2003.12.30更新

多摩川の自然のニュース:2003年

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系青は他の川等、緑は会議等です。
下線を敷いた件については画像があります。画像は重いので質を落としてあります。
画像は約2ヶ月で削除します。
 

12月30日 小作堰下流右岸〜友田地先多摩川右岸 快晴、暖、風あり
 午後から小作堰周辺を見に行く。堰上流部で浚渫工事中。下流の中州に柴田秀久さん一家5人が散策中。
 右岸を下流へ。かつて広い丸石河原が広がりカワラバッタがたくさんいたが、いまはほっそりと残るだけで、途中から大多摩観光のゴルフ練習場の駐車場中程までほとんど丸石河原はなくなってしまった。30年ほど前はカワラノギクの大群落があったところだが、いまは1本もない。
 堰から上流の友田地先の河原へ。コセンダングサの大群落を縫うようにして、カワラノギクの自生地を見に行く。タネをつけた株は1本しかないが、ロゼットが20株ほどあり、来年これが花を咲かせれば群落が復活するかもしれない。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、イカルチドリ、トビ、キジ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月30日 石神前 快晴、暖
 ホソバコンギクが気になって、石神前へ。好文橋から見る多摩川の渓谷は、御岳渓谷なんて問題にならないぐらい迫力があり、水もきれいですばらしい。上流左岸寄りの淵や、下流右岸の大岩がとくにすばらしい。
 さて、橋から数百メートル上流左岸に広がる丸石河原へ。いままでここに立ち入れるとは知らなかったので初体験。立派な遊歩道が河原に通じているが、誰でも入って良いのかは不明。河原はなかなか良いところだ。目当てのホソバコンギクがタネをつけて約30株ほど点在している。花がカワラノギクに良く似ているが、タネの付き方も枝振りもとても良く似ている。ただし、少し貧弱な感じで、むしろノコンギクに似ている(ノコンギクの仲間だそうだから当然か)。
 大岩脇の窪地にはミゾコウジュの群落や名前の知らない水辺植物も生えていて、夏に来れば別の発見もあるだろう。右岸側は自動車が河原にまで入り込み、テントも数張りあって、河原植物が生えているとは期待できない。
 好文橋より青梅街道に戻る手前に沢があり、小さな水場もあった。沢に沿った小径を下ると奥多摩園の入り口に着き、右側に造られた階段を下ると多摩川に出られる。ここが先ほど好文橋から見た下流左岸のツルヨシ群落のある河原だ。対岸の絶壁が見事。丸石河原に特記すべき植物は見つからなかった。夏はここで水遊びをする子どもたちで賑わうのだろう。ぜひまた来よう。
 めぼしい野鳥も今日は留守。トビ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ジョウビタキ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カケス、ハシブトガラス。

12月27日 河辺 晴、寒風強
 会員の上田大志さんから、河辺(青梅市かべ)地先の多摩川の丸石河原でカワラノギクを発見したという情報が寄せられたので、見に行った。とにかく広い河原なので、事前にある程度の位置情報を得ていなければ、絶対に確認できなかっただろう。たった1本の小さなノギクを良くもまあ彼は見つけたものだと感心する。しかし、私が思うにはこれはカワラノギクではない。茎と葉と、とくに株の立ち上がり方が違う。
 カワラノギク研究者の倉本宣さんにたずねたところ、ホソバコンギクではないかとのこと。ホソバコンギクは、昨年10月に会員の鷹野三千代さんが二俣尾の多摩川河原で発見されたが(その際もカワラノギクではないかとの情報として)、倉本さんによると、その株はこの秋には十数株に増えていた由。図鑑によると神奈川以西に多いようだが、今後多摩川でも増えてくるかもしれない。カワラノギクと似ているので、増えると混同情報が増えそうだ。
 先年の増水でほとんど流出したが唯一残ったカワラニガナの群生地は、いまやコセンダングサの大群落地と化し、わずかしか残っていない。その代わりに、そこから上流の丸石河原に大小さまざまなカワラニガナの株が点在していて、来年も大きな増水がなければ3年前までのような多摩川最大の群落地に復活するだろうと期待できる。
 マガモ、トビ、キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月24日 小作 快晴、暖
 新たに発見されたカワラノギクの自生地を守るために、カワラノギク研究者の倉本宣さん、京浜河川事務所多摩川上流出張所職員、そして本会会員で現地を調査し、今後の方針を話し合った。また、増水で流出するおそれがあるため、保存用に1株1房ずつタネを採取した。その結果、開花株は約180株あることがわかった。1m四方のロゼット数を数えたところ、比較的多い所で150〜350株あり、類推すると全体で5000株以上になりそうだ。
 その後、他の地域にも広がっていないかを調べたところ、開花株40、ロゼット500の小群落を別の所で新たに発見、また踏み跡にロゼットが50ほど点在しているのも発見した。(前述の通り、植物保護のため詳しい場所は省略します。)
 カイツブリ、トビ、キジバト、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス。  

12月23日 日野用水堰左岸 快晴、暖
 日野用水堰改築工事を行うための重機・資材搬入路予定地が、昭島ワンドの歩道が先に造られてしまったために、変更を余儀なくされ、少々下流側にずらすしかなくなった。そのため、工事主体である東京都の担当者、施工業者、自然保護団体、地元住民が集まり協議した。その結果、帰化植物ではあるが秋に一帯を彩るホウキギクの群落を守ることと、新たに造成された歩道一帯の自然復元を促すために、作業場をさらに下流側に設置することとした。
 ワンドそのものは、小さな池や山が造られて、多様な自然が復元しつつあり良いが、必要以上と思われる堤防階段や木道、そして現在建設中の歩道などは、自然観察用と言うよりもただの人工公園のそれと異ならない。夏には野草が茂るので徐々に自然が復元すると期待されるが、中下流の「岸辺の散策路」造成と同様、歩道工事に際して周囲の自然を荒らしているのが気になる。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、キジバト、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月21日 平井川下流〜多摩川と秋川の合流点右岸 快晴、暖
 朝の気温は氷点下、純白の富士山がくっきりと見える。雲取山にも雪がついている。しかし、気温は暖かだった。
 定例自然観察会。12月は睦橋周辺ということになんとなく決まった感があるので、今回は五日市線東秋留駅から二宮神社の湧水と社、醤油樽を使った仏のある玉泉寺を経て、多西橋脇の平井川に出、平井川沿いに五日市線鉄橋下の多摩川合流点へ、さらに丸石河原、藪漕ぎめぐりをして、睦橋下流へ、さらに秋川合流点に向かい、睦橋まで戻ってから左岸に渡り、最後は石川酒造で恒例の忘年会を行い、2003年の定例自然観察会を終了した。
 平井川ではしばしばカワセミが見られるが、残念ながら今日はゼロ。多摩川に出てからノスリ、オオタカ、トビ、チョウゲンボウと鷲鷹類が4種も見られた。かつてカワラノギクがあった丸石河原を隈無く歩いたが、河原植物は一つも見つからなかった。カワラニガナは睦橋下流でだいぶ復活している。砂場には鳥の足跡がたくさん残っていて、ここで鳥が何をしたかを想像すると楽しい。それにしても、この地域は小さな池がたくさんあっておもしろい。
 昼休みに、来年早々取り組む予定の、多摩川の野生在来植物保護のための基礎調査についてみなで話し合った。堤防のり面の植物についてはいくつかのモデル地区を選んで科学的に調査することとした。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、イカルチドリ、イソシギ、トビ、ノスリ、オオタカ、チョウゲンボウ、キジバト、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。

12月19日 多摩川上流部 快晴
 会員からカワラノギクの自生地を発見したとの報告があり、さっそく見に行った。(稀少植物は盗掘その他の危険があるため、インターネットでは場所は公開できない点、ご了承願いたい。)開花株約110以上、ロゼット2000株以上あり、現在唯一残っている永田地区の自生地が消滅寸前であるのと比べると、いまやこの場所が多摩川最大の自生地と言える。しかし、大きな増水があればすぐに冠水し流出する危険があり、楽観はできない。しかし、多摩川では今世紀(まだ3年しか経っていない(^-^;))最大のニュース・朗報であることは間違いない。
 さっそく、多摩川の河川管理者である国土交通省京浜河川事務所に、河川工事等による自生地破壊を防ぎ、また長期的保全策を講じる際の協力を呼びかける要望書を送った。
 ついでに見た野鳥。カワウ、コサギ、マガモ、イカルチドリ、トビ、キジバト、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月13日 永田地区 快晴、暖
 朝の気温は0度で、霜柱が立っていたが、日中は晴れて暖かかった。
 カワラノギク保全プロジェクトの今年最後の作業として、まず1株ずつから1房分のタネ採りをした。A工区上流側はまだタネがよく熟していず、花が残っている株さえあった。その後、ヒメムカシヨモギ等の1oぐらいの実生をスプーンで掻き取る作業をし、最後に、来年度の方針を立てるための今年度の反省点などについて話し合った。
 作業終了後、上流に向かい、カワラノギクの自生地を視察、さらに羽村大橋下の水辺を見学したあと、工事用車両によってつぶされたと河川管理者から通報のあったヒロハカワラサイコの具合を見に行った。この周辺は池があって水棲生物も多くおもしろい。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、イソシギ、トビ、キジ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

12月4日 下奥多摩橋下流右岸 快晴、暖
 両岸の紅葉が美しい。かつて行けば必ず見られたイタチやヤマセミが最近見られないのが残念。
 流れが変わって右岸の丸石河原が半減し、しかも溜まった土にオギやツルヨシが繁茂して、かつて数百株あったカワラニガナは20株しか見つからなかった。その代わりに左岸に大きな中州や丸石河原ができたので、そちらの調査をしなければならないが、中州に行くには急な崖を降りなければならない。
 国が建設を計画している長淵プール脇の階段は未着工だった。めったに人が来ない所に階段を造ること自体税金の無駄遣いだと思う。
 カルガモ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

11月26日 青梅万年橋上流左岸 快晴
 万年橋の下流側架け替え工事の様子を見に行く。両岸の付け根の工事が始まっており、数本の樹木が伐採された。上流の丸石河原ではカワラニガナが一帯全域に広がり、条件さえ整えば丈夫に育つことが改めて実感された。ほかの植物もかなり増えてきて、それが日陰をつくってカワラニガナにとっては生育条件の悪化になるが、ここはしばしば水をかぶるので、その点は心配ない。しかし、大水でカワラニガナも流出するが。それよりももっと心配なのは、万年橋上流は国土交通省管轄ではないので、工事計画がいっさい事前に知らされず、ときどき突然重機が入って荒らし回ることだ。  ツルヨシ群落と小川が復活し始めた。今年の多摩川周辺の紅葉は遅く、まだ緑が残っている。  カルガモ、トビ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シジュウカラ、エナガ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス。

11月23日 南武線鉄橋〜関戸橋左岸 快晴、暖
 夕方からの多摩川ツバメの集団ねぐら調査連絡会会合に出席するついでに、多摩川を視察。
 南武線鉄橋上流左岸の低水敷は、河原植物が広がる貴重な空間だが、さすがにカワラノギクは見つからない。水辺では、季節はずれのアカバナユウゲショウの花がたくさん咲いていた。オオカワヂシャも満開状態。
 土手に上ると、バーベキューその他ですごい人出。ニセアカシア林の周辺を含めると100人は下らない。
 上流に向かって歩くと、この春に造られた低水護岸がまだ生々しい。早く草が覆えば良いと思う。モトクロスが1台遊んでいる。護岸を造ったために流れが変わって、大きな砂利河原ができた。これがつぎの洪水で下流にどのような影響を与えることになるのか気がかりだ。
 読売新聞社前辺りからは、生物保護のために工事に注文をつけた結果、自然が無事に残ったが、この夏のアレチウリの猛威でオギ原や樹木までもが枯れてしまった。また、犬の散歩者等人の歩くコースが変わったために、以前の歩道が草に覆われて、河原植物が減ってしまった。自然の扱いは難しい。
 カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、セグロカモメ、コジュケイ、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

11月16日 万願寺地先多摩川右岸 快晴、暖、風強い
 定例自然観察会。今年度は定点観察地区の1つとしてここを選び、今日は3回目の秋篇。夕べの雨はすっかり上がり、濃霧が発生して気温がずんずん上昇、うっかりセーターを着てきたので汗ばむ。雨で草露がついているかと心配したがもう乾いている。
 本宿堰改築工事で失われる心配があったが残されたカワラナデシコの群落地は、まわりがオギなどで囲まれているために暖かいようで、まだカワラナデシコの花があちこちで咲いている。紫外線が強くなったためか、色が濃くてきれいだ。ノコンギクも少し残っている。カワラノギク復元保全地区では昨年植えた2株がまだ花をつけていた。しかし、治水計画ではこの辺り一帯がごそっと削られることになっており、先行きが心配。多摩川では絶滅寸前の他の植物(保護のため詳細略)も先行き不安な場所に生えており、この辺り一帯の保全が望まれるが、現実には、ラジコン飛行機は毎日飛んでいるし、休日には数十人のサバイバルゲーマーが走り回っている。
 対岸では護岸工事が行われている。この辺は大水の際に左岸に水が寄るので必要な工事ではある。
 根川合流点付近まで河川敷を下り、浅川の様子を見て、多摩川堤防をふたたび上流に向かって歩いて、最後に池を見る。池には大きな草亀がいた。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、イカルチドリ、ユリカモメ、セグロカモメ、カワセミ、コゲラ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。 

11月13日 片倉
 ツグミ来訪

11月1日 永田地区右岸 快晴、暑い
 カワラノギク保全プロジェクト。今回は、永田地区A工区のカワラノギクの開花観賞と、自生地のカワラノギクの生育状況調査、ならびにシナダレスズメガヤやオニウシノケグサなどをカワラノギクのタネが散布されそうな所から駆除する作業を行った。
 A工区では、一昨年・昨年に播いた株が育って開花した花が中心で、昔を思い出させるお花畑に成長した。しかし、自生地で見る花は、どこか品があって、何か違う。まばらにしか生えていないための可憐さから来るのかどうかはわからない。A工区は日当たりが良く、すでに満開を過ぎているためかもしれない。
 それにしても、帰り道に見た、羽村の「畑」は、どう見ても「お花畑」を越えて文字通りのカワラノギク畑にしか見えなかった。
 永田橋下流右岸に、サバイバルゲーマーが侵入し始めた。上流に来ないことを願うばかりだ(若干来ているようだが)。
 カナヘビの子どもが甲斐君に捕まり、困っていた。
 セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

10月30日 金沢 暑い
 金沢市郊外の金沢大学も兼六園も、紅葉なんてまだまだ、という感じ。とにかく暑い。

10月25日 府中四谷橋周辺右岸と左岸 快晴、暖い
 右岸は人出が多い。ジョギング、散歩、サイクリング、釣り、バーベキュー、アメフト、野鳥観察、などなど。それにしても、6、7年前から、聖蹟桜ヶ丘駅から多摩川に出るのにルートがなく、京王線鉄橋の上下流約1キロを迂回しなければならないというのはとても不便だ。多摩市でニセアカシア林をつぶしてできた駐車場の脇に幅1mで良いから歩道を造ってもらえないだろうか。
 かつてカワラノギクが2万株以上あった辺りに、数本でも生き残っていないだろうか、とあちこち探し回ったが、残念ながら今回は見つからなかった。
 ビロードモーズイカが、冬の寒さを楽に越せそうなほど温かそうな葉をつけていた。
 府中四谷橋から上流の排水路までの区間で、その上流の護岸工事のために資材置き場が造成されて、すでに真っ平らになっていた。こんなに広い敷地が必要だろうかと思うほど、いざ整地してみると、広い。工事の影響でHLホームが2つ、橋の上流に移動したもよう。
 カワウ10、ダイサギ、コサギ、アオサギ10、カルガモ、トビ、キジ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

10月25日 片倉
 バイパスの土手のクズの葉の間で、カンタンが昼間からルルルと鳴いている。

10月21日 片倉 ジョウビタキ飛来

10月23日 日野万願寺地先右岸 快晴、暑い
 ノコンギクが満開。カワラナデシコは咲き残りだが、色が濃くなってきれい。カワラノギクのつぼみ20ほど。ジョウビタキがやって来た。カルガモがたくさんいる。
 治水工事計画用地層測量ポンプ設置工事が行われている。過日、場所についても河川管理者と協議した結果ではあるが、資材が周囲に散在していて、環境保護の意味が必ずしも施工業者まで理解されているとは思えない。
 石田大橋上流右岸の池は、水が滞っていて、腐り始めている。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

10月19日 河口左岸 定例自然観察会
 (筆者欠席のため、リンクの上田、矢島さんのHPをご覧下さい)

10月17〜19日 札幌
 紅葉真っ盛り

10月12日 日野用水堰右岸 曇り、蒸し暑い
 東京都による日野用水堰改築工事第3年目の現地説明会が、地元の関係諸団体を含めて行われた。この工事は今度で3年目となり、前回に続き堰の補修とその直下の床止めの交換が行われる予定。今回は、堰全体のうち4分の1の工事で、中央より左岸側。工事方法は前回同様、左岸から工事車両等を入れ、堰の上流側に、工事区域に水が入らないように仮締切を行う。
 平均流量、魚類への影響、木工沈床の耐久性、昭島側での障害者用スロープ設置との関係について質問、堰下流の自然への影響を極力防止すること、野鳥繁殖に影響がでないよう可能なかぎり工事を早く終了すること、業者等が決まり次第工事日程を知らせること、の3点の要望をした。
 この改築工事は、初年度には工事搬入路の問題と右岸堤防の在来植物保護などが重要な課題となり、2年度(前回)は中州への影響が最大の課題だったが、今回は継続工事ということでとくに解決すべき課題はないと思われた。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、コゲラ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

10月9日 大丸用水堰周辺右岸 快晴、暖
 晴天が続いている割りには多摩川の水量が多いように見受けられる。この辺は河川敷が広くて気持ちがよい。堰から上流は大栗川合流点まで広大なオギ原だが、1本しっかりした踏み跡がついている。いつも踏み跡も藪もかまわず歩きまわっているが、途中で長さ60p太さ4pほどのヘビを危うく踏みそうになってからは歩みが慎重になる。ハグロトンボがまだ飛んでいた。オシドリの姿も。
 堰上の湛水面には100羽近いコガモが群れ、中州にはサギのコロニーが作られている。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

10月4日 万願寺地先多摩川右岸
 府中四谷堰下流の低水護岸工事について、国土交通省京浜河川事務所と、地元の市民団体も交えて、行った。
 国の説明によると、当該箇所は川幅が狭く、大水が出ると左岸本堤に迫る状況なので、左岸の低水護岸を強化すると同時に右岸側の、川に面している箇所を一定幅削って河積を広くしたい、という計画。
 本会としては、左岸に治水上の問題があることは理解できるが、緊急の災害復旧工事ではなく治水上の要請ということであれば、当該地域の河川生態的な意義をもっと深刻に受けとめ、とくに現在地元市民が手がけている事業が一定の成果を生むまで工事を待って欲しいこと、などを訴え、国側にもその意義については十分に理解が得られたと思われる。(生物保護のため、ここでは詳しく書けない状況説明も現地では行った)。
 なお、今年度中に着工予定の左岸側についても協議し、一部地域にわずかに残る植物の保護について対策を講じるように要請した。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、コガモ3、カワセミ、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、コガラ、スズメ、ムクドリ、カケス、ハシブトガラス。

9月28日 関戸橋下流右岸 快晴
 なんだか中州も対岸の低水敷もこざっぱりしている。丈の高い草がみな流されている感じ。右岸の高水敷はアレチウリに覆われつつある。ついでながら、広場や林の下はバーベキューを楽しむ人たちに占領されていた。
 カワウ、コサギ、トビ、チョウゲンボウ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 堤防近くの住宅街の電線にムクドリが300羽ほどとまっていたが、17時30分頃すべて駅前広場のケヤキにスズメと一緒に集団ねぐらを形成した。

9月25日 万願寺地先の多摩川右岸 曇り、一時霧雨
 河川工事の計画があるとのことで現状確認をする。工事用の杭がすでに打ってある。
 堤防沿いにある池に生える植物は今年は不調。ヒメガマの穂はほとんど出ず、ミクリの数もわずか。堤防の草刈りでツルボもツリガネニンジンもない。ヒガンバナとカワラナデシコの咲き終わり。ツユクサのコバルトブルーが印象的。
 カワウ、ダイサギ、カルガモ、コゲラ、ヒヨドリ、シジュウカラ。

9月23日 永田地区 カワラノギク復元プロジェクト 快晴のち曇り
 今回の仕事は、実験区に生えるヒメムカシヨモギやオオブタクサなどの30センチ以上の大きさの雑草を業者に抜いてもらうために、抜かれては困るカワラノギクや河原に本来生えている植物にマークしておくことと、永田地区A工区に生えるカワラノギクの数を、今秋開花する株とロゼットに分けて10メートル毎の枡で数えること。実際には、部分的にカワラノギクの実生が芝生状態で生えていてカウントに時間がかかり、全体の半分弱しか数えられなかった。指導者の倉本氏によると、「カワラノギクの数は開花個体3000株、ロゼット個体20万株」と推定されるが、実際に数えられた数はそれぞれ2300株と46000株とのこと。「川側の実際に数えられなかった場所の数が多そう」だったために推定値が上がったとか。
 トノサマバッタ、エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギ、アキアカネなどのほか、カワウ、モズ、シジュウカラ、オナガ、ハシブトガラスなど。
 作業中川辺で遊んでいた柴田秀久・順子さん宅のしおじさん、甲斐君によると、サワガニがたくさんいたらしい。

北ドイツ、ユトランド半島東岸にあるキールより
 外は快晴、日差しが強く、室内は温室状態、半袖のポロシャツを着て、いちおう格好をつけて上着を着て外に出ると、そこは冷たい北風の吹く初秋の気候で思わず上着の前を閉ざす。というのが、いまのキールの気候です。
  キールの様子を撮った写真をホームページに載せました。画像が多いので、電話回線では時間がかかるかもしれません。
 http://www2.toyo.ac.jp/~stein/kiel.html

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9月6日、日野市万願寺地先 「鳴く虫を聞く会」
 (筆者、ドイツ出張中のため、会員の柴田順子さんよりのお便りを転載します。)
   万願寺での鳴く虫の会は素敵でした。御客さんも沢山(鈴木さんの関係)いらしゃって、にぎやかな会になりました。甲斐は元気な女の子となかよくなって・・・色々の虫を見つけていました。しおじは、もっぱら・・ススキが気になり・・・(ミミズクをつくるための・・・)かつらは、美しい音色に耳をすましていました。
 スズムシ・マツムシ・カンタン・カネタタキ・・・ウマオイ・スイチョ・エンマコオロギ・ツズレサセコオロギ・ミツカドコオロギ・オカメコオロギ・・・etc、万願寺では初めての鳴く虫の会でしたが、マツムシが聞こえ易く、私のお気に入りの場所でもあり、素敵でした。
 気になっていた、カワラノギクもしっかり成長していました。1本先が折れていましたが、脇からの芽が大きくなっているのでそのまま大きくなれそうです。カワラナデシコもまだ咲いており、美しかったですが、8月の頃はきっとものすごく美しかったのでしょう。
 天候も良く、鳴く虫日和?でした。私は、勤務の帰りだったのですが、うまく皆さんと合流できました。秘密の花園の辺から夕暮れが始まりました。くもがばら色にたなびき、美しい風景でした。(デジカメがあったらいいのになあー)
 ばら色から少しずつ、しかし確実に紫から青にそして暗くなる景色、その頃には月が美しく輝き始めました。川原で虫の音が響き出しました。さすがに、ラジコンは飛んでいないし、サバイバルゲームの人たちもいません。鳴く虫の会には絶好の穴場かも、・・・しかしクズの蔓がはびこり暗い足元には危険!!こんな時、サバイバルの人たちが踏み固めた道が便利!! 彼らの道に沿って観察する。林を抜けて土手に出た。
 薄ぼんやり星が輝いている。金星は見えていない。土手に寝転び天を仰ぐ。・・・虫の声が響く。静かな夜だ。しかし、対岸にある節操の無いネオンの塊の様な建物はパチンコ店とか・・・美しい風景がぶち壊しです。そう言えば、ここ数年多摩川の岸辺に高層の建物が目立ちます。万願寺周辺もマンションが見えました。どうにかならないのでしょうか?
 会が終わる頃、火星が見えてきました。美しい虫の音をあとにネオンの町に戻ると車の音のシャワーにうずまってしまいました。いま先までのあの世界は何だったのだろう・・・もう一度行ってみたくなりました。
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8月27日 片倉
 アオマツムシ、ようやく鳴き始める。けど、やはりうるさい。

8月24日 釜無川信玄堤 酷暑
 猛暑ならばわが八王子でも十分37度まで気温は上がるが、せっかくなので、もっと酷暑の甲府へ。釜無川の信玄堤を見に行く。
 竜王地先の信玄橋周辺の釜無川(富士川)の川幅は多摩川中流の3倍はある。水流は左岸寄りで、橋より上流に信玄堤公園が造られている。多摩川でも昭島に1箇所残るが、信玄堤は堤防が所々で切られていて、堤内地に一定の水が流れ込んで下流への影響を小さくしている。水辺には聖牛が並べられ、遠くに南アルプスの山々やその一角を占める櫛形山が遠望できる。冬の朝などに見たらさぞきれいだろう。方角は違うが、遠くに富士山も仰がれる。
 公園の一番上流側の一番つまらないところに駐車場があって、そこだけ大勢の観光客がたむろしていたが、そこから少し下った公園内の水辺が気持ちよさそうだった。
 帰路は、地獄のような暑さの中を竜王駅まで徒歩20分。

8月22日 睦橋〜永田橋の多摩川左岸 暑い夏空
 猛暑の夏に鍋焼きうどん、ではないが、こういう日に多摩川の丸石河原を歩くのも気持ちがよい、というわけはないが、かち割り氷を食べながら強い日差しを浴びて汗だくで歩けるのも、この夏では貴重な体験と言うべきか。
 水はだいぶ引いたが、まだ例年よりは多い。堤内地の木陰では営業マン(?)の車か、ずらっと並んでいるが、クーラーをつけているのでうるさい。堤防際には10mを越すオニグルミの木がずらりと並んで水辺が見えない。
 五日市線鉄橋を越えてすぐ丸石河原に出て河原植物を探すが、残念ながら見つからない。土手ではツルボの花が咲いている。
 ところで、今日の調査もアシ原を探すことを一つの目標にしたが、睦橋から五日市線鉄橋までの左岸は皆無、鉄橋の上流の丸石河原の脇に長さ40メートル、幅10メートルほどのツルヨシ群落があったが、丈が短いのでツバメのねぐらにはなりそうにない。多摩橋から永田橋までもほぼ皆無。右岸に少しあるだけ。
 多摩橋脇の市民プールから子どもたちの歓声があがるが、せっかくの晴れ間なのにすいている。しばらく行くと、柳山公園、クヌギとケヤキの大木が立ち並ぶこの公園は多摩川のオアシスだ。
 玉川上水に枯れ枝がひっかかり、そこを拠点にハグロトンボが十数匹飛び交っていた。河原ではミヤマアカネやシオカラトンボなど。
 ダイサギ、アオサギ、コゲラ、イワツバメ、ヒヨドリ、イカルの群れ、スズメ、ハシブトガラス。  

8月21日 片倉
 自宅のまわりでもようやくエンマコオロギやツヅレサセコオロギの演奏が始まる。

8月18日 立日橋〜八高線鉄橋の多摩川右岸 曇り、5日ぶりの日差しで蒸し暑い
 ツバメの集団ねぐら調査に関連して、多摩川のアシ原が予想以上に少ないのではないかという調査報告があったので、気になって、まずは近場から調査を始めた。結論を言うと、アシは谷地川の水辺のほんの一区間と、多摩大橋下流の3つある釣り堀の水辺にヒメガマと一緒に生えているだけで、あとは圧倒的にオギが占めていた。
 4日以上の連日の雨で多摩川はまだ増水している。多摩大橋下流の土坦が現れている箇所も、今日は半分が水没
 野鳥も少ない。人も少ないが、釣り堀だけは数人陣取っていた。
 クズキクイモの花が咲き、秋を思わせた。ハグロトンボがまだ飛んでいる。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイとその幼鳥、ヒヨドリ、セッカ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス。

8月18日 片倉 久しぶりの太陽で、ツクツクボウシ、この夏初聞き

8月11日 日野万願寺地先 快晴、暑いが風あり
 府中本宿床止めではまだ水が豪快に流れ落ちている。カワラノギクは、あれだけ雨が降っても、暑さのせいか元気がない。辺り一面カワラナデシコが満開。クズの花も咲き始め、土手にはツリガネニンジンやツルボの花が咲いている。ラジコン飛行基地では今日も数人飛行機やヘリを飛ばしていた。
 カワウ、コサギ、イワツバメ、ホオジロ、セッカ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

8月9日 狛江五本松〜京王相模原線鉄橋の多摩川左岸 曇り、風強
 台風10号が通り過ぎて、西の空に太陽が見え始めた。狛江五本松周辺の眺めが美しい。川は増水しているが、驚くほどではない。
 調布市地先の、多摩川人工ワンドは増水でただの水溜まり状態になって、流れてきた枯れ枝などがゴミのように堆積していた。この周辺にツバメが集団ねぐらを形成しそうなところはないことが、見てすぐにわかったので、急いで上河原堰まで進む。
 18時30分、上河原堰を上流から下流に向けてツバメが50〜60羽飛び去って行った。以前、ツバメが800羽前後集団ねぐらを形成した、左岸寄りの小さな中州は、今日は一羽も来ていない。台風のせいか、すでに南の国へ渡るために他の地域に移動したかはわからない。西の空が夕闇に包まれるころに調査を終えた。
 カワウ(高圧線に156羽)、ゴイサギ、ダイサギ、カルガモ、チドリ(SP)、ツバメ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。


土手の草刈りについて

 以前に紹介しましたように、日野万願寺地先の多摩川堤防の野草は、草刈りで壊滅的打撃を受けました。府中の読売新聞社前の堤防でも、いまでは多摩川で目にすることがめったにない植物が、草刈りですべて刈られてしまいました。このことについて、会員の上田大志さんから、具体的な行動を起こさないと「多くの植物が人の手(機械による画一的な草刈り)によってカワラノギクのように絶滅寸前の状態になってしまうことは明らか」とのご意見をいただきました。これを受けて、会として来年度から3年計画で新たなプロジェクトを起こすことにします(案)。
 堤防の草刈りは、本会の創立以来何度も河川管理者と協議を重ねてきた問題であり、狛江の多摩川水害≠フ際には、自然保護団体が堤防の草刈りに反対したのが原因だとの、責任を転嫁する根拠のない非難が全国紙の社説に載ったこともあります。最近は、草刈りが大型の車両によって行われるようになり、昆虫などにも甚大な被害を与えるようになったため、その中止を訴えたこともあります。そのときの河川管理者の答えは、「現在堤防の草刈りの時期や方法、その効果などについて実験を行っているので、その結果を見てから判断する」というものでしたが(1995年12月4日付本紙215号で紹介)、その後7年経ってもいまだに河川管理者からその研究成果についての通知を得ていません。
 前号でも書きましたように、幸い、京浜河川事務所河川環境課からは、特定の区間についてきちんとした情報が得られれば草刈りの時期を延期することができる、との回答を得ていますので、来年度のプロジェクトとして、3年計画の堤防植物の調査を、他団体や流域市民と共同で、行いたいと考えています。
 上田氏が、植物生態学者であり、長年本会ともども多摩川におけるカワラノギクの保全活動を行っている倉本宣氏に求めた意見によると、「データに基づいて提案できる市民が増えることを私も願っています。カワラノギクプロジェクトはそのために意志決定に市民が関わるようにしています。多摩川の自然を守る会とやってきたときは、私が企画を立てて調べる人だったのですが、今度は市民が全体に関わるようにしています」とのことだそうで、本会としては、倉本氏ほかの指導を仰ぎつつ、これまでに積み重ねてきた経験をもとにして、この新たなプロジェクトを積極的に展開して行きたいと思いますので、会員のみなさんほか、流域の諸団体、市民のみなさんのご助言とご協力をお願いいたします。


7月31日 青梅万年橋上流左岸 薄曇り、暑い
 万年橋架け替え工事について、都西多摩建設事務所より現地で工事計画の説明を受けた。今年の11月から始まる第三期工事では、前期に撤去した下流側橋脚部分に新しい橋を架けるのが目的で、竣工は2005年度春の予定。今回の工事は河川敷をいっさい使用せず、両岸からクレーンで徐々にアーチを掛けて行く方法を採用とのこと。両岸に現在ついている旧橋の土台を撤去して新しい土台を造り、それからアーチを掛ける。両岸に設置する大型クレーンの首が回転する半径の樹木を両岸とも各10本ほど伐採する予定とか。右岸は杉左岸はイチョウその他がある。左岸は大半が民地で、右岸は一部民地、一部市有地、その他国有地とのこと。
 ついでに、万年橋上流左岸にある丸石河原のカワラニガナの様子を見てきた。一昨年の洪水でかろうじて生き残った50株強から増え続け、ざっと見て500株ほどが河原の上流端近くまで広く分布していた。みな、すでに大きな株になっていて、タネをたくさんつけていた。カワラニガナは上流に向かってどんどん拡がることを今回知った。カワラバッタも数匹飛んでいた。
 ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、エゾゼミ。アカトンボ。
 セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス。

7月30日 新座地先の柳瀬川近く ミンミンゼミ鳴く

7月28日 狛江・水辺の楽校周辺のツバメの集団ねぐら調査
 河口から21.5q地点左岸、宿河原堰と狛江・世田谷区境上流との間に拡がるオギとアシ原でツバメの集団ねぐら調査をした。かなり広い草原で、アシも生えているが、結論を先に言うと、ねぐら入りするツバメはゼロだった。
 18:15〜19:00観察 日没18:49(新聞による)。薄曇り。風あり。
  調査員:柴田隆行・森田英代。
 18:25 約10羽周囲飛翔
 18:35 約10羽、20mほどの高さのヤナギの林の上空を旋回
 18:40 15羽以上、同上飛翔
 18:55 20羽前後、同上飛翔後、急に声も聞こえなくなり、姿も見られなくなる。
  周辺にねぐら入りした形跡ゼロ。たぶん上流へ移動。
 他の生物  アオサギ、ツバメ、セッカ、スズメ、ハシブトガラス。コウモリ。ニイニイゼミ、アブラゼミ。

7月26日 片倉 アブラゼミ初聞き

7月26日 多摩川永田地区 曇り、時々晴れ間、風さわやか
 夕べの大雨の影響で多摩川はかなり増水している。カワラノギク・プロジェクトとして、今回は永田地区A工区の草抜きと、遠距離にタネが飛んで発芽した株の確認、自生地のクズ切りを行った。
 一昨年か昨年に開花してできたタネが風などで飛ばされて、A工区より200m以上離れた丸石河原にも10株ほど20センチほどに成長した株が見つかった。A工区のカワラノギクは、一昨年蒔いて咲いた株、昨年蒔いて咲いた株からタネが飛んで育っているものや、今年蒔いた株など、いろいろ混じっているが、いまのところ元気に成長している。
 A工区の一部は、アレチマツヨイグサの畑かと思われるほどの拡がり、その中にビロードモーズイカの花穂が3メートル以上に伸びている。
 自生地では、周辺からクズの蔓がかなり伸びてきて、カワラノギク自生地を覆いかねない勢いなので、クズ切りを行った。近くにHPが4軒あり、そこの人のものと思われる畑が近くにあって気になる。
 カワウ、コサギ、イカルチドリ15羽ほど、トビ、キジ、コゲラ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。

7月24日、上河原堰上流中州のツバメの集団ねぐら調査 薄曇り
 20日の花火の影響が心配で、再調査。結論を先に言うと、ねぐら入りするまでの動きが妙だが、870羽以上のねぐら入りがあり、無事を確認した。
 薄曇りで、これまでより空が明るかったせいもあるが、18時30分ぐらいまで、ツバメが数羽通りかかるだけだった。18時30分に中州より上流、グラウンドの縁あたりでツバメが30羽以上舞っているのが見られたため、調査員の上田さんと森田さんにそちらの調査を依頼し、柴田は堰に近い中州を中心に調査した。
【上河原堰上流にある中州のツバメの塒】
 2003/7/24 18:15〜19:15観察 日没18:52(新聞による)
1、河口より26.4キロの、最上流部にある左岸近接の小さな中州
 調査員:上田大志・森田英代
 18:35 60羽飛翔、電線に数羽
 18:40 120羽飛翔
 18:45 中州のオギに入る。30羽飛翔
 18:48 堤内地から50羽
 18:55 50羽飛翔
 18:58 100羽+飛翔
 19:00 120羽飛翔
 19:05 中州のアシに塒入り、飛翔なし、声も静まる
 19:10 静かになる。
2、上河原堰上流、河口より26.6キロ地点の左岸近くにある小さな中州
 調査員:柴田隆行
 18:20 15羽飛翔
 18:25 1羽上流へ
 18:30 上流方向に30羽以上飛翔しているのが観察できたので、調査員を分ける
 18:45 30羽±上流より下流方向へ
 18:50 63羽上流より下流へ。20羽+小さな中州周辺飛翔
 18:55 70羽飛翔、小さな中州に70羽
 19:00 小さな中州に180羽+、下流の大きな中州で20羽±飛翔
 19:05 小さな中州に460羽塒入り、50羽以上周辺飛翔
 19:06 小さな中州に720羽塒入り、50羽以上周辺飛翔
 19:10 小さな中州に870羽塒入り、50羽以上周辺飛翔
 19:15 暗くて見えないがツバメの大合唱
 19:20 ツバメの声静まる。
 ほとんどすべて、長さ50m、幅10mほどの小さな中州で塒入り。7月16日に700羽以上のツバメの塒入りを観察した中央の中州は、花火のための整地以来1羽も塒入りせず。7月19日に右岸から600羽ほどの塒入りが観察された、堰近くの大きな中州も、今日はほとんど飛翔が見られなかった。
その他の野鳥
 カワウ(高圧線に114羽)、ゴイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ツバメ、オオヨシキリ、セッカ、イカル、スズメ、ハシブトガラス。

7月23日 石田大橋下右岸 曇り
 新日野橋すなわち石田大橋右岸にある長細い湾を見に行く。ここはカワセミやサギ類の隠れ家となっており、堤防からはまったく見えないが、水鳥の秘密基地。ヒメガマなども生え、ギンヤンマやシオカラトンボ、コシアキトンボなどが飛び交う。観察用か、誰かがオギ原を5mほど刈りとってあるのが気になる。刈りとられた空き地にオオヨシキリの空の巣があり、よけい気になる。もしかしたら、刈り払ったときにはまだ雛がいたかもしれない……。
 カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コアジサシ、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

7月20〜21日 御嶽山〜大岳 20日曇り、夕方雷雨。21日一時晴れ間、のち曇り。のち雨。終日濃霧
 「多摩川水源は奥多摩湖上流とは限りません。青梅や五日市、高尾より上流一帯は広大な森林に覆われています。その豊かな自然の魅力と現状を見て歩きます」との趣旨で企画された今年の夏の水源合宿。参加者17名。
 まずは青梅線御岳駅から御岳渓谷を橋の上から見下ろしながら、バスとケーブルで「みたけさん上」駅へ行き、集合。
 最初に御嶽山神社拝殿までのきつい階段で足慣らし。山道に入り、奥の院へ目指して岩場の混じる山道を一気に登る。辺り一帯霧に包まれ、まっすぐに伸びた杉の林とのコントラストが美しい。奥多摩の森は荒れているところが多いが、ここは信仰の山ということもあって、きれいに下枝が刈られ、どの木もきれいにまっすぐに伸びている。ヒメハルゼミの大合唱。
 奥の院まで来ればきつい登りは終わりで、あとはなだらかな道をヤマアジサイやイチヤクソウ、ギンリョウソウなどの花を楽しみながら進む。山荘手前20分ほどのところからふたたび岩場が続くが、じきに大岳山荘に着く。山荘は、夏はめったに泊まり客がいないらしく、夏休み最初の連休にもかかわらず他に客はいない。すぐ近くに展望台があり、晴れれば富士山や東京の高層ビルなどが見えるらしいが、今日はすべて霧の中。でも、中国の桂林のような墨絵の世界が広がり、それはそれで幻想的で美しい。
 小屋に到着してじきに雷雨があったが、薄く青空も見えてきたので、疲れた身体に最適のカレーの夕食を食べてから、山頂までひと登り。5年生の遠足が大岳山だったという青梅市の小学校に通うしおじちゃんの案内で、滑りやすい急坂も難なくこなし15分で山頂へ。何も見えないが、とにかく1266メートルの山頂に立った喜びはある。しかし、行きはよいよい帰りは――の通り、雨後の下り坂は登りよりこわい。
 この辺りの山は、御嶽山はもちろんここも信仰の山とされ、山頂への登り口に大きな鳥居と祠がある。
 二日目、ウグイスの声に起こされ午前4時半起床。いったいは依然霧に包まれているが、少しずつ晴れ、一時はかなり青空が広がった。展望台付近にはリョウブやクマシデ、ノリウツギなどの花やニワトコやニガイチゴの実などがあった。山荘玄関前の大きなケヤキは幹のまわりが苔でびっしり覆われていた。
 朝食後、7時半出発、慎重に昨日の岩場を下り、ロックガーデン方面の巻き道を経て御岳神社へ下山。このコースには途中で休憩小屋や水場がある。ケーブルカー駅に着く頃には雨は本降り。予定では、ここで2班に分かれ、一つは大楢峠から海沢三滝を見る予定が、天候悪化のため、それでも行くというリーダー2人を残して他の一行は一路下界へ。
 野鳥。1日目:アオバト、ミソサザイ、クロツグミ、ウグイス、キビタキ、ヒガラ、シジュウカラ、ホオジロ、イカル、カケス、ハシブトガラス、ガビチョウ。2日目:ホトトギス、イワツバメ、ミソサザイ、アカハラ、ウグイス、キビタキ、コガラ、ヒガラ、ホオジロ、イカル、カケス、ガビチョウ。

7月19日、京王相模原線鉄橋〜調布ワンド手前公園までの多摩川左岸
 調布ワンド手前の公園つまり河口から25キロ地点から下流、狛江市境までの間でツバメが集団ねぐらを形成しそうなところは、上河原堰すぐ下流の大きな中州と、調布ワンドの正面にある右岸続きの旧中州だけと思われることがわかったため、今回は上河原堰の左岸端に立って、堰直上流の中州と直下の大きな中州を観察することとした。結果は、ねぐらゼロ。
 明日7月20日に京王多摩川で花火大会が催されるため、京王相模原線鉄橋から調布ワンドまでの間に数多くの観覧席その他の施設が建設されている。小段にも陣取りのシートが並ぶ。そして、なんと花火が打ち上げられる場所は、一つは先日16日に1000羽近くのツバメがねぐら入りしたまさにその中州(写真は16日のもの)であり、もう一つは、堰直下流の大きな中州である。前者の中州に向けて小砂利の山を設けた橋桁が川の中に造られ、左岸に停めてある2台の小型ブルドーザーがひっかいたと思われる跡が広がり、また、先日ツバメが止まっていたアシが3分の1刈り倒されていた。後者の中州はさらに大規模に整地され、表土が剥がされて、花火の筒が数十本立てられていた。おまけに、今日は土曜日ということもあって、ウインドサーフィンを楽しむ人たちが8人ほどいて、中州に近づいたりしていた。この中州の結果も惨憺たるものである。明日の花火大会当日も含めて、今後この辺り一帯のツバメのねぐらはどうなるのか大いに気がかりである。
 結論として考えられることは、花火大会のためにこれまで集団ねぐらとして利用していた中州がおそらく今日の昼間に大規模に荒らされたために、夕方ねぐら入りしようといつも通りにやって来たツバメたちがパニックを起こして、付近を激しく飛びまわり、中には堤内地方面へ戻って行ったものもあるが、堰に近い大きな中州に新たなねぐら場所を求めて右往左往しているうちに日がとっぷり暮れてしまい、まだ迷っている、という事態ではないかということである。
  (追記。右岸から調査していたグループの報告によると、堰に近い大きな中州に約600羽ねぐら入りしたとか。)

【上河原堰上・下流にある中州のツバメのねぐら】
17:40〜19:15観察。日没18:54(新聞)。曇り。暖、明るい。19時15分雨。
1、上河原堰直上流にある大きな中州の最下流端。河口から25.8キロの左岸。
 調査員:柴田隆行
 18:15 20羽上空旋回後、上流方向へ
 18:27 12羽、上流方向へ
 18:29 3羽、上流方向へ。アブラコウモリ飛び始める
 18:31 12羽、上流方向へ
 18:32 8羽、続いて9羽、上流から下流方向へ
 18:37 16羽、上流から下流方向へ
 18:39 3羽、続いて1羽、上流方向へ
 18:41 12羽、続いて10羽、上流から下流堤内地のナイター施設が灯る野球場方向へ
 18:45 9羽、上流から下流方向へ  18:50 河口から26キロ地点の大きな中州の両岸を100羽以上、激しく飛翔
 18:55 同上中州に100羽前後止まるほか、100羽以上飛び交う  19:00 同上中州周辺でまだ150羽以上激しく飛び交う
 19:10〜15 同上中州周辺で30羽以上激しく飛び交う  19:15 雨が落ち始め、暗くて見えなくなって、観察終了

2、上河原堰上流、やや右岸寄りの中州と、河口より26.6キロ地点にある小さな中州
(ともに7月16日に調査した中州。ただし、上述の通り、花火の打ち上げのため、右岸寄りの中州のアシが3分の1刈られるとともにブルドーザーで整地される。なお、右岸寄りの中州を「奥」、手前の小さな中州を「島」と便宜上略称する。)
 調査員:上田大志
 18:20 20羽、下流方向から、「奥」にとまる
 18:25 40〜50羽、飛翔
 18:28 100羽以上、「奥」にとまる
 18:30 150羽ほど、「奥」から飛び立ち、「島」に入るが、また飛び立つ
 18:33 50羽、堤内地方向へ
 18:35 20羽ほど、「奥」にとまり、また飛び立つ
 18:37 200羽、上空を飛翔
 18:40 100羽、「島」にとまり、また飛び立つ
 18:43〜18:45 200羽、上空飛翔後、ばらばらに飛びまわる
 18:48 100羽、「島」にとまる
 18:50 300羽、「島」にとまっていたものも含めて飛び立つ
 18:55 120羽、「島」にとまり、100羽飛翔
 19:00 200羽、「島」にとまり、150羽飛翔
 19:05 下流の中州近くの水面を300羽ほど飛翔しているのが遠望できる
 19:15 250羽ほど、「島」でねぐら入り

 その他の野鳥。カイツブリ、カワウ(高圧線に約300羽)、ゴイサギ(幼鳥とも)、コサギ、アオサギ(多、中州にねぐらあり)、カルガモ(1+8、1+2、その他の親子など)、イソシギ5、ツバメ、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

7月18日 世田谷区境〜狛江五本松の多摩川左岸。曇り、暖、風少し
 最初に、小田急線鉄橋から世田谷区境まで歩く。この区間でツバメのねぐらが形成されると予想される場所は、和泉自動車教習所より下流の低水敷に広がるオギ原以外には考えられない。そのうち、狛江水辺の楽校の入り口付近は10〜20mの高さのニセアカシア林が続き、オギ原が見えないので、世田谷区境から斜めに見透かすしかない。その距離と、右岸からこのオギ原を眺める距離と比べると、後者の方が短いので、この区間は右岸から調査した方が効率がはるかに良いと察せられたので、この区間の左岸からの調査はやめた。
 つぎに、多摩水道橋から狛江五本松(河口から24キロ地点)の正面に広がるオギとアシが生える中州をねらって、本日は観察することとした。結果はゼロ。
 この中州より下流300m地点に、一部陸続きの中州があり、その中州と左岸との間にオギとアシが生える低湿地があるが、そこに40〜50羽ほどがねぐら入りした模様。ただし、窪地のため、10分後に確認したときには20羽ほどになっていたが、それが、すでにねぐら入りしたためか、別の場所に飛翔したのかは不明。手前の池付近にもツバメが来そうな気配はある。
 (追記:19日に、20日に開かれる筏レースのため、オギ原が刈られたとの情報が入る。)
 今日も西の空が暗く、18時40分ごろにはかなり暗くて見えにくい状況。
 その他の野鳥。カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ(親2+子8、ほか)、イソシギ、ツバメ、イワツバメ、セッカ、スズメ、ムクドリ(30羽ほど五本松に)、ハシブトガラス。  

16:20〜19:00観察。日没18:55(新聞)。西の空に黒い雲。暗くなるのが早い。
河口から24.0q左岸、狛江五本松前の中州。調査員:柴田隆行・森田英代
 17:52 10羽ほど飛翔。
 18:06 20羽ほど上流方向へ飛翔。
 18:15 5羽飛翔。
 18:28 3羽上流へ飛翔。
 18:45 2羽飛翔。

河口から23.7キロの左岸、堤防場より調査。調査員:上田大志
 18:40 40〜50羽、一部陸続きの中州と左岸との間の低湿地付近にねぐら入り。
 18:50 20羽ほどねぐら入り。20羽に減ったのか、ねぐら入りして見えないのかは不明。
 18:55 それより少し下流付近でもツバメの声。

7月16日 多摩川原橋〜上河原堰の多摩川左岸 曇り、西の空真っ黒、東の空薄く青空
 多摩川つばめの集団ねぐら一斉調査に参加。今回は多摩川原橋から上河原堰までの左岸を調査した。ツバメのねぐらが形成されると予想される場所は、上河原堰上流の中州のみだった。他に皆無とは言えないが、規模が小さいとか、グラウンドの縁で犬の散歩や花火遊びをする人が多そうだとか、オギにオオブタクサなどの草が密生しているとかからの推測。そこで、他地域の報告を参考にして、今回はねらいを堰上流の中州に絞った。京王相模原線鉄橋下流は、20日開かれる花火大会の準備が進んでいた(写真は事後ではないのに、散らかっている)。
 上河原堰上流には中州が4つあり、最上流の、左岸に近接する中州にはツバメのねぐらは見られない。堰に近い大きな中州の少し上流左岸寄りにある小さな中州には、暗くなる寸前に200羽を越えるツバメがねぐら入りした。最も多くのツバメがねぐら入りしたのは、その中間にあって右岸寄りの中州で、左岸から見た限りで、確認できたピークは780羽プラス飛翔100羽ほど。この中州の右岸側は、当然ながら左岸側からはわからない。
 18:10〜19:00調布市地先、河口から26.3キロの堤防外側小段から観察。日没18:57(新聞による)。曇り。西の空に真っ黒の雲、東の空は薄く青空が見える。調査員:柴田隆行・上田大志
 18:12 水面付近を5〜6羽飛翔。
 18:25 中央右岸寄りの中州の左岸側枯れ草とアシ、ヤナギなどに50羽強。
 18:30 同上300羽+。
 18:35 同上200羽+。下流側中州に20羽。
 18:40 同上中央中州550羽+30羽飛翔、上空高く100羽。
 18:44 堤内地方向から100羽ほど川へ。
 18:48 同上中央中州780羽+30-50羽飛翔。
 18:50 同上600羽+50羽飛翔+上空100羽。
 18:53 下流側の中州の上流端のアシとオギ200羽+。
 18:55 50羽ほど水面近くを飛ぶ。
 18:58 中央中州付近でツバメの声多数、一時数十羽飛翔。
 ねぐら入り個体数推定 中央の中州600-700羽、下流側の中州200羽+
 その他の野鳥。カイツブリ、カワウ、ササゴイ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、セッカ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

7月11日 片倉
 ニイニイゼミ初聞き

7月10日 片倉
 ヒグラシ初聞き

7月9日 万願寺地先多摩川
 日野市の緑と清流課が発行している『清流ニュース』最新号に、カワラノギクの自生が元気に育っていると書いてあるので、確認に行った。(さっそく問い合わせたところ、9日付の返信で、本会が昨年蒔いたタネが発芽した株であることがわかった。今春現地協議した2人の職員が異動したために事情を知らない新しい担当者が誤って書いたとか。)この株は順調に生育し、この秋には開花しそうだ。日野市民がこの4月に蒔いたタネは、5月に見た数より大幅に減っていたが、それでも20株ほど育っている
 4月から行われていた、本宿用水堰工事はいちおう終わり、右岸に新しく護岸が完成、堰は床止めとなった。
 カワラナデシコはまだまだ。カワラサイコとコマツナギが満開、ヤブカンゾウやネジバナ、コゴメバオトギリなども咲いている。
 天気が悪くても、しっかりラジコンは飛んでいて、ヒバリが囀る暇もない。梅雨のために池の水は豊かだった。
 カルガモ、コサギ、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、オオヨシキリ、セッカ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

6月15日 河口右岸 曇り
 川崎は、多摩地方と異なり、薄日も射す曇り空で、暑くもなく浜風が気持ちが良い。集合時間になっても誰も来ないので、一人で出発。朝から梅雨空だから参加者ゼロでも不思議ではないが、リーダーも誰も来ないのは珍しい。
 今日は大潮なのか、中州のねずみ島の先端からずっと下流まで干潟が水面に出ている。右岸の干潟も大きい。そのため人も入りやすく、ゴルフの練習をしている人が2人。一人は河口の砂州で球を打ちっぱなし。運河ではアサリ取りの人が漁をしているが、深そうに見えても水深は腰まで。堤防先端にある、いつも水中にある構造物が今日は根元まで出ていて、潮の引き具合がすごいことに驚く。
 カニがたくさん潮招きをしているが、なぜかシギやチドリが全然いない。
 季節はずれか、ハマヒルガオもなく、カジイチゴの実もない。HLの数だけは変わらない。(午後2時頃フジテレビでガス橋周辺のHLの人たちの生活を紹介する番組があった。みな仕事をしたいと思っており、リストラばかり煽る行政の問題だとつくづく思う。)
 河口運河から引き返す途中で、遅れてきたという佐藤正義さんと出逢う。参加者が誰もいないと知って驚いていた。河口まで行って引き返してきた佐藤さんと上流に戻り、早い昼食でも取ろうとしたところで、顔見知りの団体が! それが本会の正規の参加者たちで、筆者が集合場所を間違えたらしいことがわかる。申し訳ない。これから河口に向かうという本隊と分かれて、僕らは早めに観察を終えた。
 カワウ多、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、スズガモ1、ユリカモメ1、ウミネコ、セグロカモメ、コアジサシ、ツバメ、オオヨシキリ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス。

6月9日 片倉
 6月1日深夜にホトトギスが鳴き始めてから、毎日朝から晩までホトトギスの声が聞こえてくる。最初は、初夏だなあ、今年も元気に来てくれたなあ、と喜んでいたが、こう四六時中鳴かれると、やや耳について来る。たまにはカッコウに代わって欲しい。

6月8日 快晴 永田地区
 カワラノギク復元プロジェクト2003の第3回目。今回は、国土交通省の委託により民間業者が実験区の草刈りを行うに際して、カワラノギクとメドハギを刈られないように印をつけるのが仕事。それにしても、僕らはカワラノギクを育てているのか、アレチマツヨイグサを育てているのか、と一瞬迷うほどにたった1ヶ月で辺り一面アレチマツヨイグサの大群落地になっている。
 この実験区でのカワラノギクのタネ蒔きは3年目に入り、初年度、昨年度に咲いた花のタネが区画外にたくさん飛び散り、いまや区画内だけの管理では間に合わなくなったために、プロジェクトのメンバーだけでは人出が足りず、かと言って業者任せではカワラノギクまで刈られかねないので、この作業が必要になった。しかし、印を付けられるのはある程度大きくなった株(今年開花すると期待される株)だけで、足元にびっしりと、あるいは点々と生えている1センチ内外の実生が作業員や一般の散策者に踏まれるおそれはたぶんにあり、これは今後の課題。作業は、カワラノギク研究者で明治大学農学部の倉本宣さんの指導のもとで、小学生や草刈り業者も含めて18人ほどで作業を進めた。暑いけど、川風が気持ち良い。永田橋下流は夏の風情。河原にはビロードモーズイカの花も(この花はスイス・アルプスでも見られる)。
 チドリsp、キジ、キジバト、ホトトギス、カッコウ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月6日 快晴 万願寺地先〜浅川合流点
 5月の自然観察会で多くの野草を観察した堤防のり面は、前号に転載した上田大志さんの報告通り、きれいに草刈りが行われていて、コマツヨイグサやヒメスイバの群落も消え、レンリソウやツリガネニンジンの株も見あたらない。ワレモコウだけが生き残って、葉をふたたび伸ばし始めている。浅川合流点付近の秘密の花園≠ヘ健在だったが、カワラハハコが見つからないのがやや気がかり。時期的にまだ早いかもしれない。平日でもラジコン飛行機が2機上空を舞い、堤防脇の車道ではいつものドラマーがドンドコドン。
 ダイサギ、イカルチドリ、キジバト、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。眼病で遠望ができず、野鳥の記録はおもに耳から。   

5月18日 日野万願寺地先右岸 曇り
 定例自然観察会。いつものメンバーが数人欠けて少し寂しいが、柴田秀久・順子さん一家の子どもたちのおかげで、にぎやかで楽しい会になった。
 カワセミ池を見る予定だったが、府中本宿床止めの工事で立ち入れず、次回の楽しみに。一昨年9月の増水で流出した本宿用水堰は、用水のための取水は続けるが、堰はやめて床止めになる予定。工事の影響で広範囲に影響がありそうだった右岸の自然が、3月末の河川管理者との現地協議の結果大幅に守られて安心した。急な話だったが、京浜河川事務所河川環境課の努力で自然が守られたことは喜ばしい。
 さらに下流で河原植物の生育状況を確認(植物保護のため詳細記事不掲載)、いずれも大過なく育っているので安心。
 ハナウドハタザオノイバラ、イボタノキなどが満開。ニセアカシアの花はそろそろ終わり。水辺にはキショウブやアゼナルコスゲの花。ヒメガマやミクリなどの穂が伸びている。
 多摩川の流路が大きく曲がり、異様な雰囲気。丸石河原の脇でカジカガエルの声。オオカワヂシャの大きな花が咲いている。土手近くの池ではヒキガエルの合唱。土手にはワレモコウやアマドコロ、レンリソウ、ツリガネニンジンなどの葉のほか、ミヤコグサやニガナコマツヨイグサなどの花が一面に咲いている。
 広い草地ではいつもながらのラジコン飛行機が数機ブンブン上空を飛んでいる。飛行が止むとすかさずヒバリが舞い上がって囀り始める。ヒバリにとっては死活問題だ。草むらでは30人ほどのサバイバルゲーマーが機関銃を連打、その弾はみな地面に散乱し放し。行き止まりの土手なので、とても静かで自然豊かな場所なのに、彼らのためにそれも台無し。
 カワウ、ダイサギ、カルガモ、イカルチドリ、アヒル、キジ、キジバト、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

 お断り:筆者、眼病のため、多摩川に出られず、記事更新がめったにできません。代わりにと言っては失礼ですが、会員からの多摩川レポートを掲載します。ちなみに、彼女は筆者と同姓ですが親戚ではありません。

柴田順子さん(会員)からのレポート
5月18日

 今日は天候も良く良かったですね。いつもながら、多摩川には魅了されます。今はノイバラの香りでいっぱい……でした。夏のカワラナデシコも美しくて、ステキですが、初夏の香りが漂う多摩川も好きです。……と言いつつ、要するに多摩川にいられれば機嫌の良い私です。
 広い河川敷にノイバラやハナウドが点在しています。その中を歩いたかと思うとワクワクします。サバイバルゲーマーの人々がおなじ河川敷でゲームをしていました。その上をラジコンがビービー音をたてて飛んでいました。ゴルフの素振りをしている人もいました。色々の多摩川の楽しみ方があっていいと思います。しかし多摩川の河川敷の自然を壊すような……楽しみ方は困ります。
 湿地にキショウブが咲いていました。水の中にはアメリカザリガニが生息していました。ヒメガマの葉がのびつつあります。夏になったらここは鬱蒼としているのでしょう。土手の草の中にレンリソウがひっそり咲いており、きれいなピンク色の花びらが、小さなスイトピーの様です。ほのかにノイバラの香りが漂ってきます。目を閉じると初夏の多摩川が横たわって見えます。私の好きな多摩川です。
5月16日
 雨模様の日々……。医院のまわりに漂っていたニセアカシアの香りも、いつの間にか消えていました。ニセアカシアの木は多摩川に行かなければ、みあたらなかったので、きっとあのニセアカシアは多摩川のニセアアカシアの香りだったのでしょう。風……に乗って香るなんて、ステキですよね……風が一番季節を感じさせられます。
5月12日
 鳩ノ巣駅近辺の多摩川へ行きました。
 駅の下の喫茶店で、牧野富太郎氏の石版画展を見ました。色が思ったより鮮やかで、驚きました。ケーキもさることながら、美味しいコーヒーを飲み、牧野氏の世界に浸りました。牧野氏と言えば、東大泉のコーポを思い出します。近くに牧野記念庭園がありました。春、オオシマザクラが咲き、その素朴な花が大きな幹に不釣合いで好きでした。大きな石の脇にスエコササがありました。夏は木々でうっつそうとしていました。……今頃はヤマブキの花が咲いている頃でしょう。
 道路の脇の階段を下り多摩川に下りる。旅館の近道とか……。行くと橋の下に「双竜の滝」があった。雨が少ない割に水量が多く、感動。こんなところに滝があるなんて……まだまだ多摩川は未知がいっぱい!!
 旅館の玄関前を通り、多摩川へ出る。水が澄んでいて美しい。対岸にフジの花がさいている。大きな石が重なる川辺。……ヤマセミが1羽飛び立った。一瞬の出来事だった。遊歩道を進むと、つり橋にでた。わたしは勿論、パスして先を急ぐ。見ているだけでめまいがしてくる様だ……。ニセアカシアとキリの花が咲いている。キリの花のうすむらさきの花の色が美しい。あんなに大きな花がどこに隠してあったのだろうと、何時も思う。キリの花が咲くといっきに夏になる。川辺にウツギの花が咲いている。静かな時が過ぎていく……見上げれば新緑も緑が濃くなっていました。

5月8日
 今日は暑苦しい1日でした。医院に着いたらニセアカシアの香りが風に乗ってあたりに漂っていました。多摩川のニセアカシアの花が咲いたのです。きつくなく……ふんわりとした香りです。こんな遠くまで香りを風が運ぶ事もあるのですね。えっ……本当に多摩川のニセアカシアかって?……きっと多摩川のニセアカシアだと思います……そうに思いたい私です。

4月29日 羽村大橋〜永田橋右岸 快晴、強風、暖
 番外・多摩川視察会として、今回は永田地区右岸池を見に行った。このところ雨が降っていないので水量が少なく、干上がった池や水草が茂った池、水が腐りかけている池などが多かった。カルガモ夫婦がいる池もあり、探索を遠慮した。最も大きな池は今年もオオフサモの大群落が覆っている。カジカガエルが近くで鳴いていた。
 羽村大橋下のHL6棟に増える。
 アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、キジバト、コゲラ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

4月27日 永田地区
 カワラノギク復元プロジェクト2003年の第2回目。春に蒔いたタネの実生の確認、ロゼットの保護対策、今後の方針立案などを行った。

4月26〜27日 大学セミナーハウス(八王子市野猿峠) 晴れ、暑い
 多摩丘陵の自然が残る1965年完成のセミナーハウスは、丘陵の斜面そのままに建てられている。遠くに多摩ニュータウンのビル群が見えるが、ここは雑木林の中
 ウワミズザクラがまだ満開で、足元にはチゴユリやミヤマナルコユリ、ジュウニヒトエ、キランソウ、オオジシバリ、カントウタンポポなどが満開。ヤブレガサはすでに大きな葉を広げているが、タマノカンアオイはつぼみをふくらませたところ。
 最も頻繁に聞かれる野鳥の声は、残念ながらハシブトガラス。ついでガビチョウ、ヒヨドリと続く。ほかに、コジュケイ、キジバト、アカゲラ、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

4月20日 青梅万年橋上流左岸〜鮎美橋右岸 小雨
 今年度最初の定例自然観察会だが、あいにくの雨。しかし、予想よりも小雨で済んだ。今朝マスが放流されたとかで、水辺は軒並み釣り人で賑わい、アヒル以外には水鳥を見ることができなかった。小雨に煙る新緑が美しかったのがせめてもの幸い。
 最初に、まだあったとその奇蹟を感嘆するほどの場所にある在来のイヌフグリを観察した。タネがアスファルト舗装の道に落ちるだけのもったいない状況の株が1つだけ。帰りに別の場所で重数株生えているところを見つけたので、当面はこの地域での絶滅は免れそう。ついでながら、在来のオドリコソウの群落もあった。(いずれも、盗掘防止のため、場所は公開できない。)
 お井戸め井戸はかろうじて水が流れ、カワニナやサワガニが棲息。ヒメダカも。
 万年橋の架替工事の前期分は終了。近くに3年ほど住んでいたHLがいなくなった。水辺は釣り人だらけ。丸石河原をイカルチドリが鳴きながら何度も旋回。近くに巣があるのだろう。巣を踏んではいけないので、丸石河原を避け、かつて小川と池のあった窪地を歩く。昨年よりも少し水辺が広がりつつあったが、まだ池とまでは言えない。カワラニガナは健在。雨で花びらは閉じていたが、すでに花は咲いている。120株ぐらいか。
 水神様の下の大岩からゆっくり野鳥を観察しようとの目論見は、前述の通りの大勢の釣り人のために断念せざるを得ない状況。ウワミズサクラとマルバアオダモが満開だった。
 セリバヒエンソウ、カキドオシ、ヘビイチゴ、クサイチゴなどの花が咲く。
 柳淵橋から板垣退助碑、釜の淵公園、博物館などを経て、遠回りして駅へ。
 ニリンソウ、マムシグサ、イチリンソウなどの花がまだ残る。
 カワウ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、コジュケイ、キジバト、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス、アヒル。

4月20日 青梅永山丘陵 小雨
 いまどき宅地開発で雑木林や谷戸がすぶされるとは、時代錯誤もはなはだしいが、東京都は建設許可を出した永山丘陵を見に行く。小雨が降っているので今日は誰も歩いていないが、いつもは近所に住む散策者やハイカーで賑わっている。
 新緑が美しい。チゴユリがたくさん咲いている。ヤマガラがジェージェーと鳴いている。静かで良い。ここが遠からず、ブルドーザーの轟音とともに北側一帯が切り開かれてしまうのか。

多摩川の土手に特定の植物を植えることは歴然とした自然破壊です

 3月中旬、川崎市在住でエコ・ミュージアム会員のFさんから「市内多摩沿線道路を『菜の花街道』へ『コスモス街道』へ」という企画書が送られてきました。その実行計画として、多摩川の土手約25キロを「黄色の絨毯、ピンクの絨毯」にするとあり、「多摩川の土手を管理する国土交通省河川局(ママ)京浜工事事務所の了解をとる。長野県飯山市『菜の花祭り』は一級河川である千曲川土手で、『菜の花公園』までの土手道路側を『菜の花』にして楽しませている」と書かれています。
 本会としては、このような計画は、多摩川の自然に対する破壊以外の何ものでもないと考えます。F氏にはつぎのような返信を書きました。
 「《川崎市内多摩沿線道路を『菜の花街道』『コスモス街道』へ》の企画書をお送り下さり、ありがとうございます。『川崎市を、住民が身近に緑と花を楽しめる街にし』『街への愛着を高』めるとのご趣旨に賛同します。しかし、この事業を多摩川の土手で行うことに、反対します。ご承知のように、多摩川は、世界的大都市を流れる河川としては世界有数の自然が豊かな河川であり、四季折々、さまざまな野草が生え、それを求めて他種類の昆虫が生き、そしてそのためにまた多様な野鳥たちが住んでいます。このような多摩川の土手に、菜の花であれコスモスであれ、特定の種類の植物を人為的に大量に植えることは、この多様な自然界の営みを乱し、多くの野草を駆逐したり、特定の昆虫のみを繁殖させることになることは、過去の各地の事例から容易に予想されます。みなさんが、たとえ善意で行うことも、自然界にとっては脅威になりえます。人間のふとした思いつきが、自然を長期にわたって害する例は多々あります。地球規模で自然が失われつつあるいま、世界的規模で生物多様性を維持する運動が起こり、日本でも国家レベルで取り組んでいるところです。もうすぐ春が来ます。ぜひ一度、多摩川をご自分の足で歩いて、そこにどのような生き物たちが息づいているか、ご自分の目で確かめて下さい。」
 この件につき京浜河川事務所河川環境課に意見表明したところ、事務所としては、この計画は「河川環境上問題がある、河川管理施設(堤防)の維持管理上問題がある、の2点から再考を促」すということであり(3月17日付)、また、「今後も『自然再生推進法』の運用などにより、ゲリラ的に自然再生計画が個別に持ち上がってくる可能性があり、『善意』が多摩川にとって変な方向に向かぬよう、今後もコミュニケーションを図りながらより良いパートナーシップで進めていけますようよろしくお願いいたします」(3月16日付)ということでした。
 下流で活動されている会員の古屋さんからつぎのような情報が入りました。「実は一昨日(3/13)私のほうも大田区の緑化公社(4月からNPOに移行の団体)から、六郷橋から上流にかけてサイクリング道路にそってコスモスを植えたいのでご意見をと言って来ました。私は川崎側のワイルドフラワー植付け後の川原の荒れ地化のことや植生にとってもそれはするべきではないと強く意見として言いました。川原にあった自然を楽しむということは、柴田さんの文の通りですが、役所がこんな状態です。歯がゆいことです。前にも広場にツツジを植えることに反対し何とか阻止できたのですが……。今反対を伝え成り行きを見ているところです」(3月15日付)。「こうしたことはどうも年度末に起きるようで、予算などがあまると、川原のような場所は思いつきというかあまり反対者がでないということで園芸種の種まきや植付けが行われるのではないでしょうか。下流部のコスモス植付けも決定して行動寸前に私に連絡してきたようです。多摩川全域でこうしたことはますます起きてゆく可能性があります。多摩川下流部の川崎側の川原のワイルドフラーワー花壇のその後の様子などを例としてアピールすべきかも……と思いました。多くのホームレス小屋とゴミと荒れ地……そこにコスモス……これが今の多摩川下流の川原の現実と私には思えます」(3月17日付)。
〔この記事、先月掲載の予定でしたが、諸般の事情で遅れました〕

4月17日 日野用水堰左岸〜多摩大橋 快晴、暑い、初夏の日差し
 昭島のワンド工事を見に行く。昨年春に造った池の外回りにもう一つ大きな池を造成中。堰からワンドに向かう大きな木道が造られていた。本堤防から下る大きな階段も建築中。
 日野用水堰の改築工事は終了し、いまは最後の片付け中。
 本堤防上に、ここから拝島橋まで幅3メートルのアスファルト舗装が完成。ここにこんな幅の広い道が必要だとは思わず、反対したり注文をつけたりしたが、結果は、どこにでもあるアスファルト舗装の道となった。
 モトクロス場跡地を一面のカントウタンポポが覆っていた。
 八高線鉄橋下流部の川はいつでも被写体になる。クレソンが満開だった。
 カワウ、トビ、キジバト、イワツバメ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 カキドオシ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、カントウタンポポなどなど。

4月6日 多摩大橋〜日野用水堰右岸 快晴、強風。丹沢山塊雪で真っ白
 多摩大橋の架替工事がようやく始まった。
 その上流のモトクロス場化のひどさを1月に報告したが、その後、京浜工事事務所多摩上流出張所長の努力により、一帯に柵がめぐらされただけでなく、コースにもバリケードが造られ、完全封鎖となった。主張所長の大石氏はこの4月で異動となったが、つねに現場に足を運び現場で考える所長のおかげで多摩川各地の自然の多くが守られたことは記録に値する。
 ラジコン飛行場は相変わらずだが、今日は強風のため人が集まっているだけ。堤防内側の下水処理場柵際にサクラ並木があり満開。遠望の山々共々美しい。
 日野用水堰の改築工事も完成に近づきつつある。自然に配慮された真面目な工事で、東京都のとても真面目な担当者である内野氏の顔が思い浮かぶ。堰上流部の護岸工事も終了し、元通りの落ち着いた自然に安心する。今年もバンやカイツブリの営巣が見られると期待できる。
 強風のため、観察した野鳥はわずかに、カルガモ、イワツバメ、アオジ、スズメ、ハシブトカラスのみ。ヤマブキが咲き始めていた。

4月6日 片倉城址公園
 今年は例年と同じく、いまがカタクリやイチリンソウ、カイコバイモ、コブシ、サクラなどが満開。日だまりでヤマブキソウが1輪もう咲いていた。大勢の花見客で賑わう。デジカメがまた故障したため、カタクリの群落が写せないのが残念。

4月5日 一日中、嵐。気温5度
 多摩地域のサクラの開化は6分咲き程度なので、嵐でも散らずに済んだ。

3月30日 小田急線鉄橋左岸〜狛江水辺の楽校 晴れ、暖かい
 定例自然観察会。小田急線鉄橋近くの本堤防のり面に、ヒメウズの群落のほか、オニノゲシやヒメオドリコソウなどがたくさん咲いている。見ると、斜面に杭が打ってあり、近い将来車椅子も通れるスロープができるらしい。そうなると、ここで生えている野草が半減しそうだ。
 グラウンドの縁を通って水辺へ。鉄橋より上流は相変わらず野外料理を楽しむ人とその人たちが乗ってきた車でごみごみしている。堰で水が貯まっているため、水は淀み、アワが浮いている。水鳥たちは堰より下に集まっている。対岸の「ビオトープ」破壊工事は終わり、いまは大きな池ができている。「できちゃったビオトープ」のままだと堰改修工事のミスをいつまでも曝していることになるので、人工池を造ることでそれを隠蔽したのではないか、という参加者の声も聞かれた。旧堰はすぐ下の石たたきのところにすぐに出られて、水が浅く広がっているので子どもたちも安心して遊べたが、改修後は高いコンクリート壁とフェンスでがっちり囲まれていて近づけない。
 堰からだいぶ下流に下って水辺に降りると、化石が混じる土塊が転がっている。丸石河原にセイヨウカラシナやタネツケバナ、カキドオシなどが育っている。オギ原をのっこすと、新緑が美しい大きな柳の木。そこから下流一帯が「狛江水辺の楽校」で、オタマ池やヤンマ池などがあり、近所の親子連れが散策に来ている。ここをフィールドにしている地元のグループは、今日はウグイの産卵場所造りを少し下流で行っている。子どもたちが大勢参加している。この応援に京浜工事事務所河川環境課の石田さんたちの顔も。
 午後は、スライド会と2003年度総会を開催、の予定が、会場にスライド映写機がないことがわかり、残念ながら総会のみの硬い集まりに。総会では、別紙(会員のみ同封)の会計報告と別掲の活動方針が承認された。
 カイツブリ、カワウ50弱、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、イソシギ、セグロカモメ、トビ、チョウゲンボウ(?)、キジバト、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。

3月29日 京都鴨川荒神橋付近 晴れ、寒い
 両岸の高水敷は遊歩道になっていて、大勢の人が散歩したりしている。川は用水のように1本の直線で緑も少なく、なぜこんなつまらない川に人が大勢集まるのか不思議だ。
 ユリカモメ、カルガモ、ハクセキレイ、イワツバメ、スズメ。

3月28日 府中南町地先、四谷地先 晴れ、暖かい
 この春から6月にかけて実施予定の護岸工事現場と、11月からの護岸工事予定地の自然生態系に及ぼす影響回避のための話し合いを、国土交通省関東地方整備局京浜工事事務所と行う。
 前者は多少影響が出るが、澪筋から工事を進めることで影響を最小限に抑えることができそうな見通しになった。後者についてはさらに協議することとした。
 カワウ、ヒドリガモ、イカルチドリ、イワツバメ、キジ、キジバト、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月27日 永田地区 晴れ、暑い
 永田実験区に今年植えたカワラノギクはまだ新芽を出していない。あちこちから、ウグイスの囀りが聞こえる。上空を数十羽のイワツバメが舞っている。ツクシを両手いっぱいにもった人とすれ違う。春だ!
 カワウ、ヒメアマツバメ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

3月23日 府中四谷本宿堰右岸 晴れ、暖かい
 堰改築工事にともなう、工事用仮設道路、資材置き場、護岸等につき、河川管理者の国土交通省関東地方整備局京浜工事事務所職員と請負業者、そして多摩川水系自然保護団体協議会ならびに河川環境保全モニターとともに、現地を見ながら、自然環境に及ぶ影響をいかに少なくするかについて協議した。
 中央高速道多摩川橋から日野橋上流までの右岸は、昨秋から行われていた護岸工事が終わったばかりで「荒れ地」同然だが、他の自然を守るためにいましばらくここを資材置き場として使用する予定。それも終わったら、どのような植物が順番に生えてくるか、じっくり観察したいと思っている。
 オオイヌノフグリやヒメオドリコソウなどの春の花が満開。ツバメが来ているというニュースが3月3日頃から入っているが、今日はまだ見られなかった。
 花粉症が心配で、多摩川に全然来られないが、低温傾向でときに雨も降るこの冬は比較的症状が軽くて助かっている。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ多、ハシビロガモ、イカルチドリ、イソシギ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ多、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

筆者、花粉症のため、緊急の場合以外は、しばらく多摩川に出られませんので、このページの更新もあまりできません。
予めお断りしておきます。

3月2日 永田地区実験地カワラノギク復元作業 快晴、強風
 今年度のカワラノギク復元プロジェクトの初日。現地入り口で今回の作業の趣旨説明と注意事項を指導者の倉本宣氏から受けたあと、A工区でタネの植え付けをしようとしたが、強風でタネが飛ばされるおそれがあるので、先にK13地区の自生地のピラカンサやシナダレスズメガヤの除去ならびに一部人工石河原の造りとタネの植え付けを行った。実験区で植生調査をしている研究者グループからこの辺りの植物遷移の現状について説明を受けた。また、作業上の問題点や今後の保全方針などについて参加者と話し合った。午後も強風は止まなかったが、A工区に戻り、毛付きタネ10×100、毛なしタネ10×100粒石の下に植え付けた。
 ピラカンサは赤い実のヒマラヤトキワサンザシと橙色の実のタチバナモドキがあるそうだが、太いものは直径10センチ近くあり、鋭いトゲで手や腕に小さな刺し傷がたくさんできた。池の近くを歩行中、すぐ上空をノスリが舞うのをゆっくり観察することができた。
 作業終了後、永田橋下流右岸を視察した、前日の大雨のせいもあるが、相変わらず砂利洗い場跡から大量のヘドロが多摩川に流出している。
 カワウ、コサギ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、ノスリ、キジバト、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。  

3月1日 日野万願寺地先多摩川右岸 雨
 日野市民が、かつてこの地域一帯に広く分布していたカワラノギクの復元をはかる計画をもっていることが日野市緑と清流課の広報誌から知り、関係機関に尋ねたところ、緑と清流課ならびに日野市民から、計画について説明をしたいとの呼びかけがあり、現地を見ながら協議した。
 日野市ならびに日野市民によると(私が理解したかぎり)、@撒種予定地は、昨年本会が実施した場所の付近。Aかつて群落があった合流点付近は現在土が大量にかぶり草丈も高くなっているので復元は無理。B予定しているのは、石下の隙間にタネを埋め込む方法であり、「畑」を作る考えはない。C他の生物への影響も考え、まずは小規模のもので試してみる、というもの。
 柴田の意見は、@いわゆる保全生態学の原則に則って計画して欲しい。A予定地は、河原植物の宝庫でありきわめて貴重な場所である。Bこの場所は大水で流される危険がある。C一段高いところで復元作業を進めた方が安全であり、他の生物に与える影響も比較的少なくて済むのではないか。当面畑のようにするしかないが、囲いをして趣旨を掲示すれば、サバイバルゲーマーに踏まれずに済むだろう、というもの。
 暫定的合意事項としては、@昨年本会が使用した場所をそのまま使用し、いまあるロゼットを傷つけない。A大水対策上、一段高い場所に予備的実験地を造る。B在来の自然を損なわず、作業にあたっては、研究者の倉本宣さんの意見をうかがう。その他、保全生態学の原則に基づく。C市広報などで情報を公けにする場合、盗掘などへの配慮を念入りに行い、時期を見計らって公開すること。D今後とも情報を共有しあい、多摩川の自然に資する、というもの。〔植物保護のため記事は簡略に書いてあります。〕
 雨が激しく寒い。野鳥もほとんどいない。
 カルガモ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、アヒル。

2月28日 国土交通省関東地方整備局京浜工事事務所へ
 多摩川水系自然保護団体協議会事務局長矢萩氏、多摩川河川環境モニター森田さんと一緒に、国土交通省関東地方整備局京浜工事事務所にて海野修司所長、濱田調査課長、佐藤管理課長、石田河川環境課地域連携係長と会談、多摩川の自然保護団体と京浜工事事務所とのつきあいも25年以上の長きにわたり、パートナーシップの精神に基づき、たがいの信頼関係のもとで情報交換を行ったり、河川環境維持のために意見交換を重ねてきたが、昨今、工事通知その他の事業説明が実施直前になってからというケースが増え、有効な改善策を提案することがしづらくなった。また、この度の川崎水辺の楽校造成工事のように、いっさいの通知もなく近年稀な自然破壊を河川管理者が行うようでは困る。行政のひとたちは2〜3年で異動するが、行政の継続性を維持するためにも、地域住民や長年活動を続けている自然保護団体との関係をもっと大切にして、施策に生かして欲しいと要望した。

2月23日 永田橋上流右岸 曇り
 カワラノギク復元プロジェクト会議のあと、現地確認に行った。工事用道路が修復されていた。カワラノギクは、結実しているかどうかはわからないが、まだ実をつけている株がいくつかあった。帰りに一行と別れて湿地帯の調査をした。オオフサモが一面に生えている大沼は見た目は薄緑がとてもきれいだ。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ(?)、イカルチドリ、トビ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。コゲラがブタクサの枯れた幹について餌を探していた。

2月17日 日野橋〜石田大橋右岸 快晴、暖
 日野橋上流右岸間近の巨大マンション建設が進み、多摩川堤防から堤内の高水敷まで大きな日陰ができた。植生への影響が心配される。
 日野橋下流200m付近から護岸工事が行われている。去年は応急措置で、今年度は低水護岸を造っているので、他の場所と同じように大規模な工事になっている。
 中央高速道路多摩川橋の下を通って水辺に出る(橋下は草一本生えていない)。アヒルを先頭にしてカルガモの一群が水面を行進している。石河原が途切れて一段高い所にあがりオギ原を分け入ると、細い水路があり、カワセミが間近で魚を捕っていた。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、イカルチドリ、イソシギ、トビ、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 オオイヌノフグリ満開。背中の日差しが暖かい。目がかゆい。 

2月16日 南武線鉄橋〜大栗川合流点右岸 雨、寒
 定例自然観察会。集合時間ごろに雨が降り出し、しだいに本降りとなった。それでも15人ほど参加者が集まった。
 南武線鉄橋下流はなぜかカルガモばかり。大丸用水堰上はヒドリガモやキンクロハジロ、オカヨシガモなど。中州の木の枝にオオタカとノスリがとまっている。晴れていれば冒険ができて楽しいオギ原歩きも雨の日には濡れないようにひたすら歩くだけ。大栗川合流点まで行って引き返す。オオイヌノフグリがつぼみをふくらませていた。晴れていれば咲いていただろう。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、イカルチドリ、イソシギ、セグロカモメ、トビ、ノスリ、オオタカ、キジ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ヒメアマツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2月16日 小田急線鉄橋下右岸 雨
 先日カメラを持ち合わせていなかったので、写真を撮りに行った。写真1写真2写真3
 堰のすぐ脇にせせらぎ館というビジターセンターがあり、そこを拠点にして活動している市民団体がいくつかあるが、こういうひどい自然破壊を事前にチェックできない感性、あるいは、子どもたちが最近まで親しんでいた自然をつぶして人工的な「水辺公園」を造って、これが水辺の楽校ですと平気で言える大人の感性を疑わざるを得ない。
 自然教育というのは自然を教育することであり、人工の「自然」を自然と偽ることでは決してない。ビオトープという名の土木工事が各地で行われているが、せっかく自然に「できちゃった」ビオトープをつぶして造る「ビオトープ」はただの自然破壊にすぎない。

2月15日 小田急線鉄橋下ビオトープ破壊について
 河川管理者である京浜工事事務所河川環境課地域連携係長より2月15日付けで連絡があり、「さっそく現地視察を行い、工事担当者に自然環境にさらに配慮するよう注意した。また、今回の計画については自然保護団体に連絡をせずに工事を進めた点を反省する」という趣旨のことが書かれてあった。

2月15日夕方 程久保川合流点〜関戸橋右岸 晴れのち曇り
 程久保川合流点のワンド外側つまり浅川右岸先端部分で護岸工事中、ユンボが2機動いている。下流の一の宮公園から京王線鉄橋までの右岸も昨年度に続いて大規模な護岸工事中。去年あれだけ大々的に工事をしたのに、半分も終わっていなかったみたいだ。むかしこの地域の中州にカワラノギクの自生地があったのが嘘のようだ。
 カワウ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、イカルチドリ、トビ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2月13日 二ヶ領宿河原用水堰〜中野島地先右岸 晴れ、暖
 二ヶ領用水宿河原堰上流右岸の通称「できちゃったビオトープ」で改修工事が行われているという情報を、川崎市民から寄せられ、その後、会員の上田大志氏からも同様の情報を寄せられたので、現場を見に行った。
 登戸駅から多摩川に出るには、南武線の登戸駅から立川寄りの危険な踏切を渡るか、川崎寄り徒歩10分の踏切を渡るしか道がない。多摩川へは遊びに行くから我慢の内だが、この地区の住民が暴動を起こさないのが不思議だ。
 さて、この「できちゃったビオトープ」について寄せられた情報は次ぎのようなものだった。1月30日夕方現地にフェンスが張られて重機が入っているので、多摩川市民フォーラムの人に尋ねたところ、本流との水循環をさせる工事を行うらしいとのこと。「もし、絶えず本流の流れが入り込むような工事を行い、結果としてコイなどの大形魚種もビオトープ内に入り込めるような状態になってしまいますと、あのビオトープの湿地性の環境が本流と同質化され、水生生物の棲息環境としての多様性が失われ、存在意義をも失うことになってしまうと危惧した」ので、2月2日にせせらぎ館を拠点とするNPOエコミュージアム職員に尋ねると、「あれは『水辺の学校川崎』の子供たちの提案を受けての工事だそうです。水たまり状態の水が『濁っている』と問題にされたそうです。計画案の図面を見せていただいたところ、懸案のどのようなメカニズムで本流の流れをビオトープ内に引き込むかですが、水辺の学校の案としての計画図を見せていただいたところ、ビオトープと本流の間に3ヶ所の水門を設け、各水門には直径20センチほどのを鉄球を格子状に並べた柵が儲けられ、一応ながら大型魚の進入は出来ないように工夫されておりました。そのほか車イスでも降りられるスロープや木製デッキ、藤棚なども案の中にはありました。有り体に言えば『水辺公園化』の印象が否めません」(以下省略)。
 上田さんからは、「聞けば池の周囲を整地して、車椅子も通れる遊歩道を整備するのだとか。ここはもともと宿河原堰の改築時に整地された場所だが、99年の出水によって池や湿地ができ、自然の力によって動植物の豊かなビオトープ≠ェ生まれた。そして現在は『かわさき水辺の楽校』をはじめ、市民の憩いの場になっている。堤防沿いの道路に横断歩道やスロープを設置して、多くの人が多摩川に親しめるようにするのはとても良いことだが、川そのものをいじるのは如何かと思う」との情報。
 さて、カメラを持っていないのがつくづく惜しまれたが、ここで行われている工事はどう見ても寄せられた情報のような「水辺の楽校」の工事とは思えない。これは、「できちゃったビオトープ」なんて絶対許せないという旧建設省治水族のクーデタではないか?と目を疑った。いくつかあった池のまさにど真ん中に工事用道路を造り、これまであった植物も水棲生物もすべて土砂と砂利の下敷きにした、多摩川では近年稀に見る野蛮な工事だ。この工事用道路は先年の大水で壊れた用水取り入れ口の改修工事のためと、ラブホ前の堤防拡張工事のためと思われるが、いまやビオトープはほんの一角だけ申しわけ程度に柵で囲まれて残されているにすぎない。本堤に沿って小段に鉄板を敷いた工事用道路が造られているが、これは利用されずにビオトープをつぶして工事用道路をなぜ別に造ったか疑問だ。鉄板を敷いて造った道路は池より一段高くなっているので、車両はそのままでは上に上がれないが、それはビオトープ最上流端を少しつぶしてスロープをつければ済むことであって、池を全部、しかもわざわざ真ん中をつぶさなくても良いはずだ。
 今日はつくづく、本会のモットーの1つ〈歩き・見て・遊び・考える〉の最初の2項目がいかに大切かを思い知った。
 多摩水道橋の耐震補強工事、調布の河川敷耕作地手前の低水護岸工事などが行われている。これらは国土交通省から事前連絡があった。この付近は両岸ともHL団地。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ユリカモメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。以上、肉眼観察。

2月10日 片倉城址公園 曇り
 片倉城址公園は多摩丘陵の自然が良好に保たれている公園で、自宅から徒歩15分ほどのところにあるので一時期は1日おきに訪れたが、最近は忙しくてめったに行かない。前回訪れたのは1999年4月だから4年ぶり。ところが、いまどきまったく驚くべきことに、4年前と何一つ変わっていない。日本の自然で4年間まったく変わっていないところを探すのは難しい。雑木林も金色に光る落ち葉の絨毯も湧き水もそのままだった。時間と天候のせいか、野鳥が少なかったのが残念。
 カルガモ、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2月8日 立日橋から谷地川合流点右岸 曇り、暖
 野火類焼防止のための草刈りがこの地域では毎年行われている。今年も右岸の堤防寄りに幅30mほど、それと直角に水辺に向かって幅20mほど数本、オギが刈られている。以前、ヘリコプターに乗って上空から見たことがあるが、このような防火帯を作っているのはここと大師橋上流左岸だけだと思う。下流部について、むかし京浜工事事務所に尋ねたところ、誰が刈っているかわからないとの答えだった。いまはそんなことはないと思うが。ほかには特記事項なし。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、マガモ(アヒルかも)、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ1、トビ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス約120羽。

2月1日 多摩大橋〜日野用水堰上流右岸 快晴、寒風強
 多摩大橋から八高線鉄橋の間の右岸に大きなモトクロス場とラジコン飛行機地がある。日野用水堰左岸でラジコン飛行機を飛ばしている団体はテレビでそのひどさが紹介されたために解散したらしいが、そのメンバーが他の基地に流れただけで問題の解決にはなっていない。
 それはともかく、隣のモトクロス場は史上最悪というほど周辺の自然を荒らしまくっている。オギ原はもちろんニセアカシア林(写真1写真2写真3写真4)から低水敷の河原(写真5写真6写真7)まで縦横にコースが作られ、コースを示すビニールテープがあちこちに張られている。これまでもモトクロスの被害は各地で見られたが、これほどひどいのは初めて。こんな無謀を許していたら、河川整備計画も環境管理計画もまったくの無意味になる。
 (追加情報:河川管理者である京浜工事事務所多摩出張所長から、さっそく立て看板を立てた、近日柵を設ける、との連絡が入った。)
 日野用水堰改良工事が始まり、堰に沿って工事用道路を造成中。その上流の右岸護岸工事は相変わらず大々的に行われている。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ多、コガモ約40、トビ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ多、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月16日 羽村堰〜多摩橋左岸 朝氷点下7度、日中は暖
 羽村堰少し上流でミコアイサ4羽(♂1、♀3)がカイツブリと一緒に餌を採っていた。パンダのオスもかわいいがメスの冠毛も洒落ている。小作堰上流には白いアヒル。大きいのでハクチョウの子かと思ったが、どう見ても首が短い。カワセミが養魚場のフェンスにとまって魚を狙っていた。エナガがときどき木の枝からオギ原に降りて餌を探していた。カワラヒワが柿の実がなっているように木に鈴なりだった。
 羽村堰上流の丸石河原はいまや小砂利河原になってしまった。阿蘇神社前を流れる用水の水が大量で驚く。
 カイツブリ、コサギ、アオサギ、マガモ、イカルチドリ、トビ、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

1月11日 多摩川原橋〜稲城大橋右岸 暖、風冷たい
 多摩川原橋下流橋の架替工事の準備が始まった。橋の下流には大勢人が集まり、強風の下風船を空に揚げている。
 橋から上流の流路が大きく左岸寄りになって、小さめの丸石河原が上流方向へ広く長く続いている。その分、オギ原が小さくなった。コンクリート低水護岸から伏流水があちこちから吹き出し、高いものでは15センチほど吹き上げている。水が浄化されているためオランダガラシがたくさん生えている。
 ニセアカシアの林は冬枯れで明るい。ラジコン基地に4人、上空をブンブンとうるさい。そのすぐ隣のHLは騒音に耐えて(?)いまも頑張って住み続けている。オギ原の中にもテントガ1つある。こちらは増水したら危険だ。
 稲城大橋手前の河原も小砂利が敷き詰められたようになって、去年まであったいくつかの池も消えた。
 この区間は広いオギ原があったりニセアカシアの林があったりする割りには、昔から野鳥や河原植物が少ない。水路が単調なためだろうか。あるいはラジコン飛行機のためか。
 カイツブリ、カワウ、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、ユリカモメ、トビ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ多、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト多数。

 12月始め頃から故障していたデジタルカメラがついに壊れた。修理に出したので、しばらくここに画像を出すことができない。いずれ35oフィルムで撮った写真をスキャンすることにしたい。その間、しばらくお待ちいただきたい。

1月9日 圏央道橋周辺右岸 暖
 木陰には雪が残り、凍っている。動物の足跡を探したが、残念ながらイヌの足跡しかなかった。
 多摩川の水は白濁している。万年橋の工事のせいだろうか。遡って原因を突き止める暇がなかった。
 圏央道橋はそれにしても大きい。工事中にすぐ隣りにあったHLホームはなぜかなくなった。騒音よりも巨大なコンクリートの方が気に障るのだろうか。
 川の形状が大きく変わり、かつてカワラノギクやカワラニガナの群落があったところは丸石河原になってしまった。一時期カワラニガナの大きな群落が復活したところもすべて流された
 ダイサギ、カルガモ、コガモ、イカルチドリ、キジ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ガビチョウ。なぜかセキレイを1羽も見かけなかった。

1月3日 多摩大橋〜中央線鉄橋右岸 雪
 というわけで、昨日とは逆コースながら同じ道をフィルムを探しながら歩いた。残念ながらフィルムは見つからず。昨日の雪化粧した奥多摩の山々やダイサギ、大丸用水堰で間近に撮ったキンクロハジロの写真などなど、逃した魚は大きい。
 昨日は猛烈な寒風下、今日は降り始めた雪の中。
 42q地点のラジコン飛行基地に15人ほどの平均年齢55歳ぐらいの人たちが集まり、たき火をしている。ここも周辺に古マットを敷いている。今日はこの雪では飛行中止だろう。多摩川でいま一番困っている問題はラジコン飛行機とモトクロスとサバイバルゲームだ。
 谷地川合流点より下流にあるHLの入り口にはバリケードあり。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。雪のためか、野鳥は少ない。

1月2日 中央線鉄橋〜多摩大橋右岸 快晴、北風冷たい
 快晴につられて多摩川に来てみたが、強い北風の寒さは半端じゃない。手袋をしても双眼鏡をもつ手が凍える。夕べ降った雪が日陰に残っているので、なおさら寒い。中央線鉄橋下から上流を見渡すと、白銀の奥多摩の山々が望まれる。
 谷地川合流点先端に小さな入江があり、カワセミのコバルトブルーが輝いていた。アオサギ、ダイサギ、コサギが寒風を避けてアシ原に休んでいる。大きめの丸石河原にハヤブサが隠れる。保護色のため双眼鏡で見ないとわからない。
 テントを張って野鳥の写真を撮っているひとがいる。お気の毒に野鳥の気配はない。
 谷地川合流点上流端、谷地川にとって左岸にあたるところにアワやヒエ、ヒマワリの種を混ぜた鳥の餌があちこちに撒いてある。灌木の小枝がノコギリで数本切られている。カスミ網でも仕掛けているのだろうか。今日は見あたらなかったが怪しい。
 さらに先端部分に釣り堀があり、谷地川に木橋が架けられている。HLホームも2棟ある。HLを避けて多摩川の水辺に行こうとすると、猛烈な藪こぎを強いられる。これを凌げば、土坦の現れる広い河川敷に出る。大小の池があっておもしろいが、ここの池の一つも釣り堀化されている。むかしからある下水処理場排水近くの釣り堀には今日はだれもいない。カワウ除けの鈴がにぎやかに鳴っている。
 帰宅後、撮り終わったフィルムを落としてきたことに気がついた。明日また拾いに行かなければならない、嗚呼。
 カイツブリ多、カワウ多、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ多、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、イカルチドリ、イソシギ、セグロカモメ、トビ、ノスリ、ハヤブサ、キジ、コジュケイ群れ、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ多、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ多、エナガ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス多、ハシブトガラス。

1月1日 片倉 小雪舞う
 コサギが住宅地の上を旋回、なぜこんなところに、と思って見ていると、人家の屋根に止まり、その後スッと庭に降りて行った。世知辛い昨今、川魚も減ったので、庭の池の金魚でも狙おうというのだろうか。
 熟した柿の実をムクドリがまず来て皮を破いて食べ初め、つぎにスズメが来てほじくり、さらにヒヨドリが食べに来た。たったいまハシブトガラスが来たが、食べずに帰った。なぜかメジロは来ない。

最新情報として、2002年12月分もご覧下さい。[2002年の多摩川ニュース]