多摩川の自然のニュース:2001年前期

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系青は他の川等、緑は会議等です。
下線を敷いた件については画像があります。画像は重いです。約1ヶ月で削除します。

7月21〜22日 水源合宿:三条の湯 猛暑
 氷川の河原で昼食。日が射すと肌がチクチク痛むほどの日射。水辺や川のなかには大勢の子どもたち。うらやましい。ミンミンゼミが鳴く。砂利を整えて、瀬と淵がなくなり、自然が単調になったが、子どもたちの水遊びには良くなった。
 時刻が変わって発車した満員バスで、お祭りまで。そこから林道歩き延々3時間。崩れた土砂の除去で3キロ先の片倉沢で車両通行止め。予想に反して日陰の多い林道で、猛暑に遭わずに済む。それでも長い。途中ところどころにある沢で水が飲めるのが救い。イワタバコがあちこちに。サワグルミのタネがぶらさがる。登山口にはナナフシがたくさんいる。奥に入ると、ミヤマカラスアゲハが水たまりに。
 そろそろ雲行きが怪しくなったところでようやく林道の終点。ここから急坂ながらも原生林のなかの山道で気持ちがよい。カツラ、シオジ、イヌブナ、ブナ、ミズナラ、ツガなどの大木があちこちにある。柴田秀久さんの長女(かつら)・次女(しおじ)の名前の由来の木がたくさんあり、それが長男(甲斐)の名前の地にあるので、ご一家はすっかりこの山を気に入っている。
 三条の湯は、最後の急坂をあがったところにある。落ち着くと涼しい。お湯につかると肌がつるつるする。山奥で浸かれるお湯は最高。ビールがうまい。
 雲が出るが、星がたくさん見える。天の川や人工衛星、流れ星も。夜9時過ぎ、仏法僧と鳴くコノハズクの声。陸生蛍が光る。
 翌朝、付近を散策。ミソサザイ、キビタキ、オオルリ、ウグイスなどの声。こんな山奥にもワザビ田がある。ふたたび原生林を眺め、オオルリのさえずりを堪能しながら下山。
 コノハズク、アカゲラ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、カワガラス、ミソサザイ、クロツグミ、ウグイス、キビタキ、オオルリ、コガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カケス、ハシブトガラス。
 サワギク、イワタバコ、キツリフネソウ、ツリフネソウ、ダイコンソウ、ヤマユリ、
 ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、コエゾゼミ、エゾハルゼミ。

7月19日 北朝霞 アブラゼミの鳴き声

7月16日 片倉 猛暑、富士山くっきりと見える。

7月15日(日) 青梅万年橋〜神代橋左岸 利用実態調査 猛暑
 雨で2回延期となった多摩川上流利用実態調査。
 時間10:30〜14:00。調査員森田・山田・上田・寺岡・柴田。気温36.4度。暑いので川で泳ぐ人が大勢いた。
 万年橋上流:釣り21、水遊び70、野外料理4団体、HL1棟
 臨川庭園地先:釣り5、水遊び32、野外料理3団体、駐車9
 和田橋:釣り4、水遊び12、野外料理0
 神代橋:釣り6、水遊び50、野外料理5団体、カヌー9挺
  小計:釣り36、水遊び164、野外料理12団体
 アオサギ、カワセミ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、ソウシチョウ。
 カワラニガナ300株、アカバナユウゲショウ。ハグロトンボ。

7月12日 小作堰〜羽村堰右岸〜羽村草花丘陵〜羽村神社〜満地峠 猛暑
 八王子の最高気温は39度だったそうだが、たぶん多摩川の河原も同じだろう。頭の上から照りつける太陽と地面の丸石河原からの強烈な照り返しで、地獄のよう。それでも、釣り人や日焼け、水遊び、散策する人など、平日でもけっこう人が出ている。
 小作堰から水中を見ると、魚がいっぱい見える。大きなコイもゆったり泳いでいる。水中がうらやましい。
 大荷田川から下流部には池や溝がたくさんあり、小魚が多数見られる。この辺りの丸石河原にはまだ特記するほどの河原植物は回復していない。しかし、カワラバッタがたくさんいる。
 大多摩観光のゴルフ練習所周辺は、なぜこれほど大きな駐車場が必要なのかと思うほどコンクリートで地面が固められ、それでなくても暑いのに、たまらない。むかしはこの辺りはカワラノギクの大群落があったところだが、いまは完全に絶滅した。
 羽村市郷土博物館手前で淵が右岸に寄り、ちょっとの間だが崖をよじることになる。大勢通行するらしく、年々道が広くしっかりしてきている。この下の水辺は風の通り道でとても涼しい。釣り人も大勢見られる。
 羽村堰上流部の水辺は、甲羅干しの若者が集まるところ。3歳ぐらいの女の子もお父さんと一緒に多摩川で泳いでいる。
 ここから、よせば良いのに、羽村草花丘陵に入り、坂を登ったり降りたり、全身汗まみれになって歩く。頂上の羽村神社からの多摩川の眺望はすばらしい。来た甲斐があるが、風が通らないところで、暑くて1分といられない。
 カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、シロチドリ、トビ、キジ、コジュケイ、キジバト、アオゲラ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、イカル、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。       

7月8日 片倉 ニイニイゼミ初鳴き
7月7日 片倉 ヒグラシ初鳴き

7月7日(土) 多摩川洪水攪乱後の河川環境モニター調査に参加
宿河原堰前後左岸、9:10-10:05、曇り、蒸し暑い
 ・狛江市グラウンド周辺は、自然がまったくなくて、相変わらずつまらない。
 ・堰周辺は、今日は水量が若干多く見えた。
 ・緊急時避難用道路は土が剥き出しで、殺伐とした感じがする。
 ・むかしは、堰上流側の水辺も変化に富んでいて楽しかった(左右両岸とも)。いまは、左岸は何もない。年中ボート大会やらなにやらさまざまな行事ばかりして自然が回復することができないからだ。
 ・堰下は、土丹が露出していて、変化に富み、いつ来てもおもしろい。コアジサシ、イソシギ、コチドリ、アオサギ、コサギ、ダイサギ、カワウなどが水辺で餌をとっていた。
 ・堰下から「狛江水辺の学校」までも、池があったりしておもしろいが、今日は魚取りをしている大人がいて、野鳥などは見られなかった。
 ・その他、オオヨシキリ、セグロセキレイ、スズメ、ハシブトガラスが見られた。
調布地先ワンド左岸、10:10-11:00、曇り
 ・調布市が買い取った河川敷は、かつてはさまざまな動植物が多様に生育していたところだが、リバーサイドゴルフ場建設とその後の調布市による人工公園化により、ラジコン飛行機を飛ばすぐらいしか役に立たない空間となってしまった。
 ・ワンドは、上空から見ても(2000年3月)、なかなか良くできていると思う。しかし、近くで見ると、やはりただの釣り堀という印象を拭えない。水辺植物があるだけでも良しとするか。
 ・ヒルガオの小群落が見事だった。
 ・カワウ、カルガモ、コサギ、トビ、ヒバリ、オオヨシキリ、セッカなどが見られた。
府中四谷橋上流左岸、11:45-12:50、曇り、晴れ間あり
 ・橋下の「住民」によると思われる弁当などの空き箱の散乱がすさまじい。
 ・2度の洪水で最も影響が大きかった箇所で、野草の大半が根こそぎ流された。カワラノギクの群落、多摩川の自然を守る会による播種で育った苗もすべて流出した。現在は、昨年の3月に撒いた株が17株ほどオギ原の中で育っている。
 ・カワラサイコの実生が見られた。徐々に自然が回復しつつある。
 ・コサギ、カワウ、カルガモ、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ハシブトガラスなどが見られた。2週間前に水辺を覆い尽くしていたハルシャギクは花期が終わった。
浅川合流点右岸、13:30-14:10、晴れ
 ・本堤防沿いの水たまりには、水辺植物の群落が見られ、カワセミも生息していた。その他、オランダガラシの群落。
 ・浅川との合流点付近にある、カワラサイコやカワラナデシコの群落が健在だった。
 ・浅川の百草の床固めを見学。
 ・根川には、新巻ジャケのような大きなコイが群れていた。
 ・カワウ、コサギ、イワツバメなど。
 ・根川沿いの桜並木で、この夏初めてニイニイゼミの鳴く声を聞いた。
秋川合流点右岸、14:50-15:40、晴れ
 ・夏はオギやツルヨシが繁茂していて通行がやっかい。
 ・三角地点にカワラニガナが297株生えていた。花は終わっている。
 ・水辺はあまり変わらない。植物が繁茂して、砂利河原がだいぶ小さくなってきた。
羽村大橋下右岸、16:00-16:30、晴れ
 ・橋の上から見る限りは、あまり大きな変化は見られない。
永田地区、16:30-17:40、晴れ
 ・羽村大橋下の施設脇の雑木林にハグロトンボ多数。
 ・羽村大橋下は、昨年秋の耐震工事によりアシやオギが1本もなくなり、裸地化している。
 ・工事で出た水を排出した際、下流部にあったカワワニガナの小群落を痛めたが、崖沿いに20株ほど元気に育っていた。
 ・丸石河原に、周辺からじわじわと植物が繁茂し始めている。とくにイヌコリヤナギの実生が目立つ。
 ・永田地区実験地周辺は、工事用道路をちょっと外れるともうオギの大群落に行く手を阻まれる。ネムノキの花が咲いていて、きれいだった。カッコウの鳴き声が聞こえてくる。
 ・カワラノギクの実生は、小さいながら多数見られた。しかし、いまごろこのように小さいと、乾燥や他の植物、カタツムリその他により生育が難しそうだ。
 ・実験地周辺のタコノアシの群落はどちらも健在だった。
 ・カワウ、コサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジ、キジバト、カッコウ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。

7月1日(日) 久地〜二子橋多摩川右岸 快晴、猛暑
 もうこれはぜったいに夏だ、という暑さ。気温は36度を越えたそうだが、それは涼しい百葉箱のなかのこと。多摩川のグラウンドに立てば、体感温度は40度を越える。でも、ちょっと風もあり、蒸し蒸しという感じではない。
 そんな猛暑の中、川崎市が造ったパークゴルフ場を見に行った。猛暑にも関わらず、野球、サッカー、テニス、サイクリング、ジョギング、散策、釣り、と大勢のひとが多摩川に出ているのに驚く。そんな中にあって、一箇所だけ広い空間にひとが数人しかいないという芝地がある。そこが、パークゴルフ場だ。ゴルフは固い球を打つから一度に大勢ではできないことはわかっているが、それにしても数百メートルにわたって多摩川の河川敷を占領していながら、たったの4組み8人しかいないというのは、いかにも不公平感を与える。隣ではその4分の1の広さで大勢の子どもたちがサッカーやボール投げをしているのに。
 この日、もう一つ驚いたのは、堤防上のサイクリングロードをヘルメットをかぶった本格的なスピード疾走用自転車がたくさん走っていることだ。親子連れがのんびりとサイクリングを楽しむというのであれば、歩行者やボーっと立っているひと、野鳥を観察しているひとなどとも共存できるが、高速で突っ走る自転車が何台も狭い堤防上を走る現状は危険きわまりない。かつて東京都が左岸に「むさし野の道」を堤防上に設置するというとき、こういう問題を都の担当者に提起したが、「私も良く多摩川に自転車で行きますが、みんな仲良く走っています」などと答えて、まともに取りあってくれなかったが、あの担当者もいまごろは定年退職して多摩川を歩きながら、つぎつぎと疾駆してくる高速自転車に跳ね飛ばされていることだろう。
 さらに下流に行くと、例によってワイルド・フラワーという名の花壇。二子橋下の水辺に同じ花がたくさん咲いているのは、ここからタネが飛んだものと思われる。
 カワウ、コサギ、カルガモ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、オオヨシキリ、スズメ、ハシブトガラス。

6月28日(木)夕方 宿河原堰右岸
 カワウ、コサギ、カルガモ、コアジサシ、ツバメ、イワツバメ。  

6月28日 今後の多摩川市民フォーラムの活動に関する第1回検討会
 多摩川市民フォーラムは、5月26日に開かれた第9回多摩川流域セミナーの席上で役員交代と、これまで検討してきた市民行動計画が案の段階から実施に移す段階に来たことが告げられた。これを受けて、今後市民フォーラムをどのように運営して行くべきかについて話し合う第1回の検討会が開かれた。いつも批判的意見ばかり述べている柴田も、そんなに言うなら参加して一緒に考えろという意図からか、招かれて参加した。
 あれこれと話し合ったが、あれから4日経って、いまそれについての記事を書こうとして、何が話し合われたか思い出せないことに気が付いた。具体的にはこれから、ということか。
 次回は7月19日夕方から登戸のせせらぎ館で開かれる。

6月23日 府中四谷左岸
 昨年蒔いたカワラノギクの実生が20pから30pに育っているが、周辺のオギが3m以上になっているため、陽があたらなくなった。そこで、倉本宣さんと二人で周辺の草刈りをした。この日確認できたのは17株。この秋にはすべて開花しそうだ。
 ついでに周辺の河原を散策。水辺はほとんどハルシャギクばかり。ほかにも、オオキンケイギクなど園芸植物がいくつか花を咲かせている(一つ初見のもの)。これが下流だったら、すぐに川崎市のワイルドフラワーのせいだと文句でも言いたくなるが、この辺のは誰かがどこかで種をばらまいたためだろう。いくら個々の花はきれいだとしても、これはれっきとした犯罪だと思う。

6月17日 大丸用水堰〜(左岸)〜立日橋〜(右岸)〜中央線鉄橋 晴れ、夏日
 定例自然観察会。梅雨の合間の夏日。すっかり日焼けした。府中本町から線路沿いに歩道を経て、川へ。今回の歩行距離は長いが、頑張って午後3時には無事に日野駅にたどり着いた。
 大丸用水堰下流の府中市運動場の真ん中は芝の養生中。
 府中郷土の森前のニセアカシア林下は、早くもバーベキュー客が集まり始めている。
 対岸の清掃工場の高い塀は、建設中に緑化対策について協議した効果があり、まったく目立たない。協議対象外の下流側の従来の塀がかえって目立つようになった。
 マツムシが群棲する河川敷がいつ災害時緊急避難道路建設でつぶされるか心配。
 河原植物の群落があるところにゴルフをしている中年のおじさん、近づくと後ろめたさがあるのか、やめてしまった。
 関戸橋上流の河川改修で付近の景観が大きく変わった。しかし、これでも、私たちの要望がそれなりに聞き入れられ、河原植物の多くが守られたほう。
 チョウゲンボウの営巣。
 去年蒔いたカワラノギクの元気な姿を確認。
 対岸からラジコン飛行機。
 府中本宿用水堰の水流が変則的。
 中央高速道橋下流で、「清掃中」の張り紙をした車を河川敷に入れ、その近くで揃いの赤いチョッキを着た人たちが、集めたゴミの野焼きをしている。
 国立市営グラウンド周辺は相変わらず駐車場化。
 日野橋下流の中州はどこも一面、園芸種のハルシャギクに占領されている。聞くところによると、これは種数百粒数十円といった単位で売られているそうで、誰かがその辺に撒いたらたちまち拡がる。
 日野橋上流の野球場隣の緑地は野球練習場化している。
 立日橋を渡り左岸へ。堤防のり面はワレモコウ、ノカンゾウ、ウマノアシガタ、アキカラマツなど、四季折々の植物を楽しめるところ。かつては府中四谷の土手もそうだったが、執拗な草刈りと、コゴメバオトギリの跋扈で単調になってしまった。
 カイツブリ、カワウ、ササゴイ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、チドリsp、トビ、チョウゲンボウ、キジ、コジュケイ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。
 カワトンボ、アゲハチョウ。サナエトンボの仲間の抜け殻。
 カワラサイコ、ヒルガオ、コゴメバオトギリ、ノジトラノオ、テリハノイバラ、コマツナギ、ネジバナ、ホタルブクロ、ハルシャギクなどなどが満開。ナワシロイチゴの実が赤く熟する。

6月14日 永田地区河道修復検討会ワーキング・グループ
 永田地区実験地のうち、とくに下流部で、予測に反して礫層が深く掘らないと出てこないことがわかり、計画全体の見直しが迫られたための検討会。深く掘った場合の地下水への影響、水流の力と方向、およびその効果などについて、秋からの工事に向けて各専門分野ごとにさらに調査検討することになった。

6月12日 片倉
 ホタルブクロ満開。

6月10日 NHKアーカイブズ「日曜特集 多摩川」(1974年放送)
 水質が悪化する多摩川、河川敷を造成し水路を直線化する治水工事の進む多摩川、それに立ち向かい、良好な自然環境を守り復元しようとする人たち。その市民運動の中心になっていたのが、わが多摩川の自然を守る会の面々。いまでも多摩川の現場でご活躍中の森田英代さんほか、初代代表市田則孝さん、第二代代表の故横山理子さん、当時川崎側の代表だった岡崎ひろみさん(現姓山下さん)、などなどなつかしい人たちの熱い思いが伝わってきました。それにしても、建設省はかつて治水一辺倒であちこちの河原にブルドーザーを走らせていたことを思い出した。この3月末に策定された「多摩川水系河川整備計画」を見ると隔世の感がある。

6月9日 永田地区河道修復計画カラワノギク実験播種
 カワラノギクの復元のための実験的播種に参加。自然状態と比べて時期が遅いため、指導者である明治大学農学部の倉本宣さんが12000粒の種を事前に1つずつ冠毛を除去した由! 全部で15区画を種々の条件(大きな礫のところ、砂が多いところなどと)につくってあるところへの実験的種蒔き。会からは森田さん、矢萩さん、上田さんが参加。

6月7日 片倉
 朝、ホトトギス1時間ほど鳴く。

6月4日(日) 川井〜数馬峡橋 快晴、風が涼しい
 多摩川利用実態調査の第2回目。多摩川に出る機会は月に何度かあるが、利用実態調査なので、ほとんど誰もいない平日に調査しても仕方がない。そこで、日曜日か休日にということになるが、他の行事と重なりなかなか日程が組めない。今回は多摩川センターの上田大志さんと昭島の子ども会のリーダー伊東茂さんが応援に来てくださった。
 川井駅に電車が着いたとたん、今日は人出が多いぞと思った。というのは、ホームに若者たちが溢れていたからだ。しかし、雰囲気からすると、彼・彼女たちはもう帰宅するところらしい。
 新しい吊り橋の梅沢橋から多摩川を見おろすと、河原には昨夜からキャンプしていたらしい若者たちが大勢たむろしている。男女混合グループ、女子大学生のグループなどに混じって家族連れも見られる。地域の景観を台無しにしたと思われるこの巨大な橋が出来て、川井のキャンプ場ももう終わりかと思ったが、意外やむかしと変わらぬほどの賑わい。駅から近いというのが最大のメリットだろう。
 11時5分から20分の間に数えた人数は、釣り10名、水遊び27名、野外料理や河原での団らん319名、散策している人13名、計369名。
 川井から次の万世橋までは青梅街道を歩くしかない。万世橋も駅前だが、こちらは川へ降りるのが容易でないために、周辺には釣り人が2、3名いるだけ。右岸に渡り、民家が数件ある山沿いの道を歩く。遠くに採石場が見える。途中、河原への急坂を下って水辺へ。ニッコウキスゲがきれいに咲いている。ニガナも満開。最も目立つのはマタタビの白い葉だ。寸庭橋から越沢に入り、ホタル生息地という看板を見つつ急坂を上る。コアジサイの花がきれいだ。峠に立つと、対岸の棚沢の集落が良く見渡せる。御岳から降りてくるハイカーとともに鳩ノ巣へ。
 鳩ノ巣渓谷にはいると、ふたたび観光客が増える。この辺は野外料理が禁止されているのか、煙を立てている人はいない。前号で環境に留意していると誉めた白丸ダムの魚道が見えてきた。ちょっと誉めすぎたなと反省。少なくともいまは、下から見てもなんだありゃ、という違和感を覚える。ダムの上で、韓国人技師を案内中の京浜工事事務所上流出張所長と会う。休日出勤ご苦労様。ダム直下の川の中には標識をつけた元気のないヤマメが数匹見える。魚道に入るか否かの実験用だろうか。
 例年よりも水かさの増した白丸湖を見つつ、終点は俗化した数馬峡橋。
 万世橋から雲仙橋まで(11時45分から13時30分):釣り2名、水遊び0名、野外料理や河原での団らん52名、散策19名、自然観察4名、計77名。
 雲仙橋から数馬峡橋まで(13時45分から14時35分):釣り12名、カヌー12名、野外料理や団らん15名、散策149名、自然観察11名、計199名。
 川井から白丸まで合計645名。
 カルガモ、キジバト、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワガラス、ウグイス、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、カケス、ハシブトガラス。
 カワトンボ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ。

5月28日 百草床止〜府中四谷橋〜府中五本松
 浅川勉強会の山本さんから早く見に行けと言われた浅川百草床止を早速見に行った。工事はほぼ終わっていた。以前より倍ぐらい広くなった床止のブロックの間を水が音を立てて流れている。床止の下流部が大きくプールになっており、これは治水のためらしいが、何の事前説明もなかったと山本さんたちは怒っている。魚にとっては住み易そうだった。少年たちが盛んに石投げをしていたから住み難いかもしれない。
この工事の影響で程久保川の水が減りワンドが干上がったとのことだったが、昨日の大雨のためか水量はいつも通りだった。
 府中四谷橋近くに去年種蒔きしたカワラノギクは大きく育っていたが、周囲のオギなども大きくて手入れをしないと負けそうだ。府中五本松付近のカワラノギクも、去年植えたものはいま26株ほど成長し、その半数はこの秋開花しそうに見えた。この春撒いたタネは、先月全然芽が出ていないと倉本氏から知らされていたが、残念ながらいまも1本も見つからない。
 コゴメバオトギリとツルマンネングサがたくさん咲いている。チガヤの穂が銀色に光ってきれいだ。カワラサイコはまだ咲いていない。
 カワウ、コサギ、アオサギ3、カルガモ、イカルチドリ、トビ、キジ、キジバト、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

5月26日 第9回多摩川流域セミナー
 「多摩川のみらいプランと今後の多摩川での取り組み」と題した第9回多摩川流域セミナー(多摩川流域懇談会主催)が東京農業大学で開かれた。
 最初に、多摩川流域懇談会運営委員長の横山十四男氏から開会の挨拶があったあと、氏は今回を以て引退し、後任に井田安弘氏を選任した旨の委員会報告があった。
 その後、多摩川市民フォーラム作成の「市民行動計画」と、この3月30日に法的に制定された「多摩川水系河川整備計画」の紹介がなされ、続いて「今後の多摩川での取り組み」について意見交換が行われた。この両計画をさらに積極的に多摩川流域および全国に周知宣伝する必要性、この懇談会は個別的な問題解決よりも〈ゆるやかな合意形成〉を図る場であるので大枠の多摩川概念の共有化を目指すことの2点が確認された。参加者は70名ほどだったが、いつもに比べ流域自治体職員の欠席が目立った。
 懇親会の席上、会議の際に後日の課題として残した、後継者育成のための「資格付与」について幾人かと話をした。河川環境モニターやレンジャーなどに資格を与えるという発想は、有資格者のみを相手とするといった行政の動きに見られるように、長年の市民運動の活動を制約ないし否定することにつながらないかとの懸念があるが、資格付与賛成意見によると、後継者養成のために必要であり、資格付与の基準は行政ではなくわれわれが決めるし、しかも適用範囲は多摩川に限定するので心配ないということだった。
 個人的感想としては、これまで本会や多摩川水系自然保護団体協議会加盟諸団体などが行ってきた個別的な諸問題を解決したり、「多摩川水系河川整備計画」の実現のための個別的な諸施策などを議論する場として懇談会なりセミナーなりを生かしたいと思うが、個別的問題は〈ゆるやかな合意形成〉というスタンスでは解決できない場合も多いし、懇談会やセミナー、事務局担当の多摩川センターなどはいずれもいわゆる自然保護団体でもなければ住民運動団体でもないので、本会としては、こことのついあきは別にすれば、従来通りの活動を今後とも続けざるを得ないかと思った。

5月20日 青梅万年橋〜小作堰 快晴、夏日
 多摩川定例自然観察会。青梅万年橋から上流を見おろしたのち、下流左岸へ。
 柳淵橋から右岸へ渡り、鮎美橋から周囲を眺め(野外料理を楽しむ人など多数)、博物館横を段丘に上り、いったん車道を経て清美川手前を河原へ。
 調布橋へ上り、左岸へ。途中から河原に出て(下水が多摩川に流れ出るところで、洗剤の泡が大きく盛り上がっていた)、藪こぎをしつつ下奥多摩橋まで。淵で行き止まりなので竹林の中の小道をよじ登り、住宅地を経て下奥多摩橋へ。右岸に渡り、川沿いに下流へ鳶巣川まで。カワウ除けのカカシが多数。そこにカスミ網までついており、どうりでいつも見られるヤマセミがいないわけだと妙に納得。このカワウ除けは漁協と日本野鳥の会などが加わって作っているそうだが、ヤマセミやカワセミへの影響をどのように考えているのだろうか?
 さて、そこで行き止まりなので、車道に上り、友田小学校脇からふたたび河原に出て、流れの変わった石河原を歩いて、圏央道橋をくぐる。対岸の崖淵にカワラニガナがたくさん咲いている。友田水管橋を経て左岸へ。そこから多摩川橋脇を河原に降り、小作堰浄水場手前から住宅地に戻って、あとは雑木林公園を経て小作駅へ。
 途中、カワラニガナの大群落が2箇所で見られた。この辺り一帯はセリバヒエンソウだらけ。キショウブ満開、ウワミズザクラ咲き終わり。
 カワウ1、アオサギ1、カルガモ、イカルチドリ、トビ多、キジ、キジバト多、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ多、セグロセキレイ多、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。

5月19日 狭山湖
 去年の春に上空から見たら、水がすっかり抜かれ、小さな池程度しか残っていなかった。久しぶりにその後の様子を見に行った。まさかまだ工事中だとは思わなかった。いまも高いフェンスですっかり囲まれ、湖水はほとんど見えない。がっかりしていたら、5月19日付『アサヒタウンズ』紙に関連記事が掲載された。それによると、来年11月ごろにようやく完成し、つづいて多摩湖の工事に入る、とか。ちなみに、これは堰堤の耐震補強工事なのだが、地元自然保護団体から無駄ではないかとの疑問の声があがっている由。同感。

5月17日 片倉
 夜10時過ぎ、ホトトギスの囀り。

5月16日 片倉
 ソウシチョウの囀り。クロツグミとキビタキが一緒に鳴いているような元気な声。

5月13日 青梅万年橋架替工事に伴う環境調査始まる
 5月11日付で東京都西多摩建設事務所より届いた通知によると、本会などが要望していた標記環境調査を、万年橋上下流区域約850mの植物・陸上昆虫・鳥類・魚介類について春から秋にかけて実施する。調査結果とりまとめ後に工事計画等を検討するとのことで、本会としては、調査後にそれを踏まえて工事計画等について協議する場を設けて欲しいと要望した。

5月12/13日 芦ヶ久保〜正丸峠 快晴
 夕方芦ヶ久保駅から山荘まで、翌朝正丸峠越え。ウツギ、ミツバウツギ、ノリウツギ、ミズキ、ニリンソウ、クサノオウ、オオジシバリ、マムシグサなど。ザゼンソウの自生地では大きな葉になった株が一面に広がっている。  キジバト、ツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、コルリ、クロツグミ多、ウグイス多、センダイムシクイ多、キビタキ、オオルリ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、カケス、ハシブトガラス。

5月10日(木) 永田橋上流右岸 曇り、のち雨
 河川生態学術研究のため、永田橋上流右岸のニセアカシア林の一部が引き倒され、切り払われ、また、砂利の掘り起こしが行われるなどしているが、なかなか当初の予想通りには行かず、自然の複雑さを目の当たりにしているのが現状。実験地ではまだ、周囲の柵の設置、ニセアカシアの枝の除去、河原植物育成実験地造成などが行われている。どこかの研究者グループの現地視察も行われていた。
 タコノアシなどのある水たまりの状況が心配だったが、無事だった。いつも通る小道が使えなくなったので、柵沿いに歩くが、前よりも水路が増えた気がする。あちこちで水路を飛び越さなければならなかった。比較的大きめの池にはキショウブの群落があり、黄色の花をたくさん咲かせている。オオフサモの繁茂もすごい。ニセアカシアやミズキの花が満開。縁の林ではエゴノキの花も満開。
 オオヨシキリの大合唱が聞こえる。しかし、雨のせいか、野鳥の種類は少ない。  ダイサギ、アオサギ、キジ、キジバト、コゲラ、イワツバメ多、キセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ多、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ多、ハシブトガラス、ソウシチョウ。

5月5日(休) 御岳渓谷 曇り、晴れ間あり
 多摩川上流利用実態調査の第二地区として、軍畑大橋から御岳丹縄までを調査した。大型連休で、青梅線は通勤ラッシュ同然の混雑。
 軍畑大橋から沢井のままごと屋がある楓橋までは、時間がまだ早いこともあって( 10時30分から11時10分)、散策52、釣り31、野外料理63、カヌー14、合計160人とまあまあ予想通りの人出。しかし、昼が近づくに従って続々と人が増え、散策路の人は途切れることがない。御岳駅近くの河原や、丹縄手前の奥多摩フィッシングセンター付近は湘南海岸のような賑わい。釣り堀で釣り竿を垂らしている人約200名、散策路を歩く人152名、河原で野外料理をしたり遊んだりしている人567名以上、など詳細は不明。
 軍畑大橋から丹縄までの合計は、散策909、釣り(釣り堀を含む)269、野外料理(釣り堀客を含む)906、カヌー88、合計2172人。帰路の電車も午後2時半ですでに満員。
 散策路沿いに飲食店やお土産屋が増えた。
 カヌーや釣り人などが大勢いるので、水鳥は、多数のアイガモ以外はお留守。トビ、コゲラ、キセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、ムクドリ、ハシブトガラス。
 カントウタンポポ、セイヨウタンポポ、ヤブタビラコ、ハルノノゲシ、ニガナ、オオジシバリ、クサノオウ、イヌガラシ、セリバヒエンソウ、カワラビシャク、ウツギ、ヤマアジサイ、ほか。

5月2日 白丸ダム・青梅万年橋・日野用水堰左岸 曇り、一時霧雨
 国土交通省京浜工事事務所上流出張所長の案内で、標記箇所を視察。
 まず、白丸ダムに新しくできた魚道を見学。昨年12月25日から通水が行われ、来年3月末に東京都に移管される予定のこの魚道は、鳩ノ巣渓谷から階段状(アイスハーバー型)に全長351m登ってダム上流貯水池までヤマメやサクラマス、アユなどを誘導しようというもの。縦坑から降り、さらに魚道に沿って入り口つまりダムの下まで降りた。魚道のまわりの岩は在来の岩盤と人工岩とのミックスだそうだが、言われなければわからないほどよくできている。人工岩には窪みや切れ目も多数あり、そこに土が溜まって草が生えることが期待されている。ダムの上から見ると魚道がよく見えるが、渓谷の遊歩道からはわからないように景観維持に配慮されている。
 ウツギの花がたくさん咲いていた。カルガモ、トビ、アオゲラ、イワツバメ、キセキレイ、カワガラス、ウグイス、オオルリ、ホオジロ。
 青梅万年橋。下流川の橋脚架け替えが計画されている。春祭りの山車が繰り出している。鮎美橋周辺は野外料理をする人、釣りをする人などが寒さにかかわらず楽しんでいた。近くのマンション建設が進む。
 昭島市の市民グループが計画しているワンド予定地を見学。古い地図を見ると小さなワンドがここ(日野用水堰上流部)にかつてあったことがわかる。中央の中州にはいつも野鳥がたくさん生息している。足下にはウキヤガラの群落がある。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、トビ、キジ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

4月21〜22日 山中湖 濃霧、翌日晴れ
 バスで通過した谷村・都留あたりは萌葱色の新緑が美しく、ところどころにヤマザクラも見える。ところが、山中湖に着いたら、そこはまだコブシが満開の早春だった。

4月20日 朝霞市岡の黒目川 快晴、夏空
 社会学部社会文化システム論基礎演習の学生たちを連れて、大学の近くを流れる黒目川を歩いた。
 河川改修をしたり、堤防嵩上げをしたりした後なので、帰化植物ばかりかと思っていたら、予想外に在来種があった。カントウタンポポとセイヨウタンポポの比率は3対6ぐらい。ほかに、ゲンノショウコ、カラスノエンドウ、スミレ、ホトケノザ、イタドリなど。もちろん、アメリカフウロ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、ハルジオン、アカツメクサ、オオジシバリ、カキネガラシ、セイヨウカラシナ、オニノゲシ、ナガバギシギシ、ヘラオオバコ、オランダミミナグサ、カラスムギ、ネズミムギなどの方が多い。
 カワウ2、カルガモ4、コガモ6、オナガガモ♀1、キジバト、ツバメ、イワツバメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。イワツバメばかりかと思っていたら、ツバメも案外といた。色鯉多数。

4月18日 越沢
 鳩ノ巣駅から多摩川の橋を渡り右岸へ、城山キャンプ場を経て越沢へ。新緑が美しい。キブシやヤマブキ、ミツバツツジのほか、中腹ではヤマザクラの花がまだ満開。
 ニリンソウ、タチツボスミレやケマルバスミレ、ナガバノスミレサイシン、ウラシマソウ、キケマン、ヒトリシズカ、クサノオウなどの花が足下に咲いている。
 アオバト、キセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、ウグイス、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、カケス、ハシボソガラス。  

花粉飛散シーズンのため、調査休止。

3月25日 和泉多摩川 晴れ 定例自然観察会、午後は総会
 多摩水道橋架替工事が終わり、26日からの開通を前に下流側の橋を市民に開放するお祭りがあったので、たいへんな人出。橋の上では狛江と川崎の市民対抗綱引き大会が開かれ、グラウンドでは気球乗りや屋台、フリマなどが見られた。
 そんな人の群れを避け、われわれは下流の「水辺の学校」へ。宿河原堰改築後、堰周辺の左岸水辺はじつにつまらなくなった。かつて伏流水が出てコガマが生えていたところはいまや、災害時用緊急道路の敷設もあり、草一本生えてないただの雑然とした空間と化した。「水辺の学校」という発想そのものは悪くないが、堤防から大げさな通路が出来、わざとらしい柳が列をなして植えられている。これに緊急道路に植えられたユキヤナギと合わせ見ると、その俗悪さに涙が出てくる。早く夏になって雑草が生い茂るのを待つのみ。
 狛江五本松前の西河原公園の桜は五分咲き。今度の日曜日は花見客でにぎわうだろう。柳の新芽が出て、春を思わせる。その新芽をついばみにヒヨドリやカラスが集まる。しかし、府中ではたくさん見たイワツバメはまだここには来ていない。
 カイツブリ、カワウ多、ダイサギ(夏羽)、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、コチドリ、ユリカモメ、ウミネコ、トビ、キジバト、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス(へたな囀り)、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月22日 府中四谷で、カワラノギクの種蒔き
 府中四谷橋建設のために失われたカワラノギクの復活計画の一環で、昨年撒いたタネが発芽して咲いた花から取れたタネ17粒50袋を、カワラノギク研究家で明治大学農学部の倉本宣さんの指導により新たに蒔いた。蒔くといっても、ばら撒くのではなく、これまでの経験に従い、石の脇に埋め込むもの。昨年撒いたタネから発芽・成長したロゼットも数十株元気に育っていて嬉しい。今年は去年以上に花を咲かせそうだ。
 カワウ、コサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、チョウゲンボウ、コジュケイ、キジバト、イワツバメ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ツグミ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月21日 黒目川でイワツバメ
 花粉症で外出自粛状態だったが、久しぶりに外に出たら、いつのまにかイワツバメの大群が戻ってきていた。

3月19日 雄大な流れ、阿賀野川
 仕事で磐越西線咲花へ出かけた。辺り一帯にまだ雪が残る。宿の目の前に阿賀野川が流れている。百メートル近い川幅いっぱいに水が音もなく力強く流れている。ドイツのライン川を思い出させる。宿の人の話では、一年中砂利河原を見たことがないとのこと。大井川を筆頭にいまではどこも涸川ばかり、多摩川でも河川敷や中州が目立つこの日本で、これだけ雄大に流れる川があったかと感動した。温泉も良いし、料理もうまい。雪野原を走る蒸気機関車(試運転)も見られたし、仕事もはかどったし、と満足の旅行だった。

3月3日(土) 永田橋上流右岸 晴れ
 京都大学総合科学部の瀬戸口氏と東京学芸大学教育学部の岡崎氏とが協同して多摩川のタコノアシの調査を行うというので、永田地区を案内し、午後に開かれた河川学術研究会多摩川グループの研究発表会で、メンバーに紹介した。今後協力して研究を進める予定。
 研究発表会では、研究概要、カワラノギクの生態、土木から見た河川環境の変遷、今回の礫河原造成などについての話があり、地元住民を含め意見交換が行われた。河道が固定すると、低い所はますます掘られ、高い所には土砂がますます堆積するメカニズムの話がとくにおもしろかった。
 永田橋の耐震補強工事が始まった。植生管理工事予定地に印が付けられ、工事間近の状況。
 山階鳥類研究所の野鳥捕獲調査が行われており、あちこちに網が張られている。
 カワラノギク自生地周辺に新たにHLホームが2棟でき、準備中(?)も含めると3棟。自生地にゴミがいくつか散乱し、かなりまずい状況。
 カワウ多、ダイサギ、コサギ、カルガモ、イカルチドリ4、セグロカモメ2、トビ、キジ、キジバト、カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

2月28日(水) 日野橋周辺右岸 曇り
 立日橋を渡るモノレールから多摩川を見下ろすと、右岸から汚い下水が多摩川に流れ込むのがよく見える。その影響もあり、日野橋辺りでは多摩川から泡が出ていてどぶ臭い。
 防火のため毎年冬にオギが広く刈られている。その影響もあり、野鳥が少ない。
 堤防に沿って作られた遊歩道が荒れて無意味化している。そもそもこの場所にこんなものは不要なのだ。よく踏みしめられた土の道の方がはるかに歩きやすい。
 日野橋の下流に小さな池があるが、水は腐っている。
 カイツブリ、カワウ多、コサギ、カルガモ、コガモ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ多、ハシブトガラス。

2月25日(日) 荒川堀切橋〜四ツ木橋左岸〜木根川橋右岸〜平井大橋左岸  快晴、寒風強
 定例自然観察会
 先日の暖かさが嘘のような寒風が吹きすさぶ。「頭を冷やしてこい」どころか、脳味噌が凍りそう。高速道路橋に風が遮られたところの綾瀬川にキンクロハジロやヒドリガモが水に潜ったり餌をついばんだりしている。
 四ツ木橋から木根川橋の間は護岸工事で通れないので右岸へ渡る。京成押上線鉄橋下にヒヌマイトトンボの保護区があり、鉄橋補強工事もそこを避けて行われているが、隣の沖釣り船着き場の前が駐車場になっていて台無し。
 葛飾ハープ橋地先から下流へワンドや池が並び、カモやカワウが休み、ヒメガマの穂が風に揺れている。
 カワウ多、コサギ、カルガモ、コガモ少、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ多、ユリカモメ多、ウミネコ、ハクセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、ツグミ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2月23日(金) 新井橋〜浅川合流点〜多摩川右岸新日野橋 快晴、春の陽気
 高幡不動駅から新井橋まではモノレール沿いに広い道を歩く。むかし歩いた道がどこだかまったくわからなくなった。
 新井橋から下流の浅川は護岸工事が大々的に行われていて見るも無惨な光景。右岸に人家が迫っており洪水の危険があるとわかるので反対はできない。新井床止めは完成し、いまは百草床止め建設中。根川と浅川との合流点には河原植物があるが、そのぎりぎりのところで重機が動いて土砂を削っている。
 根川を渡り、多摩川との合流点へ。河川敷に小さな畑が作られている。浅川・根川・多摩川の合流点に、軽トラック1台分の粗大ゴミが流れ着いていて、ひどく汚い。工事用三角錐標識などもある。水質はいずれの川も汚い。水辺に野鳥がいない。
 ここから多摩川上流方面は、多摩川有数の低草木地帯で気持ちがよい。ただし、平日でもラジコンが飛んでいる。モトクロスがいなくなっただけでも幸いだ。
 新日野橋工事が進み、両岸の河川敷にはすでに橋が架かっている。
 花粉の飛散量が増えてきたので、万願寺からモノレールに乗って帰る。
 カワウ、コサギ、アオサギ、カルガモ、イカルチドリ、ユリカモメ、トビ、キジバト、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2月21日(水) 柳淵橋〜青梅万年橋上流水神左岸 快晴、暖
 青梅付近多摩川の水質悪化原因調査。柳淵橋手前左岸大規模マンション工事進む。左岸の61q標識を探して崖を上るが、依然不明。付近の立木が数本伐採されている。
 川縁の石が10センチほど白く汚れている。川の中はとくに汚れているとは言えない。釜の淵周辺の浅瀬は石にいろいろなものが苔状類が付着して、乾燥している所は白濁している。調布橋周辺と比べるときれいな方だが、この辺まで汚れたことがわかる。崖沿いに上流方向へ歩くが、途中階段があるところで大岩があり行き止まり。ヤマセミが2羽キャラキャラと鳴きながら飛んできて木の枝にとまる。冠毛を高く逆立てていて風格がある。
 万年橋の補強工事は地味に行われており、これが汚染の原因とは言えない。橋の上流にHL1人。
 小川があるが、いまは多摩川縁に迂回すれば渡れる。この小川は少し上流で伏流水が湧き出してできたもので、水はきれいだ。対岸は護岸工事中。水神の下のたまりの水はきれいなので、青梅の水質悪化は青梅万年橋から多摩川橋までの間に限られていることがわかる。しかし、原因は不明。
 水神近くでアトリの小さな群れに出会う。
 カワウ1、ダイサギ1、コサギ1、アオサギ1、キジバト、ヤマセミ2、アカゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、シジュウカラ、カシラダカ、カワラヒワ、アトリ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

2月19日(日) 矢川緑地〜城山 快晴、暖
 国分寺多摩川を歩く会の例会に参加し、矢川緑地〜青柳段丘とママ下用水〜城山を歩いた。
 矢川緑地は矢川駅から立川方面に500メートルほど戻った所にある。東京都に自然環境保全地域に指定されており、清流が流れている。矢川の水中にはナガエミクリがたくさん生えている。カルガモがあちこちで休んでいるが、近づいてもまったく逃げない。キセキレイもたくさんいる。
 矢川は清流のまま雑木林、畑、住宅地、公園、小学校などの脇を流れて滝野川学園の敷地内を抜けて中央高速道方面に流れている。青柳崖線の下は細いが矢川よりもさらにきれいな清流が流れている。崖から泉が滾々と湧き出ている。田んぼの畦にはオオイヌノフグリやホトケノザ、ナズナなどが花を咲かせている。地下に展示場があるくにたち郷土文化館を経て、ハケの道沿いに城山の国立市古民家へ。
 多摩川の自然を守るのもたいへんだが、こういう小さな清流を維持する方がもっと大変かもしれないと思った。
 コサギ、カルガモ、キジバト、コゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。

2月16日 第7回永田地区河道修復計画に関するワーキングに参加
 河川生態学術研究委員会とリンクする上記ワーキングが開かれ、近々始まる多摩川永田地区の河道修復工事で行うモニタリングの確認をしたあと、掘削の程度について協議した。
 1970年代の礫質土層まで掘ると地形が起伏に富み多様性が期待できるが周辺の地下水位より低くなる箇所があり池を涸らしたり小川の水路を変えかねない。一定程度の高さにして均すと簡単には土砂に埋め戻らされずに済むが礫が不足するので他所から持って来ざるをえないなど、どちらも一長一短ある。ニセアカシアの根の深さを測りながら、残せる場所で砂礫を残し、島状に台地を設ける案を煮詰めることになった。
 なお、3月3日(土)午後2時から福生市民会館で、河川学術研究会多摩川研究グループによる発表会が行われ、そこで礫河原造成について計画が公表される予定。

2月15日(木) 昭和用水堰〜拝島橋下流左岸 快晴、暖
 拝島駅から拝島高校まで徒歩遠い。拝島橋から昭島駅まで徒歩遠い。この辺は多摩川沿いで交通の便が最も悪いうちの一つ。
 昭和用水堰は魚道ならびに補強工事中。その手前の土手は希少植物が生えているところだが、光ファイバーケーブル埋設工事の際、掘った土をそのまま土手斜面にばらまいたらしく、土がかぶせられている。春になって芽が出るか心配だ。
 堤防から奥秩父の山並みがきれいに見える。昨夜の雪で白銀の世界。堤防から30歳前後の女性2人、さらにその先にも10人ほどの男女がビデオカメラを持って立っている。カルチャーセンターの講座かと思ったら、土手を100人ほどの小学生がマラソン大会で走ってきた。この人たちは我が子の勇姿(?)を撮ろうとする父母だった。
 水管橋の前後、ふだん入れないオギやブタクサの広野原が冬枯れのため自由に歩けておもしろい。秘密の池が干上がって、水が4分の1ほどしかない。ホオジロのような顔で頬や喉が黄色く冠毛を高く立て胸に逆三角模様がある野鳥が1羽、地面で餌をついばんでいた。ミヤマホオジロだと思う。過去にも多摩川で記録がある。
 拝島橋上流部、ニセアカシアの大木の根回りが大水の際に大きく掘られた跡があちこちで見られる。河原のニセアカシアを目の敵にする植物学者や河川管理者が、保護派にこの光景を見せたら、抜根もやむなしと説得できるかもしれない。
 拝島橋を過ぎてしばらくすると、水辺は行き止まり。ワンドと下水があるからだ。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、カルガモ、コガモ、セグロカモメ、トビ、ヒメアマツバメ約50、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、ミヤマホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ソウシチョウ。

2月11日(日) 圏央道橋上流右岸と小作堰上流左岸
 快晴、暖
 青梅付近の水の汚れは圏央道橋付近からだとの情報があり、見に行く。
 小作堰の浚渫工事は終わっており、釣り人に尋ねてもいつもと同じとの返事で、堰による直接的影響は考えにくい。他方、圏央道橋上流部で、水が汚れ、乾いた水辺の石が白くなっている。しかし、圏央道橋下流にある石も汚れで白くなっているところもあり、また、工事は現在橋の上で行われていて、橋の工事が多摩川の水を大量に汚染する原因であるとは考えにくい。結局、今日の調査では原因はわからなかった。
 小作堰貯水槽上流端フェンス近く、釣り堀隣接地で56q標柱を発見。建設省の地図に書かれている位置とかなり異なり、いままで見つけられなかった。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、トビ、キジ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。
 釣り堀前の土手でオオイヌノフグリの花が30ほど咲いていた。

2月9日(金) 青梅鮎美橋〜下奥多摩橋下流の多摩川右岸
 曇りのち晴れ、風冷
 鮎美橋塗り替え工事中。調布橋上流右岸の林は「私有地につき立入禁止」の柵が設けられている。
 鮎美橋から調布橋までの右岸の通行は最後の大岩のところがかなり厳しい。無理すれば通れるが、落下したら5m下は淵。
 多摩川の水辺がどぶ臭い。見ると、水際の河原の石に黒いヘドロのようなものがたくさんついており、乾燥した部分は白くなっている。水位10pほどの汚水が流された模様で、下奥多摩橋下流まで続いている。あるいは、小作堰浚渫工事で水流が狭められているところに積雪が加わりせき止められて水が貯まり腐ったのかもしれない。
 カワウ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、イカルチドリ、トビ、キジバト、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、カシラダカ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス。

2月6日 第5回多摩川流域委員会開催
 多摩川水系河川整備計画計画原案について審議してきた本委員会の、計画策定段階での最後の委員会が開かれた。当日、本委員会と多摩川流域セミナー等で出されたさまざまな意見が盛り込まれた修正案が提示された。これでこの計画は最後の法定作業に入ることになる。会議ではまだまだ誤字や不適切な表現が残っているとの指摘が続いた。それでも、多摩川の自然環境保持に向けた法定計画が新たにスタートするに至ったことは喜ばしい。しかしもちろん問題はこれからであり、これをどのように現場で活かして行くかにさっそく取りかからなければならない。→多摩川市民フォーラム「市民行動計画」について

2月4日 荒川堀切橋〜平井大橋左岸
 晴れ、寒風強
 堀切からすぐに橋を渡り、野球場復旧工事現場を横切って水辺に出またが、じきに高いフェンスの柵があり、行き止まり。河川敷は野球場と工事中立入禁止区域ばかりでつまらないので、堤防に上り、反対側の綾瀬川にいるたくさんのキンクロハジロとヒドリガモを観察。
 そのまま四ツ木橋へ。橋の手前で行き止まりなので、工事の柵をまたぎ水辺に出、京成線鉄橋までHL団地の庭を経て歩く。HLの人に行き止まりだと教えられたが、強引に行くとたしかに行き止まり。高いフェンスに囲まれた工事現場の中に入ってしまい、無理矢理フェンスを乗り越えて工事用道路に出、さらに下流に向かうとヘドロ地帯で行き止まり。戻ろうとしてわかったが、この道路もまだ工事現場の一部で、正規の歩道に出るにはもう一つ2m近いフェンスを越えなければならない。
 工事現場は高いフェンスですっかり囲まれているから、容易には中へ入れないが、別方向から入ってしまった人にとっても容易には外へ出られないのは困ったものだ。
 そこから、両側をフェンスで囲まれた臨時の歩道を100m下流に向かってようやく水辺に出た。そこが葛飾ハプ橋とその手前のワンドがあるところ。ここから平井大橋までは、大きなワンドや小さな池がたくさんあり、とても良いところ。野鳥もたくさん見られる。
 カワウ、ダイサギ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ多、オナガガモ1、キンクロハジロ多、ユリカモメ多、ウミネコ、セグロカモメ、キジバト、ハクセキレイ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ多、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ多、ハシブトガラス。

1月28日 八高線鉄橋〜羽村堰の多摩川右岸
 晴れのち快晴、積雪5〜10p
 西暦2000年の多摩川を記録する運動、第5回一斉調査。前日の大雪で、河原にはほとんど人影がないので、利用実態調査の意味をなさないが、こういう日は野鳥や野生動物の足跡が見られるので、楽しい。遠望の山々もよく見えた。
 ふだんまったく立ち入れない滝ヶ原周辺の藪や永田地区の湿地などがすべて雪で覆われているので自由に歩ける。ノウサギの足跡を見つけたり、小さな池や小川をたくさん見つけたりした。雪で餌が取れないので、野鳥が集まるところが限られているせいか、多くの野鳥を間近に観察することもできた。
 日野堰上流護岸工事終了。拝島橋珍しくHLゼロ。睦橋上流右岸釣堀22人。多摩橋補強工事地味に。永田地区植生管理調査4人。羽村大橋補強工事左岸作業中、同右岸休み。超望遠レンズを構えるカメラマン各地に6人。雪滑り遊びの親子3組。
 カイツブリ2、カワウ5、ダイサギ1、コサギ3、オオバン1、マガモ2、カルガモ多、コガモ5、オナガガモ1、イカルチドリ2、セグロカモメ1、トビ2、キジバト多、カワセミ1、アカゲラ1、コゲラ1、ヒメアマツバメ10、キセキレイ、ハクセキレイ1、セグロセキレイ多、タヒバリ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、アカハラ、ツグミ多、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ多、カシラダカ多、アオジ多、カワラヒワ多、スズメ多、ムクドリ多、オナガ、ハシブトガラス多、ソウシチョウ3。

1月18日 小作堰〜羽村大橋の多摩川右岸
 八王子では連日氷点下8度の寒い日が続いているが、日中は快晴で暖かい。遠くに富士山や丹沢山塊、奥多摩連山などがくっきりと浮かび上がっている。
 小作堰から阿蘇神社までの間の左岸は、途中に水量の多い用水が2本入っているのでふだんは立ち入りが困難だが、冬枯れの間はなんとか歩ける。堰(現在堰上流で浚渫工事中)から約100メートル下流に簡易の橋がかかっていて中州に入れる。小川に沿って下って行くと途中から水が増えて歩けなくなる。強引に高台に出ると、意外にも砂利河原が広がっている。背丈の低いヤハズソウなどが生えていて、河原植物がありそうな気配だったが、見つからなかった。冬でなければ絶対に歩けないようなアシやカナムグラなどが密生している深く広い中州をひたすら下流に向かって歩いて行くと、突然の侵入者に驚くキジやアオジなどが飛び立つ。終点は先ほど橋で渡った用水で、冬でもかなり水量が多い。ここをエイヤッとばかりに飛び越え、草むらを踏み、阿蘇神社の前に出た。
 羽村大橋上流左岸では、耐震補強工事用車両の進入路を建設中。草地の上にシートを敷き、その上に砂を撒いて道を造っている。真面目にやっている。堤防上も工事用に使用するらしく、柵を立てている。歩行者は堤内地側小段を歩かせられるらしい。右岸の魚道補修工事はなかなか派手だ。大橋の耐震補強工事は柵を設けて工事区域を越えないようにされている。その下流、水が浸みだしているところは、寒さで凍って光っている。永田橋上流右岸の環境維持工事は左岸から見る限りまだ始まっていない。
 カワウ1、コサギ2、マガモ3、カルガモ2、コガモ2、ユリカモメ2、トビ4、キジ3、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、オナガ、ハシブトガラス。

1月14日 久地地先の多摩川
 川崎市が建設している多摩川河川敷パークゴルフ場を視察。ゴルフ場は2ブロック。1ブロックの長さが300メートルほどあり、開業すると土手から水辺方面に出るアプローチが阻害される。これまで「ワイルドフラワー」の公園があったところだから、前と変わらないという意見もあるが、自由使用が原則のはずの多摩川もまだまだ一般市民にとっては不自由だ。休業中は立ち入りできるようにはなっている。また、リバー・コリドー(緑の回廊)が造成され、多摩川に生えている木を植え野鳥や昆虫が多少は棲める工夫をする予定。
 当地は、藪の奥にグラウンド使用者のための駐車場があるため、人出の少ない日などに廃棄物を捨てる者がいるらしく、ゴミが散乱している。車で搬入したと思われる廃棄物以外にも小さな紙屑やビニールがたくさん散乱していて、とにかく汚い。ゴルフ場を造る前にまずこれらの廃棄物を処理すべきだと思う。占用者である川崎市は管理不行き届きを改めることが条件のはずなのだから。
 ここで越冬しているらしいヒメアマツバメが20羽ほど青空を舞っていた。冷たい北風が強く吹いていたが、ツバメたちは元気に飛び交っていた。その強風でスモッグが飛ばされたおかげで、東方にふだん見たことがない山並みが連なっているのが見えた。日光連山かもしれない。

1月10日 二ヶ領用水上河原堰から宿河原堰までの多摩川右岸 快晴
 上河原堰周辺は相変わらずカワウが多い。水が少なく堰下の中州に容易に入れるので、河原植物の調査をする。水たまりで子どもたちが小魚を捕ったりしている。対岸はホームレスが増えた。登戸の右岸松林上流も団地≠ネみだが。
 小田急線鉄橋下流のビオトープの観察。この水たまりにいるコサギやカルガモなどは人を恐れず、近づいても無視して休んでいる。サンカクイに冬枯れしているものと青々しているものの2種類あっておもしろい。
 カワウ、コサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ユリカモメ、ウミネコ、トビ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。

1月9日 多摩川流域委員会開催
 多摩川河川整備計画原案草案を審議すべく、多摩川流域委員会が開かれた。いよいよ大詰めということで出席した委員全員が発言したが、こういう議論をさらに煮詰めるために分科会を開くべきだという意見もあったが、法定計画を早く制定して実施の段階で具体的な議論をした方が意味があるし、計画はむしろ事後評価の方が大切だという意見もあり(筆者の意見)、いくつかの修正をすることを前提にして「草案」を承認した。今月末に開かれる流域セミナーと来月初旬に開かれる次回委員会を経て、この原案は審議終了として法定手続き入る予定。

1月8日 片倉
 昨夜からの雪で積雪20センチ弱。(翌日夕方から雨が本降りになって一番続いたが、雪は全然解けなかった。)

1月3〜4日 秩父・横瀬町
 芦ヶ久保に建設計画のある採石場反対のために、地元横瀬町で全戸配布のビラ撒き。この辺の家は点在していたり敷地が広かったり、あるいは込み入った路地に一間しかないような家ありで、さらにまた、郵便箱がみな玄関の脇にあり、しかもその玄関はみな家の中央にあり、などなどで、都会とは比べものにならないぐらい時間がかかる。郵便箱にビラ1枚入れるにも、家の庭奥まで入らなければならっず、正月で家にいる人が多いから、いきおい庭先で何人もの人と立ち話することになる。だが、それが苦痛にならなかった。というのも、目の前に岩肌も露わになった武甲山がそびえている場所だが、意外やほとんどの人が採石場に反対してくれるからだ。採石業者が前町長や町議の一部を買収して事業を進めようとして発覚、有罪判決が降りたにもかかわらず、法律的には許可せざるをえないと言われている。出会った町民は、こんなことは町の恥だと憤っていた。

2001年