。

2月3日 永田橋下流右岸と友田地先の多摩川右岸 曇り
 永田橋下流右岸は、オオブタクサが丈4〜5mに育つ夏には絶対に立ち入れない一帯だが、いまは冬枯れと雪のおかげでずんずんと奥まで入っていける。ただし調子に乗って無茶をするとノイバラの棘などで傷つけられる(左中指に草が刺さって血が止まらず、5時間後の今ごろジンジンとうずいてPCのキーを打つのも難儀している)。
 この一帯は南の断崖から染み出る大量の湧水と砂利洗い工場からの排水が粘土質のヘドロを長年流し続けて堆積しており、雨が続いたりすると足がはまって抜けられなくなる。だが、近年オオブタクサほかの藪が繁茂して表面を覆い、かつて草も生えられなかった所をこの季節ならなんとか踏み渡ることができるようになった。しかし、1.5mほど堆積したこのヘドロに安易に手を加えるとこれが流出し、下流に多大な影響を及ぼすと懸念される。崖の直下に細い水路が走っており、これに沿って歩けば比較的簡単に上下流の行き来ができる(冬は)。
 水辺でイカルチドリが、林でガビチョウが鳴いていた。
 そこから車で移動し、多摩川橋上流右岸の河原へ行った。カワラノギクのロゼットが2センチぐらいに縮こまっていて、ほんとうの野生の株はこうなんだ、永田地区のは富栄養の異常な姿なんだと思う。
 崖沿いにあったHLがいつのまにか3つに増えていた。

1月24日 小作堰から万年橋までの多摩川両岸 快晴、暖かい
 西暦2010年の多摩川を記録する運動第1回調査に参加。上流部は瀬と淵が繰り返され連続して川沿いを歩けないことと、河川敷が少ないためにそこを利用する人も少ないことから少人数で12区画を担当することにした。今回は、柴田隆行が本業のため第2回に参加できないため当日代行して下さる予定の、国分寺・多摩川を歩く会の方2名が参加され、一緒に歩いた。
 この区間で最大の難問はキロ毎にある標識杭を発見することであり、10年前の西暦2000年の記録の際にかなり必死になって探したおかげでほぼ確認できたが、それでも12本中4本が発見できなかった。
 まずは出発点の56q左岸標識が都水道局用地内にあるため確認できない。双眼鏡でのぞくとコンクリート崖上に黄色く塗られた標識があり、おそらくそれがそうと思われる。右岸は容易に確認できた。小作堰は浚渫が行われるのか、水門を開けて水位を下げてあり、カルガモ、オナガガモ、マガモなどのカモが類がサギと一緒に浅瀬で休んでいる。
 57q杭右岸は10年前に藪こぎをして発見したが、今回どうしても再発見できなかった。藪こぎ最中にルリビタキの雄を間近に見ることができた。
 ここで右岸調査班と左岸調査班に別れ、右岸は友田の運動公園の利用者を調査しつつ、鳶の巣川横にある58q杭で写真を撮って長淵経由で59qまで。長淵対岸の護岸工事はかなり進んで流路が中央に寄せられて断崖が消滅した印象を与えるほど。
 59q右岸杭はマンション裏にあるらしいが10年前も今回も発見できなかった。左岸は圏央道橋下から青梅市運動公園に降り、野球場の脇の斜面に57q杭を発見、運動場で遊び人たちを数え、広大な低水敷をぐるっと巡って高台の堤内地民家の塀に埋もれている58q杭を確認。59q左岸杭は下奥多摩橋上流側脇の民家の庭先にある。
 ここでふたたび2班合流し、住宅街を抜け、調布橋を通過、私営駐車場のフェンス外脇に60q杭を確認後、右岸に降りて林の中にある60q杭を確認。記憶よりもやや上流にあったために探すのに結構時間がかかった。
 釜の淵公園内にある61q右岸杭は容易に確認できるが、左岸61q杭は10年前同様ついに発見できなかった。
 河川利用者は冬季のため非常にすくなかった。調査報告書はこの運動の事務局を担当している多摩川センターに送った。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、イカルチドリ。トビ、キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ルリビタキ、ジョウビタキ、ツグミ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

1月17日 南武線鉄橋から大栗川合流点までの多摩川右岸 快晴、暖かい
 定例自然観察会。今年度の年間テーマは堰とその周辺を見ることで、今回は大丸用水堰。改修工事中ながら休日のため、例によって柵を越えて工事の様子や普段行くことのできない位置から堰をじっくりと視察した。そこからオギ原やニセアカシア等の林を抜ける道を大栗川合流点まで遡る。日陰には霜が降りた葉や草があり、河岸断崖では木の根を伝って氷柱が降り、壁面に氷が張って中を血管のように解けた水が流れて落ちている。大栗川合流点付近の渓谷≠ヘまだ存在し、さらに遡ると小さな池の水が凍っていた。上空では大空を舞うチュウヒに向かってトビが2羽襲いかかっていた。水辺にはたくさんのカモが――のはずが、水深が浅くなったためか異常と思えるほどカモがいない。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、マガモ、コガモ、ヒドリガモ、アイガモ。トビ、チュウヒ、キジバト、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

1月16日 睦橋から啓明学園地先の多摩川左岸 快晴、暖かい
 拝島で「カワラノギクの保全・復元をめざす多摩川市民の会」の会合があったついでに、現在砂利採取工事中の睦橋下流を見に行った。この砂利採取は、中央線鉄橋上流左岸で昨年度から続いている護岸工事のためのもので、現地であらためて見ると実に大規模な自然改変だ。秋川との合流点付近はかつて鳥類保護地区のなかでも高位に位置づけられ、先月の定例自然観察会で右岸の高月側からも確認したように多くの野鳥観察者がいまも犇めいている所だ。2007年秋の大増水で流路が変わり、かなりの礫が堆積したのは事実だが、いざ砂利を採取している現場を見ると低水敷にサッカー場でも造っているのかという錯覚に囚われる。
 昭和用水堰の上流に位置するため、両岸ともに小さな池が点在する。堰は30年以上前までは広大な湛水面を見せていたが、いまは上述したように礫が貯まって水面はあまり広くない。それでもオオバンの群れが遊び、ダイサギが獲物を狙っていた。上空ではノスリが舞、木にはシメとイカルの群れが一緒に羽を休めていた。
 福生南公園は、増水で壊滅的な打撃を蒙ったのち、昨年春に応急措置をとって開設されているが、芝生が広がり親子連れが凧揚げをしたりボールを蹴ったりして遊んでいる。福生市はここを近い将来全面的に復旧させるだけでなく、性懲りもなく駐車場を公園の奥に再現して利用者を自動車殺人(英語では交通事故死をkilledと言う)の標的にしようとしているうえにさらに低水敷に敷地を拡張する計画があると伝え聞いている。人が死ななければ改めないこうした行政の不作と横暴、そして税金の無駄遣いは絶対にやめさせなければならない。
 ダイサギ、オオバン。トビ、ノスリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 なお、上記カワラノギクの会合では、今年の活動方針を話し合って決めた。

1月2日 青梅市長淵地先の多摩川 快晴、暖かい
 青梅市千ヶ瀬のマンション付近の多摩川の崖が崩れそうだとのことで護岸工事と河道修正が長淵地先でこの冬行われているので、現状を見に行った。下奥多摩橋からも工事現場が良く見える。仮締め切りをしているので水が溜まり、橋の近くまで増水して、いつも歩ける礫河原が水没している。そのため、誰かが藤蔓で作ったロープを伝って20メートルほどの崖を河原に下る。
 正月休みで工事が行われていないため、かってに現場に入って、いままで入れなかった左岸の崖下を歩いて付近を間近に見たり、河辺地先の礫河原近くまでぐるっと一周することができた。また、仮締め切りの橋の上からおそらく今度二度と見ることのできない上流方向の水辺の写真を撮ったりと、広大な工事現場を一人で占有した気分に浸った。工事中だったらもちろん怒られただろう。
 カイツブリ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ。セグロセキレイ、ヒヨドリ。