2004.12.30更新

多摩川の自然のニュース:2004年

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系青は他の川等、緑は会議等です。
下線を敷いた件については画像があります。画像は重いので質を落としてあります。
画像は約2ヶ月で削除します。
 

12月30日 日野橋から中央線鉄橋までの多摩川右岸 快晴、暖かい
 この地域は十数年前から防火帯として草刈りが行われている。11月の大水の跡がまだあちこちに残っている。この辺の堤防植物は多様で興味深いが、高水敷ならびに水辺は単調だ。オギの原をかきわけて歩いていたら、突然ハヤブサがピリピリピリと鳴いて飛び立っていったが、足には白い鳥のようなものをつかんでいたので、食事中だったらしい。突然の闖入で申し訳ない。
 カイツブリ、カワウ、アオサギ、コガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、イソシギ。ハヤブサ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月25日 永田実験区 快晴、暖かい
 カワラノギク保全プロジェクトの臨時の作業。今年できたタネを来春早々に採取する予定でいるが、毎年正月に一度嵐が来るので、遅すぎても困るということで、とりあえず種(しゅ)の保存のために必要な数として大小多様なもの200株からタネを採取した。カワラノギク研究者の倉本宣さんが行っているタネの飛翔調査について倉本さんから説明を受けた。ポールに50センチごとに粘着液をつけ、タネの飛翔の高さを測っているとのことだった。
 除草作業の際に業者が使用したと思われるビニール紐がほどけてカワラノギクにひっかかって問題であるだけでなく、これが野鳥の巣材に使われ雛の足に絡まり足指を損傷させている。野外ではビニール紐は可能なかぎり使用しないで欲しいし、利用してもその日のうちにすべて回収すべきだと思う。まして、さまざまな研究をしているこの実験地区で紐が散乱しているのは問題である。
 解散後、永田橋下流右岸の現況調査を一人で実施した。かつて釣り人の道が細く続き途中で湿地帯に入って行き止まりとなっていたが、いまは道もなく藪が濃くて通行がひじょうに困難なため、途中で断念した。山芋掘りかどうかわからないが、深く掘られた小さな穴がたくさんあった。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ。ノスリ、キジ、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

12月24日 万願寺地先 曇り
 堤防のり面はきれいに芝生状になっている。一部植生保護のために刈られずに残っているところがあるが、来年のため、近日刈り取りたい。また、近日予定されている河道修復工事が河原植物にどの程度影響を与えるかを調べたが、直接は工事区域にかからないことがわかり安心した。対岸では床止工事が行われている。右岸の水辺は先般の大水でさらに大量に砂が堆積した。日野の市民が育てているカワラノギクは6株がタネをつけ、ロゼットも6株ほど確認できた。また、この秋に花を咲かせた小さなカワラハハコが2株健在だった。
 カワウ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月19日 和泉多摩川から二子橋左岸 晴のち曇り、暖かい
 小田急線鉄橋上流のワンドの形が変わって釣り人の列が中州寄りになった。小田急線の踏切がなった。グラウンドから宿河原堰下流までは緊急用道路その他で自然も少なく雑然としている。堰を流れる水量がいつもより多く感じられる。カモがたくさん休んでいた。はるか上空でカラスの群れがオオタカをしつこくいじめていた。狛江水辺の楽校はいつ来ても楽しめる場所だ。今日も地元のお父さんたちが橋造りに励んでいた。世田谷区に入ると、警察のバイク訓練の騒音と東名高速道路を走る車の音で気分が落ち着かない。東名道橋上流の直線道路を警察が使っているのを見たことがない。無駄な占用としか思えない。目黒区のグラウンド辺りは左岸が張り出しているので、大水の度に護岸が削られている。右岸を守るためにもグラウンドを少し削ったら良いと思うが、自然の残っている所は削りたがるわりに、こういう危険箇所はむしろなぜか削らない。二子橋が近づくと高水敷はグラウンドばかり。水辺のオギ原でタヌキとばったり顔を合わせた。ガガイモの実がたくさんあって、絹糸のような綿毛をたくさん広げて飛んでいた。下流の自然ワンドは先月の大水で壊れてしまったが、これは右岸の護岸工事のせいだという意見がある。
 観察会終了後、忘年会をかねて、来年度の自然観察会の基本計画について話し合い、自然調査をし、橋から川を見下ろしつつ、青梅万年橋から河口まで2年計画で歩くという案を決めた。詳細な案は後日提案することとした。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、イカルチドリ、イソシギ、ユリカモメ、ウミネコ。オオタカ、チョウゲンボウ、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月12日 石神下左岸 曇りで寒い
 河原植物の現状調査。秋の大水で本流より高いところまで水流が押し寄せたようで、カワラハハコは流出してしまった。ホソバコンギクも少し流されたようだが、タネをつけた株とならんで、背丈が伸びずに花を咲かせている株が15株ほどあった。5月に来たときにも咲いていて驚いたが、いまも咲いているとは思わなかった。小さな水たまりでヒメガマが穂をはじかせていた。カワラニガナは健在。タネをつけたノコンギクがたくさんあった。もっと早い季節に来ればきれいだっただろう。寒い日でもカヌーはやってきた。国民年金保養所のレストランで昼食。水槽のなかで大きな鯛に鰺が1匹ぴったり寄り添って泳いでいるのが不思議であり、また、どこか哀れだった。「石神前」という駅名は、駅の隣の石神社に由来することをいまごろ知った。
 カワウ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ウグイス、イカル。
12月11日 カワラノギク保全プロジェクト会議
 多摩川のカワラノギクの現状報告、羽村大橋下流河道拡幅計画についての対応、来年度の活動方針などについて協議した。
 永田実験区では開花個体約10万株・ロゼット約10万株(徐々に衰退すると予想される)、自生地は小さく分けると9箇所(うち永田地区の2箇所は絶滅寸前、同地区他の3箇所も危機的)、その他花壇・畑が上流に2箇所、下流に4箇所(残存2株)、ほかに再生事業が日野に1箇所というのが現状。
 来年度の活動計画については、会員と一部関係者にのみ別紙同封します。

12月5日 第10回多摩川ツバメのねぐら調査連絡会
 今年の調査結果報告、府中四谷橋下流右岸の河川工事について、ヨシ原会議報告などを行った。全国の調査状況も知りたいが、3年計画で始めた本連絡会の主旨に則ってまずは多摩川の調査をもう1年きちんと行おうという方針を参加者全員で確認した。
11月28日(日) 河辺地先の多摩川左岸 快晴、暖かい
 青梅市営運動場上流に広がる河原を見に行く。河辺〔カベ〕の多摩川は駅から近いのが良い。途中の階段から奥多摩の山々や多摩川が見下ろせる。今年はなかなか紅葉が進まない。この辺一帯に大きな変化は見られなかった。本流は右岸側を削るように流れているが、大水の際には左岸側中央にも水路ができて全体的に広がって流れている。河原の中央に立ち並ぶニセアカシアの林があまり立派に育ちすぎると周囲に悪影響を及ぼすかもしれない。
 カワラニガナが、以前からある場所で徐々に衰退しつつあるが、上流方向に点在しており、砂地でも意外と元気に育つので、このあたりで消滅することはないだろうと思われる。キササゲの林は大水が出るたびに荒れて雑然としている。運動場周辺は、駐車場があるため、バーベキューをする人たちが大勢いて、見るべき自然は残されていない。
 長淵の護岸工事はまだ始まっていないようだった。
 日中陽気が良いと野鳥はどこに行ってしまうのか、今回もセグロセキレイ、ホオジロ、ウグイス、ヒヨドリ、スズメ、ハシブトガラス以外は、声さえ聞かれなかった。
11月21日 永田橋〜羽村堰右岸〜小作堰左岸 晴、暖かい
 定例自然観察会。歴史散歩という年度計画だが、見たのは玉川兄弟碑と水神社と阿蘇神社だけ。もっぱらカワラノギクの生息状況の観察をした。永田実験区は意外に早めに結実し始めていた。自生地の1つにタネ付きの折った株が投げ捨てられていた。他の場所から採ってきて置いたらしい。タネを蒔いたつもりか。ただの自然破壊にすぎない。自生地、地元団体の畑と花壇、最上流部の自生地などを観察。最後に、小作堰から多摩川の眺望を楽しんで解散した。会終了後に友田の自生地を調査、開花株52、ロゼット20以上を確認した。(貴重植物保護のため詳細は省略させていただきました。)
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、キジバト、カワセミ、コゲラ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
11月20日(土)青梅万年橋周辺 快晴、暖かい
 万年橋下流部架替工事はまだ左右両岸の橋脚土台ができただけ。両岸が切り立っているため、なかなか難工事だ。上流の丸石河原は、10月の大雨で水をかぶり砂が若干堆積しているが、カワラニガナは元気に分布をさらに広げていた。以前よりだいぶ下流寄りとなった。左岸側の窪地にもまた水が溜まり始めた。最上流部にHLらしきテント2張。さらに上流右岸の大きな中州の尖端にもHLらしきやたらと大きなテントが張られている。あんな場所では危険ではないかと思う。紅葉は5分だが、陽が当たるときれいだ。鮎美橋上流はBQを楽しむ人や釣り人、さらに小学生カヌー教室などで賑わっているが、そのために野鳥はほとんど見られない。
 トビ、カワセミ、ヒヨドリ、おしまい(^-^;)

11月11日 片倉
 ツグミの声。 

11月6日 カワラノギク保全プロジェクト:永田地区多摩川 快晴、暖かい
 実験区のカワラノギクの大群落は遠くからも目につくほど。しかし、専門家の倉本氏の話ではここもいずれ衰退するだろうとのこと。たしかに、いまは少なくとも「ふつう」ではない。花を観賞した後、1m四方の区画を3つずつ合計12箇所で開化株とロゼットの数をかぞえた。解散後、羽村の自生地3箇所、羽村の会の畑、左岸老人会の花壇、および左岸の自生群落を見に行った。下記の上田さん、倉本さんからの情報にあるように、心配したほどは流出せずに大群落で開化しており、少し奥の草地や広場でもたくさん花を咲かせていた。羽村堰上流左岸の丸石河原でカワラニガナがかなり増えていた。それも流出せずに花を咲かせている。
 ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、キジ、キジバト、ホトトギス(いまどきの鳴き声に驚く――事後談:この声は参加者の携帯電話の着メロだったとか(^-^;))、カワセミ、アカゲラ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ウグイス、シジュウカラ、エナガ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

10月29日 片倉、北朝霞
 ジョウビタキの鳴き声。

10月20〜27日 ベルリン
 9月のキールに続いて、10月はベルリンへ出張したため、多摩川に出る機会がもてない。記事の埋め草として、ベルリンの秋の気配を写真で。
  1:ドイツの秋は黄色。2:ノギク(アスター系と思われる)。3:枯れかけた感じがかえって味わい深い。4:おまけながら、ドイツとポーランドの国境を流れるオーダー川。対岸の丘はポーランド。

10月10日 カワラノギク保全プロジェクト(永田地区多摩川) 曇り、一時霧雨
 台風一過の秋晴れで気温は28度に、という天気予報は大きく外れて、どんよりとした曇り空。多摩川は増水し白濁していたが、たいへんというほどではなかった。しかし、永田橋から右岸A工区へ向かう途中、沢が増水し、また通路にも水や泥があふれていて、長靴でないと歩けない状態。
 カワラノギクには台風の影響はなく、前回9月23日の続きの除草を行う。地面が水を多く含んでいるため、とくにヒメムカシヨモギなどおもしろいようにすぽんすぽんと抜ける。カワラノギクはすでに花が咲き始めている。あれこれの植物に混じって、多摩川ではいまや第4箇所目となった稀少植物が1株見つかり、花も4つついていて嬉しかった。
 帰路、靴を濡らしたくないので上流に向かって林のなかの道を歩いたが、途中草に覆われたプールがあって靴内に浸水。ついでに自生地の様子を見に行ったら、その途中は水深30センチ以上のプールになっていた。開花株はなかったが、ロゼットは元気だった。
 羽村堰の柴堰が取り払われていて、水が豪快に下流に向かって流れていた。  

10月2日 第5回全国源流シンポジウム(東京農大)
 椎名誠氏の記念講演ののち、源流の意義と下流部住民の課題、上下流の市民の交流のあり方などについてのシンポジウムが開かれた。
 川崎市長早退後代理を務めた市職員が、自分も子どものころは多摩川で遊んだが、水が汚くなったので行かなくなったという主旨の発言をしていたが、私(柴田)の個人的経験では、二子玉川下流で泳いだり水遊びをしていた時(1960年前後)も猫や犬の死体があちこちに浮いていたし、使い捨てられたイチジク浣腸の袋がたくさん浮いていたから、けっしてきれいとは言えなかった。僕らが多摩川から離れたのは水がきれいか否かではなく、両岸が河川敷いっぱいにゴルフ場となってしまい、しかも近寄ると怒鳴られたからだ。また、多くのパネラーが(源流の中村文明氏を除く)「水が汚くなった」と他人事のように、あるいは自然現象で汚れたかのような言い方をしているのが気になった。
 発言者のそんな意見に疑問も抱いたが、源流のすばらしさやそれに関わる人たちに出会えたことは有意義だった。来年は北上川で開かれる予定。

申し遅れましたが、筆者が9月下旬まで北ドイツのキールに出張しているため、このページはしばらくお休みします。

8月14日 日野万願寺地先の多摩川右岸 快晴、猛暑
 気温30度以上の夏日が連続40日を越えて、記録更新中とか、そのため旱となって、多摩川の河原植物も堤防の植物もカリカリに干上がっている。カワラナデシコはほとんど花を咲かせずにつぼみが枯れている。ツリガネニンジンも花が小さくて白い。シバも赤茶けている。カワラノギクも元気がない。カワラケツメイは絶滅か。カワラサイコとコマツナギの花だけが依然頑張って咲き続けている。除草されたあとに復活したワレモコウがあちこちで花を咲かせていた。また、地元の自然保護団体から情報を寄せられた絶滅危惧種の野草が12株実をつけていた。
 ギンヤンマ、赤トンボsp、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクホウシ。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、イカルチドリ、トビ、キジバト、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、セッカ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス。

8月3日 京王線鉄橋から大丸用水堰までの多摩川左岸 快晴、風あり、暑い
 明治大学農学部の研究者からカワラノギク保全に関わっている団体の意見を聞きたいとの要望があり、町中で会うのでは時間の無駄だし話しが抽象に流れやすいので多摩川で会うことにした。
 ついでに京王線鉄橋と関戸橋の間の河川敷(ここは河川管理者と協力して十数年間河原植物などを守ってきているところ)を視察、カワラナデシコやカワラサイコなどの花が咲いていた。地元市民が植えたというカワラノギクが1株ネットをかぶせられて大切に「保護」されていたが、ちょっと戯画的。その後一人で大丸用水堰まで河川環境の視察。除草延期実験区(実際には業者の不手際で除草された)でその後生えてきたカワラナデシコの花を数株見ることができた。
 途中、河川敷に造られているラジコン飛行機基地がだんだん大きくなっているのが気になった。マツムシへの影響が懸念される。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、セッカ、ホオジロ、ハシブトガラス。

7月31日〜8月1日 御嶽山から海沢三滝 曇りのち雨、のち晴れ。翌日は晴れで日差し強く暑い
 恒例、水源合宿で、昨年雨で行きそびれた海沢三滝へ(最近は上流の不動の滝を併せて海沢四滝と言うらしい)。
 御岳渓谷は昨日からの大雨で増水。
 まずはケーブルで山上に着いたころから山上は雨。午後4時前に止んだので、奥の院から滝方面へ自然観察、と言っても急な下り坂でうす暗くあまり観察する雰囲気ではなかった。日ノ出山が雲の間から浮き上がった。
 1997年に一度利用して会員から評判が高い登奈利荘に宿泊し、アユの塩焼きや天ぷら等の夕食を食べながら歓談、また狛江の水道局跡地利用を中心に沿川の自然の保護について話し合った。夜の自然観察は、雨のせいもあってムササビや野鳥の声や姿は見られなかったが、星や青梅の夜景を見ることができた。
 翌朝は4時半から静かな山上の自然観察で、真っ赤な日の出を見たり、多くの野鳥の声を聞いたりした。また、最近宣伝し始めたレンゲショウマの群落を観賞した。日中はたいへんな人出になるらしいが、この時間帯はまだ誰もいなかった。
 キジバト、ホトトギス、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、クロツグミ、ウグイス、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、イカル、スズメ、カケス、ガビチョウ。ガビチョウが鳴き始めたら、ほかの野鳥のさえずりが聞きづらくなった。アオマツムシみたいなものか――。
 朝食後、大楢峠へ良く整備された山道を下る。道沿いにたくさんの野草が花を咲かせていたが、「日本一」と宣伝されているレンゲショウマは1株しか見あたらず、リフト山上駅周辺にしか群落がないというのは人為的すぎる感じがした。峠から木陰を選んで海沢四滝入り口へ。ここ数日の大雨で増水していて、三釜滝、ネジレ滝、大滝のいずれも豪快。とりわけ大滝は辺り一帯猛烈な飛沫と風を振りまいてすさまじい。いつもは簡単に渡れる対岸にもとても行けない。入り口から奥多摩駅までの舗装された林道沿いにもいくつかの滝があり、また豪快に流れる渓谷を堪能することができた。
 観察した野草については、リンクしてある会員の矢島悠子さんのHPをご覧下さい。

7月29日 浅川合流点付近の多摩川右岸 曇りのち土砂降り
 京浜河川事務所上流出張所として、保留となっていた除草を再開する際にカワラナデシコは残したいとのことで、急遽、残す株に印をつけるため、出張所長ほかの職員の方と現地で作業をしたが、台風の影響による土砂降りで、まとまった株のみに印をつけて作業を終了した。天候が悪かったためカワラナデシコの花はまだ咲いていなかったが、ツリガネニンジンの花が咲いていた。カワラナデシコは全部で30株強あったが、印をつけたのはその一部にすぎない。来週にも除草作業が始まるというので急遽行った作業だが、あとでここはお盆明けになるかもしれないと言われ、全体としてはそれで良いが、開花寸前の株に無粋な印をつけたままにすることになりかねず、市民から褒められるはずの作業が逆に非難されかねない結果となった(^-^;)

7月24日 永田橋から羽村大橋までの多摩川右岸 快晴、猛暑だが風あり
 カワラノギク保全プロジェクト。今回は自生地の植生管理。永田実験地A工区のカワラノギクは元気に育っている。自生地は自然のロゼットの数が非常に少なく、整地したところにだけ100株前後見られる。クズを刈り取り、ピラカンサを切った。今日はたった1時間の作業だったが、暑いのでやはり疲れた。その後、今秋の作業日程について参加者同士で話し合った。
 ツバメ、イワツバメ、コゲラ、ヒヨドリ、ウグイス、ホオジロ、ガビチョウ。

7月23日 万願寺地先から浅川合流点までの多摩川右岸 猛暑、風強い
 堤防のり面植生調査。ここ連日の猛暑で堤防のり面でも河原でも植物は夏枯れしたりしおれていたりしている。除草された堤防のり面はカリカリに乾いている。その一方で、所々に一度刈られたワレモコウが元気に復活しているところもある。除草延期実験区は野草が茂っている。レンリソウは夏枯れし、クズやススキが茂り始めたので、除草を実施してもらうことにする。それにともない、つぼみをつけたカワラナデシコが刈られることになるかもしれないが、仕方がない。
 河原では、カワラサイコが熱射と乾燥に絶えて花を咲かせている。地元の人たちが育てているカワラノギクはなんとか頑張っている。2本だけ残っているカワラハハコは5月以来成長していず心配だ。カワラナデシコはまだ咲いていない。
 赤トンボ(SP)、アブラゼミ、キリギリス。
 カワウ、アオサギ、トビ、ツバメ、ヒヨドリ、セッカ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

7月22日 片倉 少し凌ぎやすい
 今朝、ツクツクボウシが鳴いていた。このセミは夏が終わる頃に鳴くので、昔の人は夏が去るのは「つくづく惜しい」と聞きなした。その感性が正しいとすると、今年の夏はもう終わりか。

7月19日 片倉 連日猛暑
 ニイニイゼミやヒグラシ、アブラゼミに加えて、ミンミンゼミも鳴き出した。なぜか相変わらず毎日ホトトギスが囀っている。 

7月18日 大田区立博物館「多摩川発見」行事 猛暑
 多摩川をテーマとする博物館展示はめずらしくないが、ここの展示は歴史や現代、社会や自然など広汎に扱っていて、見応えがある。関連行事も、地元住民からすれば予算削減で物足りないそうだが、一般的に見れば十分充実した企画でうらやましい。
 この日のリレートークでは、「河口からのメッセージ」として増田直也さん、「中流からのメッセージ」として本会柴田隆行、そして「源流からのメッセージ」としていつも元気な中村文明さんが画像を提示しながら講演し、最後に京浜河川事務所山口充弘河川環境調整官が河川管理の実務について説明された。さらに猛暑にもかかわらず大勢の市民が自費で路線バスに乗って多摩川に出、河川工事やスーパー堤防を視察した。

7月17日 多摩川つばめの集団ねぐら一斉調査 猛暑
 筆者(柴田)は、狛江高校地先のヨシ原を調査した。多摩水道橋から狛江・調布市境あたり一帯で唯一のまとまったヨシ原(これまでの調査で、この時期ツバメのほとんどが広大なオギ原ではなく狭くてもヨシ原でねぐらを形成することがわかっている)であるにもかかわらず、黄昏れ時に5〜8羽ほどが通過しただけで、1羽もここにはねぐら入りしなかった。人口圧が強いとか、見晴らしが利きにくい等なんらかの理由があるのだろう。  アオサギ、セッカ、ムクドリ、アブラコウモリなど。ヒグラシ、アブラゼミなど。
 本会分担分としては、ほかに上河原堰上流左岸を上田大志さんが調査し、手前の小さな中州に1400羽ほど、沖合の中州に400羽ほどがねぐら入りしたそうです。ほかに、府中四谷橋周辺で1万羽、秋川合流点付近で2万羽がねぐら入りしたもよう。詳しくは、多摩川つばめの集団ねぐら調査連絡会のホームページをご覧下さい。http://tamatsubame.txt-nifty.com/news/

7月11日 片倉
 ヒグラシが鳴いている。ここ毎日ホトトギスが囀っている。

7月10日 日野用水堰左岸 晴れのち曇り、暑いがときどき涼しい川風
 日野用水堰改築工事の最終工期の現地説明会。地元の、昭島水辺の楽校運営協議会の人たちが大勢参加した。今回の工事はこれまで同様の仮説工、固定堰補修工、護床工に加えて魚道の整備がある。車両進入路にかかるヤナギの木2本は一時移築すること、護床に入れる木材を止める石が丸石でないために土砂が溜まり魚が棲めないのでいまある丸石をできるだけ利用すること、魚道設置により周辺の堰をオーバーフローしている水が減ると魚が自力で堰を越えることが困難になるのではないかという心配、改築された堰は滑りやすく子どもが落ちて大けがをした例もある点などが時も度団体から指摘された。
 堤防脇に人家が建ち並び始めた。全部で159棟とか! 川辺の遊水地がまた一つなくなった。
 水辺の楽校の池にミクリなど。
 トビ、カワセミ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、セッカ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。  

7月1日〜6日 ドイツ・エアランゲン 曇り、時々晴れ間、時々雨
 連日気温は14度から20度ぐらいで涼しく、少々肌寒いほどだが、気持ちが良い。夜10時過ぎまで明るいので、一日の行動時間が長い。朝はクロツグミのような鳥の囀りで眼を覚ます。カワラヒワやアマツバメが目につく。城址公園(正面は大学本館)も、隣の植物園も花盛り。

6月26日 万願寺地先多摩川右岸 曇り、時々日差し強く、蒸し暑い
 堤防のり面植生調査。堤防の除草はすでに終わっているが、実験区間だけは野草が残り、ネジバナ、ヒメジョオン、ミヤコグサ、カワラサイコ、テリハノイバラなどの花が咲き、ナワシロイチゴの実がなり、レンリソウワレモコウ、ツリガネニンジン、カワラナデシコ、ヤハズソウなどの若葉が茂っていた。水辺にはナガエミクリの花も満開。ニイニイゼミが鳴いていた。耳鳴りではない(^-^;)
 石田大橋を渡り、左岸に向かう。四谷用水堰下流は昨年秋からの護岸工事で野草は全滅したが、1箇所保護してもらったところ約100メートルではノジトラノオの花が咲いている。ここからタネが跳んで周囲に徐々に復活して行けばと思う。
 カイツブリ、コサギ、コジュケイ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

6月24日 青梅市長淵地先多摩川右岸 快晴、夏空で暑い
 堤防計画についての現地協議ならびに、地元自治会からの要請による河川敷整備着いての、河川管理者である京浜河川事務所と現地協議。
 当該地付近はかつて堤内地に畑しかなかったが、15年ほど前に数件住宅が建ち、さらに最近新たに築堤近くに3件分譲住宅が建ったこともあり、堤防補強の必要が生じてきた。現在の築堤は戦前に地元の人が造ったものらしく、堤内地側に余裕がないだけでなく、高さが足りないといった問題があるため、新たに堤防を造る必要があるとの説明。この堤防ができると、築堤脇のニセアカシアやエノキの林を伐採する必要が生じる。
 それとは別に、当該地付近の河川敷はニセアカシアやツルヨシなどが繁茂して鬱蒼としており、川遊びもできないとのことで、地元自治会等から除草等の要望が出ているが、河川整備計画では自然に親しむ情操空間としてのEとFに指定されているため、どの程度整備が可能か意見を聞きたいとのこと。
 前者については動物生息のため可能なかぎり樹林を残すこと、後者についてはカワラニガナの群落に害を及ぼさないことをとくに要望した。
 イカルチドリ、キジ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月20日 亀甲山〜多摩川左岸〜等々力渓谷 晴れのち快晴、強風、猛暑
 定例自然観察会。でも、昨日の今日で疲れた。いまや急行も停まるようになった「多摩川」駅を出発、階段を上るとアジサイの花壇、その間にヤブカンゾウが咲き、キアゲハが羽を休めていた。調布浄水場跡にできた花壇を見て、亀甲山古墳を眺め、多摩川を見下ろし、サクラの木についている陸生貝を見、隣の古墳群から発掘された展示品を博物館で眺め、坂を下りて多摩川へ。
 強風が吹き荒れ、疲れる。巨人軍グラウンド跡その他のグラウンドは野球やラクロスほかさまざまなスポーツをする人たちで賑わっている。猛烈な笹林など刈られずに残っているが、住民ありで入れない。水辺にサクラを並べて植えてあるところもあり、治水上問題がないかむしろ心配だ。コアジサシが砂利河原の中州周辺で飛んでいる。
 丸子川は人工化されすぎてつまらない。少し前までは水草が生えて、イトトンボなどもたくさん見られたのに。シオカラトンボは飛んでいたが。
 谷沢川すなわち等々力渓谷は水がきれいになった気がする。それにしても絶え間なく人が訪れる盛況ぶりで、付近にいかに自然がないかを逆に物語っているように思える。子どものことつまり1960年頃は、ほんとうに渓谷で歩くのも怖かったぐらいだった。いまこれほど人びとの関心の的になっている等々力渓谷だが、大井町線地下化の計画があり、それによって地下水脈が分断されてふたたびどぶ川≠ノ戻りかねない心配がある。
 ダイサギ、コサギ、カルガモ、コアジサシ、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

6月19日 永田地区多摩川右岸 快晴、暑い、ときどき風
 4日間の除草作業で1区画残ったところを、少人数で除草。大勢でも少数でも自分がやれる仕事量は同じだけど、へとへとになったのはやはり暑さのせい。あとわずかを残してギブアップ。
 ヤブカンゾウが咲き始めた。ビーロドモウズイカの花も咲いている。
 イカルチドリ、キジバト、カワセミ、イワツバメ、ヒヨドリ、コゲラ、オオヨシキリ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。ほかにもいたと思うけど、それを探す余裕がなかった。

6月13日 永田地区多摩川右岸 曇り、のち晴れ 風がさわやか
 カワラノギク保全プロジェクトの今年度植生管理計画の4日目。(筆者は、2回欠席したが、PJとしては、6月6日(雨天のため時間短縮)と6月12日にも実施した。)実験地の最上流部A工区のうち2区画の除草を、20名以上のメンバーで行ったが、あと1区画残ってしまった。すでにヨモギやイタドリなどは80センチ近くに伸びており、しかもメマツヨイグサなどは1株で10本ほどの枝に分かれているので、みな大きく立派に見える。ネジバナ、シャボンソウなどの花が咲き、ビロードモウズイカやヤブカンゾウのつぼみがふくらんでいた。ネムの木の花が咲き始めた。
 昨日羽村堰上流で、今日はその下流で鮎釣りの解禁となったため、大勢の釣り人が河原に出ており、イカルチドリの警戒の声が一日中聞こえて痛ましかった。
 カルガモ、イカルチドリ、トビ、キジ、コジュケイ、キジバト、コゲラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。仕事に夢中になっていたので、耳に入った野鳥のみ。

6月5日 永田地区多摩川右岸 快晴、暑いが風がさわやか
 昨日の朝から、富士山が今日までずっと見える。今年は雪が溶けるのが早い。
 カワラノギク保全プロジェクトとして、今日は永田実験区の除草作業。河原はすでに夏草模様で、先月までほとんど何も生えていなかった丸石河原もいまは別世界のよう。明治大学の学生が大勢参加してくれたので、仕事がはかどった。
 A工区のうち最上流部約20メートル幅を区切って除草開始。場所により足の置き場がないほどカワラノギクの実生やロゼットが生えていて、作業がしにくい。昨年の作業に比べると、今日は湿度が低く風がさわやかなので、疲れが少ない。午前2時間、午後1時間強の作業で、とりあえず最上流部の除草を終えた。ヨモギやイタドリの茂みを刈り取ると、日陰になっていたところからカワラノギクの実生やロゼットが顔を出し、太陽を燦々と浴びられるようになって喜んでいるように見えて、嬉しい。
 カワウ、コサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、キジバト、ホトトギス、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
 カジカガエルの声。  

5月24日 万願寺地先の多摩川右岸 晴れ、風さわやか
 植生調査。マツヨイグサの開花期は過ぎて、コウゾリナとツルマンネングサが目立ってきた。ハナウドももう終わり。レンリソウ約480株を確認。高水敷は草が生い茂り始め、通り抜けが難しくなってきた。カワラハハコを新たに3株発見。コゴメバオトギリ2本開花。これが増えると困る。
 ゴルファーが一人鎌で草刈りをしている。ラジコン飛行機場に今日も5人。堤防沿い道路でのドラマー今日も頑張っている。
 カワウ、アオサギ、カルガモ、トビ、コゲラ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月24日 片倉
 午前9時頃、ホトトギスの鳴き声が聞こえる。

5月20日 京浜河川事務所調査課より、多摩川整備計画の実施中間報告について説明を受け、意見を述べた。意見概要は、@洪水対策だけが着々と進んでいる印象を受ける一方、多様な生物の棲息を促進する環境対策は遅れているように思われること、A水辺の楽校やワンドの整備、あるいはリバーミュージアムの推進がなされ、それが資料にも高らかにうたわれているが、これらはいずれも人間が自然を管理し利用するものであって、繰り返しになるが、自然保護の視点が希薄であること、B多摩川にある植物や野鳥の数が資料に挙げられているだけで、稀少植物については写真が数枚あるにすぎないが、これら稀少植物がいまどこにどの程度残っていて、それに対して河川管理者としてどのような保護策を考えているのかについての記述が見られないこと(具体的な場所は記す必要はないが)、C河川工事に際しては事前に情報を自然保護団体に伝えて無用な自然破壊がなされないよう協力しているが、そういう河川環境課などが行っている業績などについての宣伝が不足しているために、工事ばかりが突出している印象を与えるのではないか、等々。

5月18日 京浜河川事務所河川環境課に、万願寺地先堤防のり面除草実験区の区間延長を要望し、許可された。

5月16日 万願寺地先の多摩川右岸〜浅川合流点 曇りのち雨
 定例自然観察会。雨もあがったが、参加者は少ない。まずは本宿用水堰付近でヘルペスにかかった鯉を調査している人を見つつ(根川でも死んだコイが流れていた)、河原植物の観察。ミゾコウジュがたくさん生えている。カワラナデシコの新芽も多い。日野市民が育てているカワラノギクのロゼット12株は元気に育っている。ハタザオがまだたくさん咲いている。ハナウドも真っ盛り。ノイバライボタノキの花の匂いがただよってくる。
 天候のおかげでラジコン飛行機もゴルファーもサバイバルゲーマーもいず、静かな多摩川だ。
 堤防植物の調査に入り、ハタザオ、マツヨイグダ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、カワラナデシコ、クサボケ、ヤブカンゾウ、ノブドウ、ナルコユリ、ミヤコグサ、レンリソウなどを確認した。5月連休のときに見つけられなかった稀少植物も新たに見つかった。また、多摩川で現在1株しか見ていないカワラハハコの小さな芽を新たに2株発見した。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、キジバト、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
 小雨が降ってきたので、水再生センターの階段で昼食、その後、ハーブ園や水琴窟、シジュウカラの親子などを見ながら、土方歳三の墓がある石田寺、土方歳三が育った家、その他軒並み土方さん宅などのお庭を外から眺めつつ、新撰組フェスタの会場へ。

5月16日 片倉
 家の近くの雑木林で午後6時頃にアオバズクの鳴き声が聞こえた。

5月9日 多摩川永田地区から羽村大橋右岸 曇りのち雨
 カワラノギク保全プロジェクト。天気予報では午後から夕方にかけて雨が降り出すとのことだったが、現地についた午前10時頃にはすでに雨は本降りになった。
 近くのニセアカシア林の下で、6月の植生管理の方法について話し合った。予定では実生の数をかぞえるはずが、実験区での実生の芽生えが遅れているため、自生地を視察し、そこで育っている実生を確認して、早めの解散となった。
 帰路、堤防沿いに歩き、堤防のり面の植物を見て歩いた。レンリソウやワレモコウ、アキカラマツ、ツリガネニンジン、ウマノスズクサなどの芽がたくさん見られた。なお、林のなかに初めてみるキク科の帰化植物を発見した。図鑑によると、バラモンギク別名キバナムギナデシコと言うらしい。
 キンポウゲ、ニガナ、ハルノノゲシ、ミヤコグサ、ヤブタビラコ、オニタビラコ、コウゾリナ、クサノオウなどの黄色の花、セリバヒエンソウ、カキドオシなど。ニセアカシアの花もまだ木にたわわについている。
 カワウ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、イカルチドリ、キジ、イワツバメ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月7日 多摩川永田実験区 快晴  河川生態学術研究多摩川グループの、植生管理に関する現地打ち合わせを、河川管理者を交えて行うのに参加。できるだけ業者にまかせずに自分たちでやって、手に余る量や除草したものの搬出などを業者に委ねるという基本方針を確認した。この実験区は多くの研究者がさまざまな調査を行っているので、今日暇だからちょっと除草しておこうというわけには行かず、こういう打ち合わせが重要になる。
 イタドリの新芽がほとんど枯れているのは、遅霜のせいだとか。
 イカルチドリ、キジ、コジュケイ、キジバト、コゲラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月4日 石神下の多摩川両岸 風あり、夏空、日差し暑い
 天気予報は雨だったが、じっさいには夏空で暑い。なんと河原には大勢のバーベキューを楽しむ親子連れや釣り人がいる。彼らは天気予報なんてぜんぜん気にしていなかったのだろうか。
 緑が濃くなった河岸林と断崖の下を豪快に流れる渓流を見て楽しむ。ときおりカヌーが下ってくる。空ではトビがなんども舞っている。カジカガエルが鳴いている。
 キケマン、クサノオウ、メキシコマンネングサ、オヘビイチゴ、ニガナ、ジシバリ、カントウタンポポ、オニノゲシなどの黄色の花が目立つ。ほかにカキドオシやセリバヒエンソウ、コンロンソウなど。ヤブデマリガマズミ、マルバウツギ、ニセアカシア、ミズキノイバラなどの白い花にフジの紫が混じって林の眺めも美しい。
 昨年会員が見つけたホソバコンギクの様子を見に行く。実生がだいぶ出ていたが、なんと花をたくさん咲かせている株も2つあった! その他、カワラハハコカワラニガナも発見。イカルが美しい声で囀っていた。
 カワウ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、キジ、コジュケイ、キジバト、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

5月3日 万願寺地先〜浅川合流点までの多摩川右岸堤防 風冷たい、霧雨
 堤防植生調査。コマツヨイグサの開花個体が増えた。ニガナ、コウゾリナ、ハタザオ、オヘビイチゴなどの花が咲いている。レンリソウは今年は1箇所にひ弱なのが15株ほどだけしか見あたらない。ツリガネニンジンの新芽は山菜として知られているそうで、芽がほとんど摘まれている。ワレモコウ、ナルコユリなどの芽がだいぶ大きくなった。ニセアカシアの花が満開で、枝もたわわに花がついている。
 キジ、ツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月1日 羽村大橋下流多摩川左岸 快晴、風あり  当該地で4月いっぱい行われていた根固めブロック敷設工事により、カワセミの巣が壊され、砂利河原に作られた数個のイカルチドリの巣が重機につぶされたとの情報が会員より寄せられたため、見に行った。工事はすでに終了し、片づけの段階に入っていた。今後は、冬から続いている工事はともかくとして、3月中旬以降に工事を始めることは極力避けるよう河川管理者に要請したい。オオヨシキリ、イカルチドリの声。羽村堰下流は思ったほど人出が多くはなかった。

4月29日 京王多摩川〜狛江五本松までの多摩川左岸 快晴、風強い
 狛江五本松前後約1キロの堤防護岸を改修補強する計画があり、調布市境付近では今年度中に着工の予定。これに対して、地元住民がつくる、みんなの土手の会を中心に反対と必要性についての疑問の声が高まり、国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所調査課等職員10名ほどと地元住民が参加して、現地説明ならびに協議を行った。とくに狛江五本松より下流200メートルの護岸改修については、約40年間なんどか大きな洪水があったが、オギ原や中州等により流速も弱められてかつて一度も危険な状況になったことがなく、逆に毎日多くの市民が親しんでいる景観と自然が損なわれる方が被害が大きいとして、計画にはどうしても納得ができないとの声が強かった。また、遮水シートを敷いてその上にかごマット等を並べて土砂をかぶせるという最新の方式についても地元住民を説得するだけの内容が提示されなかった。狛江五本松前から上流にかけても、いまよりも河川敷が水際に数メートル張り出す計画は景観的にも治水上も利点が理解できないとの声が強く、この日は話し合いは平行線をたどるだけで終わった。
 それにしても、連休初日ということもあって、京王多摩川から和泉多摩川mですごい人出だった。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、イカルチドリ、コアジサシ、キジ、キジバト、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

4月27日 片倉 雷雨ののち雹が2分ほど降る。冷たい風。

4月26日 多摩川・根川・浅川合流点付近の多摩川左岸 暑い
 上述と同趣旨の現地確認を、京浜河川事務所ならびに同上流出張所職員と行った。貴重植物は指定地よりややはずれたところに多く見られたが、今回は実験であるため、予定通りの場所を指定した。
 マツヨイグサコウゾリナ、オヘビイチゴ、ハタザオなどの花が咲いていた。ニセアカシアの花が一斉に咲いている。ツリガネニンジンの芽がだいぶ大きくなっている。  オオヨシキリ、ウグイス、ホオジロ、モズ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ムクドリ、ガビチョウなどの声。  

4月23日 狛江五本松地先と府中南町地先の多摩川左岸 暑い
 堤防周辺の植生と除草との関係の調査のため、今年度の除草を一定期間遅らせてもらうための現地確認を、京浜河川事務所河川環境課ならびに同多摩出張所職員、請負業者を交えて行った。府中市南町地先の護岸工事は無事にほぼ終了した。
 カワラナデシコやレンリソウ等の芽生えが見られた。ハタザオ、コウゾリナなどの花が咲いている。ニセアカシアの花が咲き始めた。
 カルガモ、キジ、セッカ、ウグイス、ホオジロ、ヒヨドリなど。

4月18日 鳩ノ巣渓谷〜氷川の多摩川右岸 快晴、暖かい
 定例自然観察会。今年度は多摩川の歴史をめぐる旅。1656年(明暦2)江戸の大火後の復興のため伐り出された材木積み出し用飯場が造られたのが注目された始まりという鳩ノ巣渓谷を上流へ、まずは白丸ダムまで。左右に聳える山々の新緑が殊の外美しい
 白丸ダムのなんとも異様な魚道を見下ろしてから、さらに右岸に設けられた遊歩道を進む。道端にキケマン、ムラサキケマン、タチツボスミレマルバスミレフデリンドウ、ヒトリシズカ、ジャニンジンなどの花が咲いている。エイザンスミレやキスゲ、ナガバノスミレサイシン、アカネ、マムシグサなどの若芽もたくさん出ている。
 カンヒザクラの咲く数馬峡橋を渡り、数馬の石門へ。1703年(元禄16)まだ街道が開かれる前この辺は難所で知られたこの険しい山の中腹を村人たちが立ちはだかる大岩を鑿で削って造った切り通しだ。頂上の神社でムササビの死骸を発見。
 昼食後、ふたたび橋を渡り、右岸へ。ここから上流の数馬峡の景色は抜群で、左右に巨岩が迫る。新しい遊歩道を遡上して氷川の奥多摩駅へ。
 海沢集落手前の民家の墓にイチリンソウの花が咲いていた。
 カワウ、トビ、カワセミ、ヤマセミ、コゲラ、イワツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ウグイス、ヒガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、マヒワ、スズメ、カケス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

4月10日 永田地区多摩川右岸 快晴、暖かい
 カワラノギク保全プロジェクト。今回は、一定の区画数十箇所について、そこに生えているロゼットと実生の数をかぞえる作業があったが、実生はまだごく小さくて班別しにくいので来月に延期となった。続いて、自生地の調査。ここも芽がごく小さく、人為的にタネを蒔くか実生の芽生えを見守るかの判断がつけにくく、とりあえず様子を見ることとした。
 永田橋右岸下流の大ヘドロ山でクレーン作業中。何が始まったのか?
 周囲ではガビチョウの大合唱が続いた。1羽でも十分賑やかなのに。
 カワウ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、キジバト、ツバメ、イワツバメ40強、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ5羽ぐらい、カエデチョウ。
 クサノオウ、ムラサキケマン、ジロボウエンゴサク、ニリンソウ、カントウタンポポ、オランダガラシ、等々。河原に生えるヤマザクラの花がきれい。土手では、ツリガネニンジンワレモコウ、アキカラマツの新芽がこの地域ではすでにかなり大きく育っていた。クサボケの花満開。
 カジカガエルが水辺で鳴いている。

4月6日 中央線鉄橋〜立日橋の多摩川右岸 暖かい
 堤防植物調査。堤防のり面に生える稀少植物の保護のため、場所によって機械的な除草を改めてもらうための基礎調査。植物生態学の研究者によると、除草しないとかえって絶滅するおそれがある植物があるとのこと。たしかに、すでに堤防のり面はネズミムギやイヌムギなどの丈が大きくなり、カラスノエンドウが斜面を覆いつくしている。ヤブカンゾウの芽がだいぶ大きくなって、もう食べられない。そんななかで土地が少しやせたところに、ヒメウズの花や、ワレモコウアキカラマツ、アケビの芽や若葉が出始めている。イタドリの新芽もたくさん出ている。
 堤防のサクラはすでに散り始めている。園児がお花見にやってきた。
 立日橋から下流の高水敷は、今年も護岸工事と日野橋補強工事のための資材置き場になっている。しかし、驚かされるのは工事現場よりも、HLホームの数と堤内地のマンションだ。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月31日 日野万願寺地先多摩川右岸 曇り、暖かい
 新撰組展示特設館や土方歳三記念館を訪れる人が徐々に増えつつあり、駅が賑わっている。さて、それとは反対方向の多摩川へ。
 石田大橋下り車線の鉄橋架設工事が進行中。そこから下流、水道局ならびに清掃局に沿って桜並木が約1キロ続いており、いまが満開。お花見の人たちが堤防上をそぞろ歩きしている。今回はその堤防上に生える野草の調査。まだヒロハアマナクサボケ、カントウタンポポの花があるだけ。ツルボ、カワラナデシコ、ワレモコウヤブカンゾウなどの若葉が出ている。これらの植物を守るために、今年度は一定区間に限って除草回数や方法を変えての調査を実施する予定。
 昨夜の大雨で、池の水が増えている。子どもたちがザリガニ採りに興じている。その近くで、カワセミがザリガニをくちばしに挟んで10分以上格闘している。河川敷では今日もラジコン飛行機がブンブンとうるさい。広場では女性2人が犬4匹を放し飼いで遊ばせている。上空をオオタカが大きく旋回し、近くをツバメが飛び交う。対岸の低水護岸工事は無事に終わり、いまは静けさを取り戻している。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ヒドリガモ、イソシギ、オオタカ、キジバト、カワセミ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月30日 片倉
 片倉城址公園では、いま、コブシとカタクリの花が満開。園内でカタクリの大きな群落があるのは5箇所。遠くから群落を見渡すと、今年は花が濃いように見える。しかし、そばで良く見てみると、逆に、例年見られるような色の濃い花がほとんどないことに気づく。ヤマブキソウの花が少し開きかけている。ほかに、ニリンソウやキブシ、アブラチャンも満開。サクラも八分咲き。アズマイチゲとイチリンソウがちらほら。絶滅危惧種の或る植物は今年も元気に6株ほど花をつけていた。

3月27日 片倉
 両側を雑木林に挟まれた16号バイパス沿いの歩道を300メートルほど歩いているあいだに、両側からガビチョウが3羽囀っているのが聞こえた。この辺で繁殖しているのだろう。

3月21日 和泉多摩川 晴れのち快晴 日差し強いがさほど暑くはない
 定例自然観察会。小田急線鉄橋手前の土手の斜面には、春の花ヒメウズがたくさん咲いている。極小のオダマキだ。多摩川中下流部ではめずらしい。
 春の日差しの下、野球をする人や散策をする人、釣り人、消防団放水訓練の人、新聞で募集したらしい化石掘りの子どもたちなど大勢の人出で賑わう。宿河原堰のすぐ下流部はかつて広大な土坦が広がっていたが、堰の改築で半減し、その後水の中に埋まっていたが、現在久しぶりに広く広がっている。
 地元の竹本さんたちが整備している「狛江水辺の楽校」は、自然そのままをモットーに手作りで守られていて、今日も小さな木橋作りを大人も子どもも楽しんでいた。ヤナギの花芽もだいぶふくらんだ。縦横に折れ曲がった枝が芸術的! この辺は、水辺近くまで大きなヤナギが生えていて、景観美をなしている。水辺ではオオカワヂシャが満開。卵から孵ったヒキガエルのオタマジャクシが黒い絨毯のように水中を埋め尽くしている。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、タシギ、ウミネコ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 午後は、近くの集会所で総会を開催した。その結果については別ページに掲載。

3月21日 片倉 毎日ウグイスが囀っている林で、ガビチョウが大声で鳴き叫んでいた。

3月20日 カワラノギク保全プロジェクト:多摩川永田地区 雨のち雪
 地元で20年近くカワラノギクの復元活動をつづけている、はむら自然友の会との交流を意図して、現地A工区にて、研究者の倉本宣さんがこの実験区での復元作業の意図と経緯を説明し、両会会員同士で現地を視察した。羽村の会の人たちのほとんどが子ども時代からこの地の自然に親しんできただけあって、あくまでも河原の自然をそのままに残すことを前提としているとのころで安心した。むしろこの実験区の方が、中流の自然にはない大きな石がそれこそ不自然に並べていておかしいとの率直なご意見もいただいたりした。本会ももちろんそう思うが、あくまでもここは「実験区」だと割り切り、ここで得た経験を生かすことがこの自然破壊への罪滅ぼしだと思う。
 現地で話し合い中に、長年ここで大きな犬を数匹放し飼いにして湿地やカワラノギク自生地を荒らし回っている人が、いつものように犬をつながずに通りかかり、犬が参加者に抱きついてきたので、「犬を放し飼いにしないで下さい」と言ったところ、その人曰く「みなさんはどういう会か知らないが、ここがもと遊歩道だったことを知っているか。私はもう30年もここを使っているんだ」と。すかさず、地元の会の人が「私はここに60年住んでいる」と答えたら、「ああそうですか……」と。幸か不幸か私たちも歳を重ねてきたので、30年と聞いてもあまり驚かなくなった。むしろ30年もあんたの犬のために野鳥が繁殖できないとか犬に吠えられるとかひどい目に遭っているのだと答えられる状況になった(^-^;)
 とにかく寒い。冷たい雨が降り、予定を早めて終了したが、雨はその後みぞれ、ついには雪となった。永田橋から下流側を見下ろすと、河原に生えたサクラの花が3分咲きできれいだった。
 カワウ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、キジバト、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ウグイス囀り、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月17日 片倉 ツクシ、顔を出す。
3月13日 片倉 ウグイス囀り。以後、毎日。

*花粉の季節のため、しばらくこのページはお休みしました。その間のニュースは、リンクページより、会員の情報をご覧下さい。

2月29日 カワラノギク保全プロジェクト 曇りのち晴れ、暖
 新たに発見したカワラノギクの自生地および羽村市民が造った花壇等を見ながら河原を歩き、今後の方針を話し合った。
 新しい自生地の特徴は、現在の多摩川で最大であること、他の植生がほとんどなくタネが低いところを広く散らばることができたこと、貧栄養で競合植物が存在しないこと、したがってまたカワラノギクも小柄であることなどの説明を研究者の倉本宣氏から伺った。植栽された株と私たちが復元した群落ならびに自生株との本質的な違いの有無、それらの混合が及ぼす影響等についても協議した。最も大切なことは、無秩序にカワラノギクが植えられて分布経緯が不明にならないようにすることだという点を確認した。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、オオバン、マガモ、カルガモ、コガモ、イカルチドリ、トビ、キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、ホオジロ、カシラダカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。  

2月24〜27日 北海道帯広周辺 雪のち晴れ
 所用で帯広へ。2日前の記録的大雪で、空港の駐車場には車が雪の中に埋没している。十勝平野は寒いが雪は少ないのが一般的らしいが、今回は辺り一面の雪景色。
 ついでに、帯広畜産大学で飼っている子牛を見たり、糠平にあるひがし大雪自然博物館を訪問したり、十勝川温泉でハクチョウを見たりした。糠平の自然博物館では、動物、魚類、昆虫、植物等の展示がじつに細かく、しかも飽きさせずに興味をうまく引き出すように作られていて、おもしろくためになる。折々自然観察会を実施しているようで、機会があれば近くの温泉に泊まって数日過ごしたいところ。この博物館館長と結婚し、いまでも蜘蛛研究で全国に知られる、多摩川の自然を守る会元リーダーの松田まゆみさんがここに住んでいるが、残念ながら時間がなく、ご主人の川辺さんと立ち話をし、電話で松田さんの声を聞いただけだった。
 十勝川温泉は、帯広からバスで20分ほどの十勝川沿いにあり、観光客の餌付けもあるが、絶えず温泉が流れ出ているので水温が高く餌の植物が冬でも生えているため、毎年千羽以上のハクチョウがここを訪れる。ハクチョウはいずれもオオハクチョウ、楽しみはむしろハクチョウの周りに群がるカモたちで、マガモ、カルガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロなど多摩川でもおなじみのカモのほか、ホオジロガモやコオリガモ、ミコアイサなども見られた。残念ながら小鳥がほとんど見られず、ツグミとシジュウカラだけ。

1月30日 浅川合流点手前の多摩川右岸〜日野橋 晴れ、暖
 いつも人影の少ない多摩モノレールの「万願寺」駅に、日野市観光案内所が設けられた。新撰組ブームにあやかってのものらしい。
 石田大橋の上り車線の工事が始まった。対岸では、護岸工事が大規模に進められている。かなり進捗している。早く元通りの自然の戻ることを願うばかりだ。
 カワラノギク実験地ではロゼットが11株ほど元気に育っていた。めずらしくラジコン飛行機が飛んでいないので喜んだのもつかの間、隣ではゴルフのポールを立てて球を長距離飛ばしているおじさんがいる。
 堤防脇の池は毎年干上がるが、今年は水が貯まったままで、アメリカザリガニがたくさんいる。アオサギとコサギが餌をあさっていた。岸辺にザリガニの手が25個も落ちていたが、サギの仕業だろうか。ガガイモの実がはじけて、綿毛が飛び出してきた。
 中央高速道橋から日野橋にかけては、昨年に引きつづき護岸工事が大規模に行われている。こう何度も重機で踏みつぶしたら、野草も復元できない。
 カワウ、コサギ、アオサギ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、トビ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月18日 堂所から奥多摩駅までの「奥多摩むかし道」 晴れのち曇り
 昨夜から今朝にかけて降った雪がこの辺で約5センチ積もっている。山は真っ白に雪化粧。樹木の枝にも雪がついて霧氷のように輝いてきれいだった。予定では、ダム湖を見下ろす水根の集落を経て山道を下り堂所に至るはずだったが、途中雪で滑落の危険があるので、堂所からとした。
 ここのバス停の名称は「中山」。かつて堂所分校があり、廃校のあと一時期団体等の合宿所として貸し出されていたため、本会でも夏の合宿をここで行ったことがあるなつかしいところ。木造校舎で飯ごうを炊き、教室に布団を敷いて寝たことは当時参加した子どもたち(大人も!)の良い思い出になっただろう。
 坂道を下り、トンネルをくぐってまずは小河内ダムの真下へ。ひとがほとんど立ち入らない場所だけあって雪が真っ白できれいだった。渓谷にヤマセミの姿が一瞬。少し戻り、日だまりで冬も暖かい「むかし道」(青梅街道旧道)を雪を踏み、真っ白の山肌を眺め、谷を見下ろし、吊り橋渡りを楽しみながら下る。ところどころに大きな太いつららが下がっている。テイカカズラの実が斜面について羽毛が輝いていた。
 最後は、槐木から、トロッコの立入禁止のトンネルを経て氷川へ。
 トビ、ヤマセミ、コゲラ、ヒヨドリ、カワガラス、ジョウビタキ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、ホオアカ、カワラヒワ、カケス、ハシブトガラス。高い梢の上を小さな鳥の群れが数十羽舞っていた。

1月12日 京王線鉄橋〜南武線鉄橋の多摩川左岸 曇り
 読売新聞社前の多摩川で河川工事が行われているとの情報が入り、確認しに行った。昨年3月に河川管理者と現地で協議して、稀少生物への影響を極力少なくすることで合意を得て行われた災害復旧低水護岸工事はすでに昨年初夏には終わっているはずなのだが。たしかに、工事搬入路が造られ、河原植物のある場所に資材が置かれていたり、フェンスが設けられて重機が停められている(今日は休日で工事は休み)。看板によると、かごマットを敷く工事だとある。さっそく河川管理者に問い合わせをした。  ところで、京王線鉄橋上流左岸にあるHLホームは、高床式の立派な「現場事務所」然としており、こういうのも「ホームレス」と言うのだろうか。
 京王線鉄橋と関戸橋とのあいだの高水敷は、一昨年の護岸工事の際に自然を残してもらったところで、いまも無事に残っているのは嬉しい。
 大丸用水堰上流の中州付近にオオバンが6羽もいた。  カワウ、ダイサギ、コサギ、オオバン、イカルチドリ、キジバト、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。約1時間のついでの観察で。

1月11日 秋留橋〜東秋川橋左岸〜多摩川合流点〜睦橋 快晴、暖
 久しぶりに秋川を見に行った。八王子からバスで30分、サマーランド入り口にある秋留橋でバスを降りて秋川を見て唖然。圏央道橋ジャンクションが川の真上を好き放題に造られている。反対住民が少ない所に狙い打ちという感じだ。
 同じことは河川行政についても言え、フェンスが続いて河原に降りられないし(無理に越えようとして急所を傷めた(^-^;))、河原には舗装した遊歩道延々と造られ、場所によってはコンクリート舗装までされている。河川改修工事も乱雑で河原は荒れ放題。多摩川ではさすがにもっと遠慮しながら工事が行われており、しみじみ多摩川での活動の成果が確認できた。
 ここもあちこちにどんど焼きの松山が建てられ、正月飾りがたくさん添えられている。今夜火をつけるのか、大勢の人が集まっている。
 秋留橋下流の丸石河原で河原植物が期待されたが何もなかった。堰ごとに魚道が造られていて、秋川は魚道見学の適地だ。
 上流には大岳山ほかの山並みが快晴の空の下に連なり、気持ちがよい。小川地区から下流は古い遊歩道がそのままで、河原も堤内地も大した変化もなく安心した。
 多摩川との合流点に着く。「ラジコン飛行機場」には25人ほどが群がっていた。新年会でもしているのだろうか。
 睦橋を渡り、多摩川左岸に着くと、そこはつまらない福生南公園が広がっていた。さて、ここまで来たら石川酒造でそばを食べて帰ろう。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、カルガモ、イカルチドリ、イソシギ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月8日 平井川〜多摩川福生中央公園 快晴、暖かいが風が強い。のち暴風、酷寒
 しばらく来ていなかった平井川。福生からバスに乗り、「御堂会館」で降りようと思ったらいまはそんな停留所がなく通り過ぎて次の小宮久保まで行ってしまった。でも、大岳山の展望と川の様子がなかなか良かった。
 カワウ除けの案山子や脅し紐があちこちにあり、河原にはどんど焼きの松の山が所々に作られていた。
 広い道路が新しく造られて、御堂会館前の停留所は「西草花」という名前に変わっていた。ここが平井川に一番近い。ウグイの群れがたくさんいて、カワセミも簡単に見られた辺りは、全体的には変わっていないが、水の中には大きなコイばかり。草花公園の前は河川改修中。大きな石を並べて段々にしている。完成すればそこそこおもしろいかもしれないが、いまは人工的な感じが強い。カワセミは残念ながらお留守のようだった。幼稚園児がどんど焼きの山に正月飾りを付けていた。
 ここから下流へ両岸に遊歩道があるが、御岳渓谷と同様、右岸を歩くと川の様子が良く見えるが日陰で寒いし、左岸は日向で暖かいが逆光で何も見えない。「巾着田」もまだあった。河床が全体的に下がったようで、堰の魚道が浮き上がっているところがいくつか見られた。
 先月自然観察会で来た多西橋から道路を左折して多摩川の多摩橋を渡る。強風を越して暴風状態、寒くて耳がちぎれそう。上流に広く丸石河原の中州が広がっている。橋の下流、福生中央公園地先の丸石河原で河原植物を探すが見つからない。五日市線鉄橋付近はツルヨシの小さな群落がある。ここにも大きなどんど焼きの山があり、住民が正月飾りを納めに来ていた。
 ここから公園に入ると芝生と人工水路が広がり、河原植物どころか野草も野鳥も皆無で、突風に煽られた砂埃が舞うだけだった。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、イソシギ、トビ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月6日 御岳渓谷 快晴、暖
 沢井地先より下流15分ほどの左岸、崖に植えられた杉林が伐採されて野草園ができていた。その天辺は青梅街道で、なんだかまぬけな感じ。
 12月に会員が見たというオシドリは今日も来ていた。ソウシチョウが数羽ムクドリのような声を出しながらやってきた。双眼鏡でしっかり確認できたので、ようやくガビチョウとの違いが納得できた。
 醸造所「澤ノ井」には今日も観光客が来ている。左岸は日向で暖かいが逆光で水辺の野鳥が見にくい。右岸からは順光で野鳥を発見しやすいが冬は一日中日陰で底冷えがする。
 オシドリ、マガモ、カルガモ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、ホオジロ、ハシブトガラス、ソウシチョウ。

1月4日 羽村堰上流左岸〜小作堰 快晴、暖
 昨日カワラノギクを発見したという会員の案内で現地を確認しに行った。
 たしかに丸石河原にカワラノギクの開花株が約20、ロゼットが10あった。この丸石河原は一昨年の増水で全面的に冠水し、隣接する運動場も大きく掘削を受けた場所なので、このカワラノギクは去年の春にタネから成長したものと推測される。
 で、そのタネはどこからかと言うと、おそらく運動場の一角にある住民が造っている「花壇」からだと思われる。と言うのも、この「花壇」より上流にはまったく見つからず、「花壇」より通じている小径の脇とそこから下流にのみ分布しているからだ。
 おそらく花が咲いた後と思われるが、開花株の周りに石が並べられている。
 ところで、この「カワラノギクの花壇」だが、羽村の植物友の会が羽村人道橋上流右岸で造っている畑と違って、こちらは完全に「花壇」そのもので、数百とある立派な株にタネが五万とついているにもかかわらず、ロゼットがほとんどないという異常な状態で生えている。カワラノギクは通常は多年草だが、条件が良ければ発芽した年にも開花する。ところが、この「花壇」ではロゼットぬきにほとんど全部開花しているということは、どこかで育てて株を移植しているか、肥料をやって育てているかだろう。去年咲いていた場所は裸地になっている。こういう人為的な育て方をされたカワラノギクがしだいに河原に広がり、自生地の株と配合するようになったら(たぶんもはや時間の問題)、むしろ絶滅を早めるのではないかと心配される。この「花壇」は地元の市民団体が育て、羽村市産業福祉センターがバックアップしているらしい(WEB検索による)。こういう「善意」による自然に対する無理解が最も対処が困難だが、なんらかの仕方で理解を求めるほかないだろう。
  聞くところによると、府中市の市民も羽村からタネをもらって府中市内の多摩川でカワラノギクを「復元」させる計画を持っているらしい。
 丸石河原には、かつてたくさんあったカワラニガナが徐々に復活しつつあった。アレチマツヨイグサのロゼットがかわいい。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、マガモ、カルガモ、コガモ、キンクロハジロ、イカルチドリ、トビ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2004年1月2日 中央線鉄橋〜谷地川合流点までの多摩川右岸 快晴、暖
 昨年の正月は雪が残っていて寒くて凍えたが、今年は天気予報が外れて暖かい。河川環境に大きな変化はない。多摩川谷地川も。いつものところにいつも通りにカワセミがとまっている。対岸の巨大マンションが気になるだけ。犬の散歩者が多い。平穏な正月の一日。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。

 

最新情報として、2003年12月分もご覧下さい。[2003年の多摩川ニュース]