多摩川の自然のニュース:2005年

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系青は他の川等緑は会議等です。
下線を敷いた件については画像があります。画像は重いので質を落としてあります。
画像は約2ヶ月で削除します。
 

12月29日 中央線鉄橋から多摩大橋までの多摩川右岸 快晴、暖かい
 中央線鉄橋上下流では、流路が右岸堤防に直接あたっているため、堤防補強護岸工事がこの晩秋から始まった。同時に、大きく張り出している左岸側を削って低水域にする予定。正月休みで工事が止まっているため、コサギ50数羽、ダイサギ5羽、アオサギ3羽等々が休んでいる。カワセミが必ず見られる箇所は、工事でつぶさないでもらえたのが何より。カイツブリとオオタカが休んでいた。谷地川が茶色く濁っているなあと思って遡ると、2キロほど上流の谷地川浄化装置の下に流れ込む小川からとわかる。小川をさらに遡ると、大きな沈殿用溜め池があり、泥水が渦巻いている。その先の大きな土山が発生源だとわかる。以前から行われている様子。
 毎年正月2日はこのコースを歩くことにしている。というのは、遠く奥多摩の山々が広大に眺めわたせるからだが、そののんびりとした散策コースが、いつのまにか、幅4メートルのアスファルト道に変わっていた。緊急時用避難道路兼用かどうかわからないが、これではバイクの競争場と化しかねない。
 大晦日を前に各家庭で一斉に大掃除や洗濯をしているせいか、下水処理水排出口から流れ出る水はほとんど未消化状態。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イソシギ、トビ、オオタカ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、カワラヒワ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス。
 今年は多摩川でツグミをあまり見かけない。

12月23日 多摩川右岸永田地区 快晴、暖かい
 カワラノギク保全プロジェクト。今回はタネの採取。昨年よりもタネの熟成が早いが、中身がないものも多そうだ。ツツミノガも数匹見つかった。始めに、プロジェクトのリーダーで専門研究者の明治大学農学部倉本宣さんから、カワラノギクのタネは地上2.5メートル以下で飛ぶので、当初丸石ばかりだったここのA工区ではタネが飛び飛びながら最長250メートルほど下流まで広がったが、草丈が高くなってきたので、これからはあまり遠くまで分布しないだろうという説明があった。
 作業終了後、来年以後の基本的な方針について話し合いをし、永田地区については今後5年ほどは実験地として位置づけて除草などの作業では一般市民のボランティアを募集することとし、それ以外のもろもろの作業はプロジェクトのメンバーで実施することとした。
 コサギ、モズ、ホオジロ、カワラヒワなど。

12月22日 多摩川原橋から稲城大橋までの多摩川右岸 快晴、暖かい
 護岸工事が両岸で進行中。最近はコンクリートブロックを敷き並べた上に土をかぶせて緑化を促している。水辺に出ると、伏流水の池にオランダガラシがたくさん生えていて、春のようだった。丸石河原が広がり、河原植物があっても不思議でない雰囲気なので探したが、みつからなかった。堤防付近にはニセアカシアの林が続く。東京府の採石場を示す標柱がいよいよ崩壊寸前。そろそろ資料館に引き取った方が良いのではないかと思う。林と川の間は広大なオギ原で、ガガイモの実がはじけていた。
 コガモ、イカルチドリ、ユリカモメ、トビ、ノスリ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

12月19日 浅川合流点付近 快晴、やや暖かい
 根川・浅川合流点にある空間を街路樹用の圃場として占用していた相武国道事務所が土地を返還することになったために、生えている樹木を伐採して更地にすることになった。しかし、野鳥の生息中継地としても大切な林をつぶして資材置き場にするのでは困るということで、地元の自然保護団体の参加も得て管理者の京浜河川事務所と現地協議することになった。大きくなりすぎて使えなくなった街路樹のため、植生的には価値が低いと思われるが、大きなケヤキが立ち並んでいる風景は捨てがたく、更地にして返却して緊急時治水用資材置き場にするという目的と自然の保護とのバランスを勘案して計画を再検討してもらうことになった。
 帰路、11月から始まった多摩川の河川改修現場を見た。現地で数回協議したおかげで要望した事柄はすべて配慮してもらっているが、新しい水流によってそれが自然的に無駄になる可能性も否定できない。
 トビ、キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ハシブトガラス。

12月18日 拝島橋〜多摩大橋右岸 快晴、強い寒風
 定例自然観察会。夕べ北風がゴウゴウと鳴っていたが、今朝はおだやかな快晴。と思ったが、昭島市はまだ冷たい強風が吹き荒れていた。水辺の氷は午後まで溶けなかった。バスで拝島大師へ。夕べの強風で銀杏の実がたくさん落ちた。ケヤキの葉が枯れてたくさんついていて異常気象を思わせるが、風に吹かれてくるくる舞いながら落ちてくる。境内の堀が涸れてシジミの殻がたくさんあったが、水のあるところでは生きていた。
 拝島橋を渡るあいだ強風に煽られたが、奥多摩の遠望が楽しめた(写真は多摩大橋から)。河原はしばらく林の中を通ることになるが、いつもながら機関銃をもったサバイバルゲーマーが大勢いる。
 日野用水堰付近は野鳥の楽園だが、釣り人がつくったやけにリアルな案山子があって目障り。堰は取水のためか土嚢がたくさん並べられ、魚道は止められていた。八高線鉄橋付近も魚道の設置工事中。いつもラジコン飛行機が飛んでうっとうしい広場が強風のため空いており、草地に寝そべると風が来ずに温かい。植物のロゼット状態。土丹が芸術的に並ぶ水辺を経て、ふたたびサバイバルゲーマーの機関銃を見つつ、今日の終点多摩大橋に到着。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、カルガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、トビ、ノスリ3、ハイタカ、キセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

12月15日 小作堰 快晴、暖
 小作堰上下流に堆積した土石の浚渫について、都水道局より説明を受ける。水面より出ている土砂を採って、全体を平にするのであって、掘り下げるわけではない、と。付近にある河原植物への影響を極力少なくするようにと要望した。この日は、河川管理者である京浜河川事務所の職員も大勢参加されたので、都の許認可も早く済むと思われる。工事は2月末までだが、野鳥への影響を考えると、河川工事は実施するならばなるべく早めにやって欲しい。ついでに国の職員たちは現地をよく見て河原植物等の現況について理解する良い機会になったのではないかと期待する。
 原因不明のヘドロが大量に汲み上げられていて、魚もたくさん死んでいた。

12月14日 河辺地先の多摩川左岸 快晴、暖
 とくに変わったところはなかった。近年大水が出たり、河川改修工事が各地で行われるようになったりして、年に数回通っていないと環境が一変して驚かされるということが珍しくなくなったので、目立った変化がないということは貴重だ。左岸の住宅寄りの水路跡の丸石河原にだいぶツルヨシなどが生えて来た。カワラニガナは元気にロゼットを広げている。この季節はコセンダングサがいっせいにタネをつけているので自由に歩き回れない。キササゲは元気がない。カラスウリの実が印象的だった。
 アオサギ、トビ、カワセミ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ウグイス、メジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

〔おことわり:HP作成者の海外出張のため、11月のニュース更新はありません。ウィーンの11月については別のHPを御笑覧下さい。〕


10月31日 河川環境実務者研修の聴講と講演
 リバーフロント整備センター主催の講座に講師として出向したついでに、他の諸先生の講義を聴講した。川幅と砂州とは密接な関係にあるから人工的に川幅を変える際には砂州の変化を考えておく必要があること、多摩川は砂利採取により川の形が大きく変わった日本で最初の例であること、その他、河川文化と河川文明の違いや水利権の話、あるいは造成礫河原に侵入する植物種と、土壌シードバンクとの関係の話など、とても勉強になった。
 筆者〔柴田〕は、@住民運動型自然保護団体の特徴、Aなぜ自然が大切と思うかの自己確認のための自然観察会、B「貴重」の基準を問い直す身近な自然、C水系の思想、D感性の重視について話したあと、具体例として@自然教育河川構想(これは多摩川リバー・ミュージアムとして実現されつつある。多摩川それ自体が博物館という発想)、A多摩川利用実態調査、B西暦2000年の多摩川を記録する運動、C多摩川絵図鑑、D多摩川歴史ガイドブック、E「多摩川ちょっと待ったマップ」(日ごろの自然調査結果を河川管理者が積極的に業務に生かした例)等を紹介。
 (3)自然観察記録の大切さとして、@継続性(たとえ素人の自然観察記録で客観性に欠けても、過去は取り戻せない。カワウやアオマツムシが珍しかった時代やカワラノギクを踏んで歩いた時代がかつてはあった)と、A自然を見る目(自然観の共有)の大切さの2点を指摘した。
 最後の点について補足すると、昨年夏に大田区立博物館で講演をした際、あとで何人もの人が寄ってきて自分の体験を語ってくださった。こういう反響は、科学的データの提示だけでは得られない。誰でも主役であるのが市民運動の特徴だと言える。

10月30日 青梅市地先の多摩川 曇りのち晴れ
 カワラノギク保全プロジェクト2日目。今日はカワラノギクの自生地の観察。夏に見たときの予想ではもっとたくさん花が咲くかと思ったが、大小含めて40株ぐらいが開花。ロゼットはたくさんあるので、来年が楽しみ。先般探して見つからなかったカワラハハコを確認。元気でなにより。
 別の自生地では、数千株が開花。周囲に広がりつつある一方、群落のある地盤が削られて小さくなり、また、別の小さな群落はツルヨシやブタクサ、クズに覆われつつある。それにしても、野生種は美しい。近くにノコンギクの改良種というコンギクがある。たしかに美しい。もちろん、ノコンギクもあちこちで咲いている。コシオガマも開花中。カワラバッタが数匹。クコがたくさん実をつけていた。
 羽村堰上流左岸の、花壇から逃げ出したカワラノギクが徐々に周辺に広がりつつある。元はともかく、河原に生えると野性味を帯びて美しくなる。花壇のはなぜか今年はみなあまり元気がない。
 カイツブリ、カワウ、カルガモ、コガモ、トビ、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ウグイス、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

10月29日 永田地区の多摩川右岸 曇り
 カワラノギク保全プロジェクト。カワラノギクの花が満開となり、開花株等の概数を調査した。上流から115mまで15mごとに横10m間隔で1uの区画をつくり、そこにある開花株とロゼットの数をかぞえて、全体の概数を計るというもの。開花株は約3万とわかった。指導者の倉本氏の予想10万株を大きく下回ったが、一面真っ白になるほどに咲き誇り、ハナアブやミツバチなどが花粉を集めにたくさん寄っていた。実験地から徐々に河口にタネが飛び、自然河原でもあちこちで咲いていた。
 オギの穂が白くなり、セイタカアワダチソウが美しく咲いていた。ジョウビタキの鳴き声と姿をこの秋初めて聞いた。
 イカルチドリ、キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ウグイス、シジュウカラ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

10月25日 睦橋上下流の多摩川右岸 快晴、暖
 暖かい。保育園か幼稚園児が散歩していた。睦橋右岸周辺の多摩川には池が点在していておもしろい。橋に近い池は釣り堀と化しているが、他の大小さまざまな池にはいろいろな生き物がいる……はずだが、川との連絡は地下水でしかないためか、水生生物はあまりいない。五日市線鉄橋下流の水辺は、行くたびに様相が異なり、いまはツルヨシが繁茂している。丸石川原の半分はセイタカアワダチソウやキンエノコロなどに覆われている。石だけの川原ではカワラバッタが冬に備えて交尾中。川は深掘れしていて水深3mほどありそうだ。ときどきコイがジャンプする。
 橋より下流では、誰かがネットを張って調査中。ネットの上でカワラバッタが休憩していた。カワラニガナはまだ花を咲かせている。カワラニガナが育つ丸石川原が減っているが、条件さえ良ければ数千単位の群落が見られる。アレチマツヨイグサの小さなロゼットが美しい。小さなコマツヨイグサが暖かな陽気で花を咲かせていた。オギの穂がきらきら光る。あちこちでノコンギクが咲いている。
 川の流れや川原の様子が変わって、秋川合流点が遠くなった。秋川も大きな流れ小さな流れに分かれている。水はきれいだ。
 アオサギ、イカルチドリ、カワセミ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
 立川にある都立図書館多摩分館へ寄った。入口付近に多摩川の生き物を紹介するコーナーがあり、本会が出版した『多摩川の自然』や『川のしんぶん復刻版』『観察記録集』、横山理子『多摩川に生きる』などが展示されていた。

10月17日 是政橋〜関戸橋の多摩川左岸 雨
 東京都農業振興事務所が計画している大丸用水堰魚道設置工事について、本年3月におこなった現地協議に基づき、来月から始まる工事の最終現地確認を都ならびに施工業者立会の上行った。極力自然を荒らさない工法、中州に一般人が立ち入れないようにする付帯工事などについて合意を得た。
 大した雨ではないが、中州の草が水につかって枯れている。堤防のり面は除草が済んでいるが、今年は刈った草を除去していないので、その影響が心配だ。マツムシの生息地として護岸工事の際に保護してもらった区域がラジコン基地と化している。
 ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、セグロセキレイ、モズ、スズメ、橋部誤ガラスなど。

10月16日 羽村大橋〜永田橋右岸〜五日市線鉄橋左岸 雨のち曇り
 定例自然観察会。結局昼頃まで雨が降り続いた。羽村大橋から多摩川を見下ろし、右岸へ。カワラノギク自生地で生育を確認。小さいながらも元気に花をつけていた。下流へ向かう途中、かつてカワラノギクが自生していたところにロゼットがいくつか見つかったが、昨年永田地区のタネが着いた株を切り取って周囲にばらまいた人がいるので、そのタネが発芽したものと思われる。永田地区は実験地なので、そこから自然的にタネがどのように広がるかは自然回復のために重要な情報になるのだが、勝手に人為的にばらまかれると、こういう調査が不可能になるため、勝手にタネを蒔くのは犯罪に等しい。その実験地でもぼちぼち花が咲き始めている。管理用道路にもロゼットが広がり、さらに徐々に下流に広がりつつある。9月10日に除草した草が片づけられずに放置されている。
 永田橋を渡り、左岸へ。クヌギとケヤキの大木が立ち並ぶこの河畔林は美しい。カワラタケが切り株で芸術的に生えていた。車いすも入れる公衆トイレは広くてきれいだ。彼岸花が咲き終わったと思っていたら、もう冬の葉が伸び始めていた。多摩橋下流は砂利河原がコセンダングサとツルヨシの群落になっていた。わずかに開けたところにカワラニガナが復活している。五日市線鉄橋周辺はセイタカアワダチソウが群落をなして咲いていたが、なかなかきれいだった。
 具体的な場所は言えないが、途中でコシオガマの群落を見た。
 カイツブリ、ダイサギ、アオサギ、トビ、コジュケイ、キジバト、カワセミ、コゲラ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

10月14日 万願寺地先の多摩川右岸 快晴、暖かい
 午前中から雨という予報が大きくはずれて日中はほぼ一日快晴。なのにNHKに出ている若い気象予報士は「天気の崩れが遅れている」としか言わない。欧米人はめったなことでは謝らないが、最近の若い日本人も欧米人なみに素直でない。気候は穏やかで、ツクツクボウシがまだ鳴いていた。
 いよいよ河川工事が始まるので、河川管理者と担当技術士、施工業者、地元の自然保護団体、日野市、そして本会の立会で、現地で気をつけて欲しい植生等について説明し、理解を得た。カワラハハコは3株花をつけ、カワラノギクも4つほど花を咲かせていた。咲き残っているカワラナデシコは色が濃くなっていっそう美しい。カワラケツメイの実はほとんどはじけた。ただし、工事に直接かかる部分に生えているものはまだ青々としている。

10月10日 伏見稲荷 曇りのち雨

 京都に来た帰りにふと伏見稲荷に行った。奥の院まで行ったら、鳥居のトンネルがあったのでおもしろいのでずんずん進んで行ったら、それが半端ではなく、ついには山登りのような感じになり、最後はとうとう頂上まで登ってしまった。紅葉はまだだった。

10月1日 第19回多摩川流域セミナー 昭島地先の多摩川左岸 快晴
 多摩川上流水再生センター前の河原でゴミ拾いをしたあと、多摩川中流と秋川のアユの食べ比べ。ただし、季節はずれで多摩川ではもうアユがほとんど捕れないということで宮城県のアユも取り寄せたとか。ABCで塩焼きを食べ比べ、Cが味も香りも一番良かったが、他の参加者も同意見だった。で、それは秋川で捕れたアユだとか。昼食後、水再生センターの施設見学をしたあと、多摩川の水質について4人のパネラーが講演、その後意見交換が行われた。参加者は100名ほどで盛況だった。
 この地域の多摩川はいつ見てもあきない自然のオブジェ
 
9月27日 万願寺地先の多摩川右岸 曇り
 秘密の花園の三角地帯へ。カワラナデシコがわずかに咲き残っている。ツユクサがきれい。木杭が数本打たれており、何か行われなければ良いがとやや不安。ヒガンバナは依然満開。土手の草刈りでわずかに残ったところでツリガネニンジンの花あり。
 池ではヒメガマとミクリの実が大きく育っている。ほかにアキノノゲシが満開。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ(サギだけで約50羽)、イカルチドリ、トビ、モズ、セグロセキレイ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

9月23日 万願寺地先の多摩川右岸 曇り、一時雨、のち晴れ 暑い
 堤防の草刈りが終わったばかりで、刈った草が散らばっている。高水敷ではシナダレスズメガヤがますます繁茂していて、危険な兆候。低水敷ではカワラナデシコがまだいくつか咲き残っている。絶滅寸前のカワラハハコが小さなつぼみをつけている。カワラノギクの育ちが悪いが、2株花が咲きそうな気配。カワラケツメイが新たに2株見つかる。群落ではタネが熟しつつある。ツユクサがきれいた。今日はお彼岸なので彼岸花があちこちに咲いている。いつ見てもゴージャスキクイモも満開だが、この地域は少ない。アレチウリの海を泳いで堤防にたどりついたが、まだ針がやわらかくて良かった。でも、Jパンに針が刺さってチクチクする。
 ダイサギ、コサギ、イカルチドリ、トビ、カワセミ、ムクドリ、ハシブトガラス。

9月18日 多摩川河口右岸 快晴、暑い
 湿度の低い快晴なので、景色がくっきりと浮かび上がる。景色といっても、羽田空港とそこから5分おきに飛び立つ飛行機をバックにした干潟だけだが。干潟ではコメツキガニ、チゴガニ、ヤマトオサガニなどがせっせと食餌中。水際にはウミネコ、セグロカモメ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、チュウシャクシギ、カワウ、ハクセキレイ、そしてハシブトガラス。午後2時半を過ぎると、潮が満ちてきて干潟がどんどん姿を消す(写真は河口から160mの干潟)のがよくわかる。

9月16日 友田地先の多摩川右岸 晴れ、涼しい
 自生のカワラノギクは大水で流出せずに無事だった。開花株のほかに、ロゼットも去年よりは増えた。カワラニガナはかなり広範囲に復活した。今年5月に見つけたカワラハハコは必死に探したが見つからなかった。ここでもノコンギクが満開。林の下ではヒガンバナが咲き始めていた。今日は水量が多い気がする。アカトンボがたくさん飛んでいる。モズがキイキイと高鳴きしている。
 イカルチドリ、トビ、モズ、シジュウカラ、ヒヨドリ、スズメ、ハシブトガラス。
 
9月14日 石神前の多摩川左岸〜奥多摩橋
 木々の色もなんとなく秋めいてきた。ノブドウの実も色づいた。河原ではノコンギクが満開。ススキの穂もたくさん出ている。コガマの実もふくらんだ。イタドリのタネが妙に色づいている。カワラニガナが増えた。ホソバコンギクはまだ咲いていない。株数は今年は少ない。奥多摩橋まで歩く。途中シュウカイドウの花が杉林の下でたくさん咲いているのが見られた。この辺は河原に出られないのでつまらない。
 トビ、ヤマセミの声、キセキレイ、ヒヨドリ、ガビチョウ。
 
9月10日 永田地区 晴れ、猛暑
 カワラノギク保全プロジェクト。秋の除草の2回目。昨日のさわやかさはどこへ行ったやら、今日も猛暑となり、炎天下の河原での除草はつらい。さいわい、地元市民も含めて30名近くが集まり、作業をつづけ、完成はしなかったものの、ほぼ予定通りの除草はできた。
 ところで、こうした市民の苦労とは裏腹に、作業用道路の除草が河川管理者によって行われたが、カワラノギクが生えている箇所まで除草してしまったために、路上に生えているカワラノギクを守ろうとの意図は無惨にくじかれた。その点、本会の名前で河川管理者に厳重に抗議した。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、ツバメ、セッカ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
 セグロトンボがたくさん飛んでいた。

9月10日 石田大橋左岸〜府中四谷橋〜関戸橋右岸 快晴、猛暑
 「第2回多摩川ふれあい点検――府中・多摩編〜多摩川水系河川整備計画を現地でフォローアップします〜」という、京浜河川事務所・府中市・多摩市主催の行事。十数名の参加があったが、純然たる市民は3名という寂しい企画。しかし、日ごろ所長や課長クラスの人としか話す機会がない京浜河川事務所の一般職員や府中市・多摩市の職員の意見を対等の立場で聞けたことは有意義だった。内容は、府中本宿床止(かつての府中四谷本宿堰)の改修結果、府中四谷橋下流左岸の河道修正結果、京王線鉄橋から関戸橋にかけての右岸の護岸工事結果について、工事の目的や方法等について担当者から説明を受けた後、現状に関して点検シートに記入した。現地を歩いたあと、近くの集会所で意見交換を行った。河川管理者としては、治水上の安全を確保するとともに河川の現状の自然形態を可能なかぎり生かす工夫をしていること、とりわけ砂利が自然的に動くようにして多摩川らしさを残すことを考えており、そのためのモニタリングを繰り返しおこなっているという話があった。まだ工事が行われてからさほど年月が経っていないためにやや殺風景な河川敷になっているが、自然がどのように回復するか注目して行きたい。なお、府中本宿床止工事により、取水口が低くなったため、水を高水敷の地下に通すこととなり、コンクリートが目立つようになった。
 
話は別だが、府中四谷橋上流左岸の高水敷にゴルフ用に無断で除草したところがあった。

9月4日 永田地区 快晴、のち晴れ、のち曇り、最後は雨。猛暑
 カワラノギク保全プロジェクト。福生市広報ならびに一般新聞を使ってボランティアを募集したため、地元市民など15人ほどと、いつもの明治大学学生ならびに古参のスタッフと、大勢集まり、選択的除草をおこなった。6月にも除草したが、それでもヨモギやイタドリ、ヒメムカシヨモギやオオアレチノギクなどがたくさん生えている。開花中なのでとくに目立ったのはイヌキクイモ。カワラハハコは立派に成長して花を咲かせていた。それにしても炎天下の除草は暑くてつらい仕事だ。好きで来ているけれど、意識に関係なく暑い。そんな中で背広を片手にワイシャツにネクタイ姿の人が来たので、なんだろうと思ったら、福生市長だった。広報で取り上げたこともあって、視察に来たらしい。選挙応援で忙しいらしいが、入口からも遠い河原の奥までご苦労様。午後2時頃作業を終え、近くの会館でカワラノギク研究者でPJ指導者の倉本宣さんからカワラノギクについての講義を受けた。

9月3日 万願寺地先の多摩川右岸 晴れ、暑いが、風もあり気持ちがよい
 定例自然観察会。9月は毎年鳴く虫を聞く会として夕方から開始。まずはカワラナデシコの群落を見る。花は終わりかけているが、まだ数十株は見られる。カワラハハコも花はないが元気。カワラノギクは5株ほど元気。オオフタバムグラの大繁茂。多摩川で唯一ここだけというカワラケツメイがたくさん花を咲かせていた。さらに立派に成長した大きな株が100ほどあり、これをうまく残せれば、絶滅を免れそうだ。
 コウモリが飛び始め、あたりが暗くなると、チンチロリンと鳴くマツムシの演奏が始まる。ほかに野生かあるいは野生化したものかわからないが、スズムシの演奏があちこちから聞こえる。音が最もけたたましいのはここでもアオマツムシ。それに負けじとカンタンも必死に大きな音をたてて演奏していた。
 コサギ、ダイサギ、アオサギ、ゴイサギかササゴイ、カルガモ、イカルチドリ、セッカ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

9月3日 関戸橋上流左岸 快晴、猛暑
 関戸橋から京王線鉄橋の上流にかけての左岸で、護岸工事が予定されており、工事による自然環境への影響を極力少なくするための現地協議を、国土交通省京浜河川事務所とおこなった。この7月に事務所が行った植生調査図を参照しながら、河原植物への影響をどれだけ少なくできるかを現場を見ながら話し合った。高水敷にはカワラサイコのほか10株ほどのカワラナデシコがあるが、カワラナデシコについては工事区域を狭くすることで被害を回避し、工事区域と重なり削られることになるカワラサイコ群落は近くに移植することとした。
 ところで、府中市の市民団体が昨年からはじめているカワラノギクの復元がエスカレートして、今年は石を並べ溝を掘った花壇が高水敷に6つほど造られ、自然的な播種で育てたのではなく移植したと思われるカワラノギク数十株とカワラハハコがある。この土地にある自然と生態系を破壊するだけでなく、開花してタネをつけても自然的に広まる環境にはないため、こうした行為はただの自然破壊でしかないと思う。
 近くでチョウゲンボウの幼鳥の声が聞こえる。ツルボの花が咲き始めた。
9月1日 青梅万年橋上流左岸 快晴、暑い
 台風による大水もすっかりひいて、多摩川に清流が戻ってきた。石の付着物も洗い流され、水が澄んでいる。
 心配したカワラニガナの群落も無事で、いまだに満開状態。バーベキューで荒らされた河原もなんのその、したたかに生えている。静かな河原でカワラバッタがあちこちで跳ねていた。
 トビがかわいい声でピーヒョロヒョロリと鳴いていた。ほかにキセキレイのみ。

8月26日 小作取水堰付近の多摩川 晴れ、猛暑
 台風が通り過ぎて、蒸し暑さが倍増。とくに多摩川の草いきれは蒸し風呂状態。大雨による増水で、八高線の車窓から見る多摩川は濁流が勢いよく流れている。
 カワラノギクの自生地が心配で見に行くが、無事でなにより。まだ水量は多い。もとからの自生地へは、途中にあるふだん流れていない流路が完全に川になっているので近づけないが、たぶん無事だろう。センニンソウがきれいだった。ミンミンゼミ、アブラゼミの大合唱のなかで、夏が去るのがつくづく惜しいと鳴くツクツクホウシも負けじと鳴いていた。

8月21日 鮎美橋、永田橋、多摩大橋、二子橋付近の多摩川 快晴、猛暑、風強い
 京浜河川事務所主催の「多摩川水流解明キャラバン」で、今回は「水質の現地感覚調査」。応募して抽選に当たった30名の市民と約15名ほどのスタッフが2台のマイクロバスに乗って青梅から二子橋のあいだの5ポイントの水質を、主として感覚で調べた。見た目や匂い等による感覚調査とCODや透明度といった機械的調査との違いが実感できた。
 青梅釜ヶ淵公園前の多摩川は夏休みとあって泳ぐ人、水遊びする人、バーベキューする人など大勢の人が来ていた。小さな子どもが泳いでいるそばで数匹の犬を川に放つひとや大きな犬を連れて川の中を散歩するひとなどがいて、ゾッとした。水はきれいだが、青梅でもどぶ臭いにおいが一帯をただよっている。
 永田橋辺りはまだ風がさわやかだ。ミヤマアカネがとまっていた。まだ色がうすい。
 多摩大橋まで来ると、すぐ上流で下水処理場からの放流水が大量に流れ込んでいるため、匂いも川底の石のぬるぬるもすごい。このすぐ下流でも右岸から大量の処理水が流れ込んでいるから、立川辺りではもうどうしようもないという感じだろう。二子玉川兵庫島は車や電車その他の騒音がするし、匂いも悪いので、水辺でのんびりくつろぐという雰囲気ではないが、それでも都心よりましなのか、けっこう大勢の人が憩いを求めて水辺に集まっていた。石の下辺りを網で探ってもほとんど何も捕れないが、みんなでやるとスジエビなども捕まった。ただし、これはあまりきれいでないところの生物らしい。
 小学生が数人参加していたり、ふだん接する機会の少ない京浜河川事務所の若い職員の活躍が見られたりして、自然とは別の感動もあった。
 
8月21日 片倉 クマゼミが鳴いていた。
 
8月20日 二ヶ領宿河原堰右岸 快晴、猛暑
 小田急線鉄橋下流右岸で、二ヶ領宿河原堰を改築した際に中州をつぶしてできた河川敷があり、それが大水などの影響で水が溜まってビオトープが自然にできたが、先年水質悪化等を理由につぶして新たに「水辺の楽校」用にと人工の「自然公園」が造成された。自然を装ったただの人工公園だから人工的に除草をしても不思議はないが、除草し終わったあとの光景を見ると、やっぱりただの人工公園だとしみじみ思う。
 午後は、堰脇にあるせせらぎ館で第18回流域セミナーが開かれた。後ろにずらりと立ち見がでるほど満員で、多摩川に対する関心の強さがあらためて実感された。河口付近の様子、多摩川の水質変化、河川環境施策の紹介などがあったのち、4班に分かれてのワークショップがあった。市民が集まる会合では、いろいろな知識レベルの人がいるから仕方がないとしても、何度やっても進歩のない話しの繰り返しという印象はぬぐえなかった。河川環境課が一生懸命仕事をしていることは認めるが、それが多摩川の現状に照らしてどうなのかという具体的な検討はいっさいなされなかった。
 しかし、たとえば「岸辺の散策路」を造っていると言っても、工事のたびに在来の自然を壊し、掘った土は周囲にばらまくなどの自然破壊が依然繰り返されているし、岸辺に造られるから大水で何度も壊されていて無駄な気もする。「水辺の楽校」の趣旨には反対しないが、そのために自然を壊して人工公園を造っているのも事実である。福祉用にスロープを設けて堤防にあがれるようにしていると言うが、まず絶対だれも来ないというところに造られている例もある。こういったことを具体的な箇所ごとに点検し、意見交換するのが新に「フォローアップ」の名に値することだと思う。
 対岸の狛江市で火事があった。

8月17日 日野用水堰右岸 快晴、暑いがさわやか
 堰の上下流にある大きな中州で倒木が流下し、八高線鉄橋橋桁などにひっかかるおそれがあるため除去したい旨、河川管理者からあり、現地視察をしながら協議した。中州の内部にある倒木が流出する可能性は低いこと、堰上流の中州は自然生態系保持空間に指定されており、倒木といえども昆虫その他自然生態系にとって重要な構成要因であること等の問題を提起したあと、ゴムボートで現地に近づき確認し、水際のものだけ除去することとした。堰下流部については大水で流下する可能性が高いことが認められるため、また立木は伐採せず倒木に限定していることから計画通りとした。予定していた搬出用船着き場は堰上流部については設けないこととなったため、設置する場合に復元過程でアシ原を広げようとのアイデアも実現が見送られた。
 今回初めて中州にあるワンドの奥まで入ったが、一面のヒメガマの群落に感動。タコノアシなどもあり、多摩川とは思えない神秘的な空間だった。カルガモ、カイツブリ、オオバン、ゴイサギなどの営巣地だが、釣り人が無断で作った台がこんな奥にも5つもあり驚いた。
 丸石河原にはカワラニガナの開花株も見られた。
 カイツブリ、カルガモ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギ、セグロセキレイ、ツバメ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

8月10日 万願寺地先の多摩川右岸 曇り、蒸し暑い
 カワラナデシコがあちこちで満開。全体で1000株はある。(群落1群落2花2)だが、シナダレスズメガヤの大繁茂が心配。ガガイモの花もあちこちで。アメリカネナシカズラの山が恐ろしい。秋に始まる護岸工事用杭が打たれている。カワラケツメイは27株無事に葉を伸ばしていたが、蕾がない。ノカンゾウの群落発見。
 堤防のり面の植生調査のため草刈り調整をしてもらっているが、その成果でカワラナデシコツリガネニンジンの花が咲き(同2)レンリソウも残っている。池のまわりでクサギの花が満開。子どもがザリガニ採りをしていた。猛暑のせいか、野鳥はダイサギ、セグロセキレイのみ。ラジコンも休み。
 関戸橋周辺、花火大会の場所取りシートが河川敷の各地に敷かれていた。これでは野草が蒸れて死んでしまう。

8月5日(金) 多摩川河口右岸 猛暑
 暑い日には汗をかこう、ということで河口に来た。ちょうど干潮で、干潟が遠くまでつづいている。あちこちでコメツキガニが手招きダンスをしている。近づくと一斉に隠れる。野鳥の足跡と蟹穴との関係が想像をかきたてる。アシハラガニ、クロベンケイガニ、ケフサイソガニなど。カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、ハマシギ?、ウミネコ、セグロカモメ、コアジサシ。セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。ゴカイ取りの人がいない代わりに、ゴルファー3名+1名。釣り人1名、アサリ採り2名胸まで水中で。HL2+15。いすゞ自動車工場跡地で解体作業が大規模に行われている。堤防は除草作業中

8月3日(水) 上河原堰上流左岸 曇り、蒸し暑い、暖かな風あり
 ツバメの集団ねぐらの追加一斉調査。先日の台風後、2万羽を越えるねぐらがあった府中四谷橋下流の集団ねぐらが消滅したため、7月23日に次いで再度一斉調査を行うことになった。河口より26.3qの長さ150mほどの中州。このうち、約1割がアレチウリに覆われてしまった。18時50分頃よりツバメが集まり始め、19時00分にアシの生えた中州周辺をさかんに飛び交う、その数推定500羽。19時8分暗くてほとんど見えなくなるが、推定600羽ほどがねぐら入りし、さらに50〜100羽ほどが飛び交う。
 コサギ40羽ほど群れている。アオサギ2、ゴイサギ1、カルガモ20、ほかにカイツブリとセッカの声。先日の花火大会では、昨年までと違って、右岸よりの中州は使用しなかったようで無事だった。一昨年と昨年は、双眼鏡でアシに止まっているツバメを数えることができたが、今年は見えにくい。左岸から見にくいところに止まっているのと、7月から毎日13時間PCと本に向かって仕事をし続けているので視力が落ちたためらしい。

7月30〜31日 多摩川水源水干・笠取山 曇り、一時晴れ、一時雨
 定例自然観察会、恒例の夏の水源合宿。今年はじつに5年ぶりになってしまった、多摩川本川の水源、笠取山と水干に行きました。
 タクシーで塩山から柳沢峠を越え、犬切峠を越えて、作場平の登山口について、さて出発の合図が雷鳴だった。昼過ぎは目差す稜線方面はお祭り状態に雷鳴が轟き渡って、早く来いと囃しているのか、来るなと脅しているのか、賑やかだったが、私たちの気力に負けたか、次第に天気も落ち着いて、結局夕方と夜に時々雨が落ちてきただけで、天の川も見えたりの良い天気だった。2日目は、日差しも強く、時折ガスも上がって、暖かかったり涼しかったりの絶好の日和。大菩薩峠や富士山が見られなかったことだけが残念だった。
 登山口から約20分弱で、多摩川本谷と分かれ、藪沢の道へ。どちらも岩が苔むして、水源の山々の安定した様子がわかる。会で初めてここに来たのは1986年の夏だった。ちょうど台風が静岡に上陸し身延線沿いに北上してくるというまさに直撃状態で雨も強く降ったのに、沢がまったく白濁せずに驚いた記憶がある。
 コマドリの囀りがよく響く沢沿いの道を登ってゆくと、メボソムシクイの声が聞かれるようになり、ミズナラやブナの木が見えてきたら、直に尾根の道。そこからリスを見たりしているうちに懐かしい笠取小屋といつもかわらぬ笑顔で迎えてくれる田辺静さんが待っている。いつもの大きなバイケイソウも変わらない。おいしく冷たい水源の水をたくさん飲み、付近を散策。きれいな苔の絨毯に、珊瑚礁のようなヒカゲノカズラや丸いマンネンスギなどが生えている。付近のシラビソなどの幹にシカが皮を剥いで食べないようにネットが張ってある。すでに枯れてしまった大木もあり、丸裸にされたリョウブの木もある。シカの足跡は本谷との分岐からずっとあちこちで見られた。奥多摩町の森でもシカの害が深刻とか、かわいいとばかり言っていられない。
 翌朝は、アカハラやホトトギスの声で目が覚める。今年はトラツグミの声を聞かなかった。朝食後、お花畑に上がると、マルバタケブキや、コウリンカキオン、ヒヨドリバナ、ウスユキソウ、コゴメグサ、シモツケソウ、オトギリソウ、ニガナなどの花々があちこちで咲いていた、近年笹が茂って高山植物が減少しつつあったが、山の手入れがなされて少し復活したような気がする。日差しが強くなると、アサギマダラヒョウモンチョウ、ニホンミツバチなどが飛び交い始める。もう20年ほど水が涸れている水干を経て、キンレイカやシモツケ、センジュガンピ、イワキンバイなどを見つつ、裏から笠取山山頂へ。アズマシャクナゲやサラサドウダンの咲いたあとがたくさんある。リョウブはまだ咲いている。隣の雁峠や古礼山、その奥の破不山などが見えるが、大菩薩や富士山、南アルプス方面はガスって見えない。下って振り返れば、笠取山の最後の坂は急だ。
 ふたたび笠取小屋で休憩し、早めの昼食をとり、人なつこい(?)キベリタテハと20分ほど戯れてから、一休坂を下山。途中で直系50センチほどのハナビラタケなどもあった。
 アオバト、ホトトギス、ハリオアマツバメ、ビンズイ、ミソサザイ、コマドリ、ルリビタキ、アカハラ、ウグイス、メボソムシクイ、コガラ、ヒガラ、ウソ、ガビチョウ(?)。

7月28日 小作堰周辺の多摩川 快晴、猛暑
 カワラノギクの自生地が、一昨日の台風による増水で流されたとの情報を得て、確認しにゆく。増水しているものの、自生地周辺は水をかぶった様子もなく、無事だった。丸石河原が冠水した程度のようすだった。

7月24日 片倉
 アブラゼミが鳴いていた。

7月23日夕方 大栗川合流点の多摩川右岸 曇り
 ツバメの集団ねぐら一斉調査日で、本会の担当は狛江・調布地区だが、集団ねぐらがあるのは上河原堰上流の中州のみ。今日はそこが花火大会のため、未調査地区の当地へ。18時30分から19時10分。調査結果:ツバメの集団ねぐらは見られなかった。堤防のり面は除草したばかり。合流点は、多摩川の護岸工事で荒れ地同前。その他はオギやブタクサなどが繁茂して、アシ原はない。18時30分ごろからツバメが5羽周囲を旋回。45分ウシガエルが鳴き始める。47分ツバメ30羽が上空を舞っていたが、上流おそらく府中四谷橋のねぐら方面へ飛んでいった。19時00分そろそろ暗くなったころでも2、3羽のツバメが周囲を飛んでいる声が聞こえた。19時10分コウモリだけになる。ハグロトンボ、ニイニイゼミ、ヒグラシ。
 ダイサギ、ウグイス、セッカ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
7月23日 永田地区から羽村堰右岸 曇り、暑くない
 カワラノギク保全プロジェクト。今日は今年5月に行ったロゼットと実生の調査の追跡調査をした。草丈が伸びて、印をつけた調査区画を探すのが一仕事だった。また、実生が成長して、昨年以前のロゼットとの違いがわかりづらいものもあった。双葉のような小さな実生は日が当たらないためもあってだいぶ枯れていた。30センチ以上に成長しているものや、間違って咲いてタネまでつけてしまった株もあった。カワラハハコは蕾をつけていて元気。メマツヨイグサ、ザボンソウ、ビロードモーズイカ、クルマバナ、ヤブカンゾウなどが満開。アメリカネナシカズラ。長いヘビの抜殻1本。
 K13の自生地は乾燥で元気がなかった。羽村堰下は、夏休みの土曜日とあって、バーベキューをする家族連れなどで賑わっていた。
 ハグロトンボ、ニイニイゼミなど。
 カイツブリ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジバト、ホトトギス、アカゲラ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

7月22日 片倉
 ニイニイゼミが鳴いていた。

7月20日 上河原堰上流左岸 薄曇り、風あり、やや涼しい
 23日に行われる予定の花火大会の準備が始まっていた。堰下の中州は今年も発火場所として使用されるために整地された。堰上流の中州はまだ手つかずだった。右岸寄りのこの中州は昨年よりも大きくなったが、オギが繁茂して、アシは水辺にわずかに生えるだけで、ツバメは寄らなかった。そこから少し下流、堰直上流の大きな中州は変化がないが、オギと柳だけ。それに接続している小さな中州だけが、ここ数年唯一のアシ原を形成している。長さ約150メートルほど。ここがこの辺り一帯のツバメの集団ねぐらになっている。夕方、カイツブリ、アオサギ、コサギ、ゴイサギの幼鳥、カルガモのほか、セッカ、ヒヨドリ、スズメ、ハシブトガラス。堰上の高圧線電線にカワウが124羽。ヤブカンゾウの花。
 17時40分、ツバメ5羽舞う。18時40分コサギ7羽舞う。18時30分より上流方向からツバメが集まり始める。18時45分ツバメ50羽ほど上空を乱舞。ウシガエルが鳴き始める。19時アシ原にツバメが約380羽、19時5分約420羽、19時10分暗くて姿は見えなくなる。昨年同期の半分ぐらいと思われる。

7月18日 片倉 夏日
 ヒグラシが鳴いていた。数からして、数日前から鳴いていたと思われる。

7月14日 上野不忍池 晴れ、暑い
 美術館へ行ったついでに不忍池に蓮を見に行く。富栄養化のためか、葉ばかりが大きい。よく見ると、葉の陰に花がちらほら見られた。

7月13日 羽村堰上流左岸とその近くの蓮田 曇り、一時小雨 涼
 4日間連続13時間自宅に籠もって仕事をして、目がかすみ肩が凝ったので、気分転換に多摩川へ。
 羽村堰上流左岸に広がる丸石河原は、昨年秋の大水で状況が変わったが、カワラニガナは無数と言って良いほどに復元し、近くの「花壇」から脱出したカワラノギクの株も見られる。なんとなく、自生地ならびに永田実験区のそれと形が違うように思える。ちなみに、「カワラノギクの花壇」では、土だけのところに苗を1本ずつ植えてある。これはまったく似て非なる種類と思われる。
 シラサギと思いきや、白いラジコン飛行機が空を静かに舞っていた。
 そのすぐ近くの堤内地は水田が広がるが、その一角に蓮田がある。白蓮と睡蓮はイマイチだが、大賀ハスはきれいな花がたくさん咲いている。すでに咲き終えて蜂の巣のような実をつけているものやこれから咲くつぼみもたくさんある。朝まで雨が降っていたので、蓮の葉に玉水が乗ってきれいだ。

6月27日 万願寺地先多摩川右岸、府中四谷橋上下流多摩川左岸
 曇り、一時小雨。蒸し暑い。シナダレスズメガヤが大繁茂し始めており、カワラサイコやカワラナデシコ、カワラヨモギなどの群落に大量に侵出している。カワラハハコは先月から成長が止まったまま。カワラノギクは、開花しそうな株が2、成長しつつある株が4、育っていない実生が2。カワラナデシコはまだ咲いていない。小さな葉をつけたカワラケツメイが1株。ネジバナ、テリハノイバラ、カワラサイコ満開。
 土手のレンリソウは元気に育っている。堤防のり面植生調査のため、除草を1回分省いてもらっている実験区3箇所を、京浜河川事務所河川環境課と上流出張所の職員ならびに除草業者の立ち会いで確認した。
 現地確認後、河川改修時に保護してもらったノジトラノオの生育状況を確認しに行った。ちょうど満開、予想以上に元気にたくさん花を咲かせており安心した。ラジコン飛行場不法造成地の跡も視察。現在使われていない様子だが、現状復帰させた気配もない。隣接地の不法ゴルフ場では真新しい除草の跡が見られた。
 イカルチドリ、トビ、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス。

6月26日 永田地区多摩川右岸 猛暑
 カワラノギク保全プロジェクト第3回目の除草。明治大学農学部学生が15名ほど参加してくれたので大助かり。猛暑の中の草刈りはつらい。最初に4班に分かれ、自生地の除草、実験地管理用道路上のカワラノギクのマーキング、A工区水辺寄りのイタドリ除草、そして調査を行った。自生地では、一昨年のようなクズの繁茂はなく、イタドリとシナダレスズメガヤ等を刈っただけ。昨年出たロゼットの成長が良い。実験地は広いので風通しが良くて救われる。熱中症で倒れる人が出ないように12時半前に終了。
 ヤブカンゾウ、ネジバナ、ザボンソウ、ビロードモウズイカなど開花。
 イカルチドリ、ホトトギス、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月19日 小作堰〜羽村堰下橋の右岸、〜羽村大橋の左岸、〜永田橋までの右岸
 定例自然観察会。曇りのち晴れ。暑いが、さわやかな風あり。
 小作堰上は水が溜まって、先月見えていた砂州も水の中。堰下手前の中州が大きくなり、下の大切な中州との間に水路がある。この状態だと、いずれ大水が出ると、下の中州は水没するか流出するかもしれない。堰の管理用橋を渡り右岸へ。大荷田川が渡れないと戻らなければならないので車道を経て下流の川へ。あとで確認したら、大荷田川はいまは飛び石で渡れることがわかった。堤防のり面や広大な砂利河原、オギの海などを経て大多摩観光ゴルフ場駐車場先端へ。30年ほど前は、この駐車場付近とニセアカシアの林がある辺りもカワラノギクの大群落があった。いまは川床が下がり、以前は崖をへずった難所≠焉Aかつて水没していた崖下水衝護岸の上を歩いて行ける。そこから羽村取水堰の護岸を経て、堰下橋へ、さらに羽村大橋へ。羽村大橋直下の右岸側は伏流水のために小魚や水辺植物が見られる複雑な地形になっていたが、そこに砂利を不用意にかけたために多くの生物が埋まってしまった。
 鮎釣りの解禁後2度目の日曜日ということもあって、水辺には大勢の釣り人が立ち並び、今回はコサギもカワウもカルガモもいっさい見かけなかった。羽が焦げ茶色のカワトンボが飛んでいた。シオカラトンボはまだ色が薄い。ギシギシやオギにアブラ虫がたくさんついていて、それを食べにテントウムシもいろいろ来ていた。河原にムシトリナデシコが目立つ。河原植物はぜんぜん見られない。ヒメガマの花が咲いていた。ヒロハカワラサイコが草地で小さな花をつけていたのと、羽村堰のコンクリートでテリハノイバラの大群落がいっせいに花を咲かせていたのが印象的だった。羽村大橋直下右岸にビロードモーズイカの小群落。永田橋でクマノミズキの大木に花。
 羽村大橋で解散後、永田の実験区で今月初めに行った除草を移動させる作業をした。すでに葉が落ち腐りかけていたし湿っていたのと、蒸し暑さでつらい仕事だった。これは、実験地の管理用道路にもカワラノギクの実生がたくさん出てきたので、これを保護するための作業。除草した草を放っておくと一帯の富栄養化の原因となるため除去しなければならない。
 イカルチドリ。トビ、オオタカ、キジバト、ホトトギス、イワツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月13日 万願寺地先の多摩川右岸 曇り、のち晴れ
 オニウシノケグサなど土手の草が伸びてきた。クズの蔓もずいぶん伸びた。そろそろ刈ってやらねばならない。ヒメジョオンが咲き、カワラサイコやモジズリ、テリハノイバラ、コゴメバオトギリなど初夏の花が咲いている。レンリソウの花はないが、元気に育っている。堤防小段の草地でゴルフ練習者2名、ラジコン飛行機も飛んでいる。いつものドラマーは今日は休み。無駄なスロープ設置工事は最終段階で手摺りつけ中。
 キジ、ツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

6月5日 多摩川永田地区 曇り、時々晴れ間 涼しいが日が差すと暑い
 カワラノギク保全プロジェクト。除草2。今回は明治大学農学部の学生等の参加があり、総勢25名ほどになった。昨日の経験を踏まえ、端から全部除草していたら、今日の人数でも作業し終えないと思われるので、主としてイタドリを刈り取ることにした。実際にはほかにタケニグサや背丈の高いヨモギ、ウシノケグサ、ピラカンサ、ニセアカシアなども刈り取った。9時45分ごろから、途中昼休みを入れて、14時30分ごろまで作業をして、ようやくA工区全体の除草を終えた。
 その後、近くの集会場で参加者からアンケートをとったほか、明治大学応用植物研究室4年生の芹沢君から、多摩川上流に自生するユキヤナギについての研究発表と質疑応答が1時間ほど行われた。ユキヤナギというと園芸植物というのが一般的印象だったので、多摩川の上流部の岩場に生えているものも、園芸種が逃げ出したものかと思っていたが、そうではなく自生だと知って、これから上流部を歩くときには気をつけて調べてみたいと思った。
 対岸のカニ坂公園で大凧上げ大会が行われていたが、あまり風がなく、上げてもすぐに落ちていた。他方、あきる野市二宮地区で火事があり、河原からも煙が上がっているのが見えた。
 カワウ、コサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、コジュケイ、ホトトギス、カッコウ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

6月4日 多摩川永田地区 曇り
 カワラノギク保全プロジェクト。除草1。昨年の経験から、PJメンバーだけでは無理なので、今回は他団体ならびに一般新聞でボランティアを募集することにした。しかし、広報のタイミングが悪いのと本日雨の予報のため、集まったのはいつものメンバー以下の8人。鎌など50本以上用意したが無駄になった。
 曇っているおかげで作業は順調に進み、まずは最上流から始めて、A工区全体の7分の1を終えた。
 先週はまだ小さかった草もたった1週間でぐんぐん伸びて、ヨモギの群落は〈森〉のように鬱蒼と茂っている。永田実験地区入口付近のヘビイチゴの実はまだたくさんついており、近くにハクビシンと思われる動物の糞が落ちていた。
 コサギ、イカルチドリ、キジ、コジュケイ、ホトトギス、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月29日 立川市栄町地先と府中四谷地区地先の多摩川左岸 晴れ
 京浜河川事務所副所長、調査課長、環境課長、上流出張所長等総勢10人ほどと、多摩川河川環境保全モニター森田英代さん、本会代表柴田で、今年度に予定されている河川改修工事のうち、立川市栄町(中央線鉄橋右岸前後)、同錦町(日野橋左岸前後)、府中市住吉地区(京王線鉄橋左岸前後)の護岸ならびに河道修復工事について現地で説明を受け、協議をした。
 中央線鉄橋右岸前後は直接の水衝部であるうえに人家が接しており危険である上に、河道が固定化して右岸側が深掘れしているため、右岸の護岸強化と、左岸の一部を削って川幅を確保するとともに、左岸の高水敷の植生を多様化させる。錦町地区は、無堤防地帯で洪水時に住宅が浸水する被害が出ているので護岸をする。京王線鉄橋左岸前後も高水敷が浸食されつつあるため低水護岸と本堤防を強固なものに造り替えるという計画。
 多摩川の河川整備計画ができてから河川工事が一挙に増えた感がある。青梅長淵地区のように緊急性に疑問が残る工事もあるし、あまりに教科書風に計画が立てられていて、各地の現状に合わせてという新河川法の主旨に合わない気もする。個別には、中央線鉄橋付近が洪水の際に危険であることは見て知っているが、むかしからここはプール状になっていたし、付近でハヤブサを何度も目撃するほか、谷地川合流点付近はツルヨシが残りカワセミの楽園にもなっている。左岸の高水敷の植生を豊かにするには谷地川合流点の位置を元に戻すとか堤内地から入り込んでいた小川を復活するなどしないと難しいのではないか。錦町地先付近もツルヨシ群落があるが、ここが危険であることは理解できる。付近でゴイサギやササゴイをよく見かけるし、昔は少し上流でよく化石を採った。右岸から砂利を採るというが、日野市が以前からここのグラウンド化をねらっており心配だ。京王線鉄橋付近は、右岸の工事で中州の位置を人為的に変えたから左岸に流れが寄ってきたのであるから、中州の位置を変更すれば左岸の護岸工事は避けられるのではないか。この付近の高水敷は河原植物が豊富で、京浜河川事務所と共同で河原植物を守ってきた歴史がある。本堤防の護岸改良も緊急性に欠ける気がする。というような私見を述べた。
 カワウ、ダイサギ、イカルチドリ、キジ、コジュケイ、キジバト、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ホトトギス、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月28日 多摩川右岸永田地区 晴れのち曇り、やや暑い
 カワラノギク保全プロジェクト。今回は、ロゼットと実生のカウントをおこなった。1メートル四方の枠内にある昨年開花した株と今年開花が予想されるロゼット、小さなロゼット、そして今年芽が出た実生に分けて数えた。実生は多いところでは20センチ四方で300ほどある。実生やロゼットは実験地縁にある作業用道路にも進出。こうして周辺にどんどん自然に広がって行くと良いと思う。実験地で一株カワラノギクが狂い咲きしていた。自生地には実生はほとんど見られないが、去年出たロゼットがたくさん開花しそうだ。
 イタドリがだいぶ大きくなった。ヘビイチゴの実がたくさんなっている。ビロードモーズイカが増えている。去年見つけたカワラハハコがなんとか生きのびている。永田橋下流の水たまりに下水がたまっていたのが気になる。イワツバメがいつもここで泥を採っているからだ。
 グラウンドにはヒロハカワラサイコが地面にはいつくばってたくさん咲いていた。近くの堤防付近には、ツルマンネングサがびっしり生え、草丈の高い側面ではナンテンハギが満開。ノアザミも美しい。ニッコウキスゲが咲いていた。
 ダイサギ、コサギ、アオサギ、イカルチドリ、シギsp、キジ、コジュケイ、キジバト、カワセミ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、エナガ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
 
5月28日16時半 片倉 ホトトギスが鳴く

5月26日 河辺地先の多摩川左岸 快晴、風あり、暑い
 住宅から川に出る道がやけにきれいになっているのが気になった。さらに進むと、踏み跡がかなりきれに整備されているところに出るが、これは数年前からのもの。しかし、水辺の様子はどう見ても不自然で人工的に見えるし、事実、草を抜いて砂を撒いた形跡がある。数年前の大水でこの地域のカワラニガナが全滅しかけたとき、唯一残った場所付近も整地されている。幸いこの地域のカワラニガナはいまや数万株に復帰し、足の踏み場もないほどだが、この地域にも「水辺の楽校」建設が噂されており、遊歩道やらが整備されたらカワラニガナの生育にも影響があるので心配だ。遊歩道を整備すれば周辺の群落が荒らされないというのは尾瀬のような湿原なら理解できるが、どこでも立ち入り自由の多摩川の河原ではそれはありえない。むしろ子どもたちでも一般の人でもそうと知らずに付近を歩き回って数株踏みつぶしても、生育環境が維持されていればすぐに復元するが、人工的に整備したらそれは不可能である。かつて自然にできた池があった辺りを少し掘るぐらいならば良いかもしれないが。
 対岸の護岸工事の騒音が周囲に響く。ムシトリナデシコの花が鮮やかだ。この付近はキササゲの林ができては大水で流されるということを繰り返している。いままた実生がたくさん芽生えている。来年にはキササゲ林が復元しているだろう。テリハノイバラが咲き始めた。お目当てのカワラハハコは見つからなかった。
 イカルチドリ、トビ、コジュケイ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月18日 万願寺地先の多摩川右岸 晴れ、強風
 ニセアカシアの花はすっかり落ち、マツヨイグサもそろそろ終わり。ハナウドはまだ元気。チガヤの白い穂が伸びてきた。ツリガネニンジンは、新芽を山菜摘みで採られたあとヨトウムシに一斉に葉を食べられて茎ばかりが並ぶ。ミヤコグサの黄色が目につく。コウゾリナもたくさん。ブタナやニガナも満開。レンリソウの花が咲いた。小群落のある辺りに踏み跡が多く、気になる。株が若い群落は元気だ。池のキショウブがまだ咲いている。水辺ではオオカワヂシャとセリが満開。久しぶりに秘密の花園≠ヨ行った。途中ノイバラの大群落で、花園への道を飾っていた。花園にはカワラナデシコとハタザオとテリハノイバラがぎっしりと生えているが、かつてあったカワラハハコは見つからない。最後に、日野の市民が育てているカワラノギクの実験地でロゼット8つ確認した。カワラハハコは元気がないのが気になる。堤防付近のボーリング調査は終了していた。無駄なスロープ設置工事が進行中。河川改修工事は未着工。浅川合流点の流れが変わって、下流に大きな中州ができているのが気になる。
 イカルチドリ、トビ、キジ、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、セッカ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月15日 下奥多摩橋〜多摩川橋の多摩川右岸、〜小作堰まで左岸 曇り晴れと雨
 定例自然観察会。今回は下奥多摩橋から小作堰までの3qと短いので、河原植物などをじっくりと観察した。カワラニガナが花やタネをたくさんつけている。オオジシバリ、セリバヒエンソウ、カキドオシ、ヤブタビラコ、トキワハゼなども満開。ニセアカシアやウツギ、マユミ、ミズキなどの木も満開。甘い香りが一帯に漂う。現在多摩川で確認できる3株目としてのカワラハハコを発見。ほかにカワラノギクは順調に生育している。
 左岸のマンション群がますます増え、河岸断崖上の住宅建設もあり、河岸の林がだいぶ減った。さらに右岸長淵地区のどう考えても治水上不要な護岸工事のために河辺林が大量に伐採された。しかも治水上危険度が増すと思える下流部で護岸工事を控えている箇所があり、いっそうその必要性に疑問を覚える。鳶巣川から友田の河川公園までこれまでは崖が迫り通り抜けられなかったが、今回は水辺沿いに歩けるほか、一段高いところに踏み跡があって、車道歩きをせずに済んだ。友田の公園ならびに対岸の青梅市運動場付近はすごい人出。どちらも車で近づけるからだろう。小作堰上流部は今年も浚渫をしたが、水が少なく、おかげで(?)イカルチドリやキアシシギの群れなどを観察することができた。
 むかしは下奥多摩橋周辺で毎回ヤマセミが見られたが、カワウ除けの案山子や崖上に林立するマンション群などにより、ぜんぜん見られなくなった。友田小学校下の崖にしみ出るわき水は、むかしは観察会で乾いた喉を潤したが、いまは崖上に養豚場等が出来て恐くて飲めない。
 涼しかったり暑かったり、曇りだが、時々晴れて、一時俄雨、のち雷雨。
 カワウ、ゴイサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、キアシシギ。トビ、キジ、コジュケイ、キジバト、アオゲラ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

5月13日 関戸橋〜大丸用水堰までの多摩川左岸 曇り、寒いぐらい
 ニセアカシア満開。ノイバラも満開。足元にはアカバナユウゲショウがたくさん咲いている。堤防付近はコウゾリナが満開。堤防のり面の在来植物保護のため草刈り時期を調整して生育を見る実験の2年目で、河川管理者ならびに草刈り業者と現地を確認した。レンリソウやカワラナデシコも芽を出している。
 肉眼で見たかぎりで、カワウ、アオサギ、カルガモ、コチドリ、コアジサシ。キジ、キジバト、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月11日 万願寺地先の多摩川右岸 曇り、さわやか
 堤防に上がるとすぐに目に飛び込んできたのが、一面満開のニセアカシアの花。その下でハナウドの群落がさらに白く染め上げ、土手のハルジオンの白とともに、初夏を感じさせる。そんななかで、今年もマツヨイグサの群落が一斉に花を開いている。その少し下流で、堤防のり面の植物を根こそぎ削ってのスロープ設置工事が行われている。河川工事が行われるときにはたいていは事前に河川管理者から情報が寄せられるが、この工事については何の連絡もなかった(本会会報『川のしんぶん』5月号に河川管理者からのお詫びを掲載)。工事区域があと少し上流だったら、多摩川有数のマツヨイグサの群落がつぶされるところだった。この工事現場のすぐ近くで、地盤調査のボーリングが行われている。この調査は下流から上流まで各地で行われているが、これについては事前連絡があり、この地区では植物保護のために場所を少しずらしてもらった。その他、ニガナも満開、アマドコロも小さな花をつけていた。ツリガネニンジンは今年も「山菜」として新芽が摘まれている。ヒメスイバが土手の景色に爽快感を与えている。ハタザオもたくさん伸びて花をつけている。オオヨシキリが囀り始めた。ホオジロも負けじと鳴いている。
 絶滅危惧種の植物が今年は去年以上に元気に育って花もたくさん咲かせそうで安心した。去年5月下旬に500株ほどの群落を見つけ、それまで何度も調査したのに見落としていた自分を恥じたが、今日その場所をいくら綿密に調べてもやはり見つからない。それで、昨年は見落としではなく、この群落では芽が出るのが遅いだけだとわかり、少し自信を取り戻した。
 カルガモ、キジ、ツバメ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

4月27日 万願寺地先 快晴、風さわやか
 堤防のり面除草のつづき。鎌で刈ったら冬眠中のカエルを傷つけてしまった。
 トビ、キジ、ツバメ、ウグイス、ムクドリ、ハシブトガラス。

4月27日 昭島水辺の楽校、快晴、風強い
 テレビ東京の番組の取材。ビオトープを取り上げた番組の収録。昭島の水辺の楽校では今日も地元の市民が除草・枝払い・整理に来ていた。

4月24日 武相地区の環境問題知りたい実践報告聞きたい会
 府中グリーンプラザにて開催。報告

4月22日 万願寺地先の多摩川右岸 晴れ
 堤防のり面除草のつづき。ピラカンサの新芽に蜂が巣作りを始めていて危険。
 カルガモ、キジ、カワセミ、ツバメ、ウグイス、シジュウカラ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ガビチョウ。

4月20日 万願寺地先の多摩川右岸 雨
 昨年除草を避けてもらった堤防のり面の除草作業のつもりだったが、雨が本降りになり15分で中止に。
 アオサギ、カルガモ、キジ、ツバメ、ウグイス、シジュウカラ、ムクドリ。

4月17日 青梅万年橋から下奥多摩橋までの多摩川 快晴、暑い
 定例自然観察会、今年度は青梅万年橋から河口まで橋を何度も渡りながら2年間かけて歩くことを年間テーマとしている、その最初の会。幸い好天に恵まれ、歩くと暑いぐらいだが、風はさわやかだった。杉花粉はほぼ終わり、いまは檜やその他の花粉が飛んでいるらしい。今日最も多かった花粉はサクラかもしれない。風が吹くたびに花吹雪が舞い、裏山の新緑とあわせてなんとも美しい。カジカガエルがコロコロコロと鳴いている。ヤマメの解禁日なのか、水辺にはずらりと釣り人が並んでいるので、カワセミやカモなど水鳥は少ない。メジロやウグイスの囀りが聞こえる。毎度ながら、カラスによるトビのいじめが空中で何度も見られた。
 釜の淵公園内の林にはニリンソウやマムシグサがたくさん咲いている。調布橋近くの林の縁にはウラシマソウの群落も見られた。カテンソウの花のあたりを触ると実がぽろぽろと落ちるのもおもしろい。
 橋の上から河原を眺めるのは気持ちがよい。万年橋はまだ架け替え工事中。この工事にあたっては事前に環境調査をしたり、現地説明と協議をしてくれたりしたし、現地にも丁寧な説明板があり、工事担当者全員の顔写真なども掲示してあったが、それに比べて、柳淵橋の補強工事は、河川管理者である国からも、工事主体である青梅市都市開発公園緑地課からもいっさい連絡がなく、また重機が丸石河原の中州を走りまわって、どう見ても不必要に整地したあとが縦横に見られた。
 オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、オドリコソウ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、セイヨウタンポポ、ニガイチゴ、ヤマブキ、セリバヒエンソウ、キランソウ、タチツボスミレ、マルバコンロンソウ、カテンソウ、ニリンソウ、マムシグサ、ウラシマソウ、ジロボウエンゴサク、クサノオウ、ショカッサイ、菜の花等々。
 アオサギ、イカルチドリ、トビ、キジバト、カワセミ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。


4月13日 万願寺地先の多摩川 霧雨
 多摩川堤防のり面植生調査を今年度も開始した。
 堤防沿いの桜はそろそろ散り始めている。新緑がきれいだ。カントウタンポポやヒメカンスゲ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウが満開。ワレモコウやカワラナデシコ、ツルボ、ヒロハアマナなどの葉がだいぶ伸びてきたが、ヒロハアマナの花は、曇天ということもあって見られなかった。昨年夏に草刈りをしないでもらったところは枯葉が茂って新芽が出にくくなっているので、近日草刈りをする予定。天気が悪いため、ラジコン飛行機も犬の放し飼いもなく静か。ゴルフの練習をしている人一人と15名ほどの野鳥観察グループ。計画されている河川工事はまだ始まっていない。カワラハハコ3株は元気でなにより。
 カワウ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、キジ、キジバト、カワセミ、ツバメ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。


お断り

 これから4月中旬まで、花粉症のため野外に出られませんので、記事はお休みさせていただきます。
 リンクにある、会員の上田大志さんのページなどをご覧下さい。


3月20日 狛江駅〜弁財天池〜泉竜寺〜日本水道会社門柱跡〜亀塚〜古民家園〜兜塚〜伊豆美神社〜万葉歌碑〜六号用水取水口跡〜狛江五本松〜狛江水害碑
 天気予報はずれて曇りで寒い。定例自然観察会、今年度の年間テーマは多摩川の歴史を歩くことにあったが、今回は文字通りの史跡巡りとなった。しかも、狛江の史跡はどこも自然にあふれ十分自然観察会でありえた。
 多摩川の堤防に出るや、そこで繰り広げられている護岸工事のすさまじさは、計画図面からはおよそ想像できないほどの大規模なもので、はるか上流まで重機が走りまわっている。狛江五本松からの水辺もはるか遠くなり、その少し下流の工事用搬入路の撤収後も、護岸にはめ込まれた石がいくつも破壊されていて、地元住民団体が十分注意するようにと要望した危惧が現実のものとなっていた。そこからしばし緑豊かな堤防を歩き下ると、ふたたび小田急線高架化工事の現場へ。さらに駐車場、運動場と続く殺伐とした光景。三井団地脇の堤防のり面のヒメウズが健在だったことが唯一のなぐさめ。宿河原堰前後の水辺にはいつになく多くのカモが終結していた。
 午後は、近くの狛江市南部地域センターで総会を開いた。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、イカルチドリ、イソシギ、ユリカモメ、ウミネコ。キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 
3月18日 片倉 ウグイス囀り
 
3月12日 羽村大橋下の多摩川右岸 晴れ、暖かい
 カワラノギク保全プロジェクト2005年第2回目は、現地付近で検討されている河道修復計画について、国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所調査課職員等から現地説明を受けた。河道が左岸側に寄って深掘れして治水上危険が高まっているため、河道を拡幅しようという計画だが、現地付近にはカワラノギクの自生地があるため、その調整について、河川管理者ならびにわがPJメンバーとも頭を悩ませている。長期的視野に立って、河原植物が生えやすい環境を造っていくかたちでの河道修復が検討されているが、自生地をいったんつぶしてしまったら、現状では人工的な管理を行うしかないが、それで良いか。現在模型実験等も専門家のもとで行われており、さらに検討を重ねることとした。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、ハイタカ、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、スズメ、ハシブトガラス、など。

3月6日 大丸用水堰左岸端 曇り、寒風
 左岸側魚道改修工事計画について、東京都農業振興事務所振興課農業基盤整備係の担当者より現地説明を受けた。工事用搬入路は、自然に対する負荷が最も少ない最短距離案を採用すること、作業ヤードは計画より少し下流の砂利が敷き詰められている場所とすること、野鳥への影響を極力回避するため右岸寄りの大きな中州へは絶対に立ち入らないこと、そこへの釣り人等の侵入を防ぐ手だてをすること、作業期間は可能な限り短くすることなどについて合意を得た。

1月23日 万願寺地先多摩川右岸、府中四谷橋下流左岸 曇り、寒い
 この冬から春にかけて行われる予定の河川改修工事に関する現地協議会。京浜河川事務所から副所長、計画課長、環境課長ほか十数名、本会会員ほか、日野の自然を守る会、多摩川水系自然保護団体協議会、多摩川河川環境保全モニターが参加した。
 万願寺地先に関しては、一昨年の秋に開かれた現地協議に基づき、新たに線引きされた計画をもとに再度現地協議を行った。河原植物が多く残る地区はそのまま護られることが確認でき安心をした。そこから下流部で、計画通りではカワラヨモギの群落が半分失われることがわかり、計画の変更を検討してもらうことになった。さらに下流のニセアカシア林にエノキとムクノキが多く混ざっているところ、計画最下流部にある大きなヤナギの木なども残す方向で検討してもらうことになった。
 府中四谷橋下流左岸は、右岸側の穿掘防止と左岸側の河原植物復活のため、ツバメの集団ねぐらに影響を与えない範囲で左岸側を一部改修することに決まっているが、いちおう現地確認を行った。来るたびに広くなっている不法のラジコン基地とゴルフ練習場がこの工事で半分削られることになるが、その分アシ原に侵入してこないか心配だ。住居2棟も立ち退きを迫られることになる。
 帰路、府中四谷橋から周囲を眺める。浅川の流れが右岸に沿うかたちになっていた。その右岸の高水敷は護岸設備建設現場になっていた。チョウゲンボウが橋脚ポールでで休憩中。程久保川にコサギが58羽集結していた。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、セグロカモメ。チョウゲンボウ、キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月16日 睦橋から多摩大橋までの多摩川左岸 雨、寒い
 定例自然観察会。大学センター試験日は悪天候と決まっている。今年も例年に漏れずの悪天候で、冷たい雨が一日降り続けた。リーダー〈研修会〉というよりも物好きリーダー親睦会のようなもの。順路が逆だったら、帰りに酒蔵で温めてというところだが、出発したばかりで売店も開いていないのでは始まらない。
 なぜ駐車場を公園の途中や一番奥に造るのか理解できないと来るたびに思う福生南公園を抜け、30年経っても以前汚水を大量に多摩川に流し続けている福生の排水を渡り、河崖で無断耕作を続ける畑を左に見、九ヶ村用水組合用水跡を経て、昭和用水堰へ。水管橋上流右岸の高木に止まるオオタカをじっくり観察。タコノアシを見て、連日の雨で復活したを確認。コゴメヤナギの林、拝島橋、昭島ワンド、日野用水堰改修工事を見つつ、八高線鉄橋前で解散。ここで一行と別れてさらに下流へ。この辺はHLが多い。野火の跡を経て(先週はなかった八高線鉄橋下流右岸の土手際にも野火の跡あり。ほとんど煙草の火の不始末が原因)、恐怖の多摩大橋(歩道が狭すぎて危ない)を渡って右岸へ。
 大水で削られて地層がよく観察できるところがあった。また、いまは木の冬芽を見て楽しむことができる、ひつじ(オニグルミ)がいたりカオナシ(ニワウルシ)がいたり。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、セグロカモメ。トビ、ノスリ、オオタカ、キジバト、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月9日 八高線鉄橋から拝島橋までの多摩川右岸、さらに睦橋までの左岸
 晴れて暖かいが、午後から寒風。国分寺市民による多摩川を歩く会の例会に参加。晴れて、奥多摩の山々が良く見える。日野用水堰付近はいつも来ても良いところだと思う。拝島橋下流にはいつものようにサバイバルゲーマー数十人。通行人が来るとゲームを止めたり、ていねいにみんな挨拶をするなど気を遣っているようす。拝島橋を渡り、下流を見渡す。サギとカワウが集結している。コゴメヤナギの公園を通って、作業用道路が自然を荒らしているのを脇に見、さらに水管橋、昭和用水堰、福生南公園を経て、最後はやっぱり石川酒造へ。暖かいせいか左岸堤防上は大勢の散策者が行き交い驚く。昭和用水堰手前の河原植物が残っている場所に野火の跡あり。途中、秘密の場所(水が干上がっていた)にヒメガマやサンカクイ、タコノアシ十数株が健在で安心した。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、コガモ。トビ、カワセミ、アカゲラ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

1月4日 永田地区 快晴、暖かい
 2005年カワラノギク保全プロジェクトの初日。暮れに続いて、昨年開花した株からのタネの採取。自生地では、1株1頭果のみ採取して、あとで研究者の倉本さんが丈を測ったり頭果数をかぞえたりする予定。A工区付近の自生地に、A工区から採ってきたと思われるタネ付きの株約300本が置かれていた。先月中頃はほんの2、3本だった。また時熟していないものだし、たとえかつての自生地とはいえ草地の上にそのまま置いただけでは発芽しない。それに、自生株と人工飼育株とを完全に混在させてしまい、どれが自生地のものかわからなくなってしまう。誰かが「善意」(?)でカワラノギクを増やそうとしたのかもしれないが、結果的には大量のカワラノギクを野原に捨てて生態系を荒らした、というにすぎない。協議した結果、すべて回収することにした。カワラノギクやノコンギクに来るツツミノガが少し見られた。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、イカルチドリ。トビ、ハイタカ、カワセミ、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、エナガ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。


2005年1月2日 中央線鉄橋から日野用水堰までの多摩川右岸 快晴、暖かい
 毎年正月はこのコースを歩いている。遠望の山が美しい。ひろびろとした空間も気持ちがよい。大晦日の雪がまだたくさん残っているが、今年はとても暖かかった。例年に比べて人の出が少ない。凧揚げに来ている親子はみな、お父さんだけが凧揚げに夢中で子どもは雪で遊んでいる。その他、とくに変わったようすはなかった。この季節以外絶対に入れない場所で激しい藪漕ぎを体験。ウサギの足跡があった。多摩大橋の上流側橋脚がほぼ出来上がっていた。ラジコン飛行機を飛ばす親爺グループが7人。日野用水堰は左岸側が改修中だが、中央の堰が空いているので水がほとんどそこから流れ落ちて、魚道は機能していなかった。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、バン、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、イソシギ。トビ、キジ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。